なんというか............
本当に唐突で、突然に申し訳ないのだが..................俺!?
どこかの金持ちのお嬢様へと生まれ変わってしまったらしい。
いや、待て。待ってくれ。俺だってこんな状況、何が何だか理解できていないんだ。
俺は34歳、独身。名前は.........あれ?なんだっけ。とにかく、普通のサラリーマンだ。
いつものように、あ~だりいな働きたくねぇ~って朝起きて身体を起こすと、いつもと違う部屋だっだ。
俺の住んでいたやっす~いアパートなんかではなく、天蓋つきのふかふかなベッドの中にいた。
全体的にピンクのかかった白で、細かい金の刺繍が散りばめられていて............そう、まさにお姫様が使うようなベッドだ。
こんな大きなベッドなんて俺の部屋に入らないし..........なんて思いながら天蓋をめくって部屋を見渡すと、そこはもはや俺の部屋じゃなかった。
広々とした部屋には、白とピンクを基調とした洋風なアンティーク?な家具が置かれている。
可愛らしいとは思うけど、どこなんだここは。お姫様の部屋か?
俺は昨日まで普通に働いていたはずだ。そしていつも通りに帰宅して、あまりにも疲れていたからすぐ布団に潜り込んで............そのまま寝て、起きたらこうなっていたと。
いや。なぜだ。
........................
あぁ、そうか。こりゃ夢なんだ。疲れすぎたあまり、自分がお金持ちになった夢を見ているんだな。
だったら今はこの夢を楽しまなきゃなと思った俺は、とりあえず起きて部屋の中を歩き回る。
大きなベッドにタンス、洒落た机、椅子。これまた大きな本棚には本がぎっしり入っているが漫画は一切ない。
そして豪華な装飾が施された全身鏡を見てみると.........
!!!???
俺は驚いた。それは無理のない事だ。なぜなら、鏡に写っているのは、とてつもない美少女だからだ。
軽くウェイブのかかった柔らかな栗色の髪。色白な透明感のある肌。整った卵型の小さい顔。ぱっちり大きな瞳。
え!俺、夢の中ではこんな美少女になってんの!?
そう驚いている直後。
コンコン、とドアがノックされた。
「は......ひゃい!」
びっくりしてつい、声が裏返ってその上噛んでしまった。ていうか声も可愛いな。
そしてドアが開き部屋に入ってきたのは。
「おはようございます。お嬢様。朝食の準備が整っております。」
すごい、メイドさんだ!でも実際、お金持ちといってもメイドさんのいる場所なんかそうそうないよな.........知らんけど。
なんて思いながら、お嬢様らしい返事を考える。
「ご、ごきげんよう...?え、ええ、お着替えしたらすぐ参りますですわ!おほほほほほほほ」
メイドは不思議そうに俺を見つめる。何かまずかっただろうか?結構お嬢様らしい口調だと思ったんだけどなぁ。
「ふふ、少々寝ぼけていらっしゃるようですね。お顔を洗ってこられてはいかがでしょう。」
と、クスリと笑いながらメイドに言われた。
とりあえずタンスの中にある服を適当に選んで、洗面所で顔を洗う。おっと、美少女お嬢様の顔なんだから優しく丁寧に洗わなくては。
そうしてさっぱりしたところで、あれ?何か思い出したような......
俺、いや私は令嬢ミレイヌ............
そう!!ミレイヌよ!
いや何でだよ!!!