覚者と世界   作:朱莉

6 / 28
コンヴェンション

 

 

「あの子達に会える? 本当?」

「あぁ、本当だとも。それに彼女たちと同じクラスになるよ」

 

 そうタカミチから説明を受けたときは両手を組み合わせて喜んだほどだ。学んだ日本語はまだ片言だけど初めて伝えるのは彼女たちにって決めてたし。

 

「それは何時から?! すぐじゃなければちゃんと勉強しないと!」

「焦れば焦るほど上手くいかないよ。ちゃんと復習はしたかい? そういえば漢字のほうはどうだい?」

「それなりだよタカミチ。やっぱりひらがなの方が楽だけど覚えたほうが楽しいね」

 

 まだ綺麗に言葉を喋ることはできないが、読み書きはうまくいった……と思う。

タカミチが言うのは……だから学園生活でどうなるかは一切不明。

 

 覚者として生を受けた私が、学校という施設にて異国の言葉を学び生活する。

 今思えばとても嬉しいものだった。輪廻に囚われることもなく過ごせるなんて思いもしなかった。

 

 聞けばクラスメイトというのは同じ部屋にて一緒に学ぶ人たちを言うのだそうだ。

 それと疑問に思うことは多々あるだろうけどあまり詮索してはいけないとも言われた。

 魔法に於いてはバレれば罰が与えられると、では覚者は……というか心臓がない時点で嫌われるか。人は人と違う部分を嫌う生き物だから。

 

 麻帆良には常識と非常識の境界を曖昧にさせる結界が張ってあり、なんとか誤魔化しているそうな。本来なら言語の違和感をも作用されるらしいけど私には効果がないらしく、そのため日本語を学んでいる。

 というよりも部外者を受け入れてくれるだけでも私としては素晴らしいと思う。

 だって言うなれば私は異物なわけで、非常識で、化物だから。

 

 

 

 

 会わせたい人がいる。そう言われやってきたのは学園長室。

 私が入るクラスに関しての注意事項だとか、エヴァと呼ばれるタカミチの知人との顔合わせが主な内容だった。

 警備にて起こりうる問題を排除するとのことで行われたそれに私は重い足取りで向かうのだった。

 

 学園長室に入れば人形のような金髪の少女と、耳にアクセサリー(?)を付けた召使いの格好をした女性が居た。

 そしてその二人と視線が交わる。

 

 人形のような少女は私を品定めするように見つめ、もう片方は軽く会釈をしてくれた。

 とりあえず何も反応しないのは失礼なのでこちらも軽く会釈を返しておいた。

 

「あぁ、来たようじゃの」

「遅れました」

 

 小学、中学、高校とある程度説明を受けて私は中学というのに配属されることとなった。そしてタカミチの知人はとある理由で同じクラス。

 そのクラスは元気が溢れかえっているのが普通という、ちょっと他よりはだいぶ浮いた印象のクラスのようだ。

 元気がありすぎてタカミチ含む先生方が手をやいているほどらしい。

 

 人形のような少女は人形遣いの吸血鬼らしい。彼女は魔法世界に於いては有名で名を知らぬ者はいないほどだそうだ。人形のように別嬪だと思ったけど人形師だとは思わなかった。吸血鬼の弱点はある程度克服しているらしい。なにより閃魔光を受けていたのにも関わらずダメージがなかったのだ、相当素晴らしい吸血鬼なのだろう。人の味方もしているみたいだし。(本人は乗り気ではなさそうだが)

 

 そしてその隣にいる少女。人だと思っていたけど人形? らしい。正確には機械人とかなんとか……そもそも機械ってなんだろう? 時計とかいう硝子と鉄でできた箱とかと同じってことだろうか。

 疑問ばかり浮かんでいる私に見かねたのか、少女はからくり人形のことだと説明してくれたのだが……からくり? あぁごめん、説明してくれたのにも関わらずわからなくてごめん。

 

 こいつ本当に大丈夫か? みたいな目で見られましてもね……。

 

 そんな私に見かねたのかタカミチが「風車のように特殊な仕掛けで動いているんだよ」そういって助け舟を出してくれた。

 なるほど。

 

「おまえ、なかなかにやるそうじゃないか。きいたぞ? あの小娘の狙撃を完全に避けたそうじゃないか」

「狙撃? あぁ、あの時の不思議な遠距離攻撃。弓でもなく魔導弓でもない変な遠距離攻撃」

「なんだおまえ銃も知らないのか? よもや私よりも時代錯誤の人間がいるとはな……いや人間ではなく覚者だったか」

「銃?」

 

 私の問いが心底可笑しかったのかエヴァはくつくつと笑う。

 首を傾げる私に気をよくしたのか何でもないと手を振り私の問いに答えてくれた。

 へぇ、便利な武器があるんだなー……。

 

「よしっジジイ!」

「な、なんじゃい」

「こいつ借りてくぞ。茶々丸、行くぞ」

 

 言うが早いか私はエヴァは私の腕に自分の腕を絡めて校長室から私を連れ出した。

 引きずられかねない強さで引かれる手に負けないように付いていく私を学園長は心配そうな視線で追うのだった。

 

「ちょっ、学園のお話するんじゃ!?」

 

 焦る私を見て何故か微笑んだエヴァは走る速度を上げるのだった。……なぜに。

 

 






今のうちに言い訳しておくと私が描くエヴァは何か可笑しい。
なんか妙に幼いというか、まぁ可笑しい。

主人公が気に入られました。

エヴァが閃魔光を受けても平気。 → 距離を放す、若しくは遮蔽物で最初の光を防げば。

主人公は機械とかの文明の利器に関しては理解しにくいようです。

階段探すのが面倒でべちゃりとか言うのも気にせず高いところから落下して移動していた私の覚者は化物でじゅうb
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。