活動報告にて案を募集中です。
その案を元に思いついたら書きます。
この話はムッシーさんから頂いた案とレシピです。
ムッシーさん、こんな感じでよろしいでしょうか。
原作死亡キャラ救済あり。
ヴィランだろうと飯はだす。
そんな元とはいえヒーローにあるまじきことを考えちまうのは、こんな店をやっているからだろうね。
ウチは夜に開く食堂だ。
だから客層はどうしてもいわゆる一般人とされる真っ当な者ばかりじゃない。
人によっては眉を顰める水商売を営む者、昔ながらのヤクザ、そして指名手配犯だってくる。
けれど俺は一々通報なんてしない。
襲いかかられてもなんとかできるし、金を払うなら客にかわりはないからだ。
誰だって腹は減る、だからせめて客として来たヤツには飯をだしてやってくれ。
店に入れて貰えない。そんな経験のある、元ヴィランだからこその辛さを知る先代の言葉を俺はそのまま守っていた。
オールマイトのサイドキックだった時になんとかしてやりたかったヴィラン連中がいたってのもあるしな。
オリーブオイルでスライスニンニクを強火で炒める。ニンニクの色が変わったら弱火にして、何度かフライパン全体に回す。缶詰のツナを油をきってから入れる。中火にして胡椒を多めに入れてほぐして炒める。パスタを投下。パスタ全体に絡めたら、ポン酢を投入。強火にして細切れネギを入れ、水分を飛ばしたら完成。
そろそろ店を閉めようと思い、片付ける前に賄い飯を作る。
メインのツナポンパスタに残ってたご飯と豚汁を添える。パスタは普通は主食だがこれはおかずとしてもイケんだよ。
そういえばアイツが初めて来た時に食わせてやったのもコレだったよな。アイツはあの時、ボロボロな姿で腹を空かせながら、右手に僅かな金を握りしめてナニカ食わせてくれと言ったんだ。
トゥワイスこと分倍河原仁。
ヴィラン連合に所属していたネームドヴィラン。
2倍という同じものを二つにできる、使いようによっては無尽蔵に増やせる厄介な個性持ち。
そして、その脅威により公安に始末された男。
「やだねえ、こんな気分は」
客だったヴィランとヒーロー活動の現場でかち合う、それはいつだって最悪な気分になる。
挙げ句にかち合った現場が昔から知っているガキンチョが手を汚す瞬間なんざ、最悪を超えた超最悪な出来事だった。
その場は荼毘の介入で有耶無耶に終わったが、トゥワイスこと分倍河原仁の死亡は確定だと連絡された。
ヒーロー活動の現場で遭遇したら誰だろうと容赦はしねえ。でも他の客と遭遇しねえように閉店間際にコソコソ来店してきたアイツが、これからもう来ないと想像したら自分からナニカが抜け落ちたような気分になったよ。
ガラリと戸が開く音がした。暖簾はまだ下げてなかったか。
顔を上げてもう閉店だよと告げる前に、その客はボロボロな姿で金を握りしめた右手を突き出しながら口を開く。
「コレでナニカ食わせてくれねえか?」
初めて来店してきた時と同じセリフを。
「閉店前でね、賄い飯しかねえよ」
だから俺も、あの時と同じセリフを返してやった。
「それでいい、いや、ソレが食いたい。ずっと食いたかったんだ、アンタが作ってくれたその飯を」
泣きながらだからか声が震えている。それを指摘するような野暮をする気にはならない。
「あいよ」
なんで生きているのか。
どうやって助かったのか。
気になることは、問いただしたいことは山程ある。
けどまあ、俺はもうヒーローではなく飯屋の親父で、此処はヒーロー食堂。
食いたいってヤツには食わせてやるだけだ。
「ツナポンパスタに飯と豚汁だ」
「パスタは主食じゃねえかっ!?」
「うるせえな、スパゲッティサラダとかあるし、お好み焼きだっておかずにすんだろうが」
「ったく。腹が減ってなきゃこんなに食えねえからな」
叩く軽口も前回と同じ。
それで良い。
これが大切なことなんだ。
ツナとニンニクの旨味がパスタに絡み、ポン酢が食欲を刺激する。濃い味付けが白米に合い、合間に飲む豚汁(ほぼ具なし)が口をスッキリさせる。そして胸から溢れる思いは流し込む賄い飯とともに噛み締めて飲みこんだ。
パスタを食い切った後に皿に残ったツナとポン酢とオイルを飯にかけてかっこむこれがまた旨い、最後に豚汁を啜って修了。
「美味かった、美味かったよマスター。ご馳走様」
「おう、お粗末さま」
空の食器を流しに運ぶ。
トゥワイスは食い終わったのに去ることなく此処にいた。そして暖簾を外しに行く俺に言葉を紡ぐ。別れの言葉を。
「自首する気なんだ。あの決戦には参加できなかったけど、生き残った皆は捕まってるらしいし」
「そうかい」
「だから最後に此処で飯を食いたかったんだ。いつだってこんな俺にも開いていたこの店で」
「ウチはドレスコードのある上等な店じゃねえだけだ。客を選んでたら店が潰れちまうよ」
だからトゥワイスが特別だったわけじゃない。特別扱いしないという、当たり前なことしていただけだ。
「それが特別なことだったなんて、気づいたのは死にかけた瞬間だよ」
もっと早く気づいていたら、こうはならなかったのかも知れない。
分倍河原仁はそう溢した。
もっともヴィラン連合の仲間達と出会ったことに悔いはないがなと幸せそうに笑った。
「死なねえ限りは店を続ける。だからまたいつか食いにこい」
「!?」
「賄いぐらいはだしてやる」
「ありがとう、また食いにくる。今度は仲間達を連れて、いつになるかわからねえけど絶対に来る。そして言うんだ、皆に紹介するんだ、此処は最高の飯屋だってなっ!?」
到着した警察官に手を引かれながらトゥワイスはそう言った。
「いや多分ヴィラン連合の連中は全員来たことあるからな」
紹介する必要はねえな、うん。
リスト見た時に知った顔ばかりで驚いたわ。
「そうなのかよ!?皆教えてくれよ!?」
トゥワイスの叫びが朝の日差しの中に染み入るように響いていった。
来店の約束。
それがあるから店を続けようと思う。
こんな風に死に別れたと思った知り合いとも再会できるしな。
分倍河原仁。
なぜか生きてた。
理屈は不明、覚醒とか色々あるんじゃないかと。
トガちゃんへの影響やあれこれは案が来たり思いついたらなんとかします。
ホークス。
一応顔見知り、詳細は未定。
マスター。
超常解放戦線との決戦にも参加。
原作死亡キャラの何人か救ったりした。
詳細は未定。
先代店主。
元ヴィラン。
客を区別しない主義。