ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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とりあえずは有識者に話を聞かなあかんのです

腰に抱き着いているミツキを置いて、リンは再度こちらに視線を向けた。

 

「それで、何があってミツキさんがこのような姿になっているのですか?」

 

"いやぁ、それがミツキ自身よく分かっていないみたいでね。一応、以前山海経でも似たようなことがあったからそっちに行ってみようかと思ってるんだ"

 

シュンが小さくなったあの薬、多分今回もそれなんじゃないかと思ってるけどどうなんだろう。こればっかりは私だけじゃ判断できないし、サヤに聞くしかないか。

 

「なるほど、それはいつ頃を予定していますか?」

 

"え?……うーん、特に決まってないけどできるだけ早い方がいいんじゃないかな?"

 

「ええ、私もそう思います」

 

だよねぇ。ずっとこの姿のままっていうのも不便だろうし。

 

「しかし、先生とミツキさんだけで行くのは推奨しません。どなたか安全が保証されている方を連れて行った方がよいかと」

 

リンは腰に抱き着いたままのミツキへ視線を向けながらそう言った。ミツキはリンをじっと見上げており、私と話していたリンが自分の方を向いたことにこてんと首を傾げている。

 

「どうしたの?」

 

「いえ、ミツキさんは気にしなくていいことですよ」

 

そんなミツキの頭にリンがそっと手を置くと、ミツキは嬉しそうに笑いながら羽根がピコピコと動いていた。かわいいね。

 

"流石に二人だけじゃ危ないか。でも、安全が保証されてる人っていったい……"

 

ミツキの周りって結構……ねぇ?たまに危ない視線も混じってることあるし、どこに行っても誰かが危ないような……。

 

「……さぁ?私は皆さんの性格や行動までもを把握している訳ではありませんので」

 

リンが言葉を濁した……だと……!?*1

 

"……あー、まあ色々考えてみようかな。とりあえず二人はそこのソファとかに座ってなよ。立ったままは疲れるだろうし、リンも30分はここにいるんでしょ?"

 

「はい、ではそうさせてもらいます。ミツキさん、あちらに行きましょうか」

 

「うん!」

 

そうして、腰から離れたミツキにリンが片手を差し出した。……片手を差し出した!?あのリンが!?ミツキもナチュラルに手を握ってるし、いったいなんなんだ!?一連の流れに違和感が一切なかった!リンとミツキが仲良く手を繋いでいるところなんて見たことないよ!

 

リンって普段から距離の近いミツキに呆れたような感じで対応してたのに……。そんなリンの方から手を差し出したんだよ?もう、これってそういうことだよね。私は見逃さなかった。*2

 

とはいえ、山海経に行くためのメンバーを考えないと。アロナ、誰かいい感じの生徒いない?

 

『えぇ……?い、いい感じの生徒さんですか?それだけだと条件がふわっとしすぎていて分からないです……』

 

じゃあ、今のミツキを見ても暴走しないこととか?

 

『うーん、ミツキさんと特別仲のいい方は避けたほうがよいのかもしれません。ですが、仲がいいからこそ今のミツキさんに手を貸してくださる場合もありますので一概には言えませんね』

 

確かに。こればっかりは性格の問題かな。

 

『はい。先生から見てこの方なら大丈夫そうだな、と思う方でいいと思います』

 

そう言われるとなぁ。それはそうなんだけど、いざ考えるとなると難しい。

 

『ミツキさんのために頑張ってくださいね!』

 

……よし、そうと決まれば誰に手を貸してもらうかリンと話し合おう!多分やろうと思えばいろんな所に要請は出せるはずだし、リンなら的確なアドバイスをくれるはず。

 

"リン、ちょっといいかい?……リン!?"

 

「どうかしましたか?」

 

"な、なんでミツキを膝の上に乗せているんだい?"

 

すごい光景だ!あのリンがミツキを抱きかかえてるよ!初めて見た!

 

「ミツキさんがどうしてもと言うので仕方なく。それより、要件を聞かせてください」

 

いいや、違うね!確かに最初はミツキからの提案だったのかもしれない!だけど!今のリンはミツキが落ちてしまわないように優しく体に腕を回してあげてるんだよ!しかも体の前にある手にはミツキのちっちゃな手が添えられてるのに振り払おうとしないし!なんだこれ!絶対甘やかしてる!

 

ミツキの重さと体温を感じながらぷにぷにの手の感触と後頭部の匂いも堪能してるんだ!絶対そうだ!こんな短時間でミツキフルコースを楽しんでるなんて、いったいどんな手を使ったんだ!嬉しそうなミツキの後ろでいつも通りのスンとした顔してるくせに!このポーカーフェイスめ!その脳内を覗いてみたいよ!

 

でも、言わない。言ったらこの光景見れなくなっちゃうかもしれないし。連邦生徒会の服が白を基調としてるからさ、ミツキの白のワンピースと合うよね。リンママ……子どもには甘いタイプだったか。

 

『先生……』*3

 

はっ……!危ない危ない、あまりの光景に要件を忘れるところだった。くっ、二人ともやるね……!*4

 

"あぁ、山海経に行くためのメンバーを決めようと思ってね"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで私が呼ばれたってことっすか?」

 

"そういうことだね"

 

頭が痛い。風の噂で若返りの薬なるものがあるとは聞いたことありますが、それがこうして形になるとなんとも……。それに、よりにもよってミツキ先輩っすか。

 

「えーっと、ミツキ先輩……っすよね?」

 

ソファで先生と向かい合って座っている私の隣には白いワンピースを着た幼女が足をプラプラさせながら座っている。その髪、目や角、羽根の形など、先生の話と合わせて目の前の幼女がミツキ先輩であることはもはや疑いようもなかった。

 

「うん!いちかちゃんこんにちは!」

 

「たはー……ついに肉体的にも幼くなっちゃいましたねぇ」

 

以前から先輩とは思えないような立ち振る舞いだったのにガチの幼女になってしまうなんて、庇護欲マシマシっすね。その見てくれは一部の人にブッ刺さるんじゃないすか?私から見ても十分可愛らしいですし。

 

「む……なんか、いまひどいこといった?」

 

「言ってないっすよー、ミツキ先輩の気のせいっす」

 

おっと、そういえば記憶とか意識はそのままでしたね。むっとしてるのか知らないっすけど上目遣いで目を合わせられてもかわいいだけっす。小さくなる前から頭を撫でられるのが好きらしいんで、取り敢えず撫でておきますか。私の頭を痛くしてくれた仕返しにふわふわの頭を堪能させてもらいますね。

 

そうしてそっと頭に手を乗せるとミツキ先輩はむっとした表情から一点、気持ちよさそうに目を細めながらふにゃふにゃと口元を緩ませていた。

 

「えへへ、なでなで〜」

 

……なんすかね、この人。チョロすぎません?いや、前からそうなんすけどね。でも今は割とマジで身の危険とか発生するヤツじゃないすか?こう、沢山甘やかしてあげたい感じがすごいんすけど。

 

「……コレ、大丈夫なんすか?」

 

"いやぁ、大丈夫じゃなさそうだから呼んだんだよ?"

 

「そうでした。あれ?でも流石に私一人じゃないっすよね?」

 

"ああ、多分そろそろ来ると思うんだけど……"

 

そんな会話をしていると、タイミングよくシャーレの扉が開いた。

 

"おっ、噂をすれば……"

 

扉の方へ視線を向ければ、そこには便利屋68の陸八魔アルさんの姿があった。

 

うへー、マジすか。ゲヘナ生ってことにどうこう言うつもりは無いっすけど……ミツキ先輩のこともありますしね。でもまさかカスミさんみたいな人じゃないっすよね?便利屋68ってマトモな話聞かないんすけど大丈夫なんすか……?外見と名前くらいしか知らないんすけど……。

 

「来たわよ、先生」

 

"いらっしゃい、取り敢えずこっちにおいで"

 

先生が手招きをするとアルさんはヒールをコツコツと鳴らしながら豪壮なコートを靡かせてこちらに歩いてくる。そして私の隣で今もなでなでを堪能しているミツキさんに気付いたらしく、声をかけた。

 

「あら、ミツキじゃない。本当に小さくなってるのね」

 

「……ん?あっ!あるちゃん!こんにちは!」

 

ソファから飛び降りてとてとてとアルさんの所へ向かったミツキ先輩が次に何をするのか察したらしく、アルさんは持っていたスナイパーライフルを自身の体から遠ざけた。その直後にミツキ先輩は正面からアルさんに抱き着き、その細い腕をアルさんの体に精一杯回している。

 

「なにやら大変なことになっているらしいじゃない」

 

「う、うん……でもねでもね!みんなやさしいんだよ!」

 

「そう、それはよかったわね」

 

「うん!」

 

アルさんはふっと柔らかく微笑みながら自身を見上げるミツキ先輩の頭を優しくポンポンと叩き、ミツキ先輩もアルさんのお腹辺りに顔をすりすりと擦り付けている。

 

……なんか罪悪感がすごいっす。そもそもミツキ先輩の身の安全のために呼ばれたんすからアルさんがカスミさんみたいな危ない人なわけなかったっすね。勝手に警戒して失礼でした。それにしても、最初は目つきとか含みのある笑みとか結構怪しい人かと思いましたけど、そんな風に笑うんすね。

 

すると、じっと私に見られていることに気付いたのかアルさんは私の方へ顔を向けた。一方的に疑っていたせいで、少しばかり気まずいような……。

 

「挨拶が遅れたわね。私は陸八魔アル、あなたは?」

 

「な、仲正イチカっす。一応正義実現委員会2年っす」

 

「……」

 

あら?何か変なこと言いましたかね?アルさんが固まっちゃいました。こう、突然石になったかのようにピシッと……。

 

「……へ、へえ、そうなの。き、今日ばかりは何もしてないし見逃してくれると助かるのだけれど」

 

「へ……?い、いや、捕まえないっすよ!?そのために来たんじゃないっす!アルさんもそうっすよね!?」

 

「……ふ、ふふふ、冗談よ冗談。いいアイスブレイクになったかしら」

 

……私が気まずそうにしていたのを把握していたんすかね。そうじゃなければわざわざアイスブレイクなんて言う必要無いですし。結構いい人なのかもしれないっすね。

 

「先生、私とアルさんと、あとどれくらい来るんですか?」

 

"あと一人だね"

 

「そうなのね。もう少し居るのかと思ったけれど……三人パーティなんて結構少人数じゃない」

 

"うん、山海経に行くだけだしあまり大人数でもね。ほら、もうすぐ三人目も来るだろうから座って待ってようか"

 

三人目、いったい誰なんすかねぇ。あとミツキ先輩はアルさんのお腹から離れてあげてください。アルさんが動けなくて困ってるっす。引き剥がそうとしないあたりやっぱアルさんって優しい人なんすかね。

 

*1
『ガンジーでも助走つけて殴るレベル』改め、『リンが言葉を濁すレベル』

*2
「恐ろしく早い手刀(ry」

*3
残念なモノを見る眼差し

*4
それに気付かないアホ




三人目は次回へ引き伸ばし。理由はここまで書いて満足したから。筆者は身勝手の極意習得済み。





先生と話し合った後、30分という時間制限がやってきてリンがミツキを膝の上から下ろして帰ろうとしたとき、ミツキはもっとリンに居てほしくて呼び止めようとするけどさっき30分だけと約束したしリンを困らせたいわけでもないし、伸ばそうとした手をそっと引っ込めてお見送りをしようとするミツキの寂しそうな表情に何度目かの溜め息を吐きながら優しく抱きとめてくれるリン概念。更に、自分の持ち場に戻った後は30分という遅れを取り戻すようにバリバリ仕事を進めていくリンだけど、一日中集中していたらいつの間にか周囲より早く仕事が終わっておりアユムに「す、すごい……」されて自分でもその原因がよく分かっていないまま普段より軽い足取りで帰宅するリン概念。あると思います。

ミツキセラピーは過去に実績あるしお仕事まみれのリンを無意識の内に癒やしている可能性もあるはず。いや、ある。アルだけに。
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