デュエルマスターズ darkness zero 作:deta豆
「アビスベル=ジャシン帝…?」
俺の問いに対し、ギュウジン丸は淡々と答えた。
「そう、私の友人であるフミビロムとデッドマンが奴に挑んだが、奇しくも行方不明のになってしまった。」
「だから私は侵略ウィルスを開発したが、路半ばで水文明の配下になってしまった。」
「負けたのか?」
それを聞いたギュウジン丸は少しムカついているかの様な表情をした。
「…」
その時、奥の部屋から声が聞こえた。
「こコからハ私がお話シましょウ。」
見るとそこには今さっき扉の奥から出て来たと思われる機械風の仮面を被った銀髪で長髪の女性が立っていた。
「はジめましテ、dm零。私ハ水文明を統治するAI、マザーブレインでス。」
「アンタがここのトップッスか?」
それに対し、マザーブレインは少し頷いた後に答えた。
「はイ、その通リでス。」
「それト同時ニ計算によル運営方針を決めテいまス、ソの結果、水文明をジャシンから守る為には、dm零、貴方の力が必要不可でシた。」
「なのデ手の空いてイるアダムスキーに任せタのですガ、邪龍に先ヲ越さレてしまイましタ。」
「なのデ貴方ヲ殺しテ、そこに残った力…残滓を使うつもりだったノですガ...今さっき、アダムスキーが真のデュエルを志願シ、ギュウジンマルがそれヲ、許可したせいデ、少々手間が掛かる事ニなってシまいましタ。」
「なるほど、じゃあ明日デュエルすれば良いんだな?」
それを聞いたマザーブレインは頷いた。
「そウ言う事ニなりまスね。」
「で、俺はどうすれば良い?」
「それについてハ、もう手は打ってアりまス。」
その時、エレベーターが稼働し始めた。
「来まシたカ。」
「誰がだ?」
「貴方の知ってる人ガ、ちょウど預かリを志願しテくれタんですヨ。」
そうして話している間に、エレベーターが71階まで上がって来た、そうしてエレベーターの扉が開いた。
その中に居たのは─
「ルナ!」
「零、待たせましたね。」
「と、とりあえず…知ってる人が来て良かった。」
ルナはエレベーターから下りると、すぐに俺の元に来た。
「それなら闇王、さっさとdm零を連れて出ていk…」
その時、マザーブレインがギュウジン丸の腹を拳で殴った。
「ギュウジン丸、少し黙りなサい。」
「クソ…」
それをされたギュウジン丸はさっきまでの態度が嘘の様に後ろへ下がった。
そうして、マザーブレインがルナの近くに寄る。
「ではルナさん、一緒にこちらでお茶でモどうですカ?」
だがルナはマザーブレインの誘いを無視し、俺に話しかけてきた。
「零、一緒に水族館にでも行きませんか?」
「え!?水族館!?行きたい。」
「そうですか、じゃあ行きましょう!」
そう言って、ルナは俺とエレベーターへと乗り下へと降りて行った。
それを見ていたマザーブレインは悲しそうな顔をしていた。
「─(´・ω・)」
それから水族館へ来た俺達は、クラゲの水槽の前に居た。
「見てください零!クラゲですよ!」
そう言ってルナは水槽に両手を当てて、中を覗いた。
「…」
「ん?黙ってどうしたんですか?」
ルナはそう言って俺の方を向いた。
「もしかして…」
その時、スピーカーか声が響いた。
『皆様!もうすぐイルカショーが開始します』
「ショーやるらしいぞ!行こうぜ!」
「はい、行きましょうか。」
俺はルナの手を掴み、ショーの会場へと向かった。
「ハハハ!すごいな!イルカがリングを通って…」
そう言ってルナと一緒に席に座っていた俺に、少しの水が掛かった。
「冷たッ水飛んできたぞ…」
それで少し濡れた俺を指差してニコニコと笑っていた。
「フッ…あ、冷た!?」
だが、案の定ルナにも水が掛かった。
「ハッ!人の事言えねぇな。」
ショーの後、俺達は水族館の通路の端で休憩をしていた。
そんな中、ルナはある質問をしてきた。
「零って…見たい魚とか居ますか?」
俺は質問の意図が読めず少し困惑したが、すぐに答えた。
「魚…というより哺乳類なんだが…ジンベエザメ?」
それを聞いたルナは、俺の手を引いて水族館の何処かへと走り出した。
「え…ちょ…急になんだよ!?」
そう困惑しながら連れられていると、ある巨大な水槽があるエリアでルナは止まった。
「それでは、あそこの席に座りましょう。」
そう言って、ルナはその巨大な水槽の前にあるクッションの椅子を指差して俺を連れてそこに座った。
その後、直ぐにルナは水槽を指差した。
「ほら、見てください零。」
「貴方が見たかった、シンベエザメと言う魚ですよ。」
俺がルナの言葉を聞き、その指先の方向を見ると…そこにはジンベエザメが水槽を泳いでいるのが見えた。
「…」
そう黙っている俺を見たルナは、俺に気を使ってくれたのか…俺の言った細かな所まで口にしてくれた。
「あ…魚と言うより哺乳類…と言う分類の生き物でしたかね?」
それを聞いた後、俺はある質問をした。
「…どうして…俺をわざわざここに連れてきてくれたんだ…?」
それを聞いたルナは、少し微笑んだ後に俺答えてくれた。
「だって…零はこういう生き物…見たことないんでしょう?」
「クラゲの水槽の時も…不思議そうに水槽を見ていましたからね。」
それを聞いて、俺は疑問に思った。
「何でそこまでしてくれるんだ?」
「俺なんかの為に…」
「だって…弁当とか…それに俺の為に…泣いてくれてたし…」
それを聞いたルナは、少しだけ笑ってくれた。
…
しばらくの沈黙、少し冷たいが…隙間から心地良い夜の潮風がなびいてくるのを感じる。
そうして沈黙を切り裂くように、ルナが口を開く。
「零、お願いがあります。」
「ジャシンを殺して、私の世界の為に覇王になってくれませんか?」
そう言って、ルナは俺に会った時より少し弱めの…だが感情の高ぶりが抑えきれないかの様な笑顔を…俺に見せた。
「いや…もう少し詳しく…どう言う事だ?」
そう困惑しながら聞いた俺に対して、ルナは笑顔で答えてくれた。
「覇王とは、この世界全体を統べる者の事…」
「断言します…貴方にしか頼めないんです。」
ルナは、優し気にそう言ってくれた。
恐らく俺がここで選んだ選択は、何か本能的な感じで選んだのかも知れない、何故なら、俺は最初からこうだったみたいだから。
「…分かった…喜んで引き受けよう。」
「…!」
それを聞いたルナは、俺の手を強く握って俯きながらお礼の言葉を何度も口にした。
「ありがとうございます…ありがとうございます…!」
そう涙ながらに言っているルナは、まるで笑顔を浮かべてる様にも見えた。
その頃、他の文明でも動きがあった。
一つは、光あふれる都市で。
「…」
「どうしたミラダンテ」
「あぁ、すまないドギラゴン…でも何だか嫌な予感がしてね…」
「我が契約者以外の契約者が動き出したのかも知れんな…それじゃあ俺は火文明に帰る、契約者が待ってるからな。」
「分かった、深淵の者や侵略者には気をつけるんだぞ。」
一つは、緑の生い茂っていた荒れ地の下で。
「…!」
「どうしましたか?女王様。」
「ハニーQ 今、背中に悪寒が走ったの。」
「女王様に何があろうとも!女王様は我々ガイアハザードが守ります!」
「その通りデンデン!」
「みんな、こんな状況なのに…ありがとう…」
次の一つは、灼熱の荒れ地にて。
「なんか嫌ーな感じがするな、ドギラゴンに一応伝えとくか。」
「剣!俺らが居るから あ!心配しなくてぇ良いぜぇい!」
「流石ボス!かっこええ!」
「ボス!励ましてくれてサンキョー!」
「やむやむ(しかしやはりドギラゴンが居ないと少し怖くなるぐらい嫌な予感がしたでごさるな、何か良くない事が起きなければいいんでござるが…)」
そして次に、水文明のすぐ近くの荒れ地で。
「なぁ、相棒、なんか嫌な予感がするな。」
黒いローブの青年が、白いローブの少女を見てそう言った。
「─我々は他に干渉せず、無駄に感情を動かさず、不動であるべきだ。」
白いローブの少女の言葉に、黒いローブの少年は明るく言った。
「そんな事言うなよ!さっさと目的達成して行こうぜ姉さんも俺達を待ってる。」
そう言う黒いローブの青年を見て、白いローブの少女はニヤリと笑った。
「─全く、世話の焼ける契約者だ」
その頃、水文明ビル71階では…
「ほう…ジャシンと対立する気か。」
そう興味深そうに、ギョウジン丸は眠そうに言った。
「へー、面白い事になりそうだな。」
「4陣営の戦いか…クソ!区切りが悪いじゃねぇか!」
大男の様なクリーチャーがとボロボロの機械の様なクリーチャーの横で、アダムスキーは深く考え込んでいた。
「─」
「あ?どうしたアダムスキー?」
大男の様なクリーチャーはそう言ってアダムスキーの肩をポンと叩いた。
「何でも無い─少し自分の部屋で休んで来る」
「ならいいんだが…?」
そう言ってアダムスキーを見送った大男の様なクリーチャーがふと別の方向を見ると、先ほどとは別の数人のアダムスキーがダンボールを運んで作業をしている姿が目に映った。
水族館から出た後、俺達は海辺のホテルに泊まってデッキについて話していた。
「アダムスキーのデッキは確か山札切れ狙いのデッキでしたよね?」
「だからあんまり墓地は溜められないよな…?」
俺達がそうやってはなしている時、俺の荷物の中から突如ジャブラッドが現れた。
「いきなり出て来んなよ…びっりしたじゃねぇか…」
「あ…すまんな契約者。」
「まぁそれはそれとして…」
そう言ったジャブラッドはあるカードを見せてきた。
「こいつを入れればどうだ?」
「確かにこのカードなら入れても問題は無いかも、じゃあ私からはこれを。」
それを見たルナも、俺にカードを4枚くれた。
「これで一気に決めちゃいましょう。」
俺はそのカードを受け取った。
「あぁ…そっちの計画も頼んだぞ。」
「任せてください!」
ルナはそうって俺に微笑んでくれた。
「じゃあ、おやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
そうして俺達はベッドで横になり、眠りについた。
「他の個体には…無い考え…」
アダムスキーは自室で考え込んでいた。
「──明日は、真のデュエル─それも零との─必ず勝たないといけない…でも抵抗があるのは…何故…」
「他の個体が来る前に…突き止めないと…」
「でも…どうやって…?」