ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
先生曰く、ミツキさんが小さくなった原因がもしかしたら山海経にいる生徒の薬によるものかもしれないらしい。だから山海経に行って診てもらうんだとか。
もしその話が本当だとしたら、その人って普通にすごいんじゃないかしら。人を小さい子供にしてしまうなんて常識的に考えてあり得ないもの。実際にミツキさんが小さくなっているのをこの目で確認していなければ信じなかったと思うわ。
「わしゃわしゃ〜」
「きゃ〜っ」
……かわいいわね。イチカも頬が緩んでるし私達の話が終わってもずっとなでてるし完全にデレデレじゃない。まあ気持ちは分からなくもないけど。
"イチカ、終わったよ"
「あ、終わったっすか?」
"ああ、お楽しみのところ悪いけど出発できるかい?"
「全然大丈夫っす。ほら、行きますよミツキ先輩、どいてください」
「ぅー、もっとぉ」
「うっ……だ、駄目っす。ミツキ先輩のためにも行かないといけないんすよ」
うぐっ、う、上目遣いのおねだり!?な、なんて破壊力なのかしら……イチカもあの至近距離でよく耐えたわね。私なら無理よ。絶対に追加でこれでもかとなでてる自信があるわ。
「ぅー……」
なっ!?い、イチカの肩に頭ぐりぐりしてるわ!!ぎゅーって抱き着きながら!!なんてかわいいのかしら!!今すぐにでも抱き締めてなでてあげたい!!これが庇護欲!?
「スゥー……」
あ、イチカが天を仰いでしまったわ。右手で目を覆ってるし左手はぎゅっと握りしめられた状態でわなわなと震えてるし。いや、本当によく耐えてるわね。
「なあ、早く行こうぜ」
「でもミツキが……」
「お前らなぁ……ンなもん引き剥がせばいいだろ」
そう言いながらミツキさんとイチカの方へズカズカと歩いていくネルはイチカに抱き着いているミツキさんの腕を簡単に引き剥がし、脇の下に手を入れてそのままイチカの上からどかした。
「ミツキ、あんま邪魔すんなって言ったろ」
その間にイチカはソファから離れ、近くに立てかけていた銃を手に取り出発の準備を始めた。ただ、それでもネルはミツキさんを離さず、持ち上げられた状態のミツキさんは不貞腐れたようにむすっとした表情をしている。
またミツキさんが私達の方に来て私達が動けなくなるのを防ぐためかしら。あれはあれでかわいいわね。猫の動画で似たようなものを見た覚えがあるわ。みょーんって体が伸びるやつ。
「むー……ねるちゃんのいじわる」
「あ゛?」
「あぅ……」
えぇ……?どうしてネルに持ち上げられた状態でそれが言えるのかしら。いや、不満なのは分かったけれど。
「……しょうがねェな」
「ねるちゃん?」
あら?ミツキさんをその場に下ろしたわ。何をするつもりかしら。
「ほら、もう少し足開け」
「??」
何も分かっていないミツキさんの足を肩幅くらいに開かせたネルはミツキさんの後ろ側から両足の太ももを掴んで持ち上げ、足の間に首を突っ込んで首の後ろにミツキさんを座らせた。
「わわっ!?」
か、肩車!?
「コレで我慢しとけ。いざって時に両手は動かせるようにしときたいからな」
「わぁ〜!」
目を白黒させていたミツキさんも自分が肩車されていると理解してからは表情がぱあっと明るくなってキョロキョロと辺りを見回している。
「ねるちゃんありがとう!」
「へっ、気にすんな。これ以上時間を取られるのも面倒だったしな」
さっきまでむすっとしてたのに今はすごく嬉しそうだわ。単純というかなんというか……素直なのもミツキさんらしいわね。
すると突然、ミツキさんが自身のすぐ目の前にあるネルの頭を両手でワシャワシャと触り始めた。
「わしゃわしゃー!」
「オイ」
「ブフッ」
イチカ!?
「あ゛ァ゛!?」
「あ、いや、すいません……ンフッ」
死にたいの!?手で口元隠してるけど全然誤魔化せてないわよ!?
「チッ……先生、早く行くぞ」
"あ、ああ!よし、じゃあ出発しよっか"
……?先生が今急いで何かを後ろ手に隠したような?チラっと見えるのは先生がいつも持ってるタブレットだし……気にし過ぎかしら。
シャーレを出発し、五人で固まって歩く。正確に言えば私はなんもしてないんだけどね。ネルちゃんの肩車を堪能しているからなぁ!!今日を逃したら肩車なんて絶対してもらえないんだ!!この幸福感を噛み締めなくては!!
「そういえば、コレってシャーレとしての活動みたいな扱いっすよね?」
"うん、そうだよ"
「相手の方にはお邪魔する連絡というか、許可みたいなの取ったんすか?」
"ああ、今のミツキの状況を教えたら一発オーケーだったよ"
「ならよかったっす。山海経のお偉いさんは優しくて仕事が早いっすねぇ」
"う、うん、そうだね……"
何か歯切れ悪くない?誰とも視線を合わせてないけどどこ見てるの?何か隠してる?私とイチカちゃんにも言ってない何かがない?
「ここから距離があるし電車を使うのはいいのだけれど、この子がミツキってバレないかしら」
"うーん、小さいし流石に別人だと思ってくれるんじゃないかな……"
「心配なら顔を隠せる帽子とかあればいいんじゃねェか?頭隠して顔も見にくいなら確信は持てないだろ。……ウチのアスナみたいなヤツ以外はな」
多分名前言わなきゃ大丈夫じゃない?流石にこんなちんちくりん見て私だと気付く人はいないって。アスナちゃんは謎の直感があるからしゃーないけどさ。……なんかアスナちゃんに会いたくなってきたぞ!あの満面の笑みと全力ハグに癒されたい!いっぱいお話して全肯定されたい!
"そうだね、じゃあちょうど駅近くにブティックはあるしつばのある帽子を買っておこうか"
そうして、駅近くまで歩いてきた五人はブティックの前に辿り着いた。
"よし、ここでいいかな"
「ちゃちゃっと買って行きましょうか」
スタスタと店内へ入っていく先生とイチカだが、後方でなぜかネルが立ち止まった。
「ネル?急に止まってどうしたn……」
ピシリと、問いかけた方のアルがネルを見ながら固まった。その声が聞こえたのか前方にいる先生とイチカが二人の方へ振り向く。
「ん?どうしたんすか?……ンフッ」
"……ふふ"
「離れねェぞコイツ」
ネルの頭上では体を丸めながら両腕を額に回してガッチリと捕まっているミツキの姿があった。ネルがその腕を退かしても退かした先からまたしがみつき、両腕を使って腕を完全に退かしてもその状態から進まない。ミツキが肩車の状態から変化しないのである。
「店内で肩車は違うだろうがオイ」
絶対離れないからな!!ネルちゃんの肩車がこれでおしまいなんて許せん!!私は全力で抵抗する!!店内だろうが肩車続行してください!!あっ、ネルちゃんの頭すごくいい匂いする!!ぐっどすめる!!……ちょっと口に咥えてもバレへんか?
「好かれっ……好かれてんすね……っ」
「笑ってねェで退かすのを手伝え。このままなら力づくで振り落とすぞ」
……え?振り落とされんの?ネルちゃんの力づくって、死……?
「み、ミツキ!危ないからこっちに来ましょう?ね?抱っこしてあげるから」
な、なにィ!?アルちゃんの抱っこだと!?しかも両腕を私に伸ばしてくれてるぞ!!応じないわけにはいかねぇなぁ!!わ~い!!
「よっ、と。ネルから離れられて偉いわね」
私が体を起こしてアルちゃんの方に手を伸ばすと、アルちゃんは私の脇の下に手を入れて持ち上げ、そのまま優しく抱っこしてくれた。しかも褒めと背中ポンポン付き。天国かな?全肯定アルちゃん一家に一人欲しい。何かあったら全肯定しながらポンポンしてほしい。
「コイツ甘えた過ぎだろ」
「一回甘やかされると止まらなくなっちゃうのね」
"羽根がピコピコ動くの、犬とかが尻尾ブンブン振ってるみたいだね"
「……ミツキ先輩は人馴れした野生動物かなんかっすか?」
うへへへへ、アルちゃんあったかーい!!背中ポンポンしてくれる手からものすごい愛情を感じる!!私はアルちゃんの娘だった……!?ママぁ!!陸八魔ミツキになるぅ!!私は便利屋のみんなに甘やかされて育つんだもん!!ママの愛情を一身に受けてママっこに育つんだもん!!そう決まっている!!*1
"そろそろ帽子を見に行ってもいいかな?"
「ええ、行きましょうか」
"いやぁ、いい買い物だったね"
「ミツキ先輩の角が小さくて良かったっすね。帽子に穴を開けなくていいので角も隠せますし」
うむ、うむ……帽子邪魔なんだが。二人は満足気だけどさ、これ外してもいい?
「白いワンピースに白い麦わら帽子とか完全に夏だなコイツの服装」
「あら、でもかわいいじゃない。大きいリボンも付いてるし」
確かにつばの広い白の麦わら帽子に紺の大きなリボンが巻いてあってこの帽子自体はかわいいよ?
でも全方位にツバ付いてるクソデカハットはよくない!!アルちゃんに近付きすぎたらアルちゃんの顔や体につばが当たっちゃうんだぞ!!近寄るなということか!?帽子のせいで頭スリスリできないじゃん!!普通の帽子ならまだ頬でスリスリできたのにそれすらできないよぉ!!*2
「かわいい帽子を買ってもらえてよかったわねミツキ」
「う?」
わぁ!なんかアルちゃんがほっぺツンツンしてくる!なんだその愛情たっぷりの笑顔は!やっぱりママになるつもりなのか!?アルママ!大好きだよママ!母の日にはカーネーションをあげるね!
「やっぱりかわいいっすねぇ。お、すごいもちもち」
のわぁぁぁぁ!イチカちゃんも反対側ツンツンしてくる!なんだこれは!?ま、ママが二人!?私は一向に構わんッッ
「えへ、えへへへへ」
しあわせ。
案の定買い物シーンはカット。
今の服装のイメージは私服セナ。でもミツキが着てるのは襟付きのワンピースなのでセナと違ってちゃんと肩とかは隠れてます。ヒナが首周りとか肩周りがゆるゆるな服をロリロリお姉ちゃんに着せるわけないだろ!いい加減にしろ!