虹ヶ咲のシンガーソン軍師 ifルート編   作:初見さん

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エマルート4

「そんなわけでみんなをでドロドロに甘やかすRTAはっじめるぞぉ」

「にゃーん」

「既にはんぺんが勘助の膝に寝て虜に!?」

「勘助さん私も撫でて。璃奈ちゃんボード『動物ゴロウ』」

「勘助さん! 後ろから抱きついて良いですか!」

「菜々、喋りながら既に抱きつくな」

「勘助さん、私も撫でて頂いて良いですか?」

「璃奈の遊びだからな、私で良ければ来い」

「よしよし、果林ちゃんいい子いい子〜」

「ちょ!? エマ! どうして撫でるのよ!?」

「彼方ちゃんなんてもうわたしのお膝で寝てるよ?」

 

 璃奈の提案から始まった、勘助とエマのみんなをドロドロに甘やかす活動。同好会のみんなは癒し系のエマと世話焼きの勘助、その2人めがけて飛びついた。

 見学していた人もいるが、エマや勘助が遠慮するなと言うと、恐る恐る近づいて、膝で眠り出す。

 

「歩夢、エマさんの膝柔らかくて寝やすいよ」

「侑ちゃんは私の膝で寝ないと殺すよ?」

「すみませんでした」

「負けるの早いんだよな」

「か、勘助さん……その、私も宜しいですか?」

「栞子さんもどうぞ」

「ふにゃあ……」

 

 もはやカオスである。結局エマと勘助だけでなく、歩夢(侑専用)も参加して膝枕&頭撫で撫で合戦がスタートしたのが今日の活動のハイライトである。

 

 ☆

 

「楽しかったねぇ」

「私はなんであんなに人気になったのかよく分からないんですけどね」

 

 同好会終了後、エマと勘助は自分達の寮に帰るため一緒に歩いていた。勘助にしてはよく分からない同好会活動ではあったが、エマ達が喜んでいたのなら良かったと語った。

 

「果林ちゃん可愛かったなぁ」

「キャラ崩壊し過ぎてたのではんぺん撫で回して他人のフリしてました」

「ねぇ、勘助君」

「なんですか?」

「ちょっとだけ頭撫でさせて欲しいな」

「ヴェ?」

「え? わたしのこと呼んだ?」

「ヴェルデさんとは言ってないです。ただ、驚いただけで……」

「別に呼んでもいいよ、エマって呼んで欲しいけど、ヴェルデって呼ばれるのはなんだか新鮮だから」

「ヴェルデさん……ってなんか呼びづらいですね」

「勘助君の好きなように呼んでよ、わたしも勘助君とは仲良くなりたいから」

「私とですか?」

 

 エマの言葉に勘助が少し戸惑うが、エマは男性と仲良くなるために話したいと言った事で勘助は納得しながらお礼を言った。

 

「ヴェルデさんって呼んだらなんか他人のような感じです」

「まぁ、わたしとしてもそうなんだけど……でも、たまには呼んで欲しいかな、なんだか特別って感じがするから。みんなからエマって言われてるけどヴェルデさんって呼ばれた事無いから」

「それくらいならいつでも大丈夫です。ヴェルデさんで、良いんですよね?」

「うん」

「でも、私の良心が痛む時あるのでエマさんって呼び続けるかもしれないです」

「どういう事?」

 

 こちらの話だと、勘助はエマに言いながら苦笑いした。

 

 ☆

 

「勘助君、エマさんの曲ってもう出来てる?」

「おう、侑さんもかすみさんの曲出来たか?」

「うまく進み過ぎて歩夢のも作ったけどね」

「流石だ。私もユニコーンが暴走して菜々の曲も作り出した」

「エレキギターの暴走とか怖いんだけど」

 

 同好会で作曲を終えた2人はそれぞれみんなの名を呼んだ。

 

「菜々、エマさん。曲出来たから聞いてくれないか?」

「本当ですか? それじゃあ聞かせてもらいます!」

 

 勘助が菜々とエマを呼ぶが、反応したのは菜々だけ、エマは後ろを向きながら何も反応しないので、勘助は不思議に思った。

 

「エマさん? 曲出来ましたよ?」

「勘助君、もう一度呼んでよ」

「え? えっと……エマさん?」

「そうじゃないでしょ?」

「え、えっと……ヴェルデ……さん」

「うん、どうしたの勘助君?」

「言いづらいな……えっと、ヴェルデさんの曲出来たので聞いてもらえますか?」

「うん! わたしも勘助君の曲聞きたいな!」

 

 勘助とエマのやり取りに何が起こったのか分からない人、少しばかりニヤニヤしている人、エマが勘助を特別扱いしているのは分かったが、エマ呼びからヴェルデ呼びなのは距離が近づいてるのか遠ざかっているのかよく分かっていない人の三者三様である。

 

「か、勘助さん? 何でエマさんの事をそう呼んだのですか?」

「いや、エマさん……」

「勘助君?」

「ヴェルデさんがそう呼べと言ったのだ。私が菜々と呼ぶのと同じかもしれん」

「その口調何なんですか……というかそれは距離が近いのでしょうか?」

「分からん」

「勘助君には特別だよ」

「まぁ、懐かれてるなら良いんじゃないか?」

「エマさんは動物ではありませんよ」

「勘助君、わたしに膝枕して〜」

「ちょ!? エマさん!?」

「ヴェルデでしょう?」

「ヴェ……ヴェルデさん……なんか逆に違和感と仲が遠かった感がする! 菜々助けて!」

「えぇ……コホン。ヴェ……ヴェルデさん?」

「何かな? 中川ちゃん?」

「ヒッ!? す、すみません!」

 

 菜々が試しにエマの事をヴェルデと呼んでみると、すぐに恐怖した。エマが菜々の呼び方を変え、顔は笑顔であるもののどこか煮えたぎった業火を持っているオーラが菜々を襲ったからである。

 

「エマさん、菜々がびびっているので程々にして下さい」

「大丈夫、怒ってない、怒ってないよ?」

「凄いキレてますやん」

 

 菜々が恐怖しながら不思議に思ったのは勘助がエマの心を読んでいるかのように感情を察知している事である。

 エマは基本的に怒らず、不機嫌にもならない。多少なりとも悩む事や暗くなる事はあったとしても、誰かに対して怒るなどの感情はいつもほんわかとしているエマの姿を見るに想像出来ないはずだ。

 

「何となくエマさんの心が分かるんだ。璃奈さんの感情が分かるような感じ」

「勘助さんって相当凄いですよね」

「勘助君、因みに今わたしは何を考えていると思う?」

「パンくらい私が作りますよ」

「どうして分かるの!?」

「さっきまで私に怒ってたエマさんはどこ行ったんですか……」

 

 結局、勘助はこの後しばらくの間エマの事をヴェルデと呼んだが、良心が削られたらしい。

 

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