デュエルマスターズ darkness zero   作:deta豆

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第27話 馬車

 

馬車に揺られて行く

 

俺は、ただ道に沿って走る馬車の上に乗り、揺られて行く

 

生まれ育った町を背に、ゆっくりとしかし確実に進んでゆく

 

ハデス「...」

 

周りには、見知らぬ年下の女の子1人と、自分より年上に見える女の子が2人、座っていた

 

その内の白髪の女の子が、俺に近寄って来た

そしてその女の子は、俺の隣に座り、声を掛けて来た

 

ルナ「はじめまして!私ルナって言います!」

ハデス「こ、こんにちは」

彼女は長く美しい金色の髪と、こちらの全てを見通すかのような紅い眼を持っており、子供とは思えないような何百年も生きている様な雰囲気もあった

そうして、彼女が首にかけているペンダントがキラリと輝いて見えた

ルナ「お名前は?」

ハデス「ハデス...」

ルナ「ハデスくん...ですか?よろしくお願いします」

ハデス「こちらこそ、よ、よろしく...」

 

 

しばらくして、俺達は城へと着いた

 

 

城はとても綺麗で、汚れの一つも見当たらなかった

 

大人「君達、こっちだよ」

 

俺達は言われるがまま、ついて行き、ある部屋へ案内された

大人「着いたよ、ここだ」

そう言う大人に対し、1人の女の子が声を上げた

クリスタ「あの、この部屋は...何ですか...?」

そう言う女の子に対し、大人は優しく答えた

大人「君達の家になる場所だよ」

そう言って、大人は扉を開けた

 

中はとても広く、テレビやキッチン、クローゼットやソファーなど、まるで家の様な場所だった

 

ベッドは4つ、俺達が大きくなっても使えそうなぐらい広かった

 

カノン「わーい!お人形さんがいーっぱいなのだわ!」

そう言うと、見知らぬ女の子はおもちゃ箱のに向かって走って行った

気がつくと、後ろにいたはずの大人は姿を消しており、部屋にはいつの間にか4人だけになっていた

クリスタ「パパやママのとこにはいつ帰れるですか...」

ルナ「ここの一番偉い人の事を親だと思えばいいんじゃないですか?」

クリスタ「そう言う問題じゃなくて...!」

 

ハデス「ねぇ、えっと...自己紹介したいな...」

 

俺がそう言うと、皆んなは俺の方を見た

ルナ「良いですね!やりましょう!やりましょう!」

カノン「はーい!私からやりたいのだわー!」

 

カノン「私はカノン!4さいなのだわ!好きなものはお人形とか!よろしくなのだわ!」

 

ハデス「えっと、俺ハデスって言うんだ、えっと7歳で...皆んなよろしく」

 

クリスタ「クリスタって言いますわ、年齢は8歳...よろしくお願いします...」

 

ルナ「ルナって言います、年齢は10歳です、よろしくお願いします」

 

こうして俺達は、長い時間一緒に過ごした

 

テレビゲームをしたり、一緒に料理をしたり

外で球遊びをしたり、一緒に本を読んだり

気づけば俺達は兄弟の様に仲良くなっていた

 

ルナ「じゃあ、写真を取りますよー」

 

[カシャッ]

 

それから数ヶ月後、あの時がやって来た

 

大人「起きて、時間だよ」

大人が夜中に突然俺達を起こした

カノン「ん〜まだ眠いのだわ〜」

大人「夜分遅くにごめんね」

クリスタ「夜に起こして何の用事ですか?」

大人「少しね」

 

大人はそう言うと俺達を地下深くへと連れて行った

 

そこには何人も人が居た、その中で一際異彩を放っていたのが1人

 

そいつは白い衣装を見に纏い、背中には虫の羽の様なものが生えていた

その姿はまるで...蝿

 

???「来たか、ツラトゥストラ」

大人「はい、タブラ=ラーサ様 全て予定通りです」

タブラ=ラーサ「そうか、では私は帰るとしよう、あとは頼んだぞ」

そう言うと、そいつは一瞬にして姿を消した

 

大人「さぁ、こっちだよー」

そう言うと、大人は俺達を何も無い灰色の部屋へと入れた

 

カノン「ここ...なんだか...怖いのだわ...」

 

ルナ「...」

 

そんな話をしていると、突然、部屋に黒い霧の様なものが充満し始めた

俺達には、それが危険なものだと一目で分かった

ハデス「な、何だよこれ...」

クリスタ「お願いします出して!助けて!」

クリスタがドアを叩くも、ドアは消して開く事は無かった

 

部屋が霧で満たされ、俺達の意識は、闇へと消えていった

 

闇の中で、俺は不思議な感覚を味わった

 

俺が目が覚めた時、ドアが既に開いていた

周りを見ると、既にルナ姉さんは起きていた

 

ルナ「起きましたか、大変なことになってますね」

ハデス「カ、カノンは...クリスタは...?」

ルナ「脈はありますね、気を失っているだけです」

ハデス「良かった...」

その時、大量の大人達が中へと入って来た

???「見つけたぞ、奴らを連れて行け!」

一番偉そうな大人がそう言うと、周りの大人達は俺達を拘束し始めた

ハデス「なっ!?離せ!」

ルナ「...」

兵士「クソっ!抵抗してるぞ!」

俺は必死に抵抗し、大人達を振り払った

ハデス「...皆んなは...俺が守る...」

兵士「抵抗するな!グハッ!」

俺が蹴飛ばした兵士は血を吐き、倒れた

それを見た一番偉そうな大人が一瞬で俺に近づき、腹にパンチを入れた

???「フンッ」

ハデス「グハッ」

俺は再び倒れ、意識が飛んだ

 

 

気がつくと俺は牢屋の様な場所に入れられていた

ハデス「ここは...」

???「気が付いた様だな、人間」

突然、声が響く、恐る恐る振り返ってみると、謎の少女が座っていた

ハデス「だ、誰だ!?」

???「落ち着け、殺すつもりはない、もしろ助けたい」

そう言うと謎の少女は俺のそばに一瞬で近づいて来た

???「その力...悪魔神の残滓の一部を浴びたか...その力、今のままだと耐えられず死ぬだろう」

ハデス「え?」

???「私と契約すれば生かしてやれる、どうする?」

俺は考え込んだ、「もう自分の命なんてどうでも良い」とも思ったが、その瞬間、皆んなの顔が思い浮かんだ

ハデス「俺は...俺は皆んなを守れる力が欲しい!」

???「...そうか、それが貴様の願いか...いいだろう、承った」

 

そう言うと少女は俺の腕を握りしめた

全身に力がみなぎって来るのを感じる

ハデス「...俺の名前はハデス、君の名前は?」

シャングリラ「...ハデス、お前の他者を重点的に考える思想...私は好きだ...我が名はシャングリラ、よろしく頼む、契約者」

ハデス「それじゃあ早速ここを...」

シャングリラ「待て契約」

そう言って鉄格子を触ろうとした次の瞬間

ハデス「ぐがっ!?」

シャングリラ「はぁ...」

ハデス「な、何が起こって...」

シャングリラ「その鉄格子には、聖なる力が備わって居る、うかつに触ると危険だぞ」

ハデス「こんなところ一体どうやって...」

シャングリラ「時を待て、契約者...さすれば道は開かれる」

 

 

それから数年間、俺は牢屋の中で酷い食糧を与えられても、暴力を振るわれても、必死で耐えた

 

ハデス「...」

シャングリラ「契約者...」

ハデス「絶対姉さん達を助けるんだ...絶対...」

途中、見知らぬ子供達の会話も聞こえた

 

???「私行って来る」

???「やめろって!絶対危ない奴だ、母さんに叱られるぞ!」

???「大丈夫大丈夫!」

 

そんなある日、俺は移動になった

兵士「来い、牢屋を変えてやる」

そう言って連れてこられた先には、カノンやクリスタ姉さんの姿もあった、が皆んなは全体的にやつれており、最後に会った時よりもやつれ、弱って見えた

ハデス「皆んな...」

クリスタ&カノン「ハデス!」

 

カノン「無事て良かったのだわ...!」

そんな中、俺はある違和感に気がついた

ハデス「な、なぁ...ルナ姉さんは...」

クリスタ「...分からない」

ハデス「そんな...」

その時、隣側の牢屋から声が聞こえた

ルナ「私は無事ですよ」

ハデス「ルナ!ルナ姉さん!」

クリスタ「良かった...無事だったんですね...」

ルナ「はい、でも大丈夫です すぐ出れますよ」

ハデス&クリスタ&カノン「...?」

 

ある日、真夜中、俺は一人だけ足音で目が覚めた

 

牢屋の外を見ると、黄色の目をしたおさげの清潔そうな可愛い女の子が、ルナ姉さんの牢屋の方へ歩いて行った

ハデス「(誰だ...?)」

 

しばらくすると、ルナ姉さんの居る牢の方から話声が聞こえた

 

???「ねぇルナ、デュエルやろう!プレイングとかもっと詳しく教えてよ!」

ルナ「...一つ疑問に思うんですよ、あなたなら、私を聖なる力で痛めつけても構わないはずなのに、何故こう毎日話を聞きに来るのか」

???「... 私は私を強くして、それでもなお頂点であり続ける物が大好き、そんな人を痛めつけるだなんて...考えた事も無かった」

ルナ「...失礼、貴方を冒涜してしまいましたかね?」

???「そんな事無い!じゃあデュエルしよ!私、あなたにもっと強くして欲しい」

ルナ「いや、ごめんなさい、今日は出来ません」

ルナ「明日の夜、私は少し忙しいんです、そこで一つ貴方に頼みがあります」

???「どう言う頼み?なんでも聞くよ?」

ルナ「明日、この牢屋の鍵を盗み出して欲しいんです」

???「分かった、明日ここを出るんだね?」

ルナ「そうです、それに...脱出できない方々も居ますから」

???「...分かった、任せて」

 

 

そうして、次の日の夜

 

外がやけに騒がしかった

 

ハデス「...なんだ?」

クリスタ「カノン、私の後ろに」

カノン「...」

 

外では兵士たちの悲鳴が絶えず聞こえた

 

そうして、この牢屋の前に、あの偉そうな大人が現れた

 

???「クソ!見つけたぞ、悪に手を貸すなど...」

ルナ「逃げるんですか、輝正宗(きらまさむね)」

正宗「クソ!イクリプス!追いついて来るとは...やむおえん...我が名は輝正宗!正義の名の元に!悪を裁」

その瞬間、ルナ姉さんの腕が、あの偉そうな大人の腹を貫く

俺達の、目の前で

正宗「あ...」

ルナ「セミよりも五月蝿い害虫ですね」

 

そうしてこっちを向いたルナ姉さんはあの少女の名前を口にした

 

ルナ「アカリ、彼らを解放してください」

アカリ「分かったよルナ」

そう言うとアカリと言う少女は牢屋を開けた

 

ハデス「...え?」

ルナ「クリスタ、カノン、ハデス 逃げますよ」

カノン「え?え?」

クリスタ「待ってくださいルナ姉様!そんないきなり...」

アカリ「黙って従った方が身のためだと思うけど?」

クリスタ「...」

アカリ「分かればよろしい」

 

姉さんに従えば、逃げられる

皆んなで

だが...俺には心残りがあった

 

ハデス「なぁ...ルナ姉さん」

ルナ「?何ですかハデス」

ハデス「隣に居るシャングリラって奴...俺の事助けてくれたんだよ...一緒に逃げたいんだ」

そう言うと、姉さんは頷いた

ルナ「ねぇアカリ、あそこの牢屋も開けてくれる?」

アカリ「分かったよルナ」

 

そうして、開けられた牢からシャングリラが出て来た

 

シャングリラ「...何故だ?」

ハデス「?」

シャングリラ「契約者!何故私わや助けさせた!私を助けている暇は無いはずだ!」

ハデス「シャングリラ...お前は俺を救ってくれた、だから俺はお前を救いたい」

シャングリラ「...分かった」

そう言うとシャングリラは俺の後ろに着いた

シャングリラ「契約者...地獄の果てまで共に行こう」

ハデス「あぁ」

 

ルナ「では逃げますよ、裏口はどっちですか?」

アカリ「こっちだよルナ、ついて来て!」

 

そうしてアカリと言う指示の元、俺達は裏口に向かった

 

???「父さん!!!起きてくれよ!父さん!」

???「ヒカル!今はこの場を去る事が最優先です!」

???「でも...」

???「ヒカル!」

???「...分かりました」

 

後ろで話し声も聞こえたが、そんなものは耳に入って来なかった

 

 

気がつくと、俺達は捕らえられていた光の城から抜け出し、広い原っぱに出た

 

そうしてそこには、あの日見た蝿の様な女が居た

 

ルナ「貴方は...」

そう言うルナ姉さんの言葉を遮るかの様に、蝿の女は話出す

 

タブラ=ラーサ「我が名はクリス=タブラ=ラーサ、覇王ブラックモナークの部下の7罪の内の一つ、蝿の王だ」

 

タブラ=ラーサ「君達には本当に申し訳ない事をした...だが聞いて欲しい、ワシは...他の者に汚された覇王様の楽園を取り戻したいんだ...協力してはくれないだろうか...」

そう言うと、女は深々と頭を下げた

 

ルナ「私には私の目的があります、まぁ...気が向いたら協力しますよ」

タブラ=ラーサ「...」

クリスタ「...分かりました、協力しましょう」

その言葉にタブラ=ラーサは頭を上げた

タブラ=ラーサ「本当か!?」

クリスタ「...私達にあんな事をして...のうのうと正義を掲げて生きている奴らが居るなんて、私は許せませんわ」

タブラ=ラーサ「ありがとう...ありがとう...」

 

そんな中、俺とカノンは、状況の整理がつかなかった

 

カノン「...」

ハデス「...」

 

タブラ=ラーサ「後ででも良い、ゆっくり考えてくれ」

 

そう言うと、蝿の女は馬車の様なものを作り出した

タブラ=ラーサ「ワシが運転しよう、皆んな乗ってくれ」

そうして俺達は、馬車に乗り、ゆっくりと揺られて、空を進んで行った

 

馬車の中で、俺達は話し合った

 

ハデス「なぁ、これからどうする...?」

そう言うと、ルナ姉さんは答えた

ルナ「私はこの世界の頂点にのし上がるつもりです」

そう言って、ルナ姉さんは首元のペンダントを見て、ニヤリと笑った

アカリ「私は何処までもあなたについてくつもりだよ、ルナ」

ルナ「嬉しいですね、ありがとう」

 

ハデス「クリスタ姉さんとカノンは?」

クリスタ「復讐、それだけですわ」

カノン「私は...」

その時、シャングリラに肩を叩かれた

シャングリラ「そう言う契約者はどうなのだ」

 

ハデス「決まってる...俺は─」

 

 

 

 

─現在─

 

 

ハデス「姉さん達を守るよ」

シャングリラ「?どうした契約者」

クリスタ「急にどうしたんですか?ハデス」

 

ハデス「ごめんシャングリラ、クリスタ姉さん 昔のことを考えてて...」

 

ザキラ「おい」

ハデス「ザキラ!?」

ザキラ「捕まえて来たぞ」

 

剣「クソ!離せ!」

クリスタ「ザキラ、これまで通り、私達のために戦いなさい」

ザキラ「フンッ」

そう言うと、ザキラは去って行った

 

カノン「クリスタ姉様!ハデス兄様!」

ハデス「どうした!カノン!」

カノン「ウェディング様が...」

ウェディング「ぐ...」

零「悪いな退いてもらうぞ、ゼニス!」

 

シャングリラ「ウェディング、通せ、我々が相手をする、お前達は後ろに下がっていろ」

ウェディング「ぐ...ありがとうございます...」

カノン「仲間が大勢やられた...私のせい...」

ハデス「大丈夫だカノン!お前のせいじゃ無い!あいつ(零)は防御力も戦闘力も明らかに一般人じゃ無いんだ!」

そうして居る内に、ここ、中央広場に到着されてしまった

 

零「見つけたぜ、クリスタ!シャングリラ!カノン!そして冥!」

剣「すまねぇ...負けちまった...」

零「あぁ、大丈夫だ」

零「アダムスキー、デッドゾーン、サンマッド!」

S級侵略者「?」

零「俺はもう大丈夫だ、他の仲間の援護をしに行ってくれ」

デッドゾーン「...分かったぜ、信じてるぞ、零...いや...俺達の覇王」

その言葉に、アダムスキーとサンマッドも頷き、その場を去った

ジャブラッド「周り...あいつらだけじゃ無く結構な数いるぞ?」

零「ルナは居るか?」

ジャブラッド「いや...ここには居ないな...」

零「なら十分だ、もしろもの足りないぐらいだ」

そうして俺は一歩前に出る

零「さぁ来い影の国、全員まとめて─」

 

零「相手をしてやるぜ」

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