見たまえ!青ざめた血のアーカイブだ!   作:めろんムーン

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話数の都合上、94話へ移転しています


間章:番外編その2
94.【番外編】募集は夢のまた夢


 

 

 

 “ねえカオリ”

 

「なにかね、先生よ」

 

 ある夏の日。

 珍しく書類仕事が完全に終わり、気分転換にとトリニティへと来ていた先生は、偶然道端で月乃カオリこと俺と出会い……暇だった俺を連れ立って、散歩をしていた。

 現在は休憩に喫茶店へと入ったところである。

 

 注文を終えた俺たちは、謎の緊迫感を持って向かい合っている。

 何やら先生が真面目な顔しているので、俺もしっかり向き合い真面目に話を聞くつもりなのだ。

 

 “……カオリってさ、シャーレに入部届出し(実装され)たりしてる?”

 

「いや、していないな」

 

 “そっか……”

 

 何かと思えば、書類整理すればわかるだろうシャーレ入部届提出の確認。

 どうしてそんなこと聞くのかわからない、シャーレに入っていない生徒だってたくさんいるだろうに何故そんなことを聞くのか。

 エデン条約編はブルアカが始まってからかなり初期……初期?のシナリオなんだから、未実装だって多いはずだが……

 

 “いやね、これは夢で見た話なんだけど……なんか大量の私?がカオリがシャーレに来るのを熱望してるのを見たんだ”

 

「それは本当に夢かね?」

 

 もしかしてそれこの世界を観測してるプレイヤー諸君を見たんじゃないのか???

 というかもしかして俺、人気なの?大して活躍してないよ?

 いや、でもBloodborneは魅力的だしな……それを頑張って伝えようとしている俺の人気が出るのも必然か……?

 

 “夢の中の大勢の私たちは、みんな『カオリカオリカオリカオリ……』って言ってて怖かったね”

 

「そんなもの誰だって恐怖心を抱くだろう」

 

 セミじゃねーか!

 前世で散々見かけた実装待機ゼミじゃねーか!!

 セミが発生するくらい俺の人気あるの!?

 

 “そのあと何かの発表があって、みんな崩れ落ちた瞬間に目が覚めた”

 

「何がどうなっている???」

 

 ブルアカライブ同時視聴の幻覚か何かか???

 というかよく先生それ見れたな?

 俺でも直でプレイヤーを見ることはできないのに……

 っていうか、そのブルアカライブで何が実装されたのかめっちゃ気になる。

 

 “とまあ、よくわからない夢の話だったけど……カオリが関係してたから、話してみたよ”

 

「本当に私に話す必要があったかは疑問だがね……」

 

 

 

『お待たせしました、ケーキセットのミルクレープとアールグレイ、単品のダージリンでございます。砂が落ち切ったらお淹れください』

 

 “ありがとう”

 

「感謝するよ」

 

 頼んでいた紅茶とケーキが届き、一度話は終わり。

 ゆっくりと落ちていく砂を見ながら、俺は目の前に置かれたミルクレープをフォークで切り、口へ運んだ。

 

 “おいしい?”

 

「ああ、いい甘さだ」

 

 クリームとクレープ生地はとてもよく合う。

 ほんのりとした甘みは癖になる味で、シンプルながら完成されたケーキだろう。

 作るのが面倒なケーキにも関わらず、チェーンならばどこの喫茶店にもあるということは、それだけ人気が出ているということ。

 

 “……カオリってさ、甘いもの好きだよね”

 

 後に残る紅茶のことも考えて、数口だけ食べてフォークを置いた時、先生は俺を見てそんなことを言った。

 

「ああ、否定はしない。糖というのは脳の働きを助け、また甘味はリフレッシュ効果もある。それを抜きにしても、私はこの甘いという味が好きなのだよ」

 

 だって美味しいじゃん。

 無限に食べられるじゃん。

 みんなハスミみたいにパフェ三つ食べたりしたいでしょ?

 ホールケーキ一人一つとか夢見たりしなかった?

 

 “そういえば合宿で夜に出かけた時もチョコケーキ食べてたね……となると……贈り物はパフェ……?あ、クッキーセットとか……?ラムネ……ビタミンゼリー……レーションのデザート風味なんてのもあったっけ……

 

「聞こえてるぞ、先生」

 

 “あっ、ごめん”

 

 これ完全に、実装後の贈り物のこと考えてたな?

 今のところシャーレに入部届を出す予定はないんだがなぁ……

 まだエデン条約も中盤、やりたいことも残ってるし……なにより、俺の大本命は()()()()からな。

 

「確かに貰うとするなら消え物の方がいいのは同意しよう。特に十個も百個も千個も貰うのであれば」

 

 “うぐっ、どこでそれを”

 

「なに、ただの噂だが……先生よ、まさか事実なのかね?」

 

 “……ち、違うよ!?”

 

「何故溜める」

 

 “……”

 

「何故黙る」

 

 まさか本当に好感度上げに膨大な数の贈り物渡されるのか?

 そうでなければ……カフェで話して、スケジュールで合う……ううむ、時間がかかりすぎて確実に年度内に終わらない……

 

 まあこの方舟(キヴォトス)は時空が捻じ曲がっているから、大きな転換点となる事件が起きない限りはループするように事象が改変されるのだが。

 年越しにヴェリタスとキャンプ行ってるはずなのに、ミレニアムでパジャマパーティーしたりね。

 

 

 

 “あっ、砂落ちきったよ。紅茶飲もう”

 

「もう少し話題転換はどうにかならなかったのかね……?まぁいいが……」

 

 

 

 休日の昼下がり、特に何もない普通の日。

 甘味は舌に心地よく、紅茶は味覚を引き締めてくれる。

 

 休憩中の雑談は弾み、ゆるゆると時間は過ぎていくのであった。

 

 

 




まずは皆様に感謝を
沢山の高評価、感想、ここすき、しおり、お気に入り、読了報告等々、いつもありがとうございます!
おかげさまで☆10が100人……を超えるどころか!125人を超える伸び!とても嬉しいです!!
さらにさらに、総合評価が15000を超えました!とんでもないところまで来てしまった……
これからも頑張って行きます!今後ともよろしくお願いします!


第三章でシリアスパートが多過ぎてギャグしたくなったのでミニストーリーです
カオリちゃんカワイイって言って(任意)

<カオリチャンカワイイヤッター!
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