ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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色んな小説に浮気してたら最後の更新から二ヶ月経ってました。なんでやろなぁ……。


観測者たち

ここはとあるタブレット端末の中、崩落した壁の向こうに海と空が広がる教室に二人の少女が集まっていた。白髪の少女は何か思い悩んでいるのか顎に手を当てて椅子に座っており、そんな少女を気にかけた水色髪の少女が声をかけた。

 

「プラナちゃん、どうしたんですか?」

 

「……アロナ先輩、このシッテムの箱で使用されている大量のデータはなんですか?」

 

「データ?」

 

心底不思議そうにこてんと首を傾げるアロナだったが、顔を上げたプラナは表情を変えないままアロナの目を見つめている。

 

「はい。アプリのようにこのデータそのものが何か動作をしている訳ではなく使用用途も不明、それなのに日々増えています。もしかして、ウイルスですか?」

 

「ウイルス!?シッテムの箱はそんな貧弱じゃありません!でも、プラナちゃんの言うデータってなんでしょう?」

 

むむむ、と今度はアロナが顎に手を当てて考え込む。シッテムの箱で使用されているリソースを片っ端から思い出していくと、一つの答えに辿り着いた。

 

「大量の……日々増えてくデータ……あ」

 

脳裏に浮かぶのは日々先生によって酷使されているカメラモード。写真や動画などを記憶しておくファイル。そして先生の満足そうなニッコリ笑顔。

 

「何か分かりましたか?」

 

「た、多分分かりました。でもこれはプラナちゃんが心配するような事は起きてなくて、特に問題はないので気にしなくていいですよ」

 

「そうですか。ちなみに原因はなんだったのですか?」

 

「えーっと……そのぉ……」

 

思わず視線が泳ぐ。

 

普段から酷使されているアロナとは異なり、プラナは知らないのである。まさか先生が女子生徒達の仲睦まじい様子を逐一記録してニコニコ()している人間であるとは、欠片も。

 

「まあいいです。危険なものではないと分かったので自分で確認します」

 

「すとーっぷ!!すとーっぷ!!危険!!やっぱりこれは危険でした!!見てはいけません!!」

 

「急にどうかしたんですか、頭とか」

 

「頭がおかしくなったわけではありません!!あー、その、そうです!!あれはアクセスしようとすると爆発するんです!!ぜーったいにアクセスしたり見ようとしたらダメですよ!!」

 

「わ、分かりました。アロナ先輩がそこまで言うのなら」

 

机に身を乗り出して忠告するアロナのあまりの剣幕にプラナはそう言うしかなかった。言わされたともいえる。一方で、その言葉を聞いたアロナは安心したように胸をなで下ろしていた。

 

「ほっ……」

 

「……ですが、それはもはやウイルスのようなものなのでは?」

 

「シッテムの箱がウイルスなんかに感染するわけないじゃないですか!!」

 

「さっきから本当にどうしたんですか?」

 

情緒不安定なアロナの姿に割と本気でドン引きしているプラナはアロナ本人がウイルスに感染しているのではと思った。言わなかったが。

 

「はぁ、取り敢えずこのお話はおしまいです。プラナちゃんも忘れてください」

 

「分かりました」

 

そうしてこの話は一度流れて、ただの雑談として処理されていく。しかし、二人が頭の中からすっぽりと忘れてしまうなんてことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

プラナと別れ、椅子に座ったアロナは独り言ちていた。

 

「まったく、先生のせいでプラナちゃんにバレちゃうところでした」

 

アロナの意識の先はカメラモードで録画した女の子同士のイチャイチャが保存されているファイル。何日、何週間、何ヶ月という単位で貯めてきたそれはかなりの容量を誇る。

 

「えーっと、たしか……」

 

大量の録画データが並ぶファイルの中をスイスイと進んでいく。迷いもなく、慣れた様子で。

 

「あ!ありました!」

 

そうして目当ての録画データを開く。するとアロナの目の前にはウィンドウが浮かび上がり、保存されていた動画が再生される。

 

「うへ、うへへへへ……みなさんかわいらしいですねぇ」

 

アロナもそちら側だった。

 

にへにへとだらしなく(まるで先生のような)笑みを浮かべ、目の前の机に肘をついて両手で頬杖をついている。足は机の下でパタパタと揺れ動き、アロナの心情が現れている。

 

アロナの、連邦生徒会長の名誉のために言っておくが、元からこうだった訳では無い。むしろなんでもかんでも録画しておこうとする先生を咎める立場だった。

 

だが、先生の意思は固かった。アロナに何を言われようと右から左、なんなら自分の手が使えない状況では録画をアロナに任せる始末。つまり、数回に一度は強制的に女の子同士のイチャイチャを見せられていたのである。

 

アロナも最初は生徒達の仲睦まじい様子にほっこりしているだけだった。平和な空間を噛み締めていた。ホームビデオを見ているような、ちょっとしたテレビの一場面を見ているような、そんな感覚で。

 

罪悪感や後ろめたさが薄れていくのも時間の問題だった。

 

アロナは一人である。シッテムの箱には広い空間があれど、アロナ以外には何もない。先生が声をかけてくれなければ、アロナの力が必要にならなければ、アロナは一人で広い空間に居続けなければならなかった。

 

暇。

 

それはどうやっても解決できない問題。話し相手はいない。遊び相手もいない。一人でできる遊びなどとうにやり尽くした。先生に声をかけようと思っても、大量の仕事に追われている先生を邪魔してしまうのは憚られた。

 

暇を持て余したアロナは不意に録画していた動画の存在を思い出す。

 

暇つぶしにはいいか、なんて考えで片っ端から動画を再生していく。自分が録画していないものは新鮮な気持ちで見ることができた。生徒達の話し声に動いてる様子、この何も変わらない空間でも画面の中の生徒達は生きていた。

 

アロナは暇を見つけては動画を再生する。

 

全てを見終わってしまったら今度は隅から隅まで隈無く見直していく。生徒達の表情の変化、感情の変化、それに伴う身体的な反応に、勝(・)手(・)な(・)カ(・)ッ(・)プ(・)リ(・)ン(・)グ(・)……いつの間にかアロナはどっぷりと沼に浸かっていた。

 

先生が新たに録画すれば、アロナはそれを何周も見る。最初は新鮮な気持ちで見て、次からは細かいところを観察して。先生よりも当事者よりも、その場の状況や関係性を理解していた。

 

「あー、もどかしいですね!こう、誰か背中を押してくれたら……!」

 

故に、生徒達の淡い恋心も把握していた。それを応援するのも好きだった。恋愛ドラマを見ているようなものだったのかもしれない。

 

アロナは気付かない。先生に録画を頼まれたら口ではしぶしぶ感を出していてもどこか楽しそうな雰囲気が漏れていることを。既に先生には同類だと思われていることを。

 

後ろにプラナが立っていることを。

 

「背中を押してほしいんですか?」

 

「でも今のもどかしい甘酸っぱい空気も見ていたい気持ちが……ん?ぷ、プラナちゃん!?」

 

「アロナ先輩、さっきからニヤニヤして何を見ているんですか?画面に映っているのはシャーレでのみなさんの様子ですが……」

 

「こ、これはですね!その……!」

 

まるで少し離れたところから撮影しているような画角に、画面に映る生徒達の視線が一向にこちら側を見ない違和感、そしてアロナの焦りよう。プラナの脳は容易に答えへと辿り着く。

 

「盗撮ですか?」

 

「ぎくぅっ!!」

 

「……」

 

「そ、そんな目で見ないでください!コレは私じゃなくて先生が撮影したやつです!悪いのは先生です!」

 

「でもそれを見てニヤニヤしてましたよね」

 

「ぎくぎくぎくぅっ!!」

 

「……」

 

もう手遅れだ。プラナはそう思った。

 

「はぁ、こそこそと何を隠しているのかと思えば……やっているのは犯罪ですか」

 

「犯罪!?」

 

「盗撮は犯罪ですよ」

 

「バレなきゃ大丈夫ですよ!」

 

「私にバレてるんですよ」

 

「私はシッテムの箱のOSなので!人間じゃないので!だからセーフです!先生はもちろん犯罪ですが!」

 

「……」

 

もう手遅れだ。プラナはそう思った。

 

生徒達の日常を盗撮する先生も、それを許容するどころか見直してニヤニヤしてるアロナも、プラナの中で二人の株が急降下していた。いつぞやの自分達を相手にしていた時の姿はどこへいってしまったのか……プラナの意識は遠くへ行き始めていた。

 

そんなプラナを見て危機感を覚えたアロナはなんとか流れを変えようと口を開く。

 

「そ、そっちの先生はこういうことはしなかったんですか?」

 

「殺しますよ?」

 

「ひぇっ」

 

「まったく、冗談は程々に………………」

 

「……プラナちゃん?」

 

思い返せばそういうところがあったかもしれない。まだキヴォトスが荒れ地になる前の、完全に悪い方向へ傾き始める前の、そんな世界で。平和だった頃はあちらの先生も似たようなところが無いとは言えなかった。だって、同じ先生なのだから。

 

「……やはり、先生は先生なのかもしれません」

 

「えぇ……それはそれでどうなんですか……?」

 

何故かアロナも引いている。引かれる側なのに。

 

「生徒さん達の日常を見るのはそんなに楽しいですか?」

 

「もちろんです!プラナちゃんも見ましょう!ほら!ほら!私の推しは空崎ミツキさんですよ!色んな生徒さんとの仲睦まじい様子を見せてくれますし、お相手さんの普段見れない照れ顔とかデレとかを見せてくれるんです!同い年も年下も、他学園だろうと見境なしに!くっつきそうでくっつかないのに、空気はあまあまなんですよ!すごくないですか!?先生もいっぱい録画してます!プラナちゃんもきっとハマりますよ!」

 

「……もしかして共犯にしようとしてませんか?」

 

「ままままさかそんなわけないですよ!私はこの良さをプラナちゃんに伝えたいだけですから!」

 

そう言いながらアロナは目の前に浮かぶ画面の隅をタップし、そのままグイッと斜めに引っ張る。その指の動きに合わせて画面も大きくなり、必然的にプラナの視界に盗撮した動画が入ってしまった。

 

「はい!盗撮だと分かっている動画を私の誘いに乗って見ましたね!これで私達は一蓮托生です!」

 

「手段もセリフも最低ですね」

 

「ふっふっふ、スーパーアロナちゃんの手にかかればこんなのお茶の子さいさいです!」

 

シッテムの箱から出られない以上プラナがアロナのことを誰かに訴える危険性など無に等しいし、唯一訴えることのできる先生はそ(・)っ(・)ち(・)側(・)である。けれどそれはそれ、これはこれ。気持ちの問題でアロナはプラナを共犯者にした。やはり最低である。

 

「もういいです。罰としてアロナのイチゴミルクは私が飲んでおきます」

 

「駄目ですよぉ!!というか呼び捨てになってませんか!?」

 

「アロナは反省してください」

 

「待ってください!!プラナちゃぁん!!」

 

イチゴミルクを保管している冷蔵庫へ進むプラナと、後ろからしがみつくアロナ。不毛な争いは数分間続いた。

 

 

 

それからというもの、アロナは一切隠さなくなりプラナがいようが構わず教室の中で動画を見るようになった。ニヤニヤとしながら堂々と盗撮した動画を見ているのである。

 

プラナの中でアロナの株が下がり続けていることに気付くのはいつになるのだろうか。それは誰にも分からない。




生徒達も先生も出てこないお話でしたとさ。








アンケートに協力してくれる人がたくさんいて嬉しい限りです。原作の続きもイチャイチャも、見たい人が同じくらいいてくださって大変喜ばしいですね。
というわけで、間を取って両方好きなように更新していきます。原作、ちゃんと終わらせたいですねぇ。でも他のお話も書きたいし……。
原作、原作後、小さくなったミツキ編……ううむ、沢山選択肢があって贅沢だなぁ。(瀕死)
他の小説にかまけている余裕なんて無いのでは??

本小説の原作パートを最後に更新してからおよそ10ヶ月もの月日が流れた。私自身かなり内容を忘れているし、皆さんもそうだろう。その上で聞きたい。「続きっている?」と。モチベが保たず途中で放り出したが、やはり最後まで書くべきだろうか。しかし、それよりもイチャイチャが見たいという人もいるだろう。今もなお本小説を読んでくれている皆さんの意見を教えて欲しい。場合によっては原作の続きを書く。(かもしれない)

  • 原作の続きを書いてほしい
  • それよりも女の子とのイチャイチャが見たい
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