見たまえ!青ざめた血のアーカイブだ!   作:めろんムーン

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規約的に感想返信でネタバレはできないんですがこれだけは言えます
まだ『エデン条約』ですよ?

原作最新を見たのですがヒナさんが……
これ強化ヒナやばいことにならない?本気でピーピーピーボボボボの悪夢が……


104.逃走劇

 

 

 

 空崎ヒナの登場により、盤面は完全にひっくり返った。

 戦力の大半は剣先ツルギを抑えるために注いでいるうえ、もし今の手持ちをヒナに向けたとして先ほどのように一瞬で制圧されるのが関の山。

 ミサキにとっては既にヒヨリが一蹴されたことは伝わっていたが、こうも早くこちらに辿り着くとは想定もしていなかった。

 

 

「正義実現委員会、行くわよ。先生を守り通す」

 

「……わかりました。不快ではありますが、一時協力しましょう」

 

 

 この状況でゲヘナがどうの、トリニティがどうの、などとは言っていられない。

 ハスミも仕方なく、先生を守るという目的の一致でヒナに頼ることを決意した。

 

 

「先生、今はティーパーティーもシスターフッドもトップが発見できていない状態、なら何とかできるのはあなたしかいません……!」

 

 “っ、うん。任せて、どうにかしてみせる。そのためにも……”

 

「まずは、ここを突破ね」

 

 

 先生脱出のための鍵は、全て揃った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

15:10:通功の古聖堂近辺

 

 

「調印式会場が爆破されたと聞いてきてみましたが……なんですか?この変な幽体は。聖杯でたまに見かけるやつとは違うみたいですが」

 

 

 襲いかかってくる聖徒会を一太刀で幾人も切り捨てる、一人の少女。

 彼女は暇つぶしで散歩していたが、爆発を目撃しどうせならとここまで歩いてきていた。

 

 

「……カオリさんはここに参加してるらしいですけど、還ってますよね?」

 

 

 そんなことを言いながら、襲いくる弾丸をものともせず切り捨て、彼女は古聖堂へと歩いていく。

 上位者たる彼女にとって銃弾など脅威でも何でもないが、飛んでくるものはうざったい、ただそれだけの理由で、そしてそれを為す技量があることで、銃弾を斬るなどという行為が行われていた。

 

 

「ま、カオリさんが気にしてた先生は助けてあげますか」

 

 

 必死な形相で『聖徒会』が足止めしようとするが、一瞬たりともその足は止まらない。

 ()()()『聖徒会』が積極的に襲いかかってくるのを鬱陶しく思いながらも、少女は足を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

15:15:通功の古聖堂外

 

 

「キリがないわね……撃っても撃ってもまた出てくる」

 

「だんだん数が増えているような……」

 

「風紀委員長がいるからまだどうにか保っていますが、いなければ……想像もしたくありませんね」

 

 

 三者三様の言葉の中、先生は敵陣を見渡す。

 先程から追跡されているミサキに加えて、いつのまにかスナイパー……おそらくヒヨリという子も、追いかける部隊に加わっていた。

 

 そして今まさに、別の二部隊も合流しようとしていた。

 

 

「どうして風紀委員会も正義実現委員会も委員長が無傷なの」

 

「おかしいですねぇ……強すぎますねぇ……理不尽ですねぇ……」

 

(スッ、スッ)

 

 

 ミサキ、ヒヨリ、そしてアツコ。

 三人の前に、そして先生の前に……一人の少女が現れる。

 

 

「追いついたぞ、シャーレの先生」

 

 “……アリウススクワッドのリーダー、サオリだね”

 

「如何にも。ようやく会えたな……アズサが世話になったと聞いた」

 

 

 サオリは忌々しそうにヒナと先生を見比べると、拳を握りしめる。

 そして先生を睨みつけながら、『ユスティナ聖徒会』を指し示す。

 

 

「我々はトリニティに代わり、この『通功の古聖堂』で条約に調印した。私たち『アリウススクワッド』が、楽園の名の下に条約を守護する新たな武力集団……『エデン条約機構(ETO)』になったのだ」

 

 “……そんなことが”

 

「これは元々、私たちの義務だった。本来ならば第一回公会議の時点で、私たちが行使する当然の権利……だがそれを、トリニティが踏み躙った。私たちを紛争の原因、すなわち『抑圧対象』として定義し、徹底的に弾圧を行なった……」

 

「しかしこれからは、『アリウススクワッド』がエデン条約機構(ETO)としての権利を行使し、『鎮圧対象』を定義し直す。ゲヘナ、トリニティ……この両校こそエデン条約機構に反する紛争要素であり、排除するべき鎮圧対象だ」

 

 “それは、つまり……”

 

「トリニティとゲヘナを、キヴォトスから消し去る。文字通りにな……この条約の戒律、その守護者たちと共に。貴様らは第一回公会議以来、数百年に渡って積み上げられてきた恨み……私たちの憎悪を確認することになるだろう」

 

 

 確かに無限に近しい数を揃えられる戒律の守護者たちならば、ヒナやツルギのような強者を倒すことはできずとも一般生徒たちを倒すことくらいならばわけないだろう。

 その性質を活かせば持久戦も可能だ、十分な脅威になり得る……同じ思考にたどり着いたのか、ヒナも苦い顔をしていた。

 

 

「しかし、残念だ。ビルゲンワースにも報復の機会を得られたというのに、監視に確認させてみれば当の本人は既に()()()()()

 

 “っ!!”

 

「ビルゲンワースは我らアリウスをトリニティの中でも特に弾圧していた外道の一派だ……まずは奴らからと決めていたのだがな」

 

 “サオリ……!君は……!”

 

「計画の支障になるのならば貴様かビルゲンワースか、と()()は言っていたが、当てが外れたらしい……無駄話は終わりだ」

 

 

 サオリが手を挙げ、それと同時に周囲を取り囲む聖徒会が先生へと照準を合わせる。

 流石のヒナといえど、全方位逃げ場無しの状態で一発当たれば死にかねない先生の防衛をするのは不可能に近く、場に緊張が走った。

 

 瞬間。

 

 

 

()()()()

 

 

 凄まじい剣閃と共に、周囲の聖徒会を切り裂きながら一人の少女が現れる。

 その斬撃は全方位を区別なく切り裂き、包囲網を一瞬にして瓦解させた。

 

 

 “っ!ヒトミ!”

 

「貴様はっ……!死んだのではなかったのかっ……!」

 

 

 先生とサオリが同時に声を上げるが、当の本人は涼しい顔。

 ビルゲンワース啓蒙学院一年、月乃ヒトミ。

 新たな戦力が、ここに投入される。

 

 

「死んだ……?ああ、カオリさんと勘違いしていますか?私は月乃ヒトミ、カオリさんの妹です……どうぞ宜しく」

 

「知ったことかビルゲンワース!今ここで息の根を止めてくれる!」

 

 

 サオリの叫びと共に、全ての戦力がヒトミへと向けられたその隙を、ヒナは見逃さなかった。

 

 

「セナ!!こっち!!」

 

 

 ヒナの声に応えるように、一台の救急車が現れ、中から救急医学部のセナが現れた。

 彼女は先生たちに手を差し伸べると共に、叫ぶ。

 

 

「皆さん、乗ってください!」

 

 

 セナの声に応え、四人は急いで救急車に乗り込む。

 それに気がついたサオリだったが、目の前のヒトミを無視できず、あえなく取り逃してしまう。

 

 

「チッ、ビルゲンワース……!!いつもいつも、私たちの邪魔を……!!」

 

「あなたたちにした覚えがないんですけどね……?」

 

「戯言を!貴様らがやった業を忘れたとは言わせんぞ!貴様らの倫理も心も捨てた殺戮と人体実験の歴史は、我々に刻まれている!!我々が隠れ住む原因となった、元アリウス校舎……()()()()()()()()のこともな!!」

 

「うわ、この世界のビルゲンワースも()()してるんですか?はあ、どこも一緒ですね……というかそんなのと一緒にしないでください、私は正義の狩人様ですよ」

 

「ふざけたことを……!!!!」

 

 

 奥歯が割れるのではないかと言うほどの歯軋りと共に、サオリはその銃口をヒトミへと向けた。

 しかしその直後、背後から足音がし、振り向く。

 

 

「まあ、かかってくるというのならば飽きるまではこちらで付き合ってあげましょう。あなたはお客さんがいますから」

 

「サオリ!」

 

 

 ユスティナ聖徒会にヒトミへの攻撃を任せつつも、サオリが呼びかけに視線を少し逸らせば……そこにいたのは、アリウスの裏切り者、白洲アズサ。

 彼女は全力で走ってきたのか肩で息をしながらも、サオリのことをまっすぐ見つめていた。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

「……アズサか」

 

「どうして、どうして……!」

 

「言ったはずだ。トリニティにも、シャーレにも、お前の居場所はない。私たちみたいな「人殺し」を受け入れてくれる場所なんて、この世界にはないんだよ」

 

「どうして、カオリを……!」

 

「そんな場所があるように見えても、全ては儚く消える……ここ、トリニティのようにな。そして絆されたかアズサ、ビルゲンワースは外道の集まり、全て殺すべきだと散々教わったはずだ」

 

「カオリはそんなものじゃなかった!外道でも、人殺しでも!」

 

「全ては無駄だ。それなのにどうして足掻くんだ、白洲アズサ」

 

「サオリいぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 

 アズサは銃を構え、叫びと共にサオリに突撃する。

 サオリはそんなアズサをみて、仕方がないように目を伏せた。

 

 

「まだ甘い()に酔っているのか……仕方がない、手伝ってやろう……何度でも、その夢から()()()()()()()()来い!

 

 

 ヒトミとアリウス、そしてアズサとサオリの衝突。

 それは混沌とするこの惨状の場において、さらに事態が加速していく引き金となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 下半身が潰された、カオリ。

 アリウスの監視員に脈を測られ、死亡確認がされたのち置き去りにされたそれは、出血多量により既に死に至っていた。

 

 しかし、その身に異変が起こる。

 

 身体の輪郭が崩れ、ゆっくりと薄れていく。

 ゆっくりと、ほどけるように。

 まるで最初から何もなかったかのように。

 白い靄となって、消え去っていく。

 

 

 後に残ったのは、ただの崩れた瓦礫の山だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




オリジナル設定:アリウス海辺校舎

第一回公会議時代、まだ本来のアリウスがあった頃の校舎とその周辺地域。
しかし公会議後の弾圧時代、ビルゲンワースに襲撃され地区全体が使い物にならなくなる程の虐殺と簒奪が行われたとされている。


水鳥乱舞:「知り得たか ミケラの刃 マレニアを」の一句でお馴染み、エルデン最強隠しボスの必殺技。リゲインもあるし月の魔物って隠しボスだしこれ使い始めたらほぼほぼレティナ=マレニアじゃね?となる。
ヒトミ「マレティナですね」カオリ「真名覚えてるやついるのか?」


祝:先生腹パァン!回避
 

ちなみに先生が見たカオリが潰されてるシーンはしっかりスチルあります
消えるシーンは↑のスチルから徐々にカオリが消える演出が入ります

掲示板回はシナリオ前後半で一本ずつ?エデン3章終わってから?

  • エデン3章前後半で一本ずつがいい
  • エデン3章終了後にまとめて一本がいい
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