妖怪ウォッチを持つ犬山家長女   作:のぞむ

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VSのびあがり②

鬼太郎君が家の庭で吸血木になってしまった次の日の朝、私はウィスパーと親父さんと一緒に吸血木に関するネット記事を見ていた。まぁジバニャンは机の上で寝転がってるけど…

 

ちなみに父さんと母さんは昨日から出ている為、家にはいなかった。

 

「まゆちゃん。いくつか聞きたい事があるんじゃが良いかな?」

 

「良いですよ」

 

「君はいつから妖怪が見えて、妖怪ウォッチを持つようになったんじゃ?」

 

これくらいは答えても大丈夫かな。

 

「ウィスパーにも話しましたけど、妖怪自体は3歳の頃からぼんやりと見えていました。妖怪ウォッチは11歳の時、ガシャに封印されていたウィスパーから貰いました」

 

「なるほどの…実はな、60年ほど前にまゆちゃんの物とは違う妖怪ウォッチを見た事があるんじゃよ」

 

「えっ?そうなんですか?」

 

「うむ…その昔、わしが妻を…鬼太郎の母を探している時にな、ケマモトという村で『ケイゾウ』という少年に出会ったんじゃ。その時あの子に試作型の妖怪ウォッチを見せてもらったんじゃよ」

 

「ケイゾウ君と会ったことあるんですか!?」

 

「ん?ケイゾウを知っておるのか?」

 

「はい。色々あって過去に行って、その時に子供の頃のケイゾウ君に会ったことがあるんです」

 

天野(あまの)ケイゾウ君…原作の妖怪ウォッチだと主人公ケータ君のお爺さんで、妖怪ウォッチを発明した人物だ。

ある出来事がきっかけで過去に行って、その時に彼と出会ったんだ。最初は原作同様キツイ態度を取られたけど、一緒に戦っている内に友達になる事が出来たんだよね。

 

「なるほどの…まゆちゃんはその歳で様々な経験をしてきたんじゃな」

 

「そうなんですよ~」

 

親父さんと会話をしていると廊下から足音が聞こえてきた。きっとまなだな。

しばらくするとまながリビングに入ってきた。

 

「おはよ~…!?」

 

「おはようまな…どうしたの?信じられないものを見ちゃったみたいな顔してるけど」

 

「お、お姉ちゃん…お姉ちゃんのそばにいるお化けと猫って…?」

 

まなはウィスパーとジバニャンを交互に指差しながら驚いていた。もしかして…

 

「ニャン?もしかしてまな、オレっちとウィスパーの事が見えてるニャン?」

 

「いやいや~!確かにまなちゃんも昨日妖怪の存在を知りましたけど、一日経ったくらいで見えるようになるわけ…「見えてるよ」…うぃす?」

 

「だから!あんた達の事が見えてるの!」

 

「うぃすーーーっ!?」

 

ウィスパーは声を出しながら驚いてしまっていた。

 

「まなちゃん。君も段々妖怪を信じるようになった。だから見えるようになったんじゃ」

 

「そうなんだ…あれ?じゃあお姉ちゃんも?」

 

「うん。実は小さい頃から妖怪が見えてたんだよね。それにこの二人も二年前からずっと家に住んでたんだよ?」

 

「えっ!じゃあなんで教えてくれなかったの!?」

 

「教えようにも昨日までまなも妖怪の事、信じてなかったでしょ?」

 

「うっ!そうだけど…」

 

「それにね、妖怪と関わっても楽しい事ばかりじゃないんだよ。時には人間に敵意を向ける妖怪と戦う事もあった…その戦いにまなを巻き込みたくなかったの」

 

「お姉ちゃん…」

 

「まなちゃん、わかってあげなさい。まゆちゃんはまなちゃんを守りたかっただけなんじゃ」

 

「わかってる…ありがとう、お姉ちゃん」

 

「どういたしまして…じゃあ自己紹介をしよっか!」

 

そう言って私はウィスパーとジバニャンに見せる。

 

「ワタクシはまゆちゃんの妖怪執事のウィスパーです。以後お見知りおきを…」

 

「オレっちはジバニャン!よろしくニャン!」

 

「うん。よろしくねウィスパー、ジバニャン!」

 

そう言ってまなはジバニャンを抱っこする。

 

「わぁ…可愛い~!」

 

まなはそう言ってジバニャンを抱きしめて頬擦りをする。

 

「ニャハッ!くすぐったいニャ~ン!」

 

「フッフッフ!今ならワタクシを抱きしめても良いんですよ?」

 

「あっ、ウィスパーは良いかな」

 

「ぐふっ!」

 

あらら。ハッキリフラれちゃった。

 

「それならウィスパーの先っぽにあるホニョホニョを触るのがオススメだよ」

 

「そうなんだ!それじゃあ…あっ、なんか気持ちいいかも!」

 

「ちょっ!やめてくださうぃす~!」

 

まなもウィスパーのホニョホニョを気に入ってくれたようだ。良かった!

 

「まなちゃん、良い子じゃな」

 

「はい。私の自慢の妹です」

 

私と親父さんはそんな会話をしながらまな達を見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 

それからあっという間に日も暮れ、私達は夕食を食べ終えた後、親父さんに茶碗風呂を用意してあげていた。

ちなみにジバニャンは夕食を食べた後、私の部屋に戻っていった。

 

「親父さん。湯加減はどうですか?」

 

「うむ…鬼太郎が入れてくれる茶碗風呂よりちと熱いが悪くないぞ」

 

「そうですか。鬼太郎君は親父さんの好みがわかってるんですね」

 

万が一私が親父さんの茶碗風呂を用意する時の為に覚えておかないとね…

 

「…ねぇ、鬼太郎と目玉の親父さんはどうして人間を助けてくれるの?」

 

そんな中まなが親父さんに質問をする。

 

「それはな…鬼太郎が赤ん坊の時、水木(みずき)という男に助けてもらったんじゃ。だからその恩返しみたいなもんじゃ」

 

「ふ~ん…」

 

前世の記憶を持ってる私は知っている。水木さんは単なる鬼太郎君の恩人ではない事を…

水木さんは人間嫌いだった親父さんの唯一無二の相棒で、鬼太郎君のもう一人の、かけがえのないお父さん…

今思うと、鬼太郎君は本当にお父さん達から愛されていたんだね…

 

 

 

私が物思いに耽っていると外から何かが落ちる音が聞こえてきた。もしかしてと思いまな達と一緒にベランダの外を見てみると大きな実が落ちていて。その中から鬼太郎君が出てきた。すっぽんぽんで…

 

「…クシュッ!」

 

「鬼太郎!」

 

「鬼太郎さんが復活しました~!」

 

「えっ!?お姉ちゃん!どうしたの!?」

 

「まなは知らなくても良いの」

 

私はまなの目を塞いで鬼太郎君が服を着るまで彼が視界に入らないようにする。私?もちろん目を閉じてるよ。

 

 

 

 

しばらくして鬼太郎君が服を着てから私とまなは家の庭に移動する。

 

「父さん。心配かけてすみませんでした」

 

「いやいや。わしはお前の無事を信じておった!」

 

「…僕が動けない間にも、人間が沢山吸血木にされたんですよね?」

 

「そうじゃ!」

 

「行きましょう、父さん」

 

親父さんを肩に乗せた鬼太郎君はこの場から歩き始める。きっとのびあがりの所に行くつもりだ。

 

するとまなが鬼太郎君についていこうとするのが見え、咄嗟に私が手を掴んだ。

 

「まな。どこに行くの?」

 

「決まってるでしょ。鬼太郎達についていくの」

 

「…また危ない目に遭いたいの?」

 

「…彼女の言う通りだ。のびあがりは危険な奴なんだ」

 

鬼太郎君は歩くのをやめてそう口にしていた。

 

「でも…でもついていきたい!私にも何か出来る事があるはずだよ!お願い!」

 

「…ハァ、わかったよ」

 

「お姉ちゃ「ただし!」っ!」

 

「私のそばを離れちゃダメだよ?いい?」

 

「…わかった」

 

「ごめんね鬼太郎君。私達もついていく事にしたから」

 

「…勝手にしろ。もう二度と助けないからな」

 

そう言って歩き出した鬼太郎君に私達はついていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私達はあの地下貯水槽にやってきた。辺りには空の瓶や放置されてるショベルカーがある。

 

「どうやらのびあがりのせいで工事はストップしたようじゃな」

 

「のびあがりはいるの?」

 

「いや、いないみたいだ」

 

すると鬼太郎君の妖怪アンテナが反応した。

 

「何?静電気?」

 

「え~っと!あれはその~!」

 

「妖怪アンテナと言ってな。鬼太郎が妖気を感じるとピンっと立つんじゃ」

 

「ワタクシの役目~!」

 

ウィスパーが妖怪パッドで鬼太郎君の妖怪アンテナを調べてたけど先に親父さんが説明してしまう。ウィスパー、ドンマイ。

 

すると鬼太郎君が私とまなの手を掴んでショベルカーの裏まで移動する。

 

しばらくして天井の穴からのびあがりが出てきた。

 

「うわ~…来たでうぃす…」

 

「あれがのびあがり…!」

 

ウィスパーとジバニャンが見えるようになったから当然なんだけど、まなにものびあがりが見えてるみたいだね。

 

「リモコン下駄!!」

 

のびあがりがこっちに気づく前に鬼太郎君が下駄をあいつの飛ばした。けどあまり効いてないみたいだね…

鬼太郎君に気づいたのびあがりが無数の手を伸ばして鬼太郎君に襲い掛かったけど彼はそれを上手く躱していた。

 

「髪の毛針!!」

 

次に無数の髪の毛を針にして攻撃したけどやっぱりのびあがりには効かなかった。

のびあがりは目からビームを出して鬼太郎君に攻撃をしている…目?

 

そうだ!確かのびあがりの弱点は…

 

「うわっ!」

 

鬼太郎君は片足を掴まれてのびあがりに引きずられていた。鬼太郎君と一緒にいた親父さんはその拍子で落っこちていた。

 

「まなとウィスパーはここにいて!」

 

「えっ?お姉ちゃん!?」

 

私はのびあがりから少し離れた場所に移動する。

 

出番だよ…!

 

「私の友達、出てこいジバニャン!」

 

そう言いながら私はジバニャンの絵が描かれたメダルを親指で弾き飛ばしてそれを掴む。

 

「妖怪メダルセットオン!!」

 

私は妖怪メダルを妖怪ウォッチにセットする。

 

するとそこからジバニャンが現れた。

 

「ジバニャン!」

 

「えっ!?ジバニャン!?」

 

「友達の証である妖怪メダルを妖怪ウォッチにセットすれば友達妖怪を呼び出すことが出来るのです!」

 

「…ニャ!?今からニャーKBの特番見るところだったニャン!どうしてくれるニャンまゆ!」

 

「…なんか怒ってるけど?」

 

「普通に生活している所で急に呼び出されるわけですからね…」

 

「ごめんねジバニャン!今はのびあがりと戦ってほしいの!」

 

「え~?ダルいんですけど…」

 

「チョコボー沢山買ってあげるから!」

 

ウィスパーがね。

 

「任せろニャン!」

 

「お菓子でやる気出るの!?」

 

「チョコボーは彼の大好物なんですよ(あれ?今まゆちゃんがワタクシを見て一瞬悪い顔をしてた気が…気のせいですよね?)」

 

「ジバニャン!のびあがりの目を狙って!」

 

「わかったニャン!ひゃくれつ肉球!!」

 

ジバニャンはのびあがりの目に向かって必殺技のひゃくれつ肉球をぶつける。

するとのびあがりは苦しそうに唸りながら鬼太郎君を離した。

 

「鬼太郎君!大丈夫?」

 

「あ、ああ…何でのびあがりの弱点がわかったんだ?」

 

「ああいう目が大きい奴って大抵そこが弱点でしょ?だからあいつもそうかなって」

 

ホントは前世の記憶で知ってたんだけどね。実際ミツマタノヅチみたいな目が弱点の妖怪とも戦った事があるし。

鬼太郎君は一瞬啞然とした表情をしてたけどすぐに表情を戻す。

 

するとのびあがりがこの場から逃げて行って、鬼太郎君もあいつを追いかけていった。

 

私達もすぐに後を追おうと地上に戻ってくる。

するとのびあがりが現れ、私達に迫って来ていた。

 

「わっ!こっちに来るなぁーーっ!!」

 

「ジバニャン!ウィスパー!アレ使って!」

 

「うぃす?アレ?」

 

「アレニャンね!」

 

そう言ってジバニャンはウィスパーの尻尾のような部分をガシッと掴む。

 

「喰らえ!ウィスパーハンマー!!」

 

「うぃすーーー!!」

 

ジバニャンはのびあがりに向かってウィスパーを投げ飛ばした。

これぞ二人が編み出した合体技、ウィスパーハンマー!

 

ウィスパーハンマーは見事のびあがりの目に当たった。

 

「よし!成功!」

 

「いやいや!思いっきり投げてたよね!?大丈夫なのウィスパー!?」

 

まなは心配そうにウィスパーの身を案じてる。

 

「大丈夫!あいつはあれくらいじゃ死なないニャン!」

 

「いやそうじゃなくて!」

 

「し、死ぬかと思いました…」

 

そこへボロボロになったウィスパーが戻ってきた。

 

「ホントだ…」

 

まなは呆然としながら呟く。

 

そこへまたのびあがりがこっちに向かってきていた。しぶといな~…

 

「髪の毛針!!」

 

そこへ鬼太郎君が駆けつけ、のびあがりの目に向かって髪の毛針を飛ばしていた。

 

「リモコン下駄!!」

 

続けてリモコン下駄をのびあがりの目に向かって飛ばす。

 

「指鉄砲!!」

 

トドメに霊g…指鉄砲をのびあがりの目に向かって放つ。これによりのびあがりは爆散し、消えていった。

 

「やったニャン!」

 

「うむ!これで吸血木になった連中も元に戻るじゃろ」

 

一件落着かな…いや、まだだったね。

 

「鬼太郎やったね!あんなデッカイのをやっつけたんだね!凄いよ!」

 

「く、苦しい…」

 

まなは鬼太郎君を抱きしめながら大喜びしている。くっ!鬼太郎君が羨ましい!

 

「単純にやっつけるとか負けるとかの問題じゃないんじゃ。妖怪というものは…ぐえっ!」

 

親父さんが何か大切な事を話そうとしてたけどまなはそれに気づかないまま親父さんを蹴飛ばしてしまった。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ…スマンのまゆちゃん…」

 

私が親父さんを拾い上げようとした時、あいつ(・・・)の姿が見えた。

やっぱり、鬼太郎君を狙ってる!

 

「鬼太郎君!」

 

私はすぐに鬼太郎君の元まで走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ…!?」

 

「お姉…ちゃん…?」




今回で第一話のストーリーは終わりです!

次回も楽しみに待っていてください!
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