ミデンを翔ける黒い鳥、ボーダーで何を成す?   作:AC6はいいぞ!!

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ついにオリ主が訓練生になります。


ep05_C級隊員

 

入隊式

入隊希望者が正式にボーダーの訓練生となる日であり、今後も不定期に行われる予定となっている。

 

 

この日、信二たちは訓練服を身にまとい、晴れて訓練生となる。

 

 

信二が周りを見回すと、60人ほどが訓練生として参加している。殺気立っている人も少なくなく、先の侵攻では少なからず被害が出ていたため被害者の家族や関係者が訓練生として入隊していると信二は気づいた。

 

 

(ネイバーに対して変な悪感情を持っていると、後々面倒なことになりそうだが、ボーダーとしてはどう対処する気なんだろうか?)

 

 

周りを観察していると、式が始まった。まず初めに最高司令官の城戸司令から挨拶があり、その次に忍田本部長からの説明が行われた。

 

 

ボーダーの区切りとしては訓練生と隊員に分けられており、訓練生は1種の攻撃用トリガーを保持した状態でスタートとなる。手の甲に浮かんでいる数字を4000にすることで隊員に昇格となり、防衛任務に従事することができる。

 

 

数字は一部を除き、基本的に1000から始まり週に2回行われる合同訓練やランク戦と呼ばれる戦闘訓練を行うことでポイントを上げることができる。

 

 

訓練生が使える攻撃用トリガーは全部9種

 

 

■アタッカー用トリガー

弧月:攻守万能な日本刀を模したトリガー

サーベル:瞬時に展開可能なビームサーベルを模したトリガー

バスター:威力特化のガントレットを模したトリガー

 

■弾丸トリガー

アステロイド:威力が高めの通常弾

バイパー:軌道を変化させることができる特殊弾

メテオラ:対象にぶつかると爆発する特殊弾

ハウンド:対象に向かって追尾する特殊弾

ホッパー:弾丸を物体に伝播させ、物体から直接弾丸を発射できる特殊弾

マイン:物体に着弾後、一定範囲内にトリオン反応があれば起爆する特殊弾

 

 

ブランチからの技術提供のおかげで初期の頃と比較してだいぶトリガーの数も増えた。もっとも、ブランチの基本戦術が中距離からの集団戦を得意としていたせいで弾丸トリガーが多いと信二は苦笑いしていた。

 

 

射撃トリガーは弾丸トリガーの種類に加え、突撃銃、散弾銃、拳銃、擲弾銃に分かれており、バリエーションも豊富で使いやすいため訓練生の多くは射撃トリガーを使用している。

 

 

射撃トリガーの数が多いのもブランチからの提供されたトリガー技術の多くが弾丸トリガーに流用できる技術だったためだ。

 

 

『明らかにガンナーやシューターの数が多いが・・・大丈夫か?』

『おそらく大丈夫かと。アタッカー用トリガーは弾丸トリガーと比較して射程が短いですが、その分威力が高いです。訓練生同士の戦いであれば、間合いに入り攻撃してしまえば基本的には防げません。いずれはアタッカーも増えるかと』

 

 

訓練用のトリガーにはシールドがなく、建物などの障害物を利用して接近してしまえば、アタッカー用トリガーのほうが一気に有利になる。そのため、弾丸トリガー一強になることはないとエアは言っているのだが。

 

 

(訓練生はそうかもしれないが、隊員に関してはシールドもあるし、オプショントリガーもあるから接近すれば何とかなるとは到底思えない。この辺りは検討が必要だ)

 

 

ブランチで作成された類似のアタッカー用トリガーは、メインに据えるものではなく、あくまでもサブ的な要素が強かったり、特殊機能との併用が前提だった。

 

 

ボーダーで技術を流用して作成されたのはいいが、ブランチと同じような運用ができるとは限らないため新しい運用方法を見つける必要がある。

 

 

信二は手の甲に表示された『3900』という数字を眺め、ボーダーのトリガーの問題点について考えた。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

忍田本部長からの説明後、訓練生たちはトリガーを決めていき、次の説明のためにブースに移動する。

 

 

 

「ここが仮想戦闘訓練ができる訓練室だ。ここでは仮想のネイバーと戦ったり、戦闘訓練を行うことができる。今日は君達の技量を測るためとデータの蓄積のためにここで仮想のネイバーと戦って貰う」

 

 

忍田本部長がそう言うと、訓練室にネイバーが出現した。種類はバムスターだ。

 

 

「制限時間は5分。それでは名前を呼ばれた者から行って貰う」

 

 

(この試験でバムスターを倒すと100ポイント貰えるのか・・・あれ、これクリアすればもう昇格できるのでは?)

 

 

信二はそんなことを思いつつ、ほかの訓練生の様子を眺める。5分もあれば余裕にクリアできるだろう。そう思っていたのだが、思っていた以上に訓練生たちは苦戦していた。

 

 

(おいおい、こっちのシューター、アステロイドがあらぬ方向に飛んで行っているぞ。しかも分割すらしていない。こっちはガンナーだがバイパーの軌道がおかしい。こっちのアタッカーは適当に弧月を振り回している・・・色んな意味で世紀末過ぎる)

 

 

ある程度予想していたとはいえ、初めて触れるものを説明なしで何とかしろと言う方が無理があった。

 

 

『やはり、トリガーについての講習は必須ですね』

『ああ、絶対に必要だ。そう考えると、事前に玉狛支部のメンバーに講習会の指導役やサポートを依頼して正解だった』

 

 

信二はこうなること、正確にはここまで酷くなくともある程度の講習は必要だと考え、小南と木崎に指導役、ゆりとクローニンにサポートを頼んでいた。迅にも頼んだのだが、暗躍で忙しいと断られた。小南がアタッカーで木崎がスナイパー、そして信二がガンナーとシューターを担当する予定だ。

 

 

今後の講習会の段取りも考えていると名前が呼ばれたので、信二は指示に従って訓練室に入る。

 

 

信二が選んだトリガーは弧月。信二としては弾丸トリガーでも良かったのだが、近接武器の訓練も兼ねて最初は弧月をメインに据えることにした。

 

 

『訓練を開始します。準備してください』

 

 

アナウンスと共に、信二は抜刀の構えを取りつつ、バムスターに向かって跳躍できるよう姿勢を整える。

 

 

ブザーが鳴ると同時にバムスターに向かって跳躍し、一気に間合いを詰め一刀両断。

 

 

『3号室終了』

 

 

バムスターのコアを上下に分かれ落ち、無事に訓練が終了した。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

信二の様子を観ていた後の上層部は、今の結果を見て意見を言い合う。

 

 

「やはりと言うべきか、トリガー云々を抜きにしても戦闘力が高いな」

「うちの小南やレイジも最近では彼と訓練して強くなっているからね」

「意外だな。あやつなら弾丸トリガーを使うと思っていたのに」

「俺もそう思って聞いたんですけど。どうも最初は弧月をメインにするそうです」

 

 

弾丸トリガーに使われている技術の多くはブランチから提供された技術が使われているため、弾丸トリガーを使用すると思っていた鬼怒田室長は何か気にくわぬ顔で映像を見ていた。

 

 

「なにか考えてのことでしょうか」

「おそらく、近接戦に慣れることで自分の出来る幅を広げようとしているのでは?」

「だろうな。手数を増やすことで戦術の幅を広げたいと言っていたし、アタッカーの立ち回りを理解すれば、今後アタッカーを増やすのにも役立つと言ってたし」

「アタッカー不足のことですか」

 

 

彼らとしても、シューターやガンナーに比率が偏るのが困ることは理解している。ただ、それを解決しようとしているのが協力者であるレイヴンであることに、思うところがないわけではなかった。

 

 

「今の戦闘訓練で4000点を超えたわけですが」

「即刻隊員に昇格させ、訓練生の指導に当たらせる。エア、済まないが支援を頼めるか」

『了解しました』

 

 

忍田本部長がエアに対して連絡し、業務処理を依頼する。ここ数か月でボーダーのシステムを掌握することになったクラウントリガー。防衛面から少なからず不安も感じているが、業務効率も想定以上に向上したため何とも言えない思いを感じていた。

 

 

「もしも、彼が訓練生への指導で目覚ましい成果を上げることができたら・・・例の件も検討すべきだろう」

 

 

城戸司令はそう言い、上層部の会談は終了した。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「お前、もう隊員に昇格したのか?」

「そうだけど、あんたは?」

「俺か?俺は太刀川だ。なあ、この後対戦しないか?」

「悪いな、この後予定があるんだ」

 

 

入隊初日で昇格を果たした信二に、太刀川が対戦を挑んできた。信二としては、相手したいところだがこの後訓練生を指導するため断った。

 

 

太刀川が随分と残念そうにしていたが、今日は各種トリガーについて講習会があると言ったら意気揚々とアタッカー用トリガーの説明会に参加しに行った。

 

 

(なかなかに愉快な奴だったな)

 

 

そんなことを思いつつ、エアを通してアナウンスを行ってもらった。内容は30分後、所定の訓練室で弾丸および射撃トリガーについての講習会を行うというものだ。訓練生には事前に告知していたため、半分程度は来れば御の字だと信二は考えていたのだが

 

 

『どれぐらい集まると思う?』

『おそらく、ほぼ全員参加するかと』

『マジか』

 

 

想像以上の数が来るという予測に信二は驚くが、内心疑っていた。だが、訓練室に付いたとき、40人以上の訓練生たちを見て、唖然とした。

 

 

(発足したばかりで手探りとはいえ、これはだいぶ問題だな)

 

 

信二はトリガーについて、訓練生に対して知識を付与していないことに、問題点が山積みだと認識するのであった。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「さて、知っていると思うが、先ほど隊員に昇格した郷田信二だ。コネだズルだと色々な声が聞こえるが、自分の意志で来たのなら言うことは聞いてもらう。ここまでで質問ある人はいるか?」

 

 

そう言うと、一人の訓練生が質問をしてきた。

 

 

「先ほどの訓練では弧月を使っていたけど」

「使っていた。だが、弾丸トリガーも問題なく使える。実力があるから前もって高めのポイントが割り振られていたんだ。疑う気持ちはわかるが、それは指導が終わった後に聞く」

 

 

そう言うと信二は、最初に射撃トリガーに基礎知識について解説した。

 

 

射撃トリガーには様々な種類があり、シューターに比べて弾丸の飛距離が20%伸びる補助機能があるほか、銃を携行していてもトリガーはOFFの状態のため、撃たない限りは同じ側のスロットの他トリガーを使用できると説明した。

 

 

また、同じスロットに射撃トリガーは2種しか採用できないが、手元のスイッチで用意に切り替えが可能であること。銃の種類によって、様々な運用が容易であること。

 

 

「これが射撃トリガーの基礎知識だな。ここまでの話で質問はあるか?」

「今の話ですと、圧倒的にシューターよりガンナーのほうがいいのではないですか?」

「これだけならそうだな」

 

 

射撃トリガーは欠点として、スロット側の腕を吹き飛ばされるとトリガーを使用できないという欠点があることを説明した。また、シューターもそうだが、射撃・弾丸トリガーはアタッカー用トリガーと比較して、威力が低いため決定打になることが少ないと。

 

 

「ガンナーにも欠点があるんですね」

「その欠点を補うために、どちらかのスロットに弾丸トリガーを1つセットする手もあるが、それは隊員に昇格してから考えるべきこと。今は知識として持っておけばいい」

 

 

次に弾丸について説明した。射撃トリガーに比べて射程は短く、トリオンキューブを生成・分割・射出と工程が多いという欠点がある。

 

 

だが、射撃トリガーと違って威力や速度などを設定することができ、置き玉などのトラップなどを行えることも弾丸トリガーの利点と言っていい。

 

 

「そのほかにも利点はあるが・・・これは隊員に昇格してから知るべきだろう。それと、射撃・弾丸トリガーはトリオンの消費が激しく、乱発すれば容易にトリオン切れを起こす可能性がある。トリオン保有量が少ない人はアタッカーやスナイパーに転向した方がいいし、そうでなくても弾丸の消費を抑える戦い方をすべきだ。以上がガンナーとシューターの基礎知識についての説明だが、何か質問はあるか?」

「弾丸の消費を抑えるにはどうすればいいの?」

「相手の防御を外すように撃てばいい。トリオン体の耐久は基本的に同じ。なら、相手の防御をすり抜けるように弾丸を撃てば消費を抑えられる。訓練生はシールドがないが、隊員にはシールドがある。訓練生のうちから意識していないと苦労するぞ」

 

 

その後、あらかじめ用意していた訓練用トリガーを使用し、実際にトリガーも交えながら訓練生に基本的な立ち回りや撃ち方について解説していった。訓練生たちも自分の知らないことばかりのため真剣に話を聞き、ある程度の指導を受け講習が終わった後、意気揚々とランク戦のブースに向かっていった。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「ちょっといいかな?」

「なんだ・・・ああ、先ほど講習に参加していた、名前は・・・えっと」

「俺は嵐山だ」

「柿崎だ、よろしく」

 

 

嵐山と柿崎が信二を呼び止めた。なんでも、先ほどの講習のお礼と個別に指導してほしいというお願いをしに来たのだという。

 

 

「指導するのは構わないが、いいのか?時間が取れるときだけ教えることになるし、年下相手に頭を下げることになる。あと、金は払ってもらうし敬語を使う気もない」

「お金を・・・今は持ち合わせがないんだけど」

「ああ、そう言えば学生か。対価は流石にあるべきだと思うが・・・そうだな、月に1万。後払いでも構わない。隊員になれば出来高払いだが収入はできる」

 

 

元々、信二は大人しくする意味も込めて苦手な敬語を使おうと考えていたのだが、ボーダー上層部に本性は知られており、今更猫を被る必要もないため素で話している。信二としては金に関しては正直取らなくてもいいが、ただ働きも性に合わないということで、やる気を出させるという意味でも取ることにした。

 

 

「いや、金はちゃんと払う。呼び捨てで構わない。是非とも教えてくれ」

「お願いします」

 

 

そう言うと、2人は頭を下げた。

 

 

(ここまでやる気があるなら問題なさそうだな。元々隊員を増やすために個別指導も考えていたし丁度いい)

 

 

こうして、信二は嵐山と柿崎を弟子として迎え入れ、ガンナーとして育てていくのであった。

 





最後までお読みいただき、ありがとうございました。


技術的にブレイクスルーが発生のとエアによる業務の効率化によって、原作開始時点と比較して半分程度のトリガーが揃いました。基本的には原作で登場していたトリガーが出るほか、オリジナルのトリガーも今後続々と登場する予定です。


今回登場したトリガーの詳細は以下の通りです。


サーベル:瞬時に展開可能なビームサーベルを模したトリガー
→詳細:ブランチの近距離用武器の技術を利用して開発されたトリガー。威力が高く、即時に展開可能だが、使用時のトリオン消費が激しく、扱うにはそれなりのトリオンが必要になる。


バスター:威力特化のガントレットを模したトリガー
→詳細:とあるトリガーをベースにクローニンが作成したトリガー。弧月よりも射程が短いが、その分威力が高く、オプショントリガーと組み合わせることでシールドごと相手を粉砕することが可能。


ホッパー:弾丸を物体を伝播させ、物体から直接弾丸を発射できる特殊弾
→詳細:迅が試験的に起動した『風刃』から着想を得てクローニンが開発したトリガー。アステロイドのように飛ばした後、物体に潜航し、指定した方向に指定した距離進み、そこから弾丸を発射する。トータルの移動距離はアステロイドの射程と同じで潜航時に軌道が見えるほか、アステロイドに比べて威力も低いため扱いが難しい。


マイン:物体に着弾後、一定範囲内にトリオン反応があれば起爆する特殊弾
→詳細:ブランチの地雷型トリガーの技術を利用して開発されたトリガー。物体に着弾することで地雷として使用することができるほか、条件を指定することでトリオン反応の有無に関係なく時間差爆破などが可能。また、味方をマーキングすることで地雷を発動させないようにすることも可能で威力はメテオラに劣るが、多数地面などに撒くことで相手の動きを阻害するという使い方ができる。


オプションに関してはも今後登場する予定です。
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