見たまえ!青ざめた血のアーカイブだ!   作:めろんムーン

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27.夜の散歩

 

 

 

 洗濯を終わらせ、1日が終わ……終わ……

 

「いいえ、まだです!このまま1日が終わりだなんて、そんな勿体ないことはさせません!」

 

 俺と先生も部屋に呼び、補習授業部含む合宿メンバー全員の前でそう宣言したのはハナコ。

 

「は、はい……!?」

「?」

「な、なに!?みんなを集めて急に叫んで……」

 

 驚くみんなを見回してから、にこりと微笑み再びハナコが口を開く。

 

「突然のことでしたが、せっかくのお休みじゃないですか。みんな裸で交わったのにこのままはいお休みなさいなんて……」

 

「勝手に記憶を捏造しないで!裸じゃないから!」

 

「そうさね。私はいつも通りこの格好だった」

「ああ。それに先生も」

 

「カオリとアズサは黙ってて!!」

 

 コハルに一喝され口を噤む俺とアズサ。

 

「それはともかく、このまま寝てしまうのは勿体ないです。まだ火照っているといいますか、物足りないと言いますか……」

 

 “具体的には?”

 

「うふふっ♡合宿といえば、やはり合宿所を抜け出すこと……それも一つの醍醐味だと思いませんか?」

 

「え……?」

 

 果たして本当にそうだろうかと言いたそうな顔で、ヒフミが声を上げる。が、無視してハナコは喋り続けた。

 

「さあ!今からみんなでこっそり外に出て、お散歩しましょう♡トリニティの商店街は夜遅くまで営業している店も結構ありますし、食べ歩きとかショッピングなんかもできます!」

 

「そ、そんなの校則違反じゃん!ダメっ!」

 

 コハルの至極真っ当な指摘が入るが……

 

「細かい校則は知りませんが、結構皆さんこっそりやってると思いますよ?意外とそういう方周りにいませんか、ヒフミちゃん?」

 

「あ、あはは……そ、そう、ですね……?」

 

 挙動不審のヒフミ。いやファウスト……周りにいるというか、本人だもんな……

 

「で、ですが普段であればまだしも、今は補習授業部の合宿中ですし……良いんでしょうか……?」

 

「遠出するわけでもありませんし、すぐそこですよ。コハルちゃん、いかがです?楽しそうだと思いません?」

 

「え、っと……興味はある、けど……」

 

「はい、ちょっと行って戻ってくるだけですから大丈夫ですよ。良いですか、先生?」

 

 “楽しそうだね、行こっか”

 

 即答する先生。この人ほんとノリいいよね……だからこそプレイヤーの写し身として親しみやすいんだけど。

 

「い、良いの!?」

 

 驚くコハル。

 

「準備はできた。もうすぐにでも出発できる」

 

 支度を済ませたアズサ。

 

「アズサちゃん!?いつの間に着替えて……!」

 

「では、決定ですね♡さあ早く準備して行きましょう!楽しくなって来ましたね、深夜に裸で散歩……!」

 

「さりげなくすり替えないで!!服は着ろ!!」

 

 こうして、唐突な夜の散歩が始まることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふふ……♡」

 

「あはは……き、来ちゃいましたね……」

 

「うん、ここに夜に来るのは初めてだ」

 

「う、うう……」

 

 トリニティの商店街にきた俺たち。

 

 

 

「くくっ……先生があんなに簡単に校則違反にOKを出すとは思わなかったな」

 

 “学生生活での思い出は、一生ものだからね。楽しまなきゃ”

 

「ハハハ……良い性格をしている」

 

 “それほどでもないよ”

 

 俺と先生はそんな話をしながら、4人の後について行っていた。

 

 

 

 俺たちは軽く話しながら街を歩いていた。コハルからハスミと万魔殿の間に起きた出来事もちゃんと聞いたぞ!

 ……デカ女はないだろデカ女は……おんなじ女の子なのにさぁ……デリカシーェ……

 

「いらっしゃいませ」

 

 そんなこんなで入ったのはスイーツ店。

 

「あはは、真夜中にスイーツ屋さんだなんて……緊張もありますが、何だかすごくワクワクしますね」

 

「確かに」

 

 席に座りヒフミとアズサがそう話していると、店員が近づいて来た。

 

「6名様でしょうか?ご注文をどうぞ」

 

「えっと……あ、限定パフェってまだありますか?」

 

 ここに入った目的は、表の看板に書いてあった限定パフェを食べるため。案外美味しそうだが……

 

「ああ、申し訳ございません……限定パフェはちょうど先ほど、別のお客様が3つ購入されたのが最後でして……」

 

 パフェを!3つも!食べちゃいます!!

 うん、違う子だわ……プリンよりパフェの方がただでさえサイズとか大きいし、こっちの方がやばいんだけどね。

 

 あ、俺はこっそりチョコケーキと紅茶を頼んでおいた。美味しそうだったからね。

 

「あ、そうでしたか……」

 

「1歩遅かったか……こんな時間まで狙われているなんて、侮れないな」

 

 そうヒフミとアズサの二人が残念がっていると、席の後ろから何やら声が。

 

「……あら?せ、先生……?」

 

 “ハスミ……!?”

 

「は、ハスミ先輩!?」

 

 そこにいたのは正義実現委員会の副委員長、羽川ハスミ。大きなパフェ3つを目の前にして、美味しそうに食べている様子だった。

 

「あら、それが限定パフェですか?何やらたくさん……」

 

 ハナコがそれに目をつける。

 

「先生、それに補習授業部のみなさん……」

 

「あ、あぁあぁぁぁ……!」

 

 気がつかれたと気がついた瞬間から、だんだんと『バレた』とでも言うような焦った顔になっていくハスミ。

 同時にコハルも、憧れの先輩に学校を抜け出したのを見られたことで絶望したような顔になっていく。

 

「ハスミさん、奇遇ですね♡あら、真夜中にパフェを3個も……たしか、ダイエット中だと伺いましたが?」

 

「こ、これはですね、その……」

 

「はい、心中お察しいたします。真夜中に襲ってきた悪しき欲望に導かれて、ここまで来てしまったのですよね?」

 

「え……!?い、いえその……」

 

「そうして欲望のままめちゃくちゃにしてしまった後、理性を取り戻した頃にはもう取り返しがつかないほどに乱れて……」

 

 “夜中ってお腹が空くよね”

 

 ハナコがハスミを自分のペースに乗せ、弄んでいく。焦って隙を晒したハスミはたじたじとなり、そのままずるずるとハナコのペースに飲み込まれていった。

 しかし、そこに先生の救いの手が。

 

「せ、先生……ごほん。その、自分のことを棚上げするようですが、補習授業部のみなさんはそもそも、合宿中の外出が禁じられていたはずでは……?」

 

「!?」

 

 自分のペースを取り戻したハスミが、こちらの行動を指摘するが……それも、コハルの絶望顔とハナコの綺麗な笑みを見てやめることにしたようだった。

 

「……ここはお互いに、見なかったことにするとしましょうか」

 

「は、ハスミ先輩……」

 

 ほっとした様子のコハル。こうして互いの危機(?)は無事に回避されたのだった。

 

「お待たせいたしました、チョコケーキとアールグレイです」

 

「ああ、ありがとう」

 

 店員が俺の分のチョコケーキを持って来た。

 うん、美味しい……チョコの風味がしっかりとスポンジにもついていて、クリームはふわふわ。スポンジの層の間に入った少し苦めの板チョコがアクセントとなり、甘いチョコクリームとマッチしてフォークが進む。

 

 合いの手に紅茶を飲めば、温かい紅茶が体を癒し、渋めの味が口を引き締め、この後に食べるチョコケーキの味をより引き出すようになっていた。

 

 

 

「コハル、お勉強頑張っていますか?」

 

「あ、えっと、それは、その……」

 

 そんな俺の側で、話を続けるみんな。

 ……注文しなかったのが可哀想だな。ハスミは早く食べ終わった方がいいぞ?

 まぁそんなこと言わないけど。パフェは尊いシーンの犠牲となったのだ……

 

 “コハルは最近、成績がすごく上がってるよね”

 

「は、はい、そうです……!コハルちゃんはこのままいけば全然合格できるくらい、頑張っていて……!」

 

 先生とヒフミのサポート。ハスミにしっかりとコハルの成績の伸びを伝える。実際、最初やる気のなかったハナコを除けば1番伸びがいいのはコハルだからな。

 

「なるほど、そうでしたか……それは何よりです。言ったではありませんか、コハルはやればできると。あの時も言った通り……」

 

「……えへへっ。は、ハスミ先輩の期待を裏切りたくないですから」

 

「はい。引き続き応援していますよ、コハル。早く正義実現委員会に戻ってきて、一緒に任務が遂行できる時を心待ちにしていますから」

 

「はい、頑張ります……!」

 

 “良い話だ……”

 

 うん、良い話だ。先輩後輩の絆を感じるね……

 

 

 

(ヴヴヴヴヴヴ)

 

 そんなこんなで俺が食べ終わり、ハスミとコハルの話が終わったタイミングで、ハスミのポケットからバイブレーションの音が。

 

「……?こんな時間に、連絡……?……イチカですか。用件はなんですか?」

 

 鳴っていたのは、携帯。サッと取り出して用件を聞けば、どうやらゲヘナの生徒がトリニティの自治区に侵入して暴れているらしい。

 

 更に話を聞いていると、襲われたのはアクアリウム……展示中の希少種であったゴールデンマグロ。

 

 襲ったのはゲヘナの『美食研究会』。まぁ問題児たちだ。そして確か、メンバー4人以外にフウカも連れてこられてたはず。

 哀れフウカ……

 

 そして、正義実現委員会委員長のツルギが出陣してしまったらしい。壁……ぶっ壊して。相変わらずだなツルギ……

 

 ハスミが電話を切ると同時に、遠くから爆発音が聞こえてくる。

 

「近いな。爆発音からして、ここから1km以内のところか」

 

「そうだな。やろうと思えばすぐに駆けつけられるだろう」

 

 そう俺たちが話していると……

 

「……みなさん。突然のことですみませんが、みなさんの力が必要です。お願いできますでしょうか?」

 

 そうハスミが切り出して来た。

 

 エデン条約目前で『トリニティの正義実現委員会とゲヘナ間の衝突』という事実はかなりの不都合が発生する。しかし、補習授業部と『シャーレ』なら、一般生徒がなんとかしたことにして処理することもできる、というわけだ。

 

“うん。よし、じゃあ補習授業部一同出発”

 

「了解した。先生の指示に従う」

 

「えぇっ!?い、いきなり戦闘ですか……!?あ、あうぅ……」

 

「ふふっ……まぁ、先生がそう仰るのであれば♡」

 

「あっ、わ、私も……?先生と……ハスミ先輩と、一緒に……?」

 

「いつかこうして肩を並べる時期が来るとは思っていましたが……想像より早かったですね、コハル」

 

「は、はい!頑張ります!」

 

 そう先生が号令をかけ、生徒たちが応じる。

 

「それから、あなた……月乃カオリですね?」

 

 ハスミが俺に声をかけてくる。

 

「ああ、そうだな。以前、君とも会っている」

 

「……この場でツルギ並みの戦力もあなたしかいません。もしツルギが接敵していた場合、ツルギを牽制しつつ敵を倒せるような存在はあなただけでしょう。早めにあなたがカタをつけてくれれば、全てどうにかなると思います。協力を、お願いできますか?」

 

 おお、ここまでしっかり頼まれるとは……しかも評価が高い。ツルギとの相打ちはそこまでハスミに評価されていたか……

 

「……いいとも。もとより私は先生と共に行動しなければならない制約付きだ。そして荒事を収めるのも狩人の仕事に含まれているというものさね。やってあげるよ」

 

「……ありがとうございます」

 

 こうして俺たちの夜の戦闘が始まった。

 

 

 




チョコケーキ……美味しいですよね……

ファンアート催促をすれば書いてもらえるとどこかで聞いたので、催促させていただきます……ファンアートください!
書いてくださった方はTwitterか、ハーメルンのメッセージに叩付けてもらえると嬉しいです。



なんだい、あんた、まだいたのかい
どうした?まさか読者が、高評価入れて感想書くのが恐ろしいのかい?
フフッ
まあいいさ。恐れなき読者など、獣と何が変わろうものかね……

なんだい、あんた、しつこいね
いくら恐ろしくても、あんたは読者
感想と高評価を作品にしてあげるしかないんだよ……

セイアのヤーナム編は

  • いります!!DLCまでやれっ!!
  • 欲しいけどDLCまではいらない……
  • いらない……
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