いやー怒られた怒られた。ツルギも俺もスイッチ入っちゃって割とガチな戦いしちゃったからね。
そういやハスミの説教聞き流しながら上位者パワー使ってあれこれしたけど、掲示板見れたな。なかなかいい感じにプレイヤーの印象に残っているのではなかろうか?
あ、ツルギとは意気投合して友達になった。俺も恋愛系の作品はなかなか好きだからね。強さ的にも互角の友人が欲しかったみたいで、とても喜んでいた。
その後連絡端末がないってのが問題になったから、即席で金を作ってスマホを購入した。(本編周回で被った拾い物の仕掛け武器がミレニアムに高く売れた)
あと契約についてきてくれたツルギとモモトーク交換しちゃったぜ!!
さて、そんなこんなで一日が過ぎ、今日は補習授業部との顔合わせだ。明日から合宿だからね。
補習授業部の部室に入る。
“お、きたね……昨日やらかしたんだってね?”
「ああ、先生……なに、あれは軽いコミュニケーションというものさね……ツルギとも仲を深められたことだしね……」
“……そうなのかなぁ……重傷だったって聞いたんだけどなぁ……???”
「今ここに立っている無傷の私が見えないかね……?」
ちなみに装備は初対面でも親しみやすいように、【装備なし】【学徒の正装】【学徒の手袋】【学徒のズボン】だ。シンプルなのはいいこと。顔もはっきり見えるし。
“……うーん?”
納得してないな。まぁ一般人の先生に戦いで仲を深める人種の考えはわかるまい。
“まぁいいや。みんなに自己紹介してね。みんなは狩人の後に自己紹介してもらうから”
「ああ、わかった……」
そうして俺は補習授業部の面々に向き直った。
「初めまして、補習授業部の諸君……私は『月乃カオリ』、ビルゲンワース啓蒙学院から転校してきた生徒だ……ティーパーティーから先生と共に行動するよう命じられていてね、君たちの部活にも顔を出すことになった。キヴォトスの外からビルゲンワースに転校したもので、あまりこちらの常識などは分かっていないが……まぁ、これからよろしく頼むよ」
「は、はい!初めまして!よろしくお願いします!!私は二年の阿慈谷ヒフミと言います!」
おお、ヒフミちゃん。常識人(ペロロキチ)はやっぱいい子だなぁ……
「ああ、よろしく頼む。私は白洲アズサだ」
アズサちゃん……(ᓀ‸ᓂ)<ばにたす ばにたーたむ
「うふふ、浦和ハナコです。よろしくお願いしますね♡」
出たなオープンスケベピンク髪。トリカス嫌いの天才。流石に補習授業部の部室では制服か……初対面で水着は反応に困るからな。よかったよかった。
「……」
「あら、コハルちゃん?」
コハルがハナコの後ろに隠れてる。あれ、君らこの時期にもうそんなに仲良かったっけ?
「わ、私は……私はあんたのことなんて認めないんだから!!」
あれー?なんか拗らせてんなー?
「あの、コハルちゃん……?挨拶くらいは……」
「ふんっ!ツルギ先輩に認められたからって、私の目から逃れられると思わないでよ!この犯罪者!」
あー……憧れの先輩にぽっと出の俺が気に入られたから気に食わないんだな?めんどくさいぞーこれは……
「こ、コハルちゃん!犯罪者は言い過ぎですよ!!」
「そうですよ、コハルちゃん。正義実現委員会の委員長が戦った後に、捕まえていないんですから。冤罪……?だったって話ですし」
「ふ、ふん!知らないわよ!!」
ああ、俺とツルギの戦闘はもう噂話になっている。
曰く、ツルギと俺が互角に戦いを繰り広げた。
曰く、ツルギと俺の戦いは戦車同士の戦いかと思うほどの轟音が響いていた。
曰く、ツルギと俺が暴れたせいで街の一区画が吹き飛んだ。
色々な噂が立ってるけど、それだけツルギと俺の戦いが傍目から見てえげつなかったんだろう。前者二つはともかく、三つ目は流石にしてないけど。
「……まぁ、いいさね。私は私のやることをやるだけさ……」
「少しいいだろうか」
おや、アズサが話しかけてきた。なんだろう?
「なにかね?」
「あなたはあの正義実現委員会の委員長と激闘を繰り広げたという。ぜひその強さを体感してみたい。後ほど模擬戦をしてもらえないだろうか」
「ああ……いいとも」
使う武器は……『銃槍』と『獣狩りの散弾銃』にでもしておくか。二つとも血晶石は取り外して、銃槍は変形後の射撃だけ使う感じで。
流石にアズサに刃物は向けたくないからな……
“そういえば、名前決めたんだね。てっきり外の世界寄りの名前かと思ったけど、キヴォトスの名前の付け方なんだ”
「ああ……郷に入っては郷に従えともいうだろう?そういうものさ……」
そう、今日の朝、名前どうしようかなー?と考えていた時に頭の中に『月乃カオリ』と響いたんだ。啓示ってあるもんなんだなぁ……どこから送られてきたんだろう。この世界を観測してる運営とか?
“じゃあみんな、補習始めようか。カオリはどうする?”
「ふむ、私が力になれることは少ないだろうが……勉強の手伝いでもするとするよ」
その後はコハルやアズサの勉強を手伝って、補修が終わったら先生の立ち会いの元、アズサと模擬戦をした。
なかなか格闘戦や道具の扱いが上手かったけど、ヤーナムステップで翻弄して無事に俺が勝った。
“ねえ、カオリ!!それ、さっき変形してたよね!!変形武器だよね!?かっこいいなぁ!!”
そして先生のオタク魂が爆発してしまった……まぁかっこいいのは認めよう。銃槍は他と違って変形自体は地味だが。
「ああ、そうさね。私の住んでいた外の世界の街では、獣を狩るのに『仕掛け武器』というもので戦っていてね……銃は確かに便利だが、獣には効きづらい。確実に殺すなら、やはり鉈や斧、槍といったものの方が適しているのさね……」
“おお、いろんな種類があるんだ!いつか見てみたいなぁ……でも、野生の動物と至近距離で戦うのは危なくない?狙撃で気付かれないくらい遠くから頭とかを狙えばいいんじゃないの?”
まぁ野生の獣、特に熊なんかとヤーナムの一般獣は大差はないから間違ってはいないんだが……ヤーナムに狙撃銃はないんだよなぁ……ギリギリ『貫通銃』とかがそれっぽいが。
「気付かれない遠くから?そんな素晴らしい武器がキヴォトスにはあるのかね?」
ここで、先生がうっかりした顔になった。
“……そっか、まだ狙撃とかはメジャーではなかったのか……じゃあカオリはその仕掛け武器というので獣を狩っていたんだね……昨日のことといい、あんまり危ないことはしないで欲しいんだけど”
「私は狩人だ。命を取るものなら自分も命を賭けるのは普通ではないかね?それに、私は血の医療によって再生力が高くてね……即死さえしなければすぐに回復できるのさ」
“うーん、そういう問題では……”
優しいなぁ先生。『透き通る青春の物語』には相応しい人材だよね。『血に塗れた悪夢の夜の物語』とは致命的に反してるけど。
「先生よ。貴公が悪い人間ではないとわかっているが、私のやり方に口出しはしないでもらいたいものだ……私には、私が生きてきた道筋というものがある。私の信念というものがある。私が鍛え抜いた技と力、知恵と経験がある。先生といえど、私の人生を知らぬ赤の他人。口出しすることは許さんぞ」
“……そうだね、カオリがそういうなら私は何も言わないよ。でも、郷に入っては郷に従え。キヴォトスのルールにはちゃんと従ってね?”
「ふふふ、善処しよう」
ほんとほんと。殺しはしない約束だからね。
その日の夜。
俺は家に帰るためにトリニティの街を歩いていた。
周囲には誰もいない。ただ一人、近づいてくる男を除いて。
「クックック……はじめまして、ビルゲンワース啓蒙学院からの転校生さん」
「ふふふ……こんばんは、黒いスーツの異形の大人」
そう!黒服さんが接触しにきてくれたのだ!!俺のブルアカの推しはマリーと言ったが、実は黒服も大好きなのだ!!テンション上がるぜ!!
「クックック……まずは自己紹介でも。私の名前は黒服と申します。『ゲマトリア』、という組織に所属しています」
「ああ……私は月乃カオリ。外の世界、獣の街ヤーナムの『狩人』だ」
あれっ?今まで見られていた感覚が消えた?まさか、黒服との挨拶だけプレイヤーに見せて、あとはお預けパターン!?すごいな上位視点……ここでにおわせてくるのか……まぁ、気にしないでおこう。
「クックック……やはり、ヤーナム自治区は外の世界に似たような場所があったのですね?あの自治区は、生徒にしては血生臭く、また知識がありすぎている……どこかと繋がっているとは思っていたのです」
おお、さすが黒服。洞察力が凄いな。
「ふふふ……外はより血の匂いが濃いがね……それで、私になんのようかな?」
「クックック……あなたに、契約を……と思いまして。ビルゲンワース啓蒙学院で数十日前に観測された、あのサンクトゥムタワーを超え天のヘイローに迫るような強大な神秘の塊。そして、その観測直後に現れたあの『暁のホルス』さえ超える、凄まじい神秘を持った生徒は、あなたですね?」
「ああ、そうさね」
「ならば話が早い。どうです?私たちと共に『真理』と『秘儀』を追い求め、『崇高』へ至りませんか?貴方の学校の悲願のはずだ。悪い話ではないでしょう?」
いやぁ、これが俺(上位者)じゃなければ一も二もなく飛びついたんだろうなぁ……でももう至っちゃったというか……悲願が達成されたから発狂事件が起きたというか……
「くふ、ふふふふふ……悪い話ではないな……
人は誰しも、悪夢の内に秘密を感じ、それを知らずにいられない…
それに気がついたなら、悪夢は甘露にもなる……」
かの身を窶した弓の狩人の言葉を借りようか。
「おお、では……」
「だが、断らせていただこう……
ビルゲンワースは悲願を達した。『崇高』にまみえたのだ……
ああ、あれは素晴らしかった」
「なんですと!!!???」
おお、食いついた。
「ぜひ、ぜひ教えていただけませんか!?貴女の、貴女がたの『真理』と『秘儀』、『神秘』と『崇高』を!!」
「ふふふ、そうさね。一つ、貴公に教えておこう。ビルゲンワースの『真理』と『秘儀』は【悪夢】だ。生徒たちが協力し、『神秘』によって【悪夢】という一つの世界をつくり、しかし悪夢であるが故に『恐怖』する」
「おお、なるほど!!なるほど!!!!興味深い!!」
テンション高い黒服面白えな。さっきから顔面のヒビがめちゃくちゃ発光してる。そのうちゲーミング黒服とかになったりしそう。
「悪夢は、狩人の業に芽生えているのさ……
そして、その業を必死に隠す者もいる。憐れな、そして傲慢な話さ。
貴公は、われわれ狩人の悪夢に、悪夢の秘密に興味があるんだろう?」
「悪夢、悪夢ですか……ええ、ええ興味があります!!この上なく素晴らしい研究材料です!!神秘と恐怖の両立が、そのような形で成すことができようとは!!」
黒服の研究方針ならば一考の余地どころか、今すぐにでも試してみたい案のはずだ。
「だが、注意することだな。
秘密には、常に隠す者がいる。
…それが恥なら、尚更というものさ」
俺が警告をしはじめた瞬間、一瞬で黙って聞き入る黒服。こういうところが研究に貪欲だよな。
「私は、研究に付き合うつもりはない……
だが、貪欲な研究者である貴公に敬意を払おう」
「ひとつ、忠告だ。
…ヤーナムの悪夢を探りたまえ……
その先にこそ、秘密が隠されている…」
「ええ、ええ理解しました。ご協力、ありがとうございます……クックック……クックックックック……!!」
そうして黒服は去っていった。
よし、仕込みは終わったな!!あとは、黒服の勇姿を見守るだけだ!楽しみだなぁ!!
というわけで、名前は『月乃カオリ』に決定しました!みなさま投票ありがとうございました!!
プレイヤーは黒服とカオリが自己紹介したところで話が終わり、何事もなかったかのように次話で合宿が始まるのを見せられます。すごい困惑しそう
ゲールマン様にお会いしましたか?
あの方は古い作者、そして読者の助言者です
今はもう曖昧で、作品が更新されることもありませんが……
それでも、読者様と共に感想と高評価をしにいらっしゃるでしょう……
それが、あの方のお役目ですから……
この小説に他フロム作品の要素は
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入れるな!!
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ソウルライクならヨシ!
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AC系ならヨシ!
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両方ヨシ!!むしろ入れろ!!