山吹乙女の息子に転生し、狐に呪われた青年の物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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眠いしアニメ見たいし小説読みたいし書きたい、時間はない


『兄と弟と…』

ー数時間前…ー

 

京都にて、秀元はぬらりひょんと会っていた。

 

「君だいぶ老けたな、妖の癖に」

 

「お前が異常なんじゃよ、人の癖に」

 

撤収作業をしている奴良組を眺めながら秀元は鵺がいつ復活するか、その話をぬらりひょんと話していた。

 

「後、鯉零君の事なんやけど」

 

その言葉にぬらりひょんが秀元の方を見る

 

「狐の呪いは解けたとは思うんやけど…なんというか、まだ不安要素は大いにあるで」

 

「…何?狐の呪いは、羽衣狐が地獄に落ちてからもうないと言っておっただろう」

 

「そうなんやけどな、鯉零くんの場合、呪いと付き合ってた歴が200年と異常や、呪いちゅうんは、その場で効力を発揮してこそ呪いって言うんや。せやけど、鯉零君の場合は呪いを武器に変えて自分のものにしとった。つまり…並大抵の呪いに耐性がついとる」

 

呪いに耐性がつくのは良い事だが、と付け加える秀元

 

「せやけど、鵺は多分鯉零君を利用しようとする」

 

「!!」

 

「羽衣狐と戦っとる時、あの子、目の色が違ったんや、最初は妖怪化しとるだけやと思ったんやけど、晴明が復活した時に合点が行ったんや、晴明が話してる言葉を真似するようにあの子の口動いとった」

 

そう言うとぬらりひょんは露骨に警戒する。

 

「なんだ?じゃあ、まだ鯉零に掛かった呪いは解けてねえって話か?」

 

その言葉に『おそらくは』と返す

 

「安倍晴明が山吹乙女の魂を選んだ理由、わざわざ奴良組の畏れのある場所から盗ませるほどのハイリスクを侵させる理由。そうまでして山吹乙女ちゅう子やないとダメだった。そう判断しとる」

 

秀元の推測は幾つかあった。

 

山吹乙女と奴良鯉零は親子だ。血縁関係で発生する呪いもあるという。

 

「……つまり、まだ安心するなって事か」

 

鯉伴にその事を告げると睨むように盃を見ていた。

 

「狐の呪いで死ななかったから甘く見積もっても死に関する呪いじゃないとは言ってたが」

 

「…その手の話は陰陽師が得意だからな…こっちも色々調べねぇとな」

 

鯉零がやっと奴良組に帰還できたのだ。

 

帰還してからの鯉零は本当に幸せそうだった。

 

 

 

 

リクオが四代目を襲名してから数日経った時、改めて、三代目時代の話になる。

 

リクオの部屋で組を抜けてから百鬼に入った夜鷺と鬼楼丸の話になる。

 

鬼楼丸に関しては京妖怪で千年以上前から生きている故に晴明に関しては知っているらしい。

 

「『安倍晴明』としての生き方なら歴史通りだ、だが、鵺としての生き方なら全く違う。そもそも、千年前は百鬼の在り方が違ったからな」

 

鬼楼丸の言葉にふむふむと聞き入るリクオ

 

千年前は百鬼の主を殺してその部下達を畏れさせ支配下に置いていたという。

 

恐怖も畏れになり着いていきたいと思うようになってしまうという、鬼童丸や茨木童子は酒呑童子に懐いていたというのに

 

「最初はただただ信じてたんだがな…」

 

あの人なら鬼の世界を作ってくれるだろうと純粋な気持ちでいた。

 

しかし、母親が死んでから雲行きがおかしくなって行った。

 

(…そこは原作通りなんだな…)

 

晴明は支配下に置いていない妖怪に対しては反抗するなら容赦無く殺し、妖の歴史が一度消滅したと言われるぐらいだ。

 

そして、鵺として生きる晴明の横暴さは凄まじかったという

 

(…まぁ、確かに妖怪を殺す人間に絶望した癖に自分は妖怪を虐殺しまくるからなぁ…言語不一致で人気もなかったよなぁ…)

 

ラスボスとしては迷走しているようなキャラだったが、それでも強さのせいでその迷走さにも謎の納得がいってしまった。

 

下手にラスボスに人気があって殺すに渋るような事にはなるよりも、あくまで倒すべき悪として堂々と倒せたのだから、人気なんて無くて良かったのだろう。

 

「まぁ、明確に反旗を翻そうと思ったのは晴明の死ぬ間際だったからな、妖怪として生まれ落ちるために母親の胎内に戻るとか気持ち悪いと思ってな」

 

「……それ言うんだ」

 

(…あれはあれでマザコン拗らせてた時代の晴明の約束だったような気がする…ま、別にどうでも良いけど…)

 

鬼楼丸と夜鷺は三代目直下の部下として動く事になった。

 

(…これからは百物語組との戦いだよな…あの話は好きではあるけど…個人的にはリクオのためにも早々に破壊した方が良いよな…)

 

だが、圓潮の居所はまだ掴めていないし、堂々と奴良組に潜り込んでいたスパイの存在も不自然と見当たらなかった。

 

自分というイレギュラーがいるから向こうも対処しているんだろうが、それにしたって原作通りに進まないのは少しだけ恐ろしい。

 

 

 

ー??ー

 

 

「奴良組の戦力がこんなにも揃っていられちゃうとこっちとしても厄介だね」

 

扇子をパタパタしながら言う少年に圓潮は舞台からまっすぐ降りてそちらに向かう。

 

「来られていたんですか?有行殿」

 

安倍有行は足をパタパタさせながら椅子に寄り掛かる

 

「面白かったよー今回の怪談も!鏡斎君には結構仕事任しちゃうけど良いの?」

 

「…百物語組としてなら当然です」

 

「うん、そうだよね〜問題は奴良鯉零がそれに勘づいて先手を打たないようにこっちも動かないとね」

 

七芒星をクルクル回しながら話す

 

「…そこまで厄介な存在なのですか?奴良鯉零は?あの男の息子とはいえ、狐の呪いでつい最近まで弱っていたというではないですか」

 

その言葉に有行は笑う

 

「あの男はね!未来視が使えるの!」

 

「…未来視…?そのような能力が何故妖に…?」

 

有行は笑いながら圓潮にしぃとやる

 

「!」

 

近くに柳田の気配を感じた為、有行は立ち上がり『今日は楽しかったよー、ありがとう』と言って鏡を通って本拠地に向かう。

 

「…雄呂血様に相談しないとなぁ〜並大抵の呪いじゃあの男は克服しちゃうって、目だけでも奪うべきかなぁ」

 

そう呟きながら歩く。

 

「…いや目を奪ったところで意味ないし、心砕いて完全に操っちゃおうかな〜」

 

スキップしながら鏡の中を歩く有行

 

 

 

 

 

俺が奴良組に復帰してからすぐ、雪麗さんが奴良組にやって来る。

 

「お母様ー?!」

 

ビックリして飛び上がるつらら

 

「元気そうね、つららと…」

 

夜リクオを見て俺を見てくる

 

「??」

 

「…なんだ?」

 

「どっちも男前じゃないの」

 

「リクオの方が良いだろ」

 

「…兄貴は俺のこと好きすぎだろ」

 

リクオのツッコミにムッとなる

 

「あらー?弟好きだって鯉伴拗ねてたけど、ホントに弟ラブなのねぇ」

 

「…なんで親父出てくんだよ…」

 

「俺にはかまってくれないって拗ねてたわよ」

 

雪麗さんの茶化しに顔を逸らす

 

「俺のことなんざ気にせず甘えろよ兄貴」

 

「この歳でファザコンになんてなれねぇよ」

 

「まだ100歳ちょっとしか生きてないのに何生意気言ってんのよ」

 

雪麗さんにデコピンされる

 

「……100歳」

 

「鯉零様、結構長生きされてるんですね…!」

 

嬉しそうにされそんな嬉しくされることか?と思いつつ

 

「まぁ、この歳まで生きられたのも雪麗さんのおかげだけどな」

 

そう笑顔で言うとビクつく雪麗さん

 

「俺のこの顔、祖父さん似で最初の頃はよく照れてたよなぁ」

 

茶化すとみるみるうちに顔が赤くなる雪麗さん

 

「あ、あんたが小さい時の話じゃない!どうして覚えてんのよ!」

 

「俺は結構子供の頃から記憶あるぜ」

 

雪麗さんが俺を面倒見てくれた時の『祖父さん似』の話をし続けると雪麗さんが照れ隠しで氷柱が大量発生する

 

「ああいう照れ隠しする所ってほんっと変わんないなぁ」

 

「……おい、わざとだろ」

 

綺麗に避けてリクオとつららが凍っていた。

 

「誤爆したなぁリクオ、避けろよなぁ〜」

 

「いきなりアレは来るとは思わねぇだろ」

 

リクオが氷を割って出てくる。

 

「ほんと、雪麗さんには沢山迷惑かけたし、面倒見て貰ったからなぁ、第二の母親ってやつだ、つららちゃんが奴良組に来たって知った時は遠野で饅頭喉に詰まったけど」

 

「…そこで死にかけてたのかよ」

 

つららが雪麗を追って居なくなり、リクオと二人で話しながら屋敷に向かう

 

本当に、雪麗さんは母親代わりだった。

 

『鯉零!ほら水飲みなさい』

 

『鯉零!!』

 

血を吐くたびに雪麗さんは混乱する鯉伴よりも冷静になり、テキパキと指示を出していた。

 

鯉伴もかなり看病してくれたが、二代目として復帰してから出入りも増えたりし、必然的に雪麗さんが看病を続けてくれた。

 

『鯉零が生きてくれるならあの子だって、鯉伴だって何も文句は言わないわよ!アンタ達は呪いに苦しんでるあの子になんて事言うの!!』

 

陰口を叩く幹部を叱り飛ばす雪麗さんの声

 

『♪♪〜』

 

子守唄を歌いながらそばで洗濯物を畳む雪麗さん。

 

寝ずに俺の看病をし続けてくれた。

 

「そりゃ、親父と俺をガキの頃から面倒見てくれてるから頭上がんないよ」

 

そう笑うとリクオがらこっちを見て微笑んでくる

 

「兄貴が嬉しそうで俺も嬉しいぜ」

 

そう言って中に入っていくリクオ

 

「褒めたって酒は昼が成人になってからだぞ」

 

「ちげぇよ、なんでそうなんだよ」

 

そうつっこまれて笑う

 

「………?」

 

足を止めるとリクオが振り向いてくる

 

「?兄貴?」

 

「…なんでもね」

 

そう言って後を着いて行く。

 

ほんの少しだけ心臓が痛かった。

 

でも、すぐに痛みは止み、気のせいかと思いつつ進む

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