あの……ここに集まんないでもらいます?え?モーセ?違いますけど?   作:今日和

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朝起きたら日間4位になってました。うそーん。皆様ありがとうございます!


無性に一人でいたい時ってあるけどそういう時に限って人が来る

 

「はぁぁ……最&高……」

 

 『コーポ冬木』の一階にある101号室。いつもは騒がしいこの部屋の中で俺は一人黙々とテレビゲームに勤しんでいた。

 

「エアコンの効いた室内、手の届くところにあるポテチにジュース、、大画面でやるテレビゲーム、そして何より……部屋に誰もいないというこのシチュエーション!」

 

 そう、今日は珍しく俺以外誰もいない日なのだ。

 

 オジマンさんとニトちゃんは神社巡りだ。

 

 なんでもこの前神社を見た時に大変感銘を受けたらしく、今日は闇夜の太陽船(メセケテット)で他県の有名な神社に飛びだってしまった。

 

 清姫も『今日は買い出しに行く日なので。え、何を買うか?それはもう……()()()()()()ふふふ……』とか言って飛び出して行った。

 

 どうか俺に害の無いものを買っていることを願いたい。

 

 そんなこんなで徐っちゃんにゲームでも教わりに行こうかと思ったが『ご、ごめん……今はエロ同z*1……とにかく締め切りで忙しいから無理!』と断られてしまった。

 

 あの時の徐っちゃんの顔はやばかった。歯で唇をかみしめてたし血涙もダダ漏れ状態。

 

 締め切り前の漫画家ってやばいんだな。ほんとお仕事お疲れ様でスター!!

 

 そんなわけで今日この部屋……もといこのアパートにいるのは俺のみだ。つまり思う存分羽を伸ばせるってわけよ。

 

 そんな状況でやることはただ一つ。真実はただ一つ。そう、ゲームしかあるまい!

 

「あー……好きなことを好きなだけできるのって幸せなんだな」

 

 太ももの間に小さめのクッションを挟みながらポテチを頬張る。その後にジュースを一口含み、コントローラーを持ってゲーム再開。

 

 この一連の流れは良いぞぉ?欲望全てを満たすことができるからな。

 

 ちなみにポテチの油でコントローラーが汚れて操作性が悪くなるのもまた醍醐味です。嘘です。後で拭きます。ニトちゃんにガチギレされるから全力で拭きます。

 

「ま、それも後でやるか」

 

 一人暮らしあるあるその① 簡単にできるものほど後回しにしがち。

 

「布団も……どうせあとで敷くしこのままにしとこ」

 

 一人暮らしあるあるその② 基本布団は出しっぱなし。

 

「お昼は……腹減ってねえしいいや」

 

 一人暮らしありあるその③ 食事よりゲーム優先しちゃう。

 

 はい受験生の皆さん。この三つはテストに出ますからね。しっかりとノートに書いておくように。

 

 なんて馬鹿げたことを考えながらゲームをしていると、視界が僅かにぼやけてきた。どうやら布団に包まっていたのもあって、睡魔が襲ってきてしまったらしい。

 

「……二度寝すっか」

 

 はい皆さん。さっきの三つもそうですがここが一番大事ですよ。一人暮らしをしていて睡魔に勝てることはまずありませんからね。なので襲われたら抗わずに素直に負けを認めましょう。

 

 俺は一人暮らし専門家の言うことを聞き、コントローラーを置いて枕に顔を埋めた。

 

 

 

 

「おらあああああああああああ!!!!」

 

 

 

「何事!?」

 

 なんか急に鉄兜が入ってきたんだけど!?てか俺んちの窓ガラスがああああああああああ!!!

 

「やっと見つけたぞ父上ええええ!!!」

 

 いや誰だよ父上って。いつから俺は世帯持ちになっちゃったわけ?俺は父上じゃなくてモッセです。

 

「死ねええええ!!!」

 

「バラバラ緊急脱出!!」

 

 という名のただのローリング!!!

 

 あっぶね!!あと少しで死ぬとこだったぞ!!なんだあの馬鹿でかい剣は!!殺す気か!!

 

「ちょこまかと!!!」

 

「ちょ、ちょいちょいちょい!!俺は別人だって!!!お前の父上じゃないっつーの!!!」

 

「あ?まさかかのブリテンの王ともあろう者が俺に嘘をつこうってのか?」

 

 いや嘘も普通のことを普通に喋ってるだけですやん。何ブリテンって?鰤の天ぷらのこと?丸亀製麺で売ってそうな天ぷらのこと?

 

「その気配、その瞳に宿した光、そして何より………お前の家の奥の棚にしまっている『エクスカリバー(悪を切り裂く純粋なる魔剣)日記』が証拠だろうが!!!」

 

 こいつは一体何を言っているんでしょう。教えてトライさーん!教えてタイガー道場の大河先生!

 

 てかなんで俺の黒歴史の塊『エクスカリバー(悪を切り裂く純粋なる魔剣)日記』を知ってるのこいつ?

 

 あれは俺が中二の時に書いた時のやつよ?前髪伸ばして右目にカラコン入れてた時のやつよ?しかも右目に眼帯つけてたからカラコン代無駄になった時のやつよ?

 

「俺の物は俺の物!!父上の物も俺の物だ!!!つまり俺が知ってるのも当然だ!!!」

 

 助けてド⚪︎えもーん!!!この人も生粋のジャイアニストだよおお!!秘密道具出してええええ!!

 

「もしかして……忘れちまったか俺のこと。まあそうだよな。父上にとって俺なんかただの出来損ないでしかねえもんな」

 

 そう言いながら鉄兜は顔につけていた兜を脱ぎ去った。

 

「この顔を見りゃアンタもわかるだろ?俺のことをな」

 

 えーっと……すみません。どちら様でしょう。

 

 あっ、もしかして中一の時に一ヶ月で引っ越しちゃった山崎君?いやー久しぶり。あの時はDSのカセット借りパクしちゃってごめんごめんご。

 

「山崎じゃねえ!!モードレッドだ!!!」

 

「どわ!?」

 

 えー違うの!?モードレッドって聞いたこともねえけど!?赤モードってこと!?いつもより顔が赤くなっちゃってるってこと!?もしかして俺に惚れちゃったってこと!?

 

「うるせえ!!とっとと死にやがれ!!!」

 

「避けろピカ⚪︎ウ!!」

 

 ピカピーカって痛ったあああああ!?手の甲掠ったあああああ!!

 

 おのれスーパーマサラ人めえええええ!!!もっとマシな指示出しやがれ!!いつもいつも争い事に俺達ポ⚪︎モンを利用しやがって!!労働基準法で訴えるぞ!!

 

「ちっ!!しぶとい!!!……ん?」

 

 あら?なんかバチバチ言ってるんですけど?

 

「何の音だ」

 

「さあ…」

 

 この人の剣先からのなってるような……あっ、押し入れの戸を突き破って清姫の『安珍様拘束セットすぺしゃる』に剣がぶつかってら。なーんだそういうことか!なはははは!!

 

「退避いいいいいいい!!!」

 

「は?」

 

 説明しよう!清姫の『安珍様拘束セットすぺしゃる』とは、その名の通り清姫が俺を捕縛するために用意したスペシャル級の道具である!その中には超超超超超強力な電流が流れるスタンガンも含まれているのだ!

 

 後で全て破棄しておこう。

 

 えーっと………まあ簡潔に言うとだな。

 

 

 

「あ、ちょぐあああああああああ!!?」

 

 

 

 黄色いネズミの10万ボルトってわけだ。

 

「がっ…はっ……」

 

 鉄仮面はスタンガンの超超超超超強力な電撃をくらい、身体中から黒い煙を吹き出しながら倒れた。

 

 とりま一件落着……にはならんよなこれ。

 

 部屋はぐっちゃぐちゃだし怪我もした。そして何よりモードレッドをどうするかだ。

 

 警察や救急車呼んでもな……何があったん?ってなるし、清姫の『安珍様拘束セットすぺしゃる』が見つかったら俺の身が危ない。

 

 ほんと……どないしましょかね……

 

 

 

 

 

 

「……はっ!!ここは……」

 

「おはよウナギ」

 

 モードレッドが気絶してからおおよそ30分後、彼女は俺の部屋で目を覚ました。

 

「な、この……解きやがれ!!」

 

 喚きながら巻かれた鎖を引きちぎろうとするが、鉄が鳴る音を立てるだけでびくともしない。

 

 俺が取った策はモードレッドを『安珍様拘束セットすぺしゃる』に入ってあった鎖で縛ることだ。

 

 この鎖やたらと丈夫だしモードレッドに壊されることはない。俺の身も安全だし警察や救急隊に見つかることもないからな。

 

 手の傷は適当に洗って絆創膏貼ってりゃなんとか治るっしょ。最悪唾つけりゃセーフ。

 

「殺す!!絶対に殺す!!!ぶち殺してやるからな!!!」

 

 問題はこいつがうるさいってことよな。鎖は鳴らすわ怒声は浴びせてくるわで……

 

「いいからちょっと黙ってろ」

 

 って言ってもどうせ聞かねえだろうな。なんかこの人からはいつメンと同じ波動を感じるというか……

 

「はい父上」

 

 ……あっれれぇ〜?おっかっしいぞぉ〜?

 

 え、何この人。急に正座し出して静かになったんだけど。てかよくその状態で正座できたな。

 

「な、なんだこりゃ!?どうなってんだ!?」

 

 どうやらモードレッド自身にも理解が及んでいないらしい。

 

 俺の言うことを聞いたってことなのか?

 

「お手」

 

「ワン!」

 

「ジャンプ」

 

「ワン!」

 

「ちんちん!」

 

「ワ──殺すぞ!!!」

 

 どう見ても俺の言うこと聞いてるなこれ。にしてもこれまたなんで急に?父上ってやつが影響してるのか?

 

「お前さんなんで言うこと聞くんだ?」

 

「は!!てめえの問答に答える気は」

 

「話せ」

 

「父上に命令されると……すげえ嬉しくなっちまって」

 

 とんでもねえ理由だったわ。あとその顔やめろ。まじで顔がモードレッドになってるから。涎も出ちゃってるし完全に雌顔になってるから。

 

「ちっ!!こんな醜態を晒すなんて……騎士失格だ!」

 

 騎士としてというか人としてというか……

 

 てか父上の命令聞いたら嬉しくなるってドユコト?本当に同じ日本語?こいつの父上は一体どんな教育したんだ?まああんまり個人の詮索はしないようにしてるけども。

 

「どうした…騎士としての私はもう終わった!さっさと……くっ……殺せ!!!」

 

 今更騎士ぶってくっ殺しても遅いっちゅーねん。もうエ⚪︎同人誌の導入だろこれ。えっちいことしてくれって言ってるようなもんだろ。

 

「そこまで言うなら遠慮なく」

 

 まあでも俺も男だし?お前さんから言うんだったらやらざるを得ないっていうか?仕方ないっていうか?

 

 というわけで失礼して……

 

「ひゃっ!?」

 

 鎧の隙間、つまり腋の下をどぅくし!!喰らえ!!これが我が家直伝!!モッセ百裂拳だああああああ!!!

 

「ひぃっ!!ちょ、やめ♡」

 

「そ、そこはぁあぁ…♡」

 

「あっ……あっ♡」

 

 ………コホン。こ、このくらいにしておいてやる。べ、別に日和ったわけじゃねーし?いつもこちょこちょはできてるし?だから腋の下どぅくしなんてよ、余裕だったし?まあでも俺も鬼じゃないから?この辺で許してやるっていうかさ?な?

 

 はい嘘ですごめんなさい。拘束されてる人に腋の下どぅくしをしてたら罪悪感湧いて逃げちゃっただけです。

 

「おい……やめんじゃねーよ」

 

「え?」

 

 ぐったりした大勢のままモードレットはポツリとつぶやいた。

 

 ……今なんて?

 

 

 

「やるならやれ!!ほら!!そんなじゃたりねえぞ!!もっとガツガツ攻めてきやがれ!!」

 

 

 

 what?

 

「父上!!!不出来な息子に躾をするチャンスだぞ!!さあさあさあさあ!!」

 

 あー……はいはいOK丸ピッピ。完全に理解したわ。こいつ生粋のガチドMだわ。目がイッちゃてる!↑状態なのが良い証拠だわ。

 

 あと父上じゃなくてモッセです。

 

「お願いだ!!それじゃあ俺は満たされねえ!!もっと蔑んだ目で!!俺をゴミ同然として扱ってくれ!!!」

 

 さっきまでの俺を殺そうとしてたお前さんはお星様にでもなってしまったのでしょうか?

 

 まじでこいつと父上ってやつの親子関係おかしすぎだろ。息子に殺されそうになって今度は攻めを求められるってマニアックな風俗でもねえシチュエーションだぞ。

 

「安珍様!!貴方の愛しの清姫が只今帰りまし…た……」

 

 おっと、とてつもなく最悪なタイミングで清姫様がご帰還なされたぞ?

 

 ではここで皆さんに問題です!じゃじゃん!この後は俺はどうなっちゃうでしょう!!

 

 ①普通に死ぬ

 ②一瞬で死ぬ

 ③苦しんで死ぬ

 

 さあ皆さんは解答できたかな?うんOKなようだね!それじゃあ正解発表行っちゃいまーす!!

 

「私がいない間に女狐を連れ込むなんて……」

 

「まあ待て違うんだ」

 

「早く!!俺が熱っているうちに続きをしてくれよ!!!」

 

「浮気ですかああああああ!!!」

 

「父上!!もう我慢できねえんだ!!!早くさっきみたいにいっぱい突いてくれ!!!」

 

「フシャアアアアア!!!!」

 

 はい。正解は④の地獄のような苦しみを味わった後に死ぬでした。簡単にできるから皆さんも是非やってみてくださいねー!ご機嫌よう!!

 

 

 あと父上じゃなくてモッセです。

 

 

 

*1
ぐっ様(モッセ)





「くしゅん!!」

「風邪かセイバー?」

「いえ……誰かが私の噂をしているのかもしれませんね」




 モードレッドって良いですよね。父上殺したいけど愛されたいっていうのが。って考えてたらこうなった。考えるな感じるのだ。
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