覚者と世界   作:朱莉

5 / 28
はかりごと

 

 

『ユキ。苗字や名前の概念はなく名前を聞かれ即答。

 性別は女性。年齢も不明。外的年齢は14、しかし見た目通りではないとのこと。

 魔力量不明。出身地不明。身体能力未知数。

 鬼の襲撃を一撃の魔法の矢にて殲滅。

 同日、魔法生徒との接触、戦闘も無傷にて逃走。

 麻帆良の結界があるのにも関わらず認識阻害や言語に変化が見られない。

 対魔力障壁に関して才あり。

 現代社会に疎く機械を知らない。曰く『おとぎ話の登場人物』

 また、動物に関しても疎い。家畜の存在は知っていたがペットの概念を知らなかった。

 弓術、武術、剣術、杖術に心得あり。しかし柔術に関しては存在すら知らなかった。

 正座ができない。

 日本語を学ぶのを嬉々としている。

 りんごとぶどうが好物。』

 

 

 わからないことが多いだろうからテキトーにと頼んだ結果こうなった。いやいいんじゃけども。正座より後半情報としてどうなの? いやいいんじゃろうけども。

 ちなみに名に関しては、これ以外になかったと意味深じゃった。

 戸籍のことで丁度思い悩んでいたからこれ幸いと彼女を呼び出し質問する。

 もともと日本人らしい名前で良かったわい。

 

 当たり障りなく、勘の良い彼女に悟られんようにワシは問いかける。

 

 彼女はよく言えば素直な子、悪く言えば言いなりになる子じゃった。

 それと覚者じゃったか。初めて証明してもらったときはその行動に度肝を抜かれたわい。いろいろな意味で。

 意図を悟られないように質問を終える。交渉事よりもこういったことの方が慣れないから疲れるのぅ。

 ワシの関係者にするよりタカミチの知り合いということにしようかの。本人もそれを望んでおるようだし。なにより先生方にも説明がしやすい。

 父のように慕っておるから恋愛に発展することもなかろう。いや実際に父さんと呼ばせてみようかの? ふぉっふぉっふぉ。

 

「その笑い方、嫌いです」

 

 素の表情で言われた。しかも覚えたての日本語でハッキリと。思わずワシの時が止まったものと錯覚するような破壊力だった。ワシ泣かない、だって男の子だもん。

 部屋から出る時にゴミを見る目で去っていった。ワシ笑ったの心の中のはずじゃよ? なんでわかるの、いやそもそもそこまで否定的に言わなくてもいいじゃない。

 

 彼女が去って気を取り直そうと書類に目を通せば見慣れない紙がひとつ、無造作に置かれていた。慣れない字で必死に書いたのであろう文字はこう書かれていた。

 

『でも、学圍長先生は好きです』

 

 素直に嬉しいんじゃが、園の字がちと惜しいのう……。

 

 

 






べ、べつに名前が同じだからって結婚とかそういう関係じゃないんだからねっ! 勘違いしないでよね!

特に深い理由はないです。

言葉と文字をほとんど覚えました。 → でも漢字は苦手。

麻帆良結界の効果 → どくじせってい

主人公の好物 → あっちの世界でよく食べてor飲んでいた物

武術に心得 → 竜は多分無理だけどある程度は素手で出来ると思う
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。