ヒーロー食堂   作:規律式足

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 原作最終話までの空白を埋めるのは君だ!!
 活動報告にて案を募集しています。
 この話はジャックマン二さんからの案を元にしています。こんな感じでよろしいでしょうか?
 ただ書いてて楽しいネタなので、また別の料理でやります。



七話 上鳴電気&峰田実とイクラ丼

 

 こんな商売をしていると困った注文をされることがある。

 それが珍しい物や初めて知る物ならまだいい、最近のスマホは調べればレシピとかすぐでるし、近所の二十四時間営業のスーパーは割となんでもあるからね。

 ただ一番困るのは食べたい物の名前を出さない注文だ。いや「ガッツリしたモノ」や「胃に優しいモノ」なんかなら大丈夫だよ?

 でもさ「今の気分にあったモノ」とか「彼女に相応しいモノ」とか知らんがなって思うよ。

 けどこんな時間に営業してると割とある注文でね。だから似たような注文をされるBARなんかにどうしてるのか飲みにいくついでに相談しているね。そうそう倉庫街の片隅にある「レモンハート」ってBARはオススメだよ。人の良いマスターが無理な注文にも答えてくれて楽しい夜を提供してくれる。

 

 

 けどコイツラにはまだ酒は早いんだよなあ。

 

「峰田、爆豪の話だと此処は注文したらなんでもだしてくれるらしいぜ」

 

「まじかよ上鳴。なんでもってアレかオッパイプリンもか」

 

 ソレは時間はかかるが出来るんだよなあ。この間来た客が手製の型十種類以上置いていったから(その人は後日裏ビデオ販売で逮捕された)。

 

「なら頼むモンは一つだな」

 

「ああ勿論」

 

 すると雄英高校3年、ヒーロー仮免許保持者であるチャージズマこと上鳴電気と、グレープジュースこと峰田実は口を揃えて注文する。

 

「「異性にモテる料理をお願いします!!」」

 

「ねえよそんなん」

 

 そんな料理は無いから。

 レモンハートのマスターも(酒だけど)そんなのあったら自分で飲むと言ってたな。

 

「そんな、注文したらなんでも作ってくれるって」

 

「材料あればな」

 

「爆豪にはなんでも出してくれるのに」

 

「店を畳んだ中華屋とカレー屋から残った香辛料を大量に譲られたからだよ」

 

 そうじゃなきゃ断るわ、あんな極辛料理。

 

「しかしどうしたよ男二人で。チームアップでもしたのかい?」

 

「「休日なんでナンパっす」」

 

「結果は見ての通りか」

 

 こんな商売してるとよく居る客だな。

 ナンパ失敗の傷心飯会か。

 

「ねえ頼みますよーマスター」

 

「オイラ達にモテる力を分けてください」

 

「他ぁ当たれ」

 

 必死に縋り付いてくる若人達。

 なんで俺を頼るんだか。

 

「オールマイト先生が教えてくれたんです」

 

「マスターってサイドキックの時にメッチャモテまくりで取っ替え引っ替え女に手を出してたって」

 

 ああだからか。そらそんな風に端から見えてたよなあの時は、でも真実はなあ。

 

「シバいたろか元上司」

 

 たく、どんだけ対処が面倒だったか。

 

「え?なんか怒ってますマスター」

 

「怒りたいのはオイラ達だぜ」

 

 当時を思い出し少しばかり苛つく、身体から殺気手前の気迫が溢れてしまう。すると感覚の鋭い上鳴はビクリと反応する、峰田は嫉妬が強いようだが。

 

「俺がオールマイトのサイドキックだった頃は、オールマイトの全盛期であると同時に、オールマイトの個人情報に一番価値があった時代なんだよ」

 

「緑谷とか詳しそうな話だ」

 

「ブツブツ言い出すから居なくて助かったぜ」

 

 彼のその癖はすっかり世間に周知されている。なんか必死過ぎて怖いから、見るとヒッて声を上げる人が続出してるとか。ただ意見としては参考になるから、わざわざ録画して文章におこす同業者やヒーローファンも居るそうだ。

 

「けどワンフォーオールの詳細は世間に知られるわけにはいかないから完全に秘匿していたんだよ」

  

 サイドキックである俺とサーナイトアイ先輩は知らされたが、事務所の経理担当や事務員には秘密だったしな。

 

「それとモテるのになんか関係あるんすか?」

 

「オールマイトの話じゃん」

 

 いやだからさ。

 

「値千金なオールマイトの情報を得るためにハニートラップの標的にされたんだよ俺は」

 

「「うわああ」」

 

 オールマイトは、本人が迂闊でめっちゃ抜けてる性格でポロっとヤバい情報零すタイプだが、周囲からしたら画風もあって近寄りがたかった。

 もう一人のサイドキックであるサーナイトアイ先輩はユーモア第一主義の癖に、外見は堅物サラリーマンを体現したような存在だから。

 必然的に狙われるのは俺一人だ。

 事務員達が何も知らないというのはすぐに知れ渡ったからな。大概のヒーロー事務所でも戦闘力の無い事務員に重要な情報は知らせないもんだし。

 

「つまりマスターは」

 

「そんなヒデェ」

 

 当時の俺がどんな状況だったか察した二人は青褪めてから同情した視線を向けてくる。

 

「迫ってくる情報狙いの美女達を毎日美味しく平らげてたよ」

 

 この一言で椅子ごとひっくり返ったけど。

 いやあ楽しかった。

 演技である仮初のモテ期だったが、そうと事前に理解していれば楽しい一時よ。

 

「「堪能してんじゃねえか」」

 

 モテない男子二人の魂の叫びだねえ。

 どんな仕事にも役得ってもんはあるからな。

 

「巫山戯んなよ。そこはハニートラップだと知って落ち込むトコだろうがよ!?」

 

「アナタに好意なんて抱いて無いわっ!!欲しいのはオールマイトの情報だけよっ!?(峰田裏声)って地獄に突き落とされるシーンだろうがっ!!」

 

「雄英の同期に「好意増幅」の個性持ちの女王様系のヤツがいてな。慣れてたんだよ」

 

 同期の男共を手玉にとりハーレム築き上げて下僕としてこき使ってた。

 まあ結局、雄英卒業後に真実の愛を知ってあっさりヒーロー辞めて、確か今は夫婦で米農家だっけか?

 

「むしろ別れるのが面倒で面倒で。本気になったから別れたくないとか、ハニートラップだったのは謝るからとかしつこいのなんの」

 

 今更信じれるかっての。

 

「「アンタ実はヴィランだろ」」

 

 女誑しがヴィラン認定されるのは個性使用しているかどうかだから俺は問題無し。

 

「ハニトラ対策は大手ヒーローには必須だからきちんと学んでおけよ。エンデヴァーみたく人を寄せ付けないキャラ作りも一つの手だな」

 

「「だからモテたいって言ってんだろうがァ!!」」

 

「ホレ、モテる料理は無いが傷心時に丼飯をかっこむに限る。イクラ丼でも食っとけ」

 

「あ、普通に美味そう」

 

「なんでイクラ丼?」

 

 なんでってそらあ。

 

「単に余ってたからだけど」

 

 知り合いに送られたはいいけど、今日はあんまりでなくてね。

 

「「理由はないんかいっ!?」」

 

 海鮮丼よりかっこみやすくていいじゃねえか。

 でも強いていうなら。

 

「お前らは卵のまま終わんじゃねえぞ」

 

 相手がいないまま終わるなよって感じで。

 

「「余計なお世話だぶっ倒すぞ!!」」

 

 ま、若人はこんな風に元気に噛みついてくるぐらいがちょうどよいさ。

 

 

 

「でも上鳴は耳郎と良い感じじゃなかったか?」

 

 この間二人で来たよな。

 

「え、いやあソレは」

 

「表でろ裏切り者。久方ぶりにキレちまったよ」

 

 男の友情が終わる瞬間はいつも切ないな。

 





 マスター。
 女関係を割り切っているため、線引がきっちりしているタイプ。

 上鳴電気。
 休日にナンパ。結果が結果だから寮よりもこたらで食事に来た。
 耳郎との関係は、ただ食事しただけだから。

 峰田実
 休日にナンパ。モテる秘訣を聞きにきた。
 友人の裏切りに激怒。

 マスターの同期。
 個性により男を支配してランキングトップを狙っていたが、個性が通じなかった一般男性に恋をしてヒーローを辞めた。
 
 イクラ丼
 話題に一切関係ないメニュー。
 やけ食いの時に食べるモノってなんでしょうか?
 作者は飲めない酒を無理して飲んで倒れます。
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