トリニティ本校への転校届は一旦保留にして、ヤーナム謎結界を補強しつつそれから三日。
送られてきた事務官が、先生が来るとか言ってた。
詳しく聞き出すと、どうやらエデン条約に向けて不穏分子を手元に置きたいナギサ様が先生に俺を本校に連れてきて監視するよう依頼したようだ。
ナギサ様からすれば俺は「発狂事件前日に転校してきて、ただ一人無事だった生徒」な上に、結界強化とか知らないから「転校を特に理由なく拒否してる生徒」になるからな。そりゃ不審か。先生に頼るのがナギサにしては早いけど、さっさと見える位置に置いておきたいんだろう。
ちなみにこの流れのせいで俺が本編に参戦することが確定になった。まぁ、ヤーナムもどきがある与太時空だし。原作知識を使って、せいぜいキヴォトスが滅びないよう上手く立ち回るかな。
そんなこんなでそれから二日後、俺が目覚めてから十日後。先生がやってくる日になった。
キヴォトスを全力で楽しむため、そしてせっかく狩人になったからにはBloodborne味を限られた範囲で全力で出していくとするか!
ガラガラガラガラガラガラ…………
先生が来たようだな。ここまで来てくれるといいけど。
ちなみに、俺は今ビルゲンワース啓蒙学院の2階、月見台に安楽椅子を置き、それに座って待っている。あのウィレーム大先生おすすめの月見ポイントだ。
装備はシンプルに狩人装備。マント付きの方。狩人といえばこれよ!
ギィィィィィィィィ……
おや、誰か来たようだ()
無事に先生がついたようだけど、雰囲気のためにしらばっくれるとするかな。
安楽椅子から立ち上がり、先生の方に向き直る。
「おお……こんなところまで人が来るとは……」
ちなみに今日、喋り方は一切演技していない。フロムに毒されすぎるとこうなるんだぜ……
“キミは、ここの生徒かな?私は、連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの先生だよ”
おお、生の先生だ!!アニメ先生と便利屋先生の中間の、程よいイケメンだな。声はアニメ先生とは違うか。
「ほう、何者かと思えば私と同じく外からの来訪者とは……おお、ゴース……あるいは、ゴスム。それとも、星の娘か……私に先生を遣わしてくれたのか……?」
この世界には俺以外の上位者いないけどな!!
“私と同じ?キミは、外から転校してきたの?”
「然り。古き楽園の夢、獣狩りの古都、悍ましき悪夢、忘れられた地底墓……そこから私はこの世界に来たのだ」
この身体はね。魂はJAPANだけど。
「先生は……ヤマムラと同じく東洋の出身かね?」
続けてすっとぼけ。というか無理をしようとしなくてもスラスラとブラボの登場人物っぽい喋り方できてる。身体が本物のブラボ産だからか?
“そうだね、私は東洋圏の出身だ。ところでキミは一体?”
「ああ、失礼した……私はここ、ビルゲンワース啓蒙学院の最新にして最後の生徒、『狩人』だ。秘密を破りし者、獣を狩る者、啓蒙を求める者、地底に潜る者、神秘を探る者、夢を見る者、穢れた血族の末裔、新たなる上位者……私を表す言葉は多くあるが、呼ぶならば、『狩人』と呼ぶといい」
なんか難解匂わせ系キャラみたいな言動してるな俺。まぁフロム自体が設定匂わせるもんだし多少はね?
“ナギサから話は聞いているかな?”
「ああ、もちろんだとも……この古都ヤーナムを去り、トリニティ本校にて貴公に世話になるのだろう?」
トリニティ行ったら補習授業部とか入るのかね?わざわざ転校させてから退学させる意味もないし可能性は薄いかな?
「おお、おお!
これでブルアカを存分に楽しめるぜ!!
“じゃあ、行こうか”
えっ!?トリニティ本校に今から!?早すぎん!!??あと危険!!
「待ちたまえ、先生よ。もう夜も遅い……ここヤーナム自治区では夜に出歩くのは愚者のすることだ……下劣な
“でも、泊まる場所が……”
「この校舎に泊まりたまえ。私もここで寝泊まりしているのだよ。この学校の先達たちは今は病院だ。私が許せばキミも使えよう」
“……わかった、使わせてもらうね”
よかった、なんとか上手く誘導して止めれた……
先生が校舎に戻っていく。きっと階段上がって右に曲がったところのソファー(原作で宝箱があり、古狩人ヘンリックを呼ぶことができる場所)でも使うんだろうね。
さて、先生だが。あれはプレイヤーっぽい感じがした。理由は二つ。
一つ。直感だ。といっても、一般人の適当な勘とは訳が違う。
二つ。先生と会った瞬間、どこからか干渉されたような気がした。もちろん【シッテムの箱】以外からだ。おそらく先生が来た瞬間、俺も【画面の前のプレイヤー】に観測されたからだろう。
原作の上位者はプレイヤー達に気が付いていた様子はなかったから『第4の壁』を超える力を上位者は持っていない。なのでおそらくこれは『俺』の能力だ。元はゲームではなくリアルの人間だから、リアルからこちらを認識している存在に気がつくことができるんだろう。
頑張れば掲示板とか覗けるかもしれないな……鍛えてみるか、この力。
これを踏まえると、ここは本編時空のゲーム世界線ではないが、与太時空としてのゲーム世界線ではある、ということだろう。生前見たことのある、オリ主の出てくる二次創作小説のように。そして、原作キャラのように決められた台本に従うのではなく、自由に動けるということでもある。
なら、やることは一つ。
全力で、ブルアカを、Bloodborneプレイヤーとして楽しむ!!
せいぜい楽しもうじゃないか、プレイヤー…………
ゾワッ…… “いま何か……??”
Picrewの「YSDメーカー」で狩人くんちゃんの立ち絵を作りました。
【挿絵表示】
脳内でこの子に皆さんのお好みの装備を着せてあげてください。
ヘイローは装備してるカレル文字の形に変わります。
こんな「クールです」みたいな顔しておいてテンション乗ると「MAJESTIC!!」とか「私はやったんだーー!!!」とかに言い始めるんですよこの子。
アメンドーズ、アメンドーズ…憐れなる落とし子に感想と評価を……