ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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お別れしたその後

シャーレで解散してから時間は流れ、C&Cに戻ったネルはアスナに抱き着かれていた。

 

「ねーえー!リーダーずるーい!私達もちっちゃいミツキちゃんに会いたかったー!」

 

「リーダー、私も、その……」

 

ネルに抱き着いたまま駄々をこねるようにブンブン左右に揺れるアスナと、近くで見ていながらも止めずに何かを伝えようとしているカリン、見守っているだけのアカネ、見向きもせずにお菓子を摘んで寛いでいるトキ。そんな状況にネルが耐えられるはずもなく、あっという間にネルの怒りが低い沸点に達した。

 

「だあああ!暑苦しい!テメェらがそんなんだから呼ばれなかったんだよ!会いてェなら自分で行け!」

 

「あっ!たしかに!よし、そうと決まれば行ってくるねー!」

 

そうして、アスナはカリンを引き連れて部屋から一目散に駆け出してしまった。

 

「……あ?ちょ、待て!チッ、マズったか?」

 

「ネル先輩、今のは悪手でしたね。悪手悪手。あ、可哀想なので握手してあげます」

 

トキはそう言いながらその場から動かずに手だけを伸ばすが、その手はプラプラと空を切るだけで握り返してくれる人はいない。

 

「あ゛?テメェ菓子食った汚え手を近付けんじゃねェ。アカネ、お前は行かなくていいのか?」

 

「ええ、どうせ会いに行っても今日は会えないでしょうから。それに、恐らく皆さん同じような事をして先生が何かしらの対応を取らざるを得なくなるでしょうし、いつかは会えるでしょう」

 

「結構考えてやがんのな。……いや、分かってんならアイツら止めてやれよ」

 

「先生へ問い合わせる人は少しでも多いほうがいいですからね」

 

「ネル先輩はそんなことも分からないんですか?私は分かってました」

 

握手を無視されたトキは椅子から立ち上がり、しっかりとお菓子の汚れを拭いた手でピースを作っている。しかも前後に動かしてのアピール付き。

 

「トキ、取り敢えずお前は殴る」

 

「なるほど、チョキに対してグー……でも後出しなので私の勝ちです」

 

「ちょっとお前黙れ」

 

「がーん、傷付きました。ネル先輩に慰謝料を請求します」

 

「それはそれとして、お話聞かせてくださいね」

 

「……それはそれ?」

 

「……わァったよ。どうせアイツらも同じこと言うだろうし、アイツらが帰ってきてからな」

 

「おそらくゲーム開発部からも説明を求められると思いますよ」

 

「だぁー……ダリィな」

 

ドカッと椅子に座ったネルは面倒くさそうな表情を隠すことなく表に出している。すると、部屋のドアがバタンッと勢い良く開いた。

 

「たのもー!ネル先輩はいますかー!」

 

「あ゛ァ……?ンだよ、アリスか」

 

「今話題のミツキ先輩について聞きに来ました!」

 

まさに今アカネと話していたことが起こっている。思わずアカネの方を見るネルだが、アカネは楽しそうに柔らかく微笑んでいた。トキはそれはそれで片付けられたことに今も脳のリソースを割いている。

 

「ふふ、言ったでしょう?」

 

「チッ……で、お前だけか?」

 

「いえ!モモイもいます!」

 

「可愛いアリス、賢い残念なモモイがいません」

 

「え?」

 

トキの指摘に思わず辺りを見渡すアリスだが、周りにはC&Cの三人しかいない。

 

「……本当です!モモイがいません!」

 

「アリスちゃん、モモイちゃんとは一緒に出発しましたか?」

 

「はい!私達がここに、ミドリとユズがシャーレに行きました!」

 

「だったらもう来るんじゃねェか?」

 

すると、ネルの言う通りに部屋の扉からモモイが姿を現した。壁に片手を置いて肩で呼吸をしている疲れ切ったモモイが。

 

「はーっ……はーっ……もう!アリス速すぎ!なんで置いてくのさ!」

 

「あぁ、可愛いアリスに置いていかれた残念で残念なモモイ……」

 

「それじゃあただ残念なだけじゃん!」

 

「急いで来てもらいましたが、お話は皆さん集まってからの予定ですよ」

 

「へ……?っ、だあぁぁぁぁ!!私の頑張りは!?ここまで走ってきたのに!?」

 

「あぁ、頑張りが無駄になった残念で残念で残念なモモイ……」

 

「それはもういいよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

便利屋68では、玄関で待ち構えていたムツキが逃げれないようアルの腕を掴んで室内まで引き連れていった。ソファに座らされたアルの隣にムツキが座り、おもむろにスマホをポケットから取り出す。

 

「ねぇねぇアルちゃん。この小さいミツキちゃんがいる写真に映ってる人私の知り合いっぽいんだけど知らない?」

 

「へ、へぇー。わ、私は知らないわ」

 

「しかもその私の知り合いね、私達には『急用ができたから今日は便利屋をお休みにするわ』なんて言っててさぁ」

 

「そそそそうなのね、そ、そういうこともあるんじゃないかしら」

 

「ねぇ、アルちゃん」

 

「な、なにかしら!?」

 

「正直に言った方がいいと思うよ?アルちゃんが冷静な判断をできるならね」

 

そうして、ムツキはアルの背後を指差した。その指が指し示す方向へアルがゆっくりと首を回すと、己の背後に立ちじっとこちらを見つめるカヨコの姿があった。

 

「ヒッ……」

 

分からない。睨みつけられている訳でも、その目にハイライトが無いという訳でもない。ただただ見つめられているだけなのに、何故かアルは恐怖を覚えていた。

 

「あ、アル様!こ、この女の子は本当にミツキさんなんですか?」

 

「……」

 

そんなアルの内心など露知らず、ムツキとは反対側のアルの隣に座ったハルカがおずおずと質問する。

 

「……アル様?」

 

「……え、ええ、そうよ」

 

「わぁ……!こ、今度お会いできたらいいな……」

 

頬を緩めてぽわぽわとした雰囲気を醸し出すハルカに後ろからの圧を忘れて思わずほっこりしていると、突然背後からこれまで黙っていた人物の声が聞こえてきた。

 

「……ねえ、写真とか無いの?」

 

「え?写真?」

 

「へぇ、無いんだ」

 

瞬間、後ろからの圧が強くなり、アルの意識を飲み込んでいく。

 

「え?え?え?」

 

「抱っこしてるとこ写真に撮られてるし、どうせ抱き着かれたりなでなでしたりしたんでしょ」

 

そう言いながらカヨコはアルの肩に手を置き、ゆっくりとアルの顔を覗き込んでいく。

 

「ふーん、私達には秘密にして自分だけ楽しんでたんだ。そっか」

 

「ヒュッ」

 

「くふふ、あとは頑張ってねアルちゃん。ハルカちゃん、私達はあっち行ってよ?」

 

「は、はい!」

 

「待って!助けて!今のカヨコと二人にしないで!」

 

淡々と話を続けるカヨコとそのカヨコからの圧で身動きの取れないアルを置いて、ムツキとハルカはその場から離れていく。そして、ムツキのスマホに映っている五人の写真を二人で見ていた。

 

「ミツキちゃんかわいーね」

 

「そ、そうなんです!普段から雰囲気が柔らかくてかわいらしい方なのに、小さくなったらかわいらしさがもっと増しましたよね!えへへ、こう、思わず抱き締めたくなっちゃいます」

 

「ねー。なでなでとかもしてあげたいね」

 

「は、はい!」

 

今、便利屋68のオフィスの空気は綺麗に二分割されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリニティに戻ってきたイチカは一度正義実現委員会へと足を運ぶことなくそのまま自身を呼び出した桐藤ナギサの元へ向かう。そこは普段トリニティのトップであるティーパーティーが会議及びお茶会に利用している一室だった。

 

扉の両脇には護衛なのか二名の生徒が佇んでおり、その部屋からは謎の圧や雰囲気が感じ取れる。イチカは扉の前で一度呼吸を整えてからノックし、足を踏み入れた。

 

「……失礼します」

 

扉を開いた先に見えたのは、優雅に椅子に座っているナギサとセイア、そしてナギサに制服の襟首を掴まれて不機嫌そうな表情をしながら椅子に座っているミカの姿だった。

 

「あら、ようこそいらっしゃいましたイチカさん」

 

「ど、どうも……あの、ど、どうしたんですか?」

 

何がとは言わないが、イチカが指しているのは一つしかない。

 

「なに、そこのお転婆娘が勢いそのままにシャーレへ突撃しようとしていたからね。手綱を握っておく必要があったのさ」

 

手綱を握る(物理)。イチカは困惑した。

 

「だって私も小さいミツキちゃん抱っこしたい〜!!いっぱいぎゅーってしてなでなでしてあげたい〜!!」

 

「はぁ、困ったものだろう?下手に問題を起こされるのはこちらとしても避けたい所でね」

 

「そこで、どういうことなのか、直接ミツキさんと出会い同行していたイチカさんにお話を聞かせていただこうかと思いまして」

 

薄っすらと笑みを浮かべているナギサだが、その目はイチカのみを捉えている。出会って同行していたという部分の語気が強く、思わずイチカの頬に一筋の汗が垂れた。

 

「あ!私も知りたい!ミツキちゃんかわいかった!?かわいかったよね!?だって写真だけでもあんなにかわいいんだもん!」

 

「……こうしてSNSなどで話題になって先生にも問い合わせが殺到している以上、先生の方からいろいろ説明や対応があると思いますが……」

 

「ええ、そうですね。私もそう思います」

 

「なら……」

 

「あら、聞き間違いでもしましたか?私はイチカさんから話を聞かせて頂きたいと申しているのですよ?」

 

「……」

 

ワクワクとしながら身を乗り出しているミカ、どこか圧を感じる物言いのナギサ、口を挟みはしないが耳はこちらにむけているセイア。イチカに逃げ場など無かった。

 

結局イチカは、今日あったことを洗いざらい説明することになったのだった。膝の上に乗せて撫で回していたことや抱き締められていたことはなんとか隠して。

 

代わりに、映像となって残ってしまった隠すことのできないアルの抱っこシーンに関しては、庇うこともできずに正直に全て話した。

 

ナギサとミカからアルへの嫉妬心と殺意が芽生えた。

 

イチカは心の中で謝った。




アスナカリン「小さくなったミツキちゃん/先輩見たい!」
アカネ「きっと後で会えます」
トキ「ネル先輩おもしろ」
ネル「めんどくせぇ」


ミドリユズ「小さくなったミツキさん見たい!」
モモイアリス「じゃあ私達はネル先輩に話聞いてくるね!」
ケイ「は?は?は?は?何故?アリス?何故?私達もシャーレに行くべきです。アリス。聞いてますかアリス。……アリス!!」


ハルカ「ミツキさんかわいい……」
ムツキ「ミツキちゃんとハルカちゃんかわいい。アルちゃんとカヨコっちおもしろ」
カヨコ「へぇ、私達に黙ってミツキ堪能してたんだ。へぇ〜」
アル「助けて。誰か助けて」


ナギサミカ「ミツキさん/ちゃんに抱っこをせがまれるなんて羨ましい!行きも帰りもずっと抱っこしてた!?絶対に許さんぞ陸八魔ァ!」
セイア「なにこの二人、こわ。でもイチカは嘘は言ってないけれど全て話しては無いね。この状況ではそれが正解かもしれないが」
イチカ「なにこの二人、こわ。アルさん強く生きて。全てバカ正直に話してたら私どうなってたんすかね……」


一応X始めました。今更かもですが。
不定期投稿になってしまう今だからこそちょこちょこそういう所で生存報告できたらなぁ、と。
小説を投稿する時の告知と、適当な呟きでもする予定です。わざわざ活動報告にしなくてもなぁ、くらいの話とかもポロポロしていく予定なので、フォローしてくださると助かりんちょ。一応私のユーザーページにリンク貼っときましたので、何卒……。
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