あとナイトレイン無限に味がします
ところでダスクブラッドはまだですかね?
ついでにBloodborneのリメイクか2か移植はよはよ
閲覧注意
明かりのない狭い空間。
辺りでぴちょり、ぴちょりと水音が鳴る中、
「う……うう……」
唸るように、絶望した声を上げる。
それは自身の足元にいる、悍ましい赤子を目視した結果だった。
精神が崩壊してしまい、ただ自分が
それに甘えるように、
「そんなの……嘘よ……悪い夢よ……」
「ウヒヒヒッ……ウヒヒヒヒヒヒッ……!」
狂ってしまった母親の名は、
***
ヤーナム市街を破壊し、殺戮の限りを尽くすイズ。
その刃は止まることを知らず、群がる民衆もなんのそのと街は血に染まる。
やがて彼女は、見知った家へと
「……」
ガスコイン家。
まだ一夜も経っていないのに酷く久しぶりの感覚がするイズは、懐かしむかのようにその家をぼーっと見つめていた。
「……?」
しかし、何かがおかしい。
自身はこの家からセイアと共に避難するときに、家の灯りを消してきたはず。
なのに、家には灯りが
「……」
とんとんとん、と戸を叩けば、あまり聞き覚えのない声が中から聞こえてきた。
「ああ、もしかして、妹をご存じではありませんか?留守番をしていたはずなのですが、どこにも姿が見えなくて……
その言葉を、イズはすぐには飲み込めなった。
白い大きなリボンをした女の子、というのは、おそらく自身のことだろう。
もっとも、そのリボンはもう真っ赤に染まって彼女の金髪を映えさせているが。
それよりも問題なのは、家の中にいる人間が自分のことを『妹』と呼んだことだった。
しかし、
「……あなた、だれ?」
「……!」
ガタリ、と驚いたような音がした。
バタバタと慌てている様子で、逃げようとしているのか……しかし暫くすれば観念したのか、ゆっくりとコチラに語りかけてくる。
「……生きていたのね?私、心配してたのよ?」
イズとしては「?」以外の何でもないが、家の中の彼女は誤魔化せていると思っているらしい。
今のイズにとってはあらゆるものが殺す対象だが、それが意味のわからない行動をしているので害無害の判定をするためフリーズしているだけなのだ。
それを知ってか知らずか、家の中の声は更に続けて言う。
「前にあなたのお母さんから、もしも何かあったらあなたを助けてね、って言われて留守番をしてたのよ」
それは果たして真実なのだろうか。
お母さん、と言う単語を出されたことで、完全に機能していなかったイズの思考が少しずつ回り始める。
生前、お母さんはそんなことを一度も言っていなかった……しかしこんな状況になってしまって、焦ってしまって言えなかったのでは?ともイズは考える。
お母さんはおっちょこちょいだから。
そう考えていたところに、目の前の扉が開く。
中から現れたのは、イズとよく似た金髪の少女。
歳はイズより少し高く見え、心配そうにこちらの
「さあ、家に入って。服も汚れたでしょ?ほら、
─────その腕を、肩から斬り落とされた。
「あ、ぇ?ぃ……?」
続け様に、もう片方の腕と両脚を斬り落とされ、一瞬で少女は達磨になる。
起こったことを理解できず、叫ぶ事すらできぬまま、少女は切断された四肢と共にその場に落ちた。
「あ、ぁぁあ……!?ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?」
「……思い出した。あなた、下の層の子ね」
数瞬遅れて響き渡る絶叫を背景に、彼女は斧の血を払う。
どくどくと血の海を作っていく少女へ無表情に冷たい目を送りながら、イズは口を開いた。
「私の白いリボンが欲しいってずっと言ってた。私、思い出した」
痛みで錯乱しながらも、イズの記憶に残るどろりとした嫉妬の瞳でこちらを見る少女。
少女の家族はヤーナムの悪い所を煮詰めたような性格であり、他人嫌いの自己中心的な家系で皆に嫌われていたことを思い出した。
「どおして゛……あなた゛なんががっ゛……ぞんなぢから゛を゛っ゛……」
「……なんでだろうね」
先程までの演技が剥がれた、殺意の籠った憎悪の表情で少女はイズを見上げる。
少女は、こんなことはありえないとただ考えることしかできない。
ガスコイン家の灯が消えていたから、あの不気味な神父も綺麗な赤いブローチを見せびらかす母親も、その娘のイズも死んでいると思って家に忍び込んだのに。
そして
悪態吐きつつ家に帰ろうとした直前、戸が叩かれたと思えば……どうやらイズが『白い大きなリボン』をわざわざ私に
親はいないようだったから、こっそり殺して、外にでも放置しておけば鴉の餌になる。
私はあの綺麗で羨ましかった『白い大きなリボン』を手に入れて帰るだけ。
それだけだった筈なのに。
「なん゛でわだじのりぼんを゛!よこざない゛のよ!」
「……何言ってるの?」
イズは少女が言っている意味がわからなかった。
だってリボンは、最初から最後までイズのものなのだから。
あと単純に、絶叫混じりでよく聞き取れなかったのもあるが。
「……まあ、いいや」
既に目の前の
けれど、ずっと叫ばれるのも迷惑だし、家の中を見れば荒らしまわった跡もあって、この獣を生かしておく気にもならなかった。
「じゃあね」
「……まっで!やめ゛なざいっ゛!やメ゛ェ゛ッ゛」
ごちゅ、と鈍い音を立てて、踏み抜かれた頭が声を発さなくなる。
ヤーナムの膿の一端は、自分の身から出た錆によってその命を終わらせた。
欲無く家に引きこもっていれば、イズの刃はその命に届かなかったというのに。
しかし、その欲と妄執に取り憑かれた魂がなければ、少女は赤き月の狂気に呑まれ狂っていただろう……果たしてどちらが良かったのかは、わからない。
この街に、もう救いは残されていない。
真の意味で、この街は滅ぼうとしていた。
煩い害獣もいなくなった、とイズはまた歩き出す。
しかしその心に、ちくりと刺さるのは、さっきの害獣が言った『お母さん』という単語。
「………………お母さん」
もう、イズの母は土の下。
それはイズ自身が見届けているが、実感が湧いていなかったこともあり、今までは心の奥底に封じられていた。
しかし、赤い月の狂気によって摩耗し、神秘に当てられ、変容した肉体に引っ張られ……彼女の心は限界となっていた。
そこに、忘れようと、そして信ずまいと封じていた両親の死を思い出した事で……イズの心は、更に擦り減っていく。
ガリガリと、自分が自分でなくなっていく感覚を感じながらも、彼女は恐れすら抱くことができない。
「……」
最早人としての思考を失いつつある、暴の化身。
その脚は、ただ母親を求めるように、
***
「赤衣、大丈夫かい?」
「ああ、あんたか……大丈夫だ、俺は元気さ」
「あまり無理はしないでくれ」
聖堂街の上層へ向かうため、オドン教会で目覚める。
聖堂街上層はオドン教会の横にある医療教会の工房を登る必要があるからだ。
赤い月の影響で赤衣に不調などは現れていないと確認できたセイアは、ひとまず胸を撫で下ろす。
次いで辺りを見回せば、空席が二つ。
「……赤衣、この教会に追加で誰か来たりはしたかい?」
「いや、来ていない……ここに避難してきたのは、お婆さんとそこに座ってた女の人の二人だけだよ」
「ふむ……二人はどこへ?」
「老婆はわからないが……女の人は、体調が悪いと言って
「……」
確かに体調不良の内容によっては、他人に見られたくないものもあるだろう。
気掛かりなのは、アリアンナの座っていた椅子には
「まああの女の人もこんな夜に危ないところにはいかないと思うからさ。いつまで経っても帰ってこないようなら見にいくくらいでいいと思うんだ」
「……そうだね。そうするよ」
聖堂街上層の探索が終わった頃で問題がないだろう。
セイアはそう判断した。
続いて老婆の席に行けば、そこには一枚の置き手紙。
『待っててくれるかい、私の可愛い子』
「……ろ、老人の深夜徘徊……」
思わず口を引くつかせてしまうが、こうして置き手紙を残しているということは心配はいらないということか。
それにしても私の可愛い子というのはどういうことなのか……私は老婆の子ではないぞ。
まあ……今から追うのは難しいから、素直に戻ってくるのを待つしかないか……
医療教会の工房、その塔の頂上にある扉を開けば、そこは大聖堂を見下ろすことのできる歩道橋。
静寂に包まれ赤い月光を背に受けつつそこを抜ければ、荘厳で巨大な貴族の屋敷のような建物が待ち構えていた。
【ここは孤児院だ】
脳内で導きが私に伝えてくる。
孤児院、それはいかにも聖職者がやりそうな活動ではある。
しかしここは医療協会の施設、まともな筈がない。
なぜなら、この施設にいる赤子は皆……悍ましい、上位者の赤子のなり損ないだったのだから。
「キュイ!」
「キュイキュイ!」
「……何をどうしたらこんな悍ましい光景を作れるんだい」
身体が捩れ、触手が混じり、キュイキュイと鳴く悍ましい生き物。
全身は謎の液体に濡れ、べちゃべちゃと音を立てながらこちらへ近づこうと身体をくねらせている。
悪夢にて上位者と邂逅しようとしたミコラーシュ。
儀式にて
これらとはまた違ったアプローチを試した結果の産物、それが彼らであった。
医療教会、それを二分する上級会派が一つ。
ミコラーシュ率いるメンシス学派と対になる存在。
それが、聖歌隊である。
大聖堂の膝元にあった孤児院は、かつて学習と実験の舞台となり、幼い孤児たちは、やがて医療教会の密かな頭脳となった。
目の前の孤児院から巣立った聖職者たちの本拠地にして実験施設、それが目の前にある建物なのだ。
「……さて。何が待ち受けているのかな」
メンシスの悪夢にも劣らぬ狂気の地に、セイアは脚を踏み出した。
***
セイアが孤児院へと入るのとすれ違いに、三人の人影が聖堂街へと躍り出る。
一人は刀を携え、一人はバケツを被り、一人はペストマスクをつけている。
ヴァルトールとアイリーンのコンビが、流血鴉を再び聖堂街へと押し戻したのだ。
「全く、厄介なものだ」
「……」
「無駄口叩くんじゃないよ」
ヴァルトールの技巧とアイリーンの流血鴉への理解が、流血鴉の剣技の優位性を徐々に剥がしていく。
一度見た剣戟は分析され、対策されていくため、二人を倒しきれず流血鴉は歯痒い思いをしていた。
かといって一撃必殺を狙おうにも、ヴァルトールとアイリーンが互いにこちらの隙を潰すため構え直す時間がない。
居合程度であれば使えるが、それで仕留められるほど甘くはなかった。
師アイリーンも知らぬ、東の地から流れ着いた奥義。
それを放つ隙を、流血鴉は今か今かと狙っている。
一方のヴァルトールも、このままでは不味いと感じていた。
短期決戦で仕留めようとしていたのに、流血鴉は守りも超一流。
その手に持つ刃は狩り道具以外を容易く切断し、隠し持っている連装銃も当たれば即死しかねない。
アイリーンの助けもあり互角を演出してはいるが、隠し種を披露されれば負けるのは目に見えている。
聖堂街に
「かくなる上は、といったところか」
「何か策があるのかい?」
「一応な。ただ、奴の足を確実に止める必要があるが……」
「それは難しいね!」
決着はまだ遠い。
どんどん物語を畳み始めています
少女の姉(偽)、原作で出てくるタイミングが遅すぎていつも急に生えてきたように感じる
実はお婆ちゃんっ子なので老婆が好きなNPCの一人だったりする……