ある男と馬の話   作:七篠ライア

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閑話みたいなものです
特に意味はなく、書きたかっただけです


占いと音

ある日、フクキタル先輩からドトウ先輩を通して

シャカール先輩に依頼がありました

『占いっぽい音楽が欲しい』

正確には上のセリフをドトウ先輩に言ったところ

シャカール先輩に話が来た感じのようですが

その依頼を私も手伝わせていただいています

部室で仕事してたらあっさり身バレしましたし

 

「しかし結構豪華では?」

「あン?」

「私はともかく!monadの書き下ろしですよ?」

「一般公開はなさらないようですし、そもそもフクキタル先輩はご存知ないようですが」

「オマエracing beatシリーズの人気しらねェのか?」

「アレトレセン学園の一部にスゲー人気なんだぞ?」

 

racing beatシリーズ

音源を10何種類か用意し、レースになぞらえて

ひとつひとつのリズムをウマ娘の足音に見立て

あたかもレースを走っているようにできないか

そんなコンセプトで作られた私の作品です

多少音感のいいウマ娘なら

レースのイメージができると人気のようです

ラモーヌ姉様と見たレース映像を元に

いくつものレースを再現しています

レコーディングはめっちゃシュール

実家にご協力頂き、音源(大抵パソコン)を持った人が

レースのポジショニングをマイクを基準に再現

傍から見るとマイクの周りでうろちょろする人達

ついでに大型扇風機

……チームの皆さんに音楽活動がバレて

事前にルートを決めればその通りに動く

音源載せる台を作ってくれることになったので

感謝しております

 

そんな感じで作業しておりました

途中で休憩している時にパッと思いついたように

シャカール先輩が聞きました

 

「占いってどれくらい効果があるもンなのかねェ?」

「……と言うと?」

「前まではンなもん偶然だろうとか言ったんだがな」

「幽霊とかいうオカルトが存在するなら」

「実際どれくらい効果があンのかと思ってな?」

「オマエはオレよりは詳しいだろ」

 

確かに

占いは統計学なんてよく言いますが

本物のオカルトも存在する以上

全部一様に否定するのも、と言った所でしょうか

まだしばらく休憩ですし、この話を広げましょう

私はあくまで私の考えであることを伝えてから

 

「まず、占いは3種類あります」

「ひとつが風水などの統計学」

 

これは昔からの統計で未来を予測しようという

割と真っ当な”学問”

いえ、正確に風水がそうだったのかは

私としてはよく覚えていませんが

詳しい人に聞いてみるべきでしょうか

他に有名なところだと

オカルトでは無い方の陰陽道なんかは

このタイプだったらしいですね

 

「2つ目がオカルト」

 

フクキタル先輩の占い(の一部)はもちろん

カフェ先輩がおともだちから何かを聞くのも

広義ではここに入るのではないでしょうか

この辺りは種類が多いので詳しくは分かりません

 

「そして最後に、なんの根拠もないおまじない」

 

付録とかにあるタロットとか

簡単なところでは花占いでもいいですし

お手軽なのは大抵ここですね

 

「まあ正直前ふたつは効果の解説は難しいです」

「統計学は私が知らない」

「オカルトは本人に聞く方がいいでしょう」

「ということで今回は最後のものについて」

 

どうせ暇つぶしですしお付き合い頂きましょう

 

「なンの根拠もないのに効果があるのかよ?」

 

まあ、シャカール先輩の言うことももっともです

 

「それ自体には何も無いですけどね?」

「ちょうど確か図書館で……」

 

私は図書館で借りてきた本を

カバンをゴソゴソして探します

……ありました

 

「ちょっとこれのこの話、読んでくれません?」

 

渡したのは星〇一のショートショート

いくつか指定して読んでもらう

 

しばらくして

 

「……まァ、言いたいことはわかった」

「つまり効果はなくてもいいンだな?」

 

シャカール先輩はわかってくれたようだ

詐欺でもなんでもいい

最悪当たってなくてもいい

相手がこうするべきだと思えればそれでいい

悩みの答えは与えられなくても

方向だけ示せればあとはなんとかなる

 

「別に3つに場合分けする必要も無いんでしょうけど」

「占いは相手の背中を押せればいいんですから」

「たとえフクキタル先輩の占い並に胡散臭くても」

 

 

今回のオチ、というかその後の話

 

翌日、出来上がった音楽を提出する時

てっきりドトウさんに渡すのかと思ったら

シャカール先輩が直接持っていった

そして渡すついでに

 

「なァ、占ってみてくれよ」

 

そんなことを言っていた

フクキタル先輩はなんのことか

さっぱりよく分からなかったようだが

とりあえず水晶玉を取り出し

その、なんかこう独特な掛け声を出し始めた

出た結果は

 

「認めなさい」

 

だけらしい

傍から聞いていてよく分からなかったが

少なくともシャカール先輩は満足そうだった

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