ミデンを翔ける黒い鳥、ボーダーで何を成す?   作:AC6はいいぞ!!

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AC6要素を投入したワートリを書きたかったので書いてみました。


【ボーダー入隊編】
ep01_プロローグ


 

「突然で悪いけど、君には転生してもらう。異論は認めません」

 

 

(皆さん、こんにちは。意味不明な宣言をされた一般人です。名前はあったと思うけど、何故か思い出せない。しかも、どんな人生を歩んできたのかも覚えてない)

 

 

周りを見渡しても真っ白な景色があるのみ。そして、目の前には神を名乗る自称神様。その自称神様がいきなり転生を宣告してきた。

 

 

「言いたいことはわかるよ。いきなり転生させられても困ると」

「当たり前だろ」

 

 

(これでヨーロッパの中世辺りに飛ばされてみろ。生活環境が最悪過ぎてすぐ死ぬぞ)

 

 

現代の日本育ちの一般人がよくわからない場所に転生されて無事に生き延びれる可能性は低い。それだけ日本が平和と言う証拠でもあるが、今回に限っては致命的な問題となる。もちろん、身につけた知識などは役に立つ可能性はあるが

 

 

(知識があっても技術が無ければ意味がない。知識チートなんてできるのは稀だろうし、ほぼ確実に役に立たない。その結果、野垂れ死にはほぼ確定だ)

 

 

「そこは安心してよ。君が転生するのは"ワールドトリガー"の世界・・・によく似た世界」

「異世界転生かよ。しかも、よく似た世界とはいえ週刊少年ジャンプの漫画とは・・・まさか、誰かがTSしてるとかじゃないよな」

「残念。今はジャンプスクエアに移籍してるよ。あと、そういった要素はない。ただ、設定が違うことはあるけど」

 

 

(知らんがな。そもそもの話、そういう漫画があるってことを知ってるだけで中身とか知らないし。あと、設定が違うって、何が違うんだ?)

 

 

彼はワールドトリガーの話について知らなかった。知っていることと言えば"トリオン"とか"トリガー"という単語ぐらいで、それ以外の知識は皆無と言っても等しかった。

 

 

「オッケ、まずそこから説明しようか」

 

 

そういうと、自称神様は俺の頭に触れる。すると、彼の脳内にボーダーやトリオンに関する基礎知識が流れ込んできた。

 

 

彼は急激に知識が入り込み混乱する頭を整理した。世界観としては現代日本だが、トリオンと言う概念があり、ネイバーフッドからやってくるネイバーと呼ばれる侵略者を相手に、ボーダーと呼ばれる組織がトリオンを動力とした兵器"トリガー"を使用して三門市を中心にネイバーと戦う世界だとわかった。

 

 

「話はよくわかった。そのうえであえて言おう。断ると」

「ええぇ~、現代日本に転生だよ。いいじゃん」

 

 

(良くない。まったくよくない。第一に、俺は何で死んだ?第二に、侵略者が襲い掛かってくる日本とかカオスすぎるだろ。第三に、仮に戦えたとして一般人の俺が戦って勝てるわけないだろ。それとも何か?三門市から逃げてもいいのか?)

 

 

ミデンに侵略者がやってくるのであれば、少なくとも三門市から逃げることは彼としては必須条件であった。力がないからなおのこと逃げる必要がある。最終的にミデンがネイバーに支配される可能性もなくはないが、場合によってはネイバーフッドの世界に逃げるのもアリだと彼は考えた。

 

 

「それはダメだね」

「だろな」

「それと死んだ理由は秘密。あと、ネイバーが襲い掛かって来るけど、それ以外は普通の日本。ホラ、転生特典としてブラックトリガーをプレゼントするから」

 

 

ブラックトリガー

トリオン保有量に優れた者が、自らの全トリオンを注ぎ込むことで己の命と引き換えに作り上げる特殊なトリガー。

 

 

一般的なノーマルトリガーとは異なり隔絶した性能がある。そう考えると悪くない取引だ。ただし、ブラックトリガーにある致命的な欠点を考慮しなければ。

 

 

「能力は千差万別。汎用性が高いものもあるが、尖っているものもある。博打要素もあるからそれだけでは転生を受け入れられない」

「ええっ~。そこは普通、喜んで受け入れるもんじゃないの?」

 

 

ブラックトリガーの欠点として、使い手を選ぶことや性能が千差万別なことが挙げられる。性能はともかく、ブラックトリガーに適合しなかった場合、宝の持ち腐れとなる。

 

 

(保持したとしても適合するかは別問題。博打が過ぎる)

 

 

「へぇ~、思ってよりも色々と考えているんだね。じゃあ、適合もするし能力も選ばせるから」

 

 

(大盤振る舞いだな・・・条件としては悪くないが)

 

 

「俺が望んでいたのと違うな・・・なんかこう、アーマード・コアのような装備を身にまとい、自由に飛び回りながら弾丸をバラまく戦闘スタイルにしたい。トリガーも自由に改造できるようにしたいな。あ、でもそれだと出力が足りないか」

「ブラックトリガーでも汎用性が高いのはあるけど、さすがに君の言うような改造はできないかな」

 

 

それもそうかと俺は思った。ブラックトリガーを自由に改造できるのであれば、ネイバーフッドの各国は自由に改造しているはずだと。なら、ノーマルトリガーを改造するばいいという発想になる。実際、ノーマルトリガーなら技術は必要になるが製造は可能だろう。ただ、その場合はとある問題が発生する。

 

 

(ノーマルトリガーだと出力が絶対に足りない。それにトリオンもだ。仮に出力が足りたとしても燃料が無ければ意味がない。ブラックトリガーはトリオンを上乗せすることでそのあたりの問題を補っていたが、ノーマルトリガーだとそうはいかない。飛び回って弾丸を撃ちまくってれば絶対にトリオン切れする・・・あ、そうだ)

 

 

「確認だが、マザートリガーって"神"と呼ばれる生贄にならなくても使えるか?」

「使えるけど、出力は低くなるよ」

「どれぐらい低くなるんだ?並みのブラックトリガー以下か?」

「いや、さすがにそれを遥かに上回る量だけど、星を形成することはできないね」

 

 

マザートリガーは神にならなくても使えるとわかり、彼は喜んだ。出力が低くなるが、並みのブラックトリガーを凌駕するのであれば彼の考えが理論上可能だということに。

 

 

「じゃあ、マザートリガーを小型化して持ち運び可能にできないか?できれば1センチ程度」

「できるけど・・・まさかマザートリガーが欲しいって言うんじゃないよね?」

「そのまさかだ」

 

 

(マザートリガーがあるならワンチャン)

 

 

「ブラックトリガーを量産できるかもしれないと。さすがに無理だから。だいたい、ブラックトリガーは自分の命と全トリオンを注ぎ込むことで作成される特別なトリガーなの」

 

 

彼はブラックトリガーを作成する手順の"自身の命"を捧げる部分を"莫大なトリオン"で補えると考えたのだが、自称神様の発言で自身の命を捧げる部分の工程を省けないと悟った。なので彼は発想を転換して、別の方法を模索することにした。

 

 

「じゃあ、マザートリガーからトリオンを供給されること前提のトリガーならどうなる?マザートリガーをトリガー内部に格納して動力として使用したり、マザートリガーのトリオンをゲートを介して補充して運用するトリガーなら」

「ブラックトリガー並みのノーマルトリガーを量産できる。ほんと、面白いこと考えるね。ただ、そうなると色々と問題が出てくるよ」

 

 

自称神様の発言からノーマルトリガーであっても適合の有無が発生したり、ゲートからトリオンを供給するための現在のネイバーフッドの技術とは異なる技術を必要とする特殊なトリガーが必要になるなどの問題が発生することがわかった。そして、色々な問題はあるが理論上、不可能ではないことを彼は理解した。

 

 

(問題なのがマザートリガーから莫大なトリオンを供給して運用するトリガーを製造できるかどうか。知識ゼロからなら絶対に無理だ。だからこそ、知識を補う手段が必要になる)

 

 

「仮に小型のマザートリガーを選んだとして、クラウントリガーも能力を選べるか?例えば、超高性能AIのような、演算処理特化型のトリガー。特にトリガーとトリオン兵の作成に特化したものを」

「なるほどね・・・できるけど、さすがに高望みが過ぎるんじゃ」

「じゃあ、俺は何故死んだのか教えてくれ」

「ハハ、これは痛いところを突くね」

 

 

彼としては、何故死んだのか知りたいところではあるが、自称神様が頑なに教えないことから察するに聞かれると困ったことになるのだろうと判断した。だからこそ、彼はそこを突くことで譲歩を引き出せると踏んだ。賭けではあるが、面白いことが好きそうな自称神様であれば勝算はあると、その結果。

 

 

「いいよ。細かい条件はこれからだけど、君の望むマザートリガーとクラウントリガーをあげるよ。クラウントリガーはどんな感じがいい?」

 

 

彼は賭けに勝ち、要望を通すことに成功した。細かいことの相談はこれからであるが、大筋が通ってしまえば後は問題ないと彼は思った。

 

 

(クラウントリガーに関しては・・・そうだな)

 

 

「それならAC6のエアをモデルとしてくれ」

「了解」

 

 

その後、自称神様と細かいやり取りを行いつつ、第一次侵攻まで"ネイバーフッドへの渡航禁止"、"表立って行動していけない"という約束で彼は転生することに合意した。やはりと言うべきか、彼は自称神様から事前に物語に介入されることは禁じられた。

 

 

もっとも、ネイバーフッドに行かず、ミデンで表立って行動しなければいいだけの話だが、残念なことに彼は物語の大筋を知らなければ登場人物も知らない。そのため、原作を改変するのは第一次侵攻までほぼ不可能となってしまった。

 

 

(自称神様のやつ、このことを見越して知識を与えなかったな)

 

 

約束を破るような気配はなかったが、それ以外のことはしてきそうでいまいち信用ができないと彼は思った。ただ、それを言ってもしょうがなく、彼には転生か消滅する以外の選択肢はなかった。そのため、彼はこの結果を掴み取れたことを素直に喜ぶことにした。

 

 

そうして、彼はワールドトリガーの世界に転生した。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

(転生してから早11年、波乱万丈だった。やっぱあの自称神様、邪神か悪霊の類だった)

 

 

郷田信二。それが今世の俺の名前だ。

 

 

両親は既に他界しており、親戚はまともな連中がいない。そして下に双子の妹、沙耶とゆかりがいる。

 

 

信二の予想していた通り、自称神様は約束は破らなかった。信二に前世の知識が戻った6才のときにはマザートリガーとクラウントリガーも所持していた。これだけなら良かったのだが、それ以外のことに関しては問題だらけだった。

 

 

信二は最初、自称神様が干渉してきた結果だと思っていたが、自称神様との細かいやり取りで"転生後は干渉しない"と取り決めをしていたので、そういう運命の人物に転生したからだと強引に納得した。

 

 

生活に関してはエアの支援もあり、人並みに生活することができていた。しかし、トリオンが多いためかトリオン兵に狙われるという事態が発生してとても大変だった。

 

 

幸いなことに、トリオン兵に対抗するためにもトリガーやトリオン兵の開発を行っていたため、秘密裏に排除することができた。0からの開発だったため最初の頃はだいぶ苦労したが、エアがトリガーやトリオン兵を作成するための知識を持っていため開発が段々と進んでいき、第一次侵攻時にはボーダーとは異なる第三勢力として活躍できるほどに力をつけ、信二が知る原作以上の結果を持って進行を食い止めることに成功した。

 

 

(もっとも、死者と行方不明者を出さないようにすることはできなかったが・・・)

 

 

その後、最初の隊員募集が行われ、信二は隊員の募集に応募した。ボーダーへ入隊しようとしているのは調査のためであり、ブランチの活動を行いやすくするためにボーダー内で暗躍を行うためでもあった。

 

 

ボーダーと言う組織がどういった組織なのかはある程度知っているが、それでも内部的なことは何もわかっていないも同然のため、それを調べると同時にあくどいことを行おうとした場合はそれなりの対処を、場合によってはボーダーそのものを乗っ取ることも信二は考えていた。

 

 

隊員試験では学力や体力テストを行い、その後最終面接のために工事中のボーダー本部にやってきていた。面談があるとは告知されていたが、まさかボーダー本部でやるとは信二は思ってもいなかった。

 

 

本部につくと、"迅"と名乗る人物に案内され面接会場に向かう。ぼんち揚げを片手にエリートを自称する男だが、第一次侵攻時にネイバーと戦っていたことからボーダーの古参だと知っていたため、信二は内心警戒していた。ボーダーの古参がわざわざ案内役をしていることに違和感を覚えていたからだ。

 

 

ただ、考え過ぎの線もあるため、内心は警戒しつつ素直に案内に従った。もっとも、部屋についた瞬間、信二は自身の違和感が正しいことを確信した。

 

 

「これは・・・どういうことですか?」

「いや~、騙して連れてきたのは悪いけど、話を聞いてくれないかな?」

 

 

信二は確かに、面接があると聞いていた。簡易的な適性審査であると、そう聞いていた。だが、案内された部屋にいた人たちを見て、信二は騙されたことを確信した。なぜなら、そこにはボーダー上層部の面々が勢ぞろいしていたからだ。

 





最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回、『俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!!』に続いて2作品目としてワールドトリガーの二次創作を書いてみました。


元々はワンピースを書く予定だったのですが、物語が終わりに近づいており、今書くよりも終わってから書いた方がいいと思い、次点で書きたかったワートリの二次創作を投稿しました。


転生特典でブラックトリガーではなくマザートリガーを要求したのは、本編でも言っていたようにブラックトリガーの性質上、自由な改造を行えないためです。なお、マザートリガーを小型化が可能かに関しては、原作のほうでアリステラから瑠香が継承し、クローニンと共に持ち出すことに成功している描写があるため、理論上は可能かと・・・なお、持ち出した方法は語られていないため、かなりあやふやな理論ではあります。


出力に関してはボーダー基地を運営できる程度のトリオンを供給できると思ってもらえればいいです。原作を見る限りでは、並みのブラックトリガーを超えるトリオンを出力しているのは間違いないです。


あと、ワートリの原作読んだ人ならわかると思いますが、上層部のメンバーが勢ぞろいしているのは最強のサイドエフェクトを持つエリートさんのせいですね・・・暗躍ものを書く際の一番の障害となっている。


次話は本日の18:00に投稿予定です。
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