デュエルマスターズ darkness zero 作:deta豆
俺がそう言うと、彼女は仮面とローブを脱ぎ捨てた。
そこには、あの見慣れたあの美しい白い髪がなびき、白いドレスが揺れていた。
そしてあの朱い眼がこちらを見つめている。
よく見てみると、彼女の右腕には赤黒い液体の入ったグラスが握られていた。
その次の瞬間、世界が暗転したように感じた、動きも、他の声も、風の音も、耳鳴りすらも聞こえない。
聞こえるのは、彼女の笑い声と、俺の心臓の鼓動のみだった。
「フ…フフ…フフフ…ハハハハハハ…」
ルナの笑い声は、この世界の荒野に響き渡った。
次にルナが話し始めた。
「顔も、手も、声も…何も分からないはずなのに、分かるんですか…はぁ……私に言った事…私とあなたの約束…」
この時の俺は、本当に何を言っているのか分からなかったと思う、それに…声が出ない。
「...何も喋らないの?」
「…まぁ…良いですよ…私がどうにかしますから。」
そう言うとルナはマザーブレインに近づき、頭を掴んだ、そして...一瞬にして左目を抜き取った。
しかし、マザーは反応しなかった。
「さぁ、始めるぞ。」
ルナが言うと、世界は元の姿を取り戻した。
それと同時に、うめき声が上がる。
「あ"あ"あ"あ"あ"!?!?」
「え、マザー!!」
ギャップは焦ってマザーブレインに接近しようとしたが、サンマッドがそれを静止した。
それと同時に、空の飛行船から大量のレーザーがルナに向かって放たれた。
「虫か?」
そう言い、ルナは左手の掌を天に掲げた。
そうすると、レーザーは止まり飛行線が揺れ始めた。
「虫は潰さなくてはならぬな」
そうして、ルナは掲げた手を握りしめた。
空に轟音が響き渡る。
ふと、空を見上げると、空に浮かぶ数多もの飛行船が全て塵芥と化していた。
その場にいるものが地獄のような惨状に唖然とする中、ルナが俺にマザーブレインの目と思われるものを見せてきた。
よく見るとそれは水色に輝く宝石だった。
「よく見るがいい零。」
そう言うとルナはあの剣を取り出し、剣のへこんでいるところに、その宝石をはめた。
「これが、マザーの目に奴が隠していた水文明の宝石。」
そして、ルナは更にどこからともなく5つの宝石を取り出した。
「これが光文明の王が持っていた光文明の宝石。」
「さらにこれがシャングリラが所持していたゼニスの宝石。」
「ドキンダムXの中に埋まっていた火文明の宝石…」
「バラギアラに埋まっていた、自然文明の宝石…」
「そしてこれが、完全な覇王の宝石だ。」
そう言いながら、ルナは一つ一つ、その剣に宝石をはめていく。
それを見ていたジャブラッドはルナをすごい形相で睨みつけていた。
そうして最後の宝石をはめた時、剣は段々と型を変えてゆき、やがてそれは不定型な武器になり、しばらくするとその武器は鎌となった。
それを見たジャブラッドが、口を開く。
「ルナ!貴様が現時点で全ての契約者の中で頂点に立つ実力者なのは知っている…だが、その武器が誰の物だと思っている?」
そう言うジャブラッドの目は、今までにないほどの怒りに溢れていた。
それに対しルナは落ち着き払った様子で答えた。
「そう怒る必要はあるまい、第一…武器もふさわしいものの手に渡った方が幸福だ…貴様もそう思うだろう?零。」
そう言うとルナは手に持ったグラスの中身を飲み干した。
「あぁ!美味だ!私の見込んだ通りやはり!貴様の血が至高だ!」
そう言うと、ルナは俺の両手を掴んだ。
「2口だけではやはり足らんな…まだ死ぬ事は許さぬぞ?零。」
そう言うと、ルナは俺の首元に顔を近づけた。
その時、長い連なる腕のようなものが俺を掴み、ルナから遠ざけた、見るとそれはデッドゾーンの腕だった。
「テメェ零!今までの威勢はどうした!怖気付きやがって!さっさと逃げるぞ!」
アダムスキー「マザーは私が運ぶ。」
サンマッド「よし、なら早く逃げ…」
その時、目の前に見覚えのある魔法陣が現れ、その中から次々と見覚えのある奴らや知らない奴らが現れた。
アダムスキー「…え?」
デッドゾーン「おいおい嘘だろ...」
サンマッド「1、10、100、1000…クソ!用意周到に三の倍数にならない人数で来やがって…」
更に、後ろから─
リスト「こんにちはdm零!」
零「…」
リスト「お早い再開ですわね。」
更にクリスタ側の方から蝿ゼニスがルナに近づいて来た。
クリスバアル「イクリプス様!貴方様のおっしゃった通り、大量の敵が草木に隠れて待機しておりました!」
そう言うとアダムスキーの分身と思われる者達が大量に運ばれて来た。
ルナ「ご苦労、だがこいつは分身するし修理すればすぐに元通りになる、最後の1人にも気を抜くな。」
アダムスキー「ッ…(先読みされてた…?)」
ギャップ「詰みか…」
そうして、俺達は大勢の敵に囲まれた。
さらにその中には、他とは雰囲気の違う一目で強者と分かるものも何人か居た。
それが、この状況が絶望的なものであるとわかり、俺以外の全員が膝をついた。
そしてその敵の中から1人の紳士のような男が現れた。
???「我が君、この者達をどうすれば良いのでしょう?」
ルナ「バタイユ、お前は私と共にデスザロストとシア、その他ゼニス達の居る地下牢に連れて行くぞ。」
バタイユと言うシルクハットの男はルナに深々と頭を下げ、俺達を掴んだ。
ルナ「待て、バタイユ」
バタイユ「何でございましょうか。」
ルナ「零は、私が連れて行く。他の者達は光文明へ潜伏するが良い。」
そう言うとルナは俺達を見つめた、そうすると、体の自由が奪われ、意識が段々と意識が遠のいて行く。
ルナ「また会いましょう、零。」
そうして俺の意識は、暗闇へと落ちていった。
ルナ「では、我々は彼らを連れて行きます。」
そうしてルナが俺を連れて行こうとしたその時
ルナ「…その前にリスト」
リスト「何ですか?ルナ姉様。」
ルナ「貴様、零を自らの手で殺害しようとしたらしいな。」
リスト「…申し訳ございません」
その2人の会話に、1人の少年とクリーチャーが割って入る。
冥「待ってくれ!ルナ姉さん!」
シャングリラ「…」
ルナ「あぁハデス、シャングリラ、お前は本当によくやってくれた、あの時からお前が上手くやってくれたおかげで今があるのだ。」
冥「それは…」
ルナ「では、お前は皆と共に早く光文明へと行くが良い、私もすぐ合流しよう。」
冥「分かったよ…姉さん」
気がつくと、俺は牢屋に閉じ込められていた。
ジャブラッド「チッ、ようやくお目覚めか、契約者」
零「ジャブラッド…」
ジャブラッド「はぁ、テメェ会ったばっかの頃に近くなってないか?…それはそうとして、お前の同居人も元気そうには見えないがな。」
そう言い牢屋を見渡すと、壁にもたれかかり、黙っているマザーブレインが居た。
マザーブレイン「ルナさん…」
そして向い側の牢にはまだ眠っていると思われるアダムスキー達が居た。
ジャブラッド「お前、何で戦おうとしなかった?いつでも暴れられただろ。」
零「…」
そう言った話をしていると、向こうから何者かが歩いて来た、見るとそれは多分、火文明で出くわした巨大な目のクリーチャーであった。
デスザロスト「…目覚めた様だな」
零「何の様だ…」
デスザロスト「来い」
そう言うと、目の前のクリーチャーは牢を開けた。
零「何の真似だ」
デスザロスト「真実を教えてやる。」