それでは本編をどうぞ!
「悪いわね、鬼太郎は親父さんと一緒に調査に行ってるの」
「そうですか…」
私はある用事でゲゲゲの森に来ていたけど、猫娘さんから聞いた話だと鬼太郎君は親父さんと一緒に出ているみたいだった。
今日の社会科見学で建設中の陸上競技場に行ったんだけど、そこのグラウンドの真ん中に細長い石の柱が十二本立っていた。それを見た私はハッキリと思い出した。
あの十二本の柱の中にはそれぞれ子供達が閉じ込められていると。
子供達が閉じ込められている柱…人柱が十三本揃う事で妖怪城という城が復活する事になる。そしてアニメだとまなが十三本目の人柱になってしまい、妖怪城とそこに住まう妖怪、『たんたん坊』、『二口女』、『かまいたち』の力が復活してしまう。
当然その人柱は普通の人達には見えていなかった。
う~ん…アニメの大まかなストーリーは覚えてるけど、どうも細かい箇所はその時にならないと思い出せないみたいなんだよね…
それとアニメ同様まなもあの人柱を見つけているのも確認済みだ。
その時私はある違和感を覚えた。こういう事があったら真っ先に相談してくるまなが今回は何も言ってこない…つまり鬼太郎君達だけではなく、私達にも相談せずに一人で行くつもりだ。
このままじゃまなも捕まってしまう…そう思って学校帰りに急いでゲゲゲの森に来たけど肝心の鬼太郎君がいなかった。
「何だったらあたしが鬼太郎に伝えてあげるわよ?」
「実は…」
私は今日見た事を猫娘さんに伝える。
「…まゆ。まなからあの事は聞いてるわよね?」
「…妖怪と人間は友達にはなれない、もう関わったらダメ…ですよね?」
私の問いに猫娘さんは頷いて答える。
「…まなにも言いましたけど、私はそうは思いません。確かに危険な思想を持って人間に近づく妖怪もいますし、そんな妖怪と何度も戦ったことがあります…でも、妖怪の中には人間に友好的な子もいるし、人間の為に妖怪になって、人間の為に戦って、人間に愛されている妖怪もいます。私はそんな妖怪達に寄り添って、お互いに助け合える関係になりたいんです」
私は自分の考えを猫娘さんに伝える。
「…妖魔界に認められてる人間は器も大きいのね」
「え?」
「見上げ入道の事件の後にあんたの事を調べてみたの。まさかあんなに有名人だなんて思わなかったけどね」
「そんな…人助けと妖怪達の困りごとを解決してたらそうなっただけですよ」
猫娘さんの言葉に私は思わず照れてしまう。
「猫娘さん。鬼太郎君に知らせるなら急いだほうが良いですよ」
「どうして?」
「実はまなもその柱を見つけてて、もしかしたら私や鬼太郎君に黙ってそこに行くかもしれないんです」
「えっ?どういう事!?」
流石の猫娘さんも驚いてしまったみたいだね。
「多分まなは不確定な情報で私達に迷惑をかけたくないから、自分でしっかり調べようとしてるんだと思います」
「だからって…」
「とにかく、今は鬼太郎君にこの事を伝えに行くべきです。私もウィスパーとジバニャンを連れて一緒に行かせてもらいますから」
「何言ってんの!そしたらあんたも危険な目に…」
「私、どうしても鬼太郎君に言いたい事があるんです…良いですよね?」
「(…笑ってるけどこれ、確実に怒ってるわね)…しょうがないわね」
そうして猫娘さんの了承を得た私はウィスパーとジバニャンを連れて鬼太郎君と親父さんの元へと向かっていった。
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その日の夜、工事関係者がいなくなった陸上競技場のグラウンドにまなの姿があった。まゆの予想通り一人で人柱の事を調べに来たのだ。
「一から十二…この数字って…」
『助けて…!』
まながふと呟いた瞬間、どこからともなく助けを求める声が聞こえてくる。
他にも助けを求める複数の声がまなの耳に入ってくる。
「この柱、人が閉じ込められてる!?…そっか!消えた子供達はこの中に閉じ込められてるんだ!」
その事に気が付いたまなは急いでスマホを取り出して写真を撮り始める。一通り写真を撮り終えたまなは猫娘に宛てるメッセージを打ち始める。
「キャッ!?」
しかしまなは焦るあまり後ろから近づいてきている二匹の蛇に気づかず、そのまま両足を蛇に絡み取られてしまった。
「おやおや…こんなところに人間の小娘が…」
「えっ…!?」
まなが後ろに振り向くとそこにいたのは二体の妖怪だった。
まなを捕らえている蛇は女の妖怪、二口女の髪の先っぽになっていた。
「上手そうな小娘だねぇ…食っちまいたいよ」
二口女はそう言いながら後ろを向き、後頭部にある口を大きく開く。それを見たまなは顔を青くしてしまっていた。
「待ちな二口女。食べるのはダメだ」
今にもまなを食べてしまいそうな二口女を止めたのはかまいたちだ。
「どうしてだよかまいたち」
「たんたん坊の奴、最後のガキを逃がしちまったみたいだ。この小娘なら丁度いいだろ」
「なるほど。それもそうだねぇ…」
「こいつで良いだろ?たんたん坊」
「おう!」
そう言って地面から出てきたのは巨大な頭の妖怪、たんたん坊だった。
三体の妖怪を前にまなは何も出来ず、ただ震えているだけだった。このまま彼女も人柱にされてしまうだろう。
「リモコン下駄!!」
だがそれは、助けが来なかった場合の話だ…
「ぐぉぉぉぉ!?」
リモコン下駄はそのままたんたん坊の片目にクリーンヒットする。
「たんたん坊!?」
「シャーッ!!」
「ニャーッ!!」
続けて猫娘とジバニャンがそれぞれ二口女とかまいたちに攻撃をする。その際まなは蛇から解放された。
「お前中々やるニャンね」
「あんたも小さいのに強いのね」
猫ペアは互いにそう口にする。
「鬼太郎!猫姉さん!ジバニャン!」
まなは自分を助けてくれた鬼太郎達の名前を呼ぶ。三人の他にウィスパー、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべの姿もあった
「まな!」
続けてまなの元に駆け寄る者が一人。
「お姉ちゃん…!」
それは彼女のかけがえのない双子の姉、犬山まゆだった…
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危ない危ない…もうちょっとでアニメ通りの展開になるところだったよ。
「まな!大丈夫!?怪我してない!?」
「う、うん…」
「良かった~!」
私は思わずまなを思い切り抱きしめてしまう。すると鬼太郎君が私達の所に近づいてくる。
「鬼太郎…あの…」
「…無事で良かったよ」
「え…?」
まなは鬼太郎君に怒られると思っていたのか少し身構えている様子だったけど、当の鬼太郎君は特に責めるようなことは言わず一言そう言ってきた。
「ぐぅぅ…貴様は鬼太郎!どうしてここがわかった!?」
「彼女が教えてくれたんだ。ここに怪しい柱があるから急いで向かってくれって」
鬼太郎君は私を見ながらこの場所が分かった理由を頭だけの妖怪、たんたん坊に教える。
「残念だったね。もうあんた達の願いは叶わないよ」
「貴様ぁぁっ!人間の分際で我らに歯向かうのか!!もう少しで人柱が全て揃い、我らの妖怪城が復活したというのに!」
たんたん坊の叫びを聞いた私は、自分の中の何かが切れたような感覚になる。
「…聞かせてくれる?あんた達は攫った子供達の事を何とも思ってないの?」
そう言って私は後ろの人柱を見る。そこから助けを求める子供達の声が聞こえてくる。
「この子達には、帰りを待ってる家族がいるんだよ。やりたかったことだってある…あんた達がしている事はこの子達の未来を奪ってるも同然なんだよ?」
「そんな事知った事じゃないね」
「そうさ。こいつらは妖怪城を支える人柱として一生そこにいるんだよ。年老いる事も死ぬこともなく、永遠の苦しみを味わいながらな!」
「おうとも!むしろ妖怪城復活の為の人柱となれた事を光栄に思うべきだ」
こいつら…やっぱりどうしようもなさそうだね…
「お前達…!」
これには鬼太郎君も怒り心頭の様子だった。
「そっか…じゃあもういいよ」
「お、お姉ちゃん?」
「ま、まゆ?」
「あ、これはヤバいでうぃす…!」
「もう少しであんた達みたいなどうしようもない外道達にまなが…大事な妹が捕まるところだった…私はあんた達を、絶対に許さない!!」
私は五枚の妖怪メダルを取り出す。
「私の友達、出てこいキュウビ、オロチ、なまはげ、ブシニャン、ロボニャンF型!妖怪メダルセットオン!!」
私は妖怪メダルを一気に妖怪ウォッチにセットした。