覚者と世界   作:朱莉

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キャラ別呼称ガバガバすぎて涙目


推理

 

 

 

 

 最近、高畑さんの様子がとてもおかしい。

 しかもその変化は唐突に、先週までは普通だった筈なのに、今週から別人になったかのように寡黙になった。挨拶をしても素っ気ない声を返すだけ、普段仲の良い千雨さんに聞いても知らないそうで。一言気になったことがあるとすれば、確証はないが、エヴァンジェリンさんに会いに行ってから可笑しくなったそうで……。メールで相談があると言われてた私と真名は二人で首を傾げるしかできない。いや、一度、真名の方には相談と言うには物騒な事を話していた。確か、素顔を隠すには覆面が良いよねと。謎が深まるばかりである。千雨さんは普段着ないような服を買い漁っているという現場証拠も撮られていて、事件の香りしかしないのは止めるべきなのでしょうか。

 頻繁に学園長室にも向かうようになっていたので、詳細を求めて真名に行ってもらう事になってます。高畑先生も特に聞いてないようで思い当たることも少ないと言っていました。

 

 ネギ先生にも聞いてみたのですが、ユキさんとは会話できなくて嫌われたんじゃとかそういった心配はしてましたね。会話もなく嫌うことはしないと思いますが不安になっていたようでした。以前あった宿泊に関しても嫌な顔はしてなかったと記憶してますし。ただ、話を聞いていくにあたって、エヴァンジェリンさんの話になると苦笑を洩らしてました。何かあったのでしょうか、今は関係ないと思うので記憶の隅に残す程度でいいでしょう。

 

 

 いや、一つ違うところがありました。エヴァンジェリンさんとの会話を一方的に切る場面は何度か見ました。普段の高畑さんなら絶対にしないことだったのでよく覚えてます。直ぐに思い出さなかったのは未だにその光景を信じたくない故でしょう。その時のエヴァンジェリンさんはうちひしがれたようにしゃがみこんでいたし、茶々丸さんは嬉しそうに笑っていて、なにが何やらな光景でした。

 真名には一応、口での会話を盗み聞いてもらっているところだ。

 

 

「まぁ、ほっておけば良いだろうさ」

「……理由は?」

「ユキが楽しそうにしてるからだな。ほら、妄想してるときに百面相するやつがいるだろ? いいんちょの奴が良い例だ。てか、いつもストレス貯めてばっかなんだから少しは発散させてやろうぜ」

「理解できなくもないですが」

「事実を聞きたいって言うのは解る。かなり気になるよな。……けどさ、私だけ知らないでお前らが知ってることがある──として、それを話してくれ。と言われて答えれるか?」

「それは……確かに言えませんが」

「ホントにヤバイもんの区別はユキにだってあるだろ。言ってて不安になるが多分」

「それもそうですね。もしもダメそうなら此方で協力して止めます。相手はがわからないので先手は取れませんが」

「は?」

「どうしたんです?」

「あ、いや、何でもないぞ。気にしないで良い」

 

 

 私の一言で千雨さんは首を傾げるが、何でもないと直ぐに頭を振った。そうしていると真名が合流する。

 

 

「おや、話は終わってしまったのか」

「龍宮、首尾は?」

「変わりないな。私たちのように一方的に会話を切ってる。相手側の方からは『私が何をしたんだ』的な言葉を耳にしたが、それ以上は……」

「十分じゃねーかな。っとなると……ネギ先生がこの前風邪で休んだエヴァンジェリンに何かやらかして、その後にエヴァンジェリンに会いにいったユキが何かしらやられて……ってのが妥当かね」

「えっ?」

「あぁ、私もそう思う。ネギ先生が関係ないとなるとそうなるな。茶々丸は知ってはいるが話してくれはしないだろうし」

「……えぇ?」

「あとは私は関わらない方で。任せていいか?」

「あとで何か奢ってもらいたいな」

「超のとこでデザートくらいでいいか? ユキが行きたがってたんだ」

「それは良いことを聞いた。暇な日に合わせてくれると助かる。ユキとの食事は見ていて飽きないからね」

「あ、あのー……」

「じゃ、机戻るから、桜咲に説明頼むわ。報酬となると龍宮だけで辛いからそこは理解な。言えそうなのは協力すっからそういうことで」

「あぁ、任されたとも」

「……」

 

 

 今までの会話でそこまで理解できるとは……もしかして、もしかすると、私の考察は無駄だったのでしょうか。

 

 

「とりあえず刹那は護衛の合間にユキの行動を見ていてくれると助かる」

「……」

「推理話なのだから得手不得手がある。不貞腐れるな」

「それはそうですが……」

「君も一緒に参加できるようになると良いな」

「それはそうですが……」

「聞いているのか?」

「それは……はぅ」

「はぁ……考えるのは此方の作業だ。聞き分けの良い協力者もいるのだから私たちも迷惑にならない程度にサポートしようじゃないか。そうだろう?」

「指示は任せますよ。とだけ」

「不貞腐れるなと……あぁ、任されたともさ」

 

 

 慰められるかのように背中を叩かれ席に戻る。

 何故でしょう、同い年な筈なのにこの差は。とても負けた気分になる。その分別の、自分の得意分野で力を示せば良いだけなのですが釈然としません。完全敗北した気分と言えばいいのか、この、なんだろうか、変な感覚を形容できない。

 

 

 

 







 刹那さん視点でした。ポンコツせつなん爆誕してるけど気にしないで下さいまし。
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