見たまえ!青ざめた血のアーカイブだ!   作:めろんムーン

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やっと激毒63車輪を作れたので廃地底人にやっと片足を踏み入れました。

今回、一人称がコロコロ変わっているのは仕様です。今回はブラボメインでブルアカはあまり関係ありません。今更ですがBloodborneのネタバレ含みます。
なんで狩人くんちゃんが上位者ボディなのかわかります。話は重ため。


8.【幕間】?????

 

 私が『彼』のことに気がついたのは、ヤーナムで目が覚めてからすぐのことでした。

 

 悪夢を見たような気がして、のっそりと起き上がってみれば、見慣れない場所で。

 

 腕を見れば謎の輸血痕。周りを調べれば、メモに自分の字で『「青ざめた血」を求めよ。狩りを全うするために』なんて書いてありました。

 

 ……青ざめた血って何ですか?

 

 そう思って途方に暮れた時、声が聞こえた気がしました。

 

『青ざめた血?なんだそれ?』

 

 戸惑いました。周りには誰もいなかったし、頭に響いてくるような感じだったから。

 

『とりあえず、ここ出るか』

 

 そう聞こえたから、とりあえず従って扉を開け、階段を降りました。

 

 

 

 

 

 階段を下りた先にいたのは、大きな黒い獣と、食い殺された男でした。

 

 グロテスクでショッキングなシーンのはずなのに、不思議と心は重くなくて。

 

『初モブだ!殺すぜ!』なんて声が聞こえたから、背後から回り込んで後ろから殴ろうと思って。

 

 すぐ気付かれて殺されてしまいました。

 

 

 

 

 

 目を覚ますと、洋館のある不思議な庭でした。あの時は狩人の夢なんて名前は知らなかったから、何もわからなくて、頭の中では、彼の『えっ?あいつ強くね?負けイベ?』なんて間抜けな声だけが残っていましたっけ。

 

 私は怒りました。私の命を軽々しく懸けるなと。もうものすごく怒りましたけど、相手はどこにいるかわからないし、諦めました。最初の死への恐怖は、彼への怒りと悍ましさに上書きされました。

 

 洋館の前の階段に、小さくてグロテスクな灰色の小人がいました。あの時はすごく恐ろしかったけど、彼らは武器をくれて、悪い子じゃないんだろうなと思いましたね。

 

『お、墓でファストトラベルできるのね』

 

 そんなことを言われたので、墓に祈ってみると、ヨセフカの診療所に戻っていました。

 

 

 

 

 

 そこからは大変でしたね。黒い獣を殺して街に出て。初めて生き物を殺したような気がしたのに、悲しくも苦しくもありませんでした。梯子を登ったところの民家にいたギルバートさんとお話しして。キャンプファイヤーのようなところで五回は殺されてしまって。群衆を殺し尽くして。

 

 『彼』は最初はぐだぐだしていて頼りなかったです。何度も殺されるし。でも、彼の言葉が頭に響くと、その通りに動かなくちゃいけないような気がしたんですよ?

 

 噴水広場を抜けて、大橋で大きな獣と戦いました。何度も殺されたあと、なんとか勝てたし、『彼』も喜んでいたけど。私は辟易していました。

 

 何もわからず命をかけた戦いを、頭の中の声に従ってやらされて。死んでも生き返らされて。『彼』に文句の一つでも言いたくなったけど、文句の声は口から出ませんでした。

 

 

 

 仕方なく『彼』の声に従うことにしました。下水を抜け、少女と出会い、オルゴールをもらって。お婆さんと出会い、罵倒されて。あの時のお婆さんは酷い態度だったけど、やっぱり私は優しくしてくれたお婆さんを嫌いにはなれませんね。

 

 人形ちゃんとゲールマンにも出会いました。彼らはいい人です……人形ちゃんは最後まで私の隣にいてくれましたし。

 

 アイリーンにも会いました。『彼』は、『ババア』なんて呼んでいましたっけ。失礼だと思ったけれど、彼女も自称していたし、口には出しませんでした。

 

 そのあとは、ガスコイン神父と戦って。軽く30回は殺されたはずです。ものすごく強かった。何とか倒したあと、私と『彼』は疲労困憊だった気がします。

 

 

 

 オドン教会では、住民と出会いました。彼はすごくいい人です。ヤーナム一番の善人かも……

 

 旧市街に降りて、ガトリングで撃たれたっけ。あのガトリングには嫌というほど殺されました。『彼』も慌てて、少しいい気味だと思いながら何度も死んでしまいました。

 

 聖堂街でアルフレートと出会いました。彼も初対面はいい人だと思ったんですけど……うん。今は彼のことも面白いと思っていますよ?

 

 

 

 白い獣に変貌したエミーリアを殺して、禁域の森に入って。ヤーナムの影に数え切れないほど殺されました。あいつらは絶対許しません。

 

 ビルゲンワースに辿り着いて、ロマを殺して。赤い月が昇ってみんな狂ってしまって、とても悲しかったけれど。私には『彼』がいたから一人ではありませんでした。嫌いな『彼』といつも一緒というのでも、まだ発狂するよりマシと自分に言い聞かせていました。

 

 ヤハグルに入って、何とか再誕者を殺して。メンシスの悪夢に入って、且を倒して。彼は本当にイライラします。逃げないでほしいです。

 

 高楼を登って、メルゴーの乳母を倒して。

 

 狩人の夢に帰れば、館が燃えていて。

 

 ゲールマンが夢を終わらせてくれるというから、従ったんです。

 

 

 

 

 

 やっと夜が明けて、自由になれたと思いました。忌々しい『彼』の声も聞こえなくなったし、解放されたんだって。

 

 

 

 

 

 次に目が覚めたら、またヨセフカの診療所でした。

 『彼』は『よし、別エンド探すぞ』なんて言ってて。わたしは絶望しました。でも、別エンドとやらになれば解放されるかもと思って、頑張ったんです。敵は1周目より大幅に強くなってて驚いたけど、『彼』もまた成長していて、あまり苦戦はしなかったですね。

 

 その頃には、私には『彼』に対する謎の信頼感が生まれてきていました。何度も死ぬし、おっちょこちょいな行動を命令してくることもあるけど、私と『彼』は一心同体なのです。嫌でも信頼しなければなりませんでした。

 

 

 

 2周目の『彼』はヤーナムの人々とも積極的に関わりました。でも、ほとんど全ての人が悍ましい最後を辿ってしまいました。

 

 彼は、1周目では辿り着かなかった所へも行きました。ヘムウィック、悪夢の辺境、赤い月が出る前のヤハグル、聖堂街上層、カインハースト、捨てられた古工房。

 

 まるで世界を確かめるみたいでした。『彼』と見た景色の中には、悍ましいヤーナムの街とはかけ離れた美しい風景もありましたね。

 

 新しく遭遇した怪物たちの中には、上位者と呼ばれる神のようなものも複数いたけれど、そんな存在に躊躇なく戦いを挑ませる『彼』の方がわたしにとっては怖かったです……でも、同時に、そんな『彼』が私に指示してくれることに、何よりも安心感がありました。

 

 そうして、2周目を終わらせるため、狩人の夢に戻ると、『彼』は『聖杯探索 -Grand Order- を行う』なんて言い始めて全然知らない地下遺跡へわたしを連れて行きました。

 

 

 

 最初は陰湿で、嫌な場所でした。『彼』も戸惑っていたけれど、慣れてくるとだんだん聖杯ダンジョンも楽しくなってきて。何とか聖杯を渡り歩いて最深部まで到達して、女王を殺しました。

 なかなか大変だったからか、『彼』への信頼や信用も育まれていきました。

 

 戻ってきたわたしは、『彼』に従ってゲールマンと戦い、殺しました。

 

 ……第二のゲールマンにされた怨みは一生忘れていません。月の魔物は生かして置けないです。一瞬でもあの下郎に心奪われて、大人しく従ってしまったあの時のわたしを車輪で轢き潰して殺したい。

 

 

 

 

 

 それで、3周目。『彼』は別エンドを目指すと言っていたけど、わたしはこの世界から抜けることはできないともう悟っていたのです。

 

 だから、『彼』に素直に従いました。もうその頃には、『彼』の望むままに行動してあげる時間が、わたしにとっては楽しい時間になっていました。

 

 

 

 

 

 そして、わたしは上位者になりました。

 

 上位者になったわたしは、やっぱりヤーナムに戻されました。けれど、一度上位者になったからか、『彼』が鮮明に感じ取れるようになりました。

 

 上位者は『赤子』を求めると言いますけど、わたしにとっては、『赤子』なんかよりも『彼』の方が大事で、『彼』を心の底から望んでいました。

 

 思えばあの時にはもう、狂っていたのかもしれないですね。最初は『彼』から逃れたかったのに、4周目の初めには『彼』がいないのは考えられないことになっていました。

 

 そうして、その後も何十周もして。血の意志を力に変えて、ワタシと『彼』はどんどん強くなりました。

 

 あらゆる世界の狩人と戦いました。彼らは自分で戦っているようでした。『彼』のように頭に声が聞こえる別世界の狩人なんて一人もいなかった。

 

 

 

 やがて『彼』が、新たな地へ行くと言い出しました。ワタシはてっきり置いていかれるのかと思い、心が張り裂けそうでした。同時に、これほどまで『彼』に依存していたのかと自覚してしまったんです。

 

 結果として言えば心配は杞憂で、狩人の悪夢という新たな場所に入れるようになっただけでした。ルドウイークもマリアもローレンスもブラドーもヤマムラも殺して、シモンから弓を受け継いで、ゴースの遺子を殺しました。

 

 本当なら狂いそうなほど悍ましい光景でした。悪夢のヤーナムはあらゆる地と血が混じり、実験棟は名状し難いナニカを行っており、漁村は何もかもが冒涜的で恐ろしいはずでした。

 

 けれど、ワタシは不思議と何も怖くはなかったのです。むしろ、『彼』と新たな地を踏めることがとても楽しかった。

 

 そうして、また何十周もして。全ての武器で周回しました。身体はもうこれ以上強くなれなくなり、啓蒙は頭を満たしました。

 

 『彼』もこの世界に満足していました。そのことにワタシは満足していて、この上ない幸福を感じていました。感じて、しまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………ある周回のあと、『彼』の声が聞こえなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気が狂いそうでした。どうすれば『彼』が帰ってきてくれるかわからなかったから、『彼』が嬉しそうにしていたことを片っ端からやりました。

 

 目についたあらゆる生き物を殺して、血の意志を奪い取り。聖杯にも潜って、あらゆる場所を暴きました。

 

 ヤーナム市街をヨセフカの診療所をオドン教会を聖堂街を医療教会の工房を捨てられた古工房を聖堂街上層を嘆きの祭壇をヘムウィックの墓地街を旧市街を隠し街ヤハグルをカインハーストを禁域の森をビルゲンワースを月前の湖を教室棟をメンシスの悪夢を悪夢の辺境をトゥメルを僻墓をローランをイズを狩人の悪夢を実験棟を時計塔を漁村をあらゆる場所を片っ端から探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して

 

 聖職者の獣をギルバートをガスコイン神父をオドン教会の住民を孤独な老婆を偏屈な男をアリアンナを教区長エミーリアをヘンリックをアイリーンを星界からの使者を星の娘エーブリエタースをヘムウィックの魔女をデュラを血に渇いた獣をアデーラを黒獣パールを再誕者を殉教者ローゲリウスをアルフレートをヨセフカをヴァルトールをマダラスの弟をヤーナムの影を学長ウィレームを白痴の蜘蛛ロマをパッチを悪夢の主ミコラーシュをメルゴーの乳母をアメンドーズを旧主の番犬をトゥメルの末裔を獣血の主をトゥメルの古老を恐ろしい獣をローランの黒獣をヤーナムの女王を醜き獣ルドウイークを初代教区長ローレンスを失敗作たちを時計塔のマリアをシモンをヤマムラをブラドーをアデラインをゴースの遺子を、名も知らぬ狩人から獣、眷属に上位者まで、あらゆる生き物を殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺してころしてころしてころしてはころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころして殺しつくして、『彼』の声が聞こえる場所がないか探しました。

 

 

 

 

 

 

 けれど、『彼』は帰ってこなかった。

 

 もしかして月の魔物のせいかと思って、殺しました。そうしたら、また上位者になっただけでした。

 

 

 

 けれども、今度はワタシはヤーナムに帰れなかったのです。人形ちゃんが抱きしめたわたしは、周回を脱していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 わたしのなにかが、こわれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 呆然としながら狩人の夢の中で永い永い時を経て、わたしは成長しました。何者にも似つかぬ上位者に。夢は現実に存在しませんから、例え何十回と星が潰えるほどの時間が経とうとも狩人の夢は無事でした。

 

 そして、ある時思い至ったのです。

 

 今ならば、次元を超えて『彼』に会えるのではないかと。この次元を抜け、あらゆる時間、あらゆる場所、あらゆる次元を超えて、『彼』を探せるのではないかと。

 

 

 

 そうして、わたしは『彼』を探し始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミツケタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワタシは、永遠とも言える旅の果てに、ついに、異なる次元にいた彼を見つけました。彼は、ワタシとは別の、光る箱の中にいる狩人を操って、聖杯に潜っていたんです。なぜか苦しそうにして。接触しようとした矢先、彼は倒れてしまい、魂が出てきてしまいました。

 

 

 

 慌てて捕まえようとしたら、次元の歪みを観測して。

 

 詳しく見てみれば、彼の魂は、どこか遠くの次元に惹かれているようでした。

 

 覗いてみれば、直前まで聖杯に潜っていた私から『彼』を奪って行った狩人の、魂のない体がありました。あれに、彼の魂は吸い寄せられていたんです。周りの人間たちの儀式によって。

 

 

 

 

 

 ワタシノモノナノニ

 

 

 

 

 

 だから私は、その肉体の代わりに、この肉体を『彼』に捧げました。

 

 私から『彼』を奪った狩人の肉体は宇宙のどこかに捨てて。『彼』の想像する最高の肉体になるよう、この上位者の体の一部を現世への『彼』の依代にして。彼の魂に本体や大半の力を移し替えて、わたし自身はオドンのような姿なき存在になって。

 

 それにしても、彼の望みの姿が幼い少女のようなものだなんて……そういえば、彼はヤーナムの少女のリボンが豚の中から見つかった時もうわごとのように、『これは……リボンエンチャなんだ……そうに違いない……おお、偉大なるリボンエンチャの狩人よ……』なんてつぶやいてましたね……

 でもまぁ、彼の好みだというのなら私はそれも受け入れます……そもそも私は、狩人時代はともかくとして、未だ上位者としては幼年期。彼の好みには合致してるはずです…

 

 とまあ、そんなことをしたので、今のわたしにはすこしの力しかありません。わたし自身の依代を作り出して、私の魂の一部を込めてどこかの世界に下ろし、脳に瞳を授ける程度の力しか。

 

 でも、いいんです。長い上位者生活の中で、万能なはずの力が当てにならないことはしっかりとわかりましたから。大事なのは、想いだとわかったのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モウ、ハナシマセンカラ…ズット、イッショデスカラネ?

 

 

 




責任とってね、狩人くんちゃん

ちなみに『わたし』に聞こえる『彼』の声は実際に出してる声ではなく、心の声です。聞こえる原理は謎です。
ビルゲンワース啓蒙学院の生徒たちでは、本物の上位者を呼ぶことなんてできず、本来なら上位者ボディではないはずでした(自分で来ちゃったけど)

トン、トン、トン

おや?誰か来たようですね……はーい、どなタ°ッ



……読者さん、こんばんわ。いい獣狩りの夜ですね!わたし、『彼』のために感想と高評価がほしいです。もしよかったらくれると嬉しいです。え、彼の名前もくれるんですか?嬉しい……♪投票、待ってますね!

狩人くんちゃんの名前は

  • 月乃カオリ
  • 我脳ヒトミ
  • 人形ソラメ
  • 月極チカ
  • 生駒ナナ
  • 朱月ミコラ
  • 月詠チサキ
  • 変若水トモエ
  • 狩人エア
  • 人識ヒトミ
  • 能野ヒトミ
  • 盛付似チハナ
  • 盛付似チサキ
  • 栗本ガラシャ
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