デュエルマスターズ darkness zero 作:deta豆
バス停に辿り着いた
が、バスはまだ来てはいなかった。
「零、何が来たとしても、決して反応しないように」
「…?」
彼女の言葉の意味を理解出来なかった俺はひとしきり考えたが答えはすぐに出る事になった。
右側から聞こえて来るガッチャガッチャという音にハッとしてそちらを見た。
それはとてつもなく背の高いまるで人間とは思えない奇怪なナイフとフォークのような形をした2体の人型の何者かだった。
「っ!?」
俺は言われた通りに気づかないフリをした。
そして奴らは俺達の座っている席の隣に座った。
「零」
「?」
「寒いですね。」
「まぁそりゃクリスマスだし。」
「ねぇ、知ってます?幸せの青い鳥のお話、クリスマスに男の子と女の子が幸せを見つけに行く話。」
「知らない、聞いた事も無い…教えてくれるのか?」
「はい!青い鳥を探しに行った二人は…やっぱり今度一緒に読みましょう。」
「んだよ、話してくれるんじゃなかったのかよ」
「私も詳しい内容は覚えてないんです…そうだ!今度一緒に読みませんか?」
「分かった、今度一緒に読もう」
彼女は俺に小指を突き立てて来た。
「じゃあ、指切りげんまんですね」
「「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます指切った!」」
そうこうしてる間にバスが来た
「行きましょうか!」
「お、おう…」
バスに乗ろうとした次の瞬間
恐らく奴らの物であろう声が聞こえた。
「貴方…我々の事が見えていますね?気づかないフリをしているだけでしょう?"闇の王"とdm。」
次の瞬間、鳥のような何かが現れ二人組をとんでもなく遠くに吹き飛ばした。
「早く乗ってください!」
俺はルナに言われた通り急いでバスに乗った。
「お金をお願いします。」
「スイカで二人分私が払います。」
運転手と思われる者にはさっきまでの会話含め全ての事象が認識出来ていないようだった
...もしくは気づいていないフリをしているだけか。
「良いですよ 乗ってください。」
俺は彼女と一緒に席に座った。
ふと、窓の外を見た。
そこにはさっきまで居なかった巨大な本の様な物を付けた怪物とドミノの様な装飾を付けた細身の怪物が争っていた。
…そうこうしてる間にバスが出発した。
彼女が口を開いた。
「…クリスマスと言えばもう一つお話がありましたね。」
「どんな話だ?」
「救世主誕生のお話です。」
「救世主か…なんか響きがかっこいい。」
「まぁ救世主の生まれた日がクリスマスに関係あるかは諸説あるんですけどね。」
───
外には様々な怪物が居た。
ろうそくの様な怪物…や階段の様な怪物…
暖炉の様な怪物や日本の妖怪の様な怪物…
俺は気づかないフリをし続けた。
そうしている間にバスが停車した。
「降ります。」
彼女は俺の手を掴みまさにバスを出ようとした。
その時、バスの運転手が声を上げた。
「失礼、お客様"闇王"ですね?」
車内の空気が一気に重くなった。
ルナが何か声を出そうとしたが、運転手の正体を理解したのかカードを取り出し何かをしようとした。
が、その前に運転手が正体を表した。
小学生6年である俺より少し小柄であり、鋼鉄の仮面と黒い布の様な物を被り、腕はまるでハンマーの様だった。
「さぁ、嬢ちゃんそいつを渡してもらうか。」
「逃げますよ零。」
「逃すか!」
ハンマー男の攻撃は、ビルの壁に巨大な穴を開けた。
「な、何だ!?」
「行きますよ!早く!」
焦りを隠せない彼女は俺の腕を掴みコンビニへと行こうとした、当然ハンマー男もそれに反応しすかさず彼女に攻撃を入れようとした次の瞬間、上空から巨大な禍々しい者、鳥、いやスザクが現れた。
「(ピギャーッ)」
「放せ!鳥野郎!」
「(ピギャーッ)」
その間に彼女は俺の手を引きコンビニの店内に連れて行った。
「さぁ、適当にパック開けてください!」
「それで何とかなんのか!?」
「多分…」
「多分って…」
その時、店の奥の扉が開いた。
見るとそこにはバス停で吹っ飛ばされたはずのナイフ男とフォーク男が立っていた。
「ここに居るはずなんだが…」
「探しますよ、恐らくパックがあるとこに居るはずです。」
奴らがこっちに向かって来る。
「(逃げられない…)」
「パックを!早く!」
「糞っ一か八か!」
俺はパックを開けた、最初は人生に意味を見出す為に、デュエマを始めるためにここへ来たはずなのに、気づけば目的は生きる事に変わっていた。
「なら一つ問う、お前の望みは何だ?」
その瞬間、一瞬にして全てが闇に包まれた様な感覚がした。
俺は、こう答えた。
「…"今は"生きる事だ。」
「その理由は?」
理由、そんな事考えた事も無かった。
何せ今まで何で自分が生きたいのか分からなかったから。
俺は考えた 考えて考えて考えた。
そして、答えが出た。
「…これから始まるってのに…終わってたまるか。」
「そうか、ならお前を生かしてやる。」
「…わかった。」
「契約…成立!」
辺りが元に戻る、一つを除いて。
さっきまでパックがあった場所には巨大な黒い渦が渦巻いていた、その中心に居るのは...巨大な骨で構成された龍。
「我名は邪龍ジャブラッド!アビスロイヤルの頂点に立つ龍だ!ハハハハハ!」
「…」
ルナはそれを見つめていたが、例の二人組は激しく動揺している様だった。
「あわ、あわわ…」
「ヒィィィィィィお助けぇぇぇ」
「…おいルナ、お前よくやった、俺に相応しいデュエリストを見つけてくれたな!」
そう言う骨の怪物に対して、ルナはバツが悪そうに答えた。
「一時的な強力関係だけだ、それにまだ零はデュエマすらした事が無い…」
「まぁ俺が何とかするから大丈夫だ、ハハハハハハ!」
「(一体全体何がどうなって…)」
俺が困惑している間もなく、轟音と共に、入り口のドアが破壊される。
そこにはハンマー男が立っていたが、ジャブラッドと言う怪物を見ると一瞬で表情を変えた。
「ジャ、ジャブラッド様!?どうしてこんな所に…」
「ハンマダンマ!時間通り我が契約を祝いに来たのか!ハハハ!」
ハンマー男の名はハンマダンマと言うようだ。
「も、申し訳ございません…俺はただ闇の王が怪しげな動きをしていたから…」
「こいつに零を殺されそうになりました。」
ルナはハンマダンマを指差してそう言った。
「なんだと?あらかじめ打ち合わせしてたはずだろ?」
「す、すみません…今まで忘れてました…」
「まぁ、良いだろう それはそうとして…予想だともうそろそろ来る頃だな。」
「え、えっと…」
「ハハハ契約者!怖気付いているのか!無理矢理連れてきた様な物だから仕方ないだろうが今全てを説明してる暇は無いぞ、だから1つだけ聞いてやろう。」
「じゃ、じゃあ聞くが…何が来るんだ…?」
俺の問いに対し、ジャブラッドはニヤリと笑って答えようとした。
だが、ルナに先を越されてしまった。
「ほk…」
「他文明です、恐らく水。」
「どう言う事だ…?」
「すぐに分かる ほら来たぞ。」
ダンマと呼ばれる男が指で刺した方には、機械的な衣装を来た水色の長い髪の小柄な少女が居た。
「…dm発見 速やかにゲットする。」
「?」
「何やってんだ!さっさとカードだs…」
「スタート」
俺は訳も分からず、その少女に捕まってしまった。
「なっ」
「ミッション完了コンプリート」
「まずい…」
ジャブラッドが焦った様にルナの方を見ると、ルナはニヤリと笑った。
「門を展開します…」
そう言いながら彼女はカードを取り出し、片手で円を描いた。
「無月の門、展開」
その瞬間、世界が再び闇に包まれた。
恐らく、とんでもなく範囲が広い。
闇へと落ちて行く。
俺は落ちて行く、この先の世界に、何が待ち受けているのかも知らずに…