見たまえ!青ざめた血のアーカイブだ!   作:めろんムーン

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ナイトレイン深度5カンストして、ダスクブラッドの準備万端です
ゾークの中身は美少女ですよね?(啓蒙↑↑↑)
でも先にエルデンの追加DLCと、映画に備えてSEKIROを触らなきゃ……


111.【イズの絆ストーリー】

 

 

 

MomoTalk

_イズ

◀︎
ヒトミさん、少し大丈夫ですか?

 
キッチンの使い方が、よくわからなくて

 

先生_

▶︎
イズ?

▶︎
送り先間違えてる?

 

_イズ

◀︎
あれ

◀︎
ごめんなさい、間違えてました

 

先生_

▶︎
今から行くね

 

_イズ

◀︎
へ?

 

┃絆イベント

イズの絆ストーリーへ
 

 

 

 

***

 

 

 

 仕事を手早く終わらせて向かったのは、トリニティにあるとある家。

 チャイムを鳴らせば、中からすぐに現れたのは金髪の小さな少女。

 

 

 “やあ、イズ”

 

「先生、こんにちは!本当に来たんですね!?」

 

 “うん、困ってたから”

 

 

 この家はカオリ、ヒトミ、イズの家らしい。

 カオリが契約して使っている家に、ヒトミとイズも住ませてもらってるんだとか。

 

 

 “キッチンの使い方だったよね?”

 

「あ、えっと……うん!私が住んでた家は、こんな機械なかったので……!!」

 

 

 なるほど。

 カオリたちがいた外の世界は、私が知るよりも遥かに以前の時代だ。

 IH……どころかコンロも知らないだろう、たぶんかまどとかの時代だっただろうから。

 たしかに、こんなキッチンのあれこれはよくわからないだろうね。

 スマホも慣れてなくて送り間違えてしまったのだろうし、いろいろ支えてあげないと……

 

 

 “じゃあ、まずは──”

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 “──って感じかな”

 

「えっと……うん、わかりました!できます!」

 

 

 メモ帳片手に頷いたイズ。

 これでもうキッチンであたふたすることはないだろうね。

 ついでに、もう少しイズのことを手伝おうか。

 

 

 “せっかくだから、料理も手伝おうか?”

 

 

 私がそう提案すると、イズは驚いたように目をぱちくりさせた。

 そして何かを迷うようにあたふたした後、彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。

 

 

「えっと……もし良かったら、お願い……します」

 

 

 どこかぎこちなさげな彼女に笑いかけながら、私は親指を立てた。

 さて、そうと決まれば作るものを決めなければ……と思ったが、そういえば元々彼女は料理をするために機器の説明をして欲しかったんだった。

 それなら作る予定だった料理を聞いてみよう。

 

 

「えっと、野菜炒めを作ろうと思って……思いまして!」

 

 

 イズが冷蔵庫から出してきたのはいくつかの種類の野菜。

 彼女はそれを手際よく切っていき、私もそれを手伝った。

 野菜を切り終われば、次はフライパンに油を敷いて、野菜を入れる……のだけど、イズはその後にいつまで経っても火をつけない。

 不思議に思っていると、イズの指が震えているのに気がついた。

 

 

 “イズ?”

 

「あ、えっと……火、だよね。つけなきゃ……」

 

 

 それはまるで、火が怖いというように。

 瞳は震え、呼吸が荒くなる。

 そしてその恐怖が、全身に回る……

 

 その前に、私はイズを後ろから抱きしめた。

 

 

「……!」

 

 “大丈夫だよ、イズ。怖くないからね”

 

 

 震えがゆっくりと収まっていき、やがて呼吸も安定してきた頃。

 イズはゆっくりと私の腕をほどき、私の目を見て口を開いた。

 

 

「……ありがとうございます……先生。もう大丈夫です!」

 

 

 そう言って、コンロの火をつけようとするが……手が止まる。

 どうやら彼女は火に対して何らかのトラウマを抱えているようだった。

 

 

 “イズ、ここは私に任せてよ”

 

「先生……?でも……えっと…………はい」

 

 

 イズは私の言葉に申し訳なさそうにするが、結局火に近付けないのか諦めて私に譲ってくれた。

 

 食卓に座ったイズを待たせるわけにもいかないので、サッと野菜炒めを作ってイズのところに持っていけば、彼女は美味しそうに食べてくれた。

 

 

「……先生、今日はありがとうございました!」

 

 “大丈夫だよ、また困ったことがあったらいつでも言ってね”

 

「はい……」

 

 

 落ち込んだ様子のイズだったが、ここで私が何か言っても逆効果だろう。

 今日は切り上げて、一人の時間を作ってあげたほうがいいと感じ、私はシャーレに戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

MomoTalk

 

既読

 

_イズ

◀︎
先生、この前はありがとうございました

 
もしよければ、相談をしたいのですが

 

先生_

▶︎
もちろんいいよ

 

_イズ

◀︎
ありがとうございます、待ってます

 

┃絆イベント

イズの絆ストーリーへ
 

 

 

 

***

 

 

 

 イズは、自宅で待っていた。

 チャイムを鳴らし迎え入れて貰えば、そこにあったのは御中元とかに送りそうな包みの箱。

 

 

「先生、先日は変なところを見せてごめんなさい。まずは今回の相談と合わせてのお礼です!」

 

 “う、受け取れないよ……気にしなくていいからね、イズ。私は生徒たちのために働くのが仕事だから”

 

「でも……」

 

 “どうしてもって言うなら、ヒトミやカオリと一緒にそれを食べてほしいな”

 

「……わかりました」

 

 

 イズはどこか納得がいかない表情ながらも、一先ずはわかってくれたのかそのお礼を引っ込めた。

 律儀というか堅苦しいというか、まだ私との距離感を掴みかねているのかな。

 

 

 “あと、そんなに畏まらなくてもいいからね。気軽に接してほしいかな”

 

「……わかり、ました。できるだけ、硬いのは無しにしま……するね!」

 

 

 まだ難しいようだけど、少しずつ素を出して行けたらいいなと思う。

 イズは何かに縛られているような……強迫観念があるかのような振る舞いをするから。

 私はそれを、治してあげたい。

 

 

「えっと、それじゃあ……相談し、するね!中身は、昨日のことについて何です……だけど」

 

 “うん”

 

「私は前に、このキヴォトスではないところにいて……そこで、人の命を奪ってしまったことがあります」

 

 “……”

 

 

 カオリたちと同じ、外からの少女。

 その少女たちは、私がいた外とは違う……命を脅かし、脅かされる環境で過ごして来た。

 だけど、そんなことを経験して……健やかな精神を育めるわけではない。

 カオリも、ヒトミも、イズも……みんな、何か他の生徒にはない気迫を感じる。

 

 イズの場合は、その気迫の正体が……自身への強迫観念からくる、明るく装っていても感じ取れる張り詰めた空気だったというわけかな。

 

 

「その、人の命を奪う一因になったのが……火、でした。私は、怨嗟と呪いの込められた火を浴びて……それに、魅入られてしまった」

 

「カオリさんと、ヒトミさん……そして……『あの人』に助けてもらわなかったら、私は今も人を……」

 

「だから、私は……助かった今も、火が怖いんです」

 

 

 イズの罪、それを象徴するものの一つとして火があったから、彼女は火に対してのトラウマを抱えていると。

 けれど、彼女の言葉には多分隠されたものがある。

 でもそれは、彼女から言わない限りは……余計な詮索になるだろうね。

 

 

 “……イズは、どうしたいの?”

 

「……私は……克服したい。火の恐さを、わかった上で……火は怖くないものって、知りたい」

 

 “わかった。そしたら……旅行の準備をしようか”

 

「……へ?」

 

 

 怖くない火を、見せてあげなきゃね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

MomoTalk

 

既読

 

_イズ

◀︎
先生、準備ができたよ

 
待ってるね

 

┃絆イベント

イズの絆ストーリーへ
 

 

 

 

***

 

 

 

 イズを連れ、やって来たのは百鬼夜行。

 今日、ここではお祭りがやっている。

 見たことのない景色に、イズも少し楽しそうだった。

 

 

「このりんご、美味しい……!」

 

 

 イズが食べているのはリンゴ飴。

 他にもわたがしだったりチョコバナナだったり色々と甘いものを買っている。

 

 

「……それで、先生。この後は……川に行くんだっけ?」

 

 “うん”

 

 

 イズを連れて川沿いを歩けば、だんだんと人が集まってくる。

 私はいい感じのスペースを見つけ、イズを座らせた。

 間もなくして、川の上空にに小さな光の玉が飛んでいった。

 

 

「あれは……?」

 

 

 イズが首を傾げるとともに、その光の玉は空中で弾ける。

 それは大輪の光の花、炎でできた美しい芸術だった。

 

 

 “あれは花火って言って……人を楽しませるための火だよ”

 

「……すごい」

 

 

 イズは食い入るように花火を見る。

 その目は輝き、魅せられていた。

 色とりどりの花が咲くごとに、彼女の目には恐怖ではなく感動が映っていた。

 花火は様々な形に姿を変え、色を変え、そしてその意味を変える。

 それは、火と火薬を熟知した職人が作り出す芸術品であり……恐怖の火しか知らないイズにとって、その価値観を大きく変えるに足る代物だった。

 

 

「……先生。ありがとう」

 

「火がこんなに、綺麗なものだって知らなかった」

 

「私の炎は、全部を燃やしちゃったけど……」

 

「いつか、私が炎をまた出せるようになった時」

 

「その時は……人のために使う。かならず!」

 

 

 振り向いた彼女は、私にそう言った。

 花火の光に照らされて、そこには眩しいくらいの笑顔が広がっていて。

 私も、その言葉に……笑顔で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

メモリアルロビー獲得

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 




ものすごく大変でした
特殊タグは江芹ケイ先生のモモトーク風レイアウトを使わせていただきました。

メモロビは花火をバックに笑顔を浮かべるイズちゃんです。
おかしいな、雨が降って来たようだ……



この小説も8/27ではや2周年らしいです……
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます……!!
去年は……ナニシテタンデスカネ……
今年は頑張って最終編突入したいなって感じです!!


“──────ついて来れるか”

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