山吹乙女の息子に転生し、狐に呪われた青年の物語 作:アルトリア・ブラック(Main)
あれから俺には弟が生まれたらしい。
なんとも早いことだなぁと思いつつ、リオンにも子供ができたと聞きそれがイタクだと知りなんとも感慨深いものを感じた。
そして、運命の日が差し迫っているのを実感した。
リクオが幼い頃に鯉伴は死ぬそう遠くない未来。
その過去を変える為ならなんでもする。
そう決意していた。
あの場に倒れているのが俺でも良かった。
奴良組に足繁く通いながら、鯉伴の安否を確認しつつ過ごしていた。
「…鯉零様、何を隠してるんですか」
そう奴良組の廊下にいたときに聞かれる
夜鷺からの質問にシラを切ろうとすると
「…あなたはいっつもそうですはぐらかす。でも、寿命を縮めてまでここにいる理由ってなんですか」
夜鷺はあの戦争で生き残ってしまった軍人
不死身の兵士と言われるぐらい、何度殺そうと生きるために足掻いた存在。
妖怪に変化したのは戦争が終わって少しの頃、自分一人だけ助かったしまったことへの罪悪感。
部下達の死にたくないと言う思いを背負い混みすぎて妖怪になってしまった。
「夜鷺は俺のこと孫だと思ってる?」
「はい?俺は真剣に…」
「俺は大丈夫だよ、ここが大好きだからいるだけなんだ」
そう言うと夜鷺は眉間に皺を寄せる。
「よわっちぃ俺のことをそこまで心配してくれてありがとうな、夜鷺」
そう笑いながら言うと『気が気じゃないですよ』と言われる
「お兄ちゃーん」
リクオが向いから走って来る。
「リクオ様ー!」
雪麗さんの娘のつららが振り回されつつも着いて来る
「どうした?リクオ」
「あのね〜!つららがかき氷を作ってくれたんだー!お兄ちゃんも一緒に食べよう!」
そう言って手を握って来る。
父の散歩にはかなり気をつけていた。
だから、あの運命の日にも間違いなく辿り着けると思った。
でも、神様は俺を嫌った。
運命の日、俺は狐の呪いで派手に吐血と気絶してしまったせいで気づいたら二人が出かけた後だった。
鯉伴は山吹の神社を見にいくと言って居なくなったという。
「鯉零さま!!」
後ろから首無が走って来る
嫌な予感がした。
だからこそ、自分のことなんて顧みなかった。
「お父さんっ!!お父さん!!」
リクオの絶叫、そこには倒れている鯉伴がいた。
間に合わなかった、そう思ったが、鯉伴から畏れが抜けていない
それを確認して妖怪に変化して駆け寄る
治癒の力は妖怪の姿にならないと使えない上、下手したらこの場で俺が死ぬ
でも、死んでほしくなかった。
命に変えても、運命を変えたかった。
父に駆け寄り刺された場所を癒す。
心臓を穿たれたわけじゃなく肺を切られていた。
原作でもわずかに意識があった描写はあった。
あの時間に合わなかったのはリクオが走って知らせに行くのに時間が掛かったから
「やめろっ!!鯉零!!それ以上やったらお前がっ…」
リオンの絶叫が聞こえて来る。
完全に傷が癒えたのを確認し、父が息をし出したのを見て
「首無っ!早く鴆呼んでこい!救助!!」
「は、はい!!」
首無が走って屋敷の方に向かう
「お兄ちゃん…、お父さんは…?」
「大丈夫だ、絶対に死なないから…」
ゲホッと咳をした瞬間、血が口から溢れ出す
妖怪変化を解こうにも狐の声が再び聞こえて来る。
目の前の瀕死の鯉伴を殺せと
手が勝手に刀に伸びる
「っ…夜鷺っ…」
絞り出すように言うと、夜鷺が俺の刀を取ってぶん投げ、俺を鯉伴から引き剥がす
「妖怪変化解いてください!」
そう怒鳴り声が聞こえ、意識が朦朧としながらも人間の姿に戻る
あれから父は一命を取り留め、半妖の里で療養することになったらしい。
俺はこのまま奴良組にいては命はないと夜鷺がムキになり、遠野に帰還する
あれから組はどうなったか知りたかったが、雪麗さん曰く祖父さんが当面の間は代理を務め、鯉伴が回復するまでは四代目代理として務めることになったらしい。
俺が戻れれば祖父さんに迷惑をかけなくて済むんだが、と言うと雪麗さんに『鯉零に死なれたら組所じゃないわよ』と怒られた
リクオにはいまだに意識不明の父と病弱な兄がいた。
四代目として初めはチヤホヤされていた。
でも、リクオは妖怪が悪い存在だと認識してからは、四代目になりたくないと駄々を捏ねた。
それでもぬらりひょんが文句を言わなかったのは、鯉伴がきっと回復するから、そう願っている部分もあった。
でも、リクオを狙う存在によって何度も心が折れかけた。
それでも、仲間達のおかげで立ち直った。
四国の戦いで、リクオは四代目に正式になることになった。
総会の場に兄の部下がやって来た
名前は夜鷺と言い、兄からの手紙を持って来てくれた。
兄は本当は会いに行きたかったらしいが、行ったら怒られるからと手紙に書かれていた。
初めは兄はどうして三代目として居続けなかったのか責めたこともあった。
でも、祖父から聞いた。
兄は奴良組にいると病をかけられる呪いに掛かったと、だからいられないと
手紙を読みながら兄が四代目になったのを素直に喜んでくれる内容に喜ぶ
夜鷺は奴良組がリクオの望み通りの構成になっていることにため息をこぼしそうになる。
リクオはクォーターだ。
妖怪になる時間が圧倒的に少ないとはいえ、人間時の鯉零にすら勝てないレベルで弱い。
まぁ、二代目が殺されそうになった事件と、3代目が狐の呪いに冒されたことを考えれば無理もない。
甘やかされて育っている。
玄関に向かおうと歩いていると、離れの方から激しい音と共に水飛沫が上がる。
「………」
少し気になってそちらに行くと
「…総大将。いくらなんでも孫相手に刃傷沙汰は…」
「鯉零ならこんなジジイの刀ぐらい避けれるぞ」
そう話しているぬらりひょんと鴉天狗を見かける
気配を消していたつもりだが、ぬらりひょんは夜鷺に気づくと「ちょうど良かったわぃ」と声をかけられる
「…なんでしょうか?」
「リクオを遠野の里に送る」
そう言われ鴉天狗が『殺す気ですかぁ!?』と叫ぶ
「鯉零もおるんじゃ、そう簡単に死なんじゃろ、死んだら…それまでだ」
そう言って部屋の中に入って行く
赤鬼達と共に遠野に向かっていた夜鷺はリクオが唐突に京都に行きたいと言ったからしばいたと言うのは聞いた。
遠野に着くとリクオは釜に入れられ、夜鷺はさっさと鯉零の元に向かうと…
「………」
そこにいたのは鯉零と鬼楼丸だった。
二人で激しい戦闘をしているのを見てちょっとだけ羨ましいなぁと思っていた。
ある程度二人が戦闘を終えるのを見ると鬼楼丸がこちらに気づく
「リクオが遠野に来たのかぁ」
分かってたような反応に夜鷺は未来視でも持ってるのかと思うと、鬼楼丸が『知ってたのか』と聞いていた。
「いやまぁ、知ってたというか、そのうち来そうだなあという勘?」
「イタクにしごかれそうだし」
そう言うとリオンは『イタクはバカ真面目に育ったからなぁ』となぜか他人事だった。
話しつつソワソワしてるのを見て
「…見に行けば良いのでは?」
そう聞くとビクつく鯉零
「気づかれないように見に行くわ」
そう言って立ち上がる
鬼楼丸は興味ないのかその場に残っていた。
リクオがイタクにコテンパンにされていたのを見つつ、リオンが『若いっていーなー』とかなんとか言っていた。
イタクにしごかれつつも雑用を不満そうにしているリクオ
「………」
その光景を黙って見ているとリオンが器用に頬杖をつきながら
「影から見守るって母親か」
「別に良いだろうが、兄貴なんだし」
木の上で二人で話しながら見ていると…
(…ん?)
見覚えのある川の近くでリクオが洗濯物を洗っていた。
突如として襲いかかった鬼の存在にリクオが驚いていた。
「…あの姫との子…いや貴様からはその気配を感じない…そうか、孫…あの男と同じ気配を感じる」
そう鬼童丸が呟く
鬼楼丸が鬼童丸と決別する時に二、三戦ったことはある。
人間の状態でまぁ無理はした。
「今ここで羽衣狐様の土産としよう」
その言葉と同時に鬼童丸配下の鬼が飛んでいき、それをイタクが防いでいた。
リクオが撥を覚えた辺りでリオンが飛んで行く
脇役が表舞台に立ちたくなかったが、リオンが行ってしまったから行かなければ
そう決意して鬼童丸の攻撃がリクオに当たりそうになった時…
鬼童丸の刀と自分の刀がぶつかる
「むぅ…貴様は」
Fateのアルトリアがやっていたように風圧で鬼童丸を吹き飛ばすと華麗な身のこなしで体勢を立て直す
遠野衆がゾロゾロとやって来たのを見て分が悪いと思ったのか部下二人を呼び寄せる
「…貴様はまだ死んでいなかったのか、奴良鯉零」
「残念ながらな、狐の呪いとは上手く付き合ってるよ」
そう吐き捨てるとリクオが『狐の呪い…?』と呟くのが聞こえる
「そうか…やはり、あのお方の呪いでなければ不可能か」
そう意味深なことを言われる
鬼童丸はさっさと遠野の結界を切って出て行く
「せっかくの獲物が逃げちまったな、鯉零」
そう言われ鯉零は『相手にしたくねぇよ』と返す
「ていうか、兄貴、今までどこに隠れてたんだよ」
そうリクオに聞かれ『さぁどこだったでしょー』と返すと座敷童子が『ずっと木の上にいたよねー』と言われる
「見てたのかよ」
「お兄ちゃんとしてすぐ手助けしてたら懲りんでしょうが」
そう言うとリクオが不貞腐れる
「それよりも狐の呪いって…」
「…それは祖父さんに聞いてな!」
「あ、おい!」
その場から脱兎の如く逃げ去る
【オリキャラの武器】
・鯉零
妖刀も持っているし、肉弾戦の戦い方も得意
・リオン
主武器は大鎌。もちろん小型の鎌も使う
・夜鷺
銃火器(ゲートオブバビロンみたいに)、刀も持ってはいるが、軍人らしく生き残る為ならなんでも使う
・鬼楼丸
刀だが、攻撃の仕方が特殊な為、武器を持たない場合も