見たまえ!青ざめた血のアーカイブだ!   作:めろんムーン

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今後の描写との噛み合いで、セイアの側にあった武器を『ノコギリ鉈』から『仕込み杖』に変更しました。


24.聖職者の獣、予言の大天使

 

 

 

 ズダン!!

 

 よし、着地成功。どうやらこの身体は落下ダメージがないか、獣をつけていれば無効化できるみたいだ。

 

 ……足腰強くてよかった、本当。

 

 

 

 さて、俺が降りたのはトリニティ本校舎に近い方の入り口だ。予想なら、ここに……

 

 

 

「あ、あの……い、今屋上から落ちてきたのは、あなたですか……?怪我はありませんか……?」

 

「あぁ……問題ない……君は……」

 

 

 

「あ、失礼いたしました。シスターフッド所属、伊落マリーといいます。今日も平和と安寧が、あなたと共にありますように」

 

 

 

 来た、みなさんご存知な聖職者の獣、伊落マリー!

 

「ふむ、シスターフッド……なぜここに?ここは、補習授業部の合宿所だが……」

 

「あ、ええと……こちらに、補習授業部の方々がいらっしゃると聞きまして……本日は、補習授業部の白洲アズサさんを訪ねてこちらに参りました。伺ったところ、こちらの建物にいらっしゃると聞きまして……」

 

 今回俺がわざわざマリーに会いに来たのは、俺の知らないイベントをおこさないため。アズサが襲撃者だと思って銃撃したり、とか……ないとは思うけど。まあ、原作の流れをあまり変えたくない俺としては必要なことだ。

 

 すでにミカに警戒されまくってて影響でかいとかは気にしてはいけない。

 

「……ふむ。アズサなら確かにここに居る。案内しよう」

 

「あ、ありがとうございます。ええと……お名前は……」

 

「月乃カオリ……狩人とも呼ばれている。あまり、関わらない方が身のためだぞ」

 

「か、狩人さん……噂に聞く転校生の方ですね……」

 

 

 

 

 

 やめて!!

 推しに認知されるだけで本当に充分だから!!

 俺と関わってマリーの立場が悪くなる方が嫌だから!!

 あんまり関わらないで!!俺の心臓のためにも!!

 推しと会話するだけで持ちそうにないから!!!!

 

 

 

 

 教室では、先生とヒフミたちが今日受けた模試について話しているところだった。

 

 “あ、カオリ。どこ行ってたの?”

 

「ああ、少し客を迎えに行っていてね……」

 

 “客……?”

 

「ああ、シスターフッドからアズサにね」

 

「私に……?」

「シスターフッドから……アズサちゃんに、ですか?」

 

 お、アズサ……それとハナコもきたね。

 

「ほら、私の案内はここまでだ。ここからは君の役目を果たすといい……」

 

「は、はい!」

 

 後ろからぴょこんと飛び出したのは、マリー。し、仕草が可愛い……

 

「あら?マリーちゃんじゃないですか?」

 

「は、ハナコさん!?」

 

「ハナコ、知り合いなの?」

「あはは……少しだけご縁があって、と言いますか……」

 

 よし、原作の流れに戻ったな……さて、

 

「先生。私は少し出てくる。夜までには戻るが、気にしないでくれ」

 

 “うん、わかったよカオリ”

 

 これ以上は心臓が持ちません!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は先生に一言断ってから退室し、人気のないところで狩人の夢に帰ってきていた。

 

「セイア、どうかね」

 

「あ、あぁ……ヤーナムは恐ろしいところだ……」

 

 出迎えてくれたのは、鏡の前に座って疲れ果てたセイア。

 側には、『仕込み杖』と『獣狩りの短銃』が置かれていた。

 

 なぜこれほどまでにセイアが疲弊しているのかというのを説明すると────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たね、狩人……いや、カオリだったかな」

 

 少し前に時間の間を縫って狩人の夢にやってきた俺。すると、いつもは座ってゆっくりしているセイアが出待ちをしていた。

 

「セイアか……ふむ、私にとって呼び名はあまり関係のないものだ。好きに呼ぶといい」

 

「ならばこれからはカオリと呼ばせてもらうよ」

 

「ああ……それで?何の用なのかね?」

 

 そう俺が聞くと、セイアは少し考えるように沈黙してから、こう言った。

 

「……私は、キヴォトスの滅びの未来を幾つも見た。だが、その未来の中にカオリはどこにもいなかった……」

 

「ほう」

 

「……獣となった群衆やどこからか現れ生徒たちを襲った触手、暴走した機械、私利私欲のために争う人、そしてどこからか現れた過去の生徒たちの青白い霊……詳細はわからないが、幾つもの夢で私はこれらの存在がキヴォトスを滅ぼすのを見た……」

 

「ふむ……」

 

「……カオリならば、これらに対処できるのかい?」

 

「……殺しても良いのならば、動くものは殺せるさね……私は狩人だ。狩人というのは、心さえ折れなければ何度だってやり直すことができるのさね」

 

「……そうか、ならおそらく私が夢で見たのは、カオリが関与しない……または、カオリがいない世界の滅びだろう」

 

「……」

 

「……カオリ、どうかキヴォトスを救ってくれないかい……私ではもう、どうしようも……」

 

 

 

「well,well,well...そういうことならば、私も手を貸すのはやぶさかでは無い……私もこのキヴォトスという地を気に入っていてね……だが」

 

「……だが?」

 

「……自らが足掻こうという意志を諦めるのは、私が許せないことそのものだ……なればこそ、セイア」

 

「な、なんだい……」

 

「まずは我ら、ヤーナムの地を体感するがいい……あれはすでに滅んだ街、この世界のヤーナムとは訳の違う血と獣に塗れた悪夢の物語」

 

「……」

 

「私も元は非力な一般人……【生まれるべきではなかった】弱い存在だったが……ヤーナムで生き抜けばこれだけの力が手に入れられた……」

 

「……カオリが……?」

 

「そうさね……決して諦めることなく、生き抜くことだ……何度だって、やり直せるのだからね」

 

「……ならば、やってみよう。少しでも私が力を手に入れられれば、変わる未来も……」

 

「ふふふ……ならば、その鏡に触れるといい。君の望む場所に、その鏡は君を送ってくれるだろう……」

 

「……ああ、わかった。やってみせよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────と、いうわけだ。

 

 

 

 セイアはヤーナムへと行き、血の医療を受けて狩人の卵へとなった……

 

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 相違点は、セイアに血の医療をしたのは俺で、輸血した血も上位者である俺のものであること。

 

 そして、あの見境無しに子供を作ることでお馴染みの【姿なきオドン】やあらゆることの元凶な【月の魔物】なんかにセイアの存在を気取られることがないようプロテクトを掛けた。

 

 セイアが死んでも帰ってくるのはここ、というわけだ……ついでにせっかくだから、この狩人の夢にもゲールマンお爺ちゃんを生み出しておいておいた。原作再現だからオドン教会を登ってどうしろとかは何も教えてくれないけど!!

 

 聖杯にも入れるよういろいろと準備をしてセイアを送り出したのだ。

 

 さて、そんなセイアだが……

 

「どうかね、セイア……今は」

 

「ああ……なんとか聖職者の獣とやらは倒したけれど……ガスコイン神父が強くてね……もう5回は殺されてしまった。さすがは歴戦の狩人だよ……」

 

 そう、普通に強くなってる。血の意志を取り込んで強くする役割をこの狩人の夢の人形ちゃんにも与えたからか、しっかりレベルを上げているね。

 

 最初は持久力に振るように言ってあるからどうにでもなるだろう。

 

 セイアの肉体は俺の上位者血液を輸血したことによってレベル10の狩人と同等の身体スペックまで跳ね上がっている。その上、キヴォトス人の防御力まで備わっているのだ……体力は普通の狩人と比べて貧弱だが、普通の獣では攻撃が弾かれるほどの防御力を誇る。並大抵の獣では歯も立たないだろう。

 

 事実、あの聖職者の獣でさえも初見攻略している。まだ近接戦闘の経験値も少ないだろうに……

 

 むしろセイアを倒せるガスコイン神父がすごい。やはりトロフィー獲得率を下げに下げている奴は違うな……

 

 

 

「……ヨセフカやギルバート、アイリーンに少女、それに老婆には会ったかね?」

 

「ああ、会った…………狩人、もしかして少女の父親は……」

 

「……そういうものは、自分で解くべきだ。秘密とはそういうものさね」

 

「……ああ、わかった。私は力を得ると決めたからね。これくらいは頑張ってみるよ」

 

 

 

 そう、セイアちゃんはガッツリ全部見て回るタイプの狩人でした。流石ですね……1週目の俺はヨセフカに気が付かなかったからな……

 

 覚悟を決めたセイアは恐怖により神秘が反転したり砕けたりすることもなく、殺されても強靭な意志で全てを受け入れて乗り越えている。

 

 原作セイアより数段ヤバいナニカを俺が作ってしまったような気もするが……実装されてないんだ、何しても許されるさ……

 

「カオリ?」

 

「いや、なんでもない」

 

 ……直感も鋭くなってるし、侮れないな。

 

 

 

 

 

「さて、セイア。君には一つ、贈り物をしよう」

 

「……贈り物……?」

 

「そうさね。これを……」

 

 そう言って俺がセイアに渡したのは、『カインハーストの招待状』。目覚めたのはヨセフカの診療所になるよう設定したが、本来の狩人の持ち物であるこれをセイアは持っていないためだ。

 

「いつか、きっと役に立つ」

 

「……ありがとう、カオリ」

 

「なに……頑張りたまえ。夜明けはまだ遠い……」

 

「ああ」

 

 

 

 あ、忘れるところだった。

 

「そして、一つ忠告だ」

 

「忠告……?」

 

「キヴォトスの獣人は、獣ではない。セイア、君自身が獣人だからわかっていると思うが……キヴォトスの獣人は、『獣の抱擁』に至った人と獣の完全な調和だ」

 

「獣の抱擁……?」

 

「いずれわかる……」

 

「……そうか」

 

「キヴォトスに戻ったとき、キヴォトスの獣を狩るのならば……私は君を狩らなければならない。覚えておきたまえ……」

 

「……ああ、わかった」

 

 

 

 そうしてセイアに贈り物を渡すという主目的を終えた俺は、キヴォトスに戻るのだった。

 

 

 






アイドルマリー実装!!
あまりの嬉しさに全ての装備を脱いで皆さん家に常備している『メンシスの檻』を被り、『獣の咆哮』、『彼方への呼びかけ』、『古狩人の遺骨』によるステップのコンボをしてしまった私のようなマリーファンも少なくはないでしょう。

みなさんも推しが実装されたら上位者ネクソンと上位者ヨースターに感謝の『交信』をしましょう。私は『交信』の成果かアイドルマリーをしっかりお迎えすることができました。



……今度の夜は長いけれど、明けない夜もないはずよ
まして、あなたのような読者の方が、頑張っているのだから
小説投稿が終われば、こんな風に、扉越しに話すこともない
もしかして、あなたの顔も見られるのかしら
不謹慎かもしれないけれど、フフッ、なんだか楽しみ
……どうか、高評価と感想をしてくださいね……

セイアのヤーナム編は

  • いります!!DLCまでやれっ!!
  • 欲しいけどDLCまではいらない……
  • いらない……
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