虹ヶ咲のシンガーソン軍師 ifルート編   作:初見さん

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果林ルート2

「果林さん、今日の弁当です」

「ありがとう。いつも悪いわね」

「私が言った事ですし」

 

 果林食生活改善プログラムはここ数週間継続していた。勘助からすると寮では鍋に入れられる物と弁当はそこまで凝った物を作って居ただけなので、もうそろそろ飽きる頃だと思っていた。

 それでも果林はいつまでもストップをかけない。勘助も少し疑問ではあったがいつものように弁当を渡したのだった。

 

「せっかくだし、一緒に食べない?」

「良いですよ」

 

 それともう一つ疑問だったのが、最近果林の距離が近い。例えばこうして弁当を渡したら勘助を誘ってくる事、エマと食べないのかと聞いても、エマは彼方と食べるからと言って勘助と昼ごはんを食べるのだ。同好会の練習の時も勘助が曲を作っていると身体を勘助にくっつけるような感じで誰の曲を作っているのかなどと質問してくる始末。

 勘助は菜々という幼馴染がいたので、女性と話す時に身体を見るなんて事は一切しないが、果林はかなりスタイルが良いので普通に話していてもこうまでして身体をくっつけられると胸が当たる。勘助は女性に耐性が無さすぎるので、かなり顔を赤くして果林と会話しなければならないのは勘助にとってキツイものがあった。

 それを見て果林がニヤニヤしながら揶揄ってくるのもあり正直悔しかった。それもあってか、いつか辞めるだろうと思いながらも果林が自分の料理を羨ましがるように本気で料理を作った。自分でも意味がわからないが、料理が揶揄ってくる果林への仕返しだと信じている。

 

「良い天気ね、少し風があるけど」

「でも、この風少し泣いています。だからでしょうか、寒くなりそうです」

「そうなったら別の場所に行きましょう。どうせ冬になったら寒くて行きづらいでしょ?」

「まぁ、そうですね。それじゃあ食べましょうか」

 

 そう言って弁当を開けて2人で食べる。

 

「相変わらず色合いが綺麗ね。味も美味しいわ」

「そういえばどうしてやめないんですか?」

 

 勘助が聞いたやめるというのはすぐに勘助のご飯のことだとわかった。基本あまり変わらないおかずの種類だから飽きるだろうと言った勘助に対して果林は続けて欲しいと頼む。

 

「誰かの料理なんて久しぶりだし、それに勘助の料理は美味しいからね。一生このままでいいかもしれないわ」

「私はエマさんじゃないんですけど」

「結婚とかじゃなくてお世話係を想像する辺り、勘助らしいわね」

「果林さんと結婚ですか……まぁ、魅力的な提案ですけど疲れますね」

「何でよ?」

「お世話係には変わらないんで」

 

 勘助は少し笑って果林を揶揄うが、果林はあまり良い気分でもなかった。だから少し真面目なトーンで聞いてみる。

 

「私が勘助の事好きって言ったらどうするの?」

「ありがとうございます。嬉しいです」

「ちょっと待ちなさい。何でそんなすぐ受け入れられるのよ」

「女の嘘ってビリビリ来るんですよ」

「どういう事?」

「中学の時、菜々が風邪引いてる時に大丈夫ですって言った時がありまして。それを聞いた瞬間全身から静電気よりも痛い……雷に打たれたくらいの痛みが出てきて何となく嘘だなってわかるんです」

 

 勘助の話を聞いて果林は普通に怖いと思った。少し恐怖した果林に勘助は追い打ちをかける。

 

「後、私の誕生日……4/1なんですけどエイプリルフールで菜々に嘘を言われたんです」

「勘助君の事嫌いなのでもう関わらないでくださいって」

「どうなったの?」

「雷に打たれた感覚と謎の寒気と吐き気が出てきて教室で嘔吐しながら大泣きしました。保健室で休んだ後病院に行ったら異常は無いけどストレスですねって言われました」

「別に嘘が嫌いなわけでは無いんですけどね。誰かのための嘘とかあるじゃないですか。まぁ、かすみさんの嘘泣きとかしずくさんの演技とかは平気なんですけど」

「もしかしたら勘助が否定されるのが嫌いなだけなんじゃない? 嫌いとかそういう単語に耐性がないのかも」

「そうかもしれませんね」

 

 そう言って勘助は笑う。同時に、そのせいである程度の嘘くらいは見抜けると言った。

 

「だから果林さんのさっきの言葉嘘ではないと思いましたまる」

「貴方って知れば知るほど人間辞めてる気がするのよね」

「私はただの人間です。まぁ、ギターに関しては璃奈さんの両親が細工しすぎて未来でしかありえないような機能付いてますけど」

「でも貴方って家事全般出来るし、動物にモテるし、顔も整ってるし、勉強出来て楽器も弾けるし、面倒見も良くて女の子たぶらかすし、働いてお金も貰ってるし……え? アニメの主人公なの?」

「果林さんの評価めっちゃ良いですね。もっと貶されるかと思ってました」

「仮にも好きな相手を貶すわけ無いじゃない」

「4人目かぁ……」

「あ……いや、別にあの3人よりは軽い好きだけど……いえ、でも最近勘助とこうして話してる時は自分を出してる気がするわ」

「真剣に自分の気持ちを見つめるの辞めません?」

「3人の件はどうするの?」

 

 果林は勘助に告白したせつ菜、しずく、璃奈の話をしたが、勘助は少し笑ってこう言った。

 

「実は他に好きな人いるんです」

「え?」

「もっと言うと話してて私も素が出せる人ですけどね」

「誰よそれ?」

「さぁ?」

「生意気ね、教えなさい」

「怠いっす」

 

 そんな話をしていたが、果林は勘助の爆弾発言に対して納得行かなかった。

 

「それよりさっさと食べたらどうです? チャイム鳴りますよ」

「え!? もうそんな時間なの?」

「じゃあ私は戻るんでぼっち飯頑張ってください」

「ちょ、ちょっと待ちなさい勘助!」

「後一つ言い忘れました。さっきの返事です」

「な、何の事よ?」

 

 そして勘助は果林を見てハッキリと言った。

 

「俺も果林さんが好きですよ」

「へ?」

「それではお先に失礼します。あばよ」

「ちょっと勘助!?」

 

 勘助はそうして果林より先に教室に戻った。果林は喉を詰まらせかけて少しばかり遅刻した。

 

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