ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
-追記-
最初に投稿するときの話数指定してませんでした。混乱してしまった人はすみません。ゆるぴて。
トリニティ総合学園を背に歩く。背後から陽の光が差して目前に二人分の影を映し出している。自分のものよりも大きいそれを見ながらコハルは呟いた。
「……それで、なんでハナコが着いてくるのよ。みんなと一緒にいればよかったのに」
「さあ」
「さあって……」
「ただの気分ですよ。私はコハルちゃんと帰りたかった。ただそれだけです」
「……あっそ」
そう吐き捨てながらもコハルの目線は先ほどより下へ向いていた。肩からかけた鞄の紐を握る力が強くなり、歩く速度も遅くなる。だが、それでも二つの影は変わらず一緒に動いていた。
「……へんなやつ」
「それはこの品行方正な私に言っているのですか?」
「冗談。ハナコは変質者が関の山でしょ」
「あら、それは心外ですね」
楽しそうな声色でそう言うと、ハナコは一歩二歩と大きく足を動かしてコハルの目の前に回り込んだ。そんなハナコに釣られて思わず目線を上げると、いつものふざけた様子は鳴りを潜めただ自分だけを見つめているハナコと目が合った。
「ぁ……」
「コハルちゃんはもう少し肩の力を抜いてもいいんじゃないですか?あんまり躍起になっても空回りしちゃいますよ」
背後から差す陽の光がハナコを明るく照らしている。久し振りにしっかりと見たような気がするハナコの顔はこんな顔だっただろうか。自身の口から思わず声が漏れていたことにコハルは気付いていなかった。
「嫌だったんですよね。悔しかったんですよね。なら、大丈夫ですよ。そう思えるのなら、その気持ちをバネにコハルちゃんはまだまだ成長できますから」
「……」
言いたいことを言ったからか、ハナコはふっと表情がもとに戻りいつもの雰囲気が漂いはじめる。コハルがハナコの言葉を頭の中で反芻しながら再度下を見ても、そこにはもう自分の影以外何も映ってはいなかった。
「ほら、私のように己を曝け出して自由に生きてみませんか?存外気持ちのいいものですよ?私とコハルちゃんの仲ですし、是非ともコハルちゃんにはこの気持ちよさを共有したくてですね――」
ペラペラと御託を並べるハナコを無視して歩く。早歩きで横を通り抜ければ、ハナコはコハルを追いかけるように着いてきた。駆け足でコハルの隣に追いつくと、そのままコハルと同じペースで歩き始める。
「無視して置いていこうとするなんてひどいじゃないですか」
「ふんっ、ハナコはこれくらいの扱いでいいのよ」
「それは悲しいですね……はっ!これはまさか、そういうプレイですか!?」
「なわけないでしょっ!?変なこと言ってんなら本当に置いていくわよ!」
「ふふふ、それは困りますね」
「たくっ、早く帰るわよ」
「ええ、帰りましょうか」
コハルの視界にもう影は映っていなかった。
「う、ううん……」
「起きたか」
「おはようヒフミちゃん」
「……ふぇっ?」
目が覚めたら私とアズサちゃんが上から覗き込んでいるという現状にヒフミちゃんは理解が追いついていないのか、素っ頓狂な声を上げてそのままフリーズした。かわいいね。フリーズしちゃったからそのまま頭をなでておこう。アズサちゃんも頬をつんつんとつついている。はい二人ともかわいい。
「……どうしてお二人が?教室?……ひ、膝枕!?」
「あ、急に起き上がっちゃ駄目だよ。倒れたばっかだし……テストの後で倒れちゃったの覚えてる?」
起き上がろうとしたヒフミちゃんの肩を押さえて再度膝の上に寝かせる。私の幸せのためにもう少し寝ててね。あ、違う。急に起き上がったら危ないからね。*1
「ああ、そういえば……」
「試験が不甲斐ない結果ですまないヒフミ」
「アズサちゃん……」
「とりあえず頬をつつくのやめませんか?」
「ヒフミの頬が気持ちいいのが悪い」
「そ、それは違うと思います……」
おおーう!二人のイチャイチャが私の膝の上で行われている!いつも通りのクールな顔でヒフミちゃんの頬をずっとつついてるアズサちゃんと少し困ったような顔で止めようとするヒフミちゃん。これが特等席で見られるなんて!幸せ!この二人のやり取りを間近で見られるこの世界に感謝を――!!
「あと、その、なでられるのも少し恥ずかしいんですけど……」
ぐぼあぁ!!矛先がこっちに!!尊みの過剰摂取!!きゃわいい!!ほんのり顔が赤いねぇ!!かわいいねぇ!!こんなのなでるしかなくなっちゃったよ。かわいいヒフミちゃんが悪いんだからな。
「ど、どうして笑顔なんですか?」
「ヒフミちゃんがかわいいなぁって思って」
「同感だ」
「う、うぅ……」
ヒフミちゃんは真っ赤になった顔を両手で覆ってしまった。もう!もうっ!!なんでそんなにかわいいんだよ!!いくぞアズサちゃん!!二人でたっぷり愛でるんだ!!こんな機会滅多にないんだからな!!構い倒すぞー!!
そして時間は流れ、シャーレにミツキを送り届けた後で先生は再度ナギサの元へ訪れていた。3回の試験に不合格ならどうなるのか、補習授業部の成り立ち、そして裏切り者の存在。エデン条約を前にして垂れ込める暗雲を知り、果たして何を思ったのだろうか。自身のやり方で進むと決めた先生はナギサとの別れを告げてシャーレに戻っていった。
……先生は協力していただけませんでしたね。いえ、先生の性格や補習授業部へのスタンスを考慮すればそれは分かっていたこと。むしろお互いが別方向で解決へ向かおうとする現状は良いものであると認識しましょう。
とはいえ、問題が未だ解決せずに残っていることは変わりませんし早めに手を打つ必要がありますね。補習授業部のみなさんはこれから合宿でしょうか。全員が一つの空間で隔離されてしまえば裏切り者も迂闊には動けないはず。少しでも裏切り者にとって苦しい状況になれば良いのですが……。
「ナギサ様、失礼します」
ティーカップを片手に思案していると、部屋の入り口から声が聞こえた。どうやら部下の方らしい。
「どうぞ」
「シスターフッドの方から報告書が届いております」
「ええ、分かりました。そこに置いておいて……いえ、今見てしまいましょうか。昨日置いておいた正義実現委員会からの報告書も含めてこちらに渡してください」
「かしこまりました」
正義実現委員会とシスターフッド、その両方に提出させた報告書はミツキさんとの面会に関するもの。正義実現委員会とシスターフッドから見てミツキさんはどのような人物なのか、このトリニティに仇なす者ではないか、思ったことを伝えてもらうようお願いしていた。
「では失礼します」
「ええ、遅くまでご苦労さまです」
部下の方が出ていく音を聞き届けてから書類を捲る。まずは正義実現委員会の方から……書いたのはハスミさんとツルギさん。
『礼節を守り自ら歩み寄ろうとしていた』
『失礼な物言いをしてしまったが気にすることなく受け入れる器量があり、かなりの善性を持つ』
『友好的』
一部を抜粋して読めばこんなものでしょうか。どうやらハスミさんから見てもミツキさんは問題がない生徒らしいですね。正直ハスミさんがどのような反応をするのか心配でしたが、かなり好印象らしいこの様子なら心配は無さそうですね。ではツルギさんの方は……
『友好的で勇気を出して声をかけてきた』
あら、初対面でツルギさんに声をかけることができるとはかなりの勇気がおありのようで。普通の方ならば恐れて話しかけられないどころか逃げてしまうということも多いのですが……
『怖がられた』
……いや、それは、まあ、仕方ないのではないでしょうか。
『料理が趣味らしい。先生にも』
なんですか?その先に何を書こうとしていたのですか?……いや、別にミツキさんの趣味の話は報告しなくていいのですが。
ふむ、とりあえずお二人からミツキさんに悪印象を抱くようなことは無かったみたいですね。しかし、これはそのままミツキさんが善い人物であるとしてしまっていいものでしょうか。……いえ、まだ保留ですね。ミツキさんの人物像を固めてしまう前にシスターフッドからの報告書も見てしまいましょう。書いたのはサクラコさんですか。
『友好的で親しみやすく、聖母のような包容力を持つ』
『穏やかで大人しいかと思えば積極性も持ち合わせており、接していて好ましいと感じる人間性は評価されるべきもの』
……なんでしょうかこれは。べた褒めではないですか。シスターフッドに属するサクラコさんが聖母と表現するのは他の方が同様の表現をするのとはまるで意味合いが異なります。かつてあのサクラコさんがここまで露骨に相手を褒め称えることがあったでしょうか。サクラコさんに限って報告書で嘘をつくとは思えませんし……なら、サクラコさん相手にここまで思わせるミツキさんはいったい……?
……。
一旦整理しましょう。まず、ミツキさんはゲヘナからの外交官で、その性格及び立場を考えれば問題を起こすことはまず無いと言ってもいいでしょう。そして今はシャーレに所属していて補習授業部を手伝う傍らで正義実現委員会とシスターフッドとの面会をしていただいた。そこに間違いは無いはず。
ですが、会う人全てから一切の悪印象なしに好印象を受けるというのはどうなのでしょうか。しかも相手は所属しているグループの長と呼べる程の方たちです。それほどまでに出来た人間だということでしょうか。
……そんな人間が本当にいるのでしょうか。誰からも好印象を持たれるような人間が、本当に……?私や他のティーパーティーのメンバー、ましてや正義実現委員会やシスターフッド、他校のどこにだってそんな人物はいません。いるはずがないのです。人は多少なりとも欠点があり、好ましい面と好ましくない面があるはずです。それならこれは、この異様ともいえるこれら全ては、いったいなんなのでしょうか。
そこまで考えて、書類を机に置いた。
……そもそも定義から違っていた?ミツキさんの性格は本当に私が調べた通りなのでしょうか。本当に善性を持っているのでしょうか。まさか、全てが私たちトリニティを欺くための演技だったとでも?
なら、いったい何のために……正義実現委員会とシスターフッド、その長と友好的になって彼女は何を得るのでしょう。もし正義実現委員会とシスターフッドに影響を与えられる程の立場を確立することができたのなら、内側からトリニティを崩壊させることすら可能なのでは……。
……これは私の考えすぎでしょうか。ただミツキさんが皆から好かれるような方であるという可能性も無くはないですし……むしろそちらの方が可能性は高いのかもしれません。私はまだ出会っていないのでなんとも……。
ふと既に手放していた書類を見るとシスターフッドからの報告書に何かが裏返してクリップで留められていた。思案するばかりで気付かなかったが、手を伸ばして触れてみるとそれは厚みがありしっかりとした感触がある。
これは……写真でしょうか?
クリップから外して表を見れば、そこには笑顔のサクラコさんとミツキさんが密着している様子が写し出されていた。疑いようもない、一片の曇りもない満面の笑みで。
……。
分からない。
サクラコさんがここまで良い笑顔をしていたことを私は今まで一度も見たことがない。サクラコさんのこれは本心からの笑みなのか。こんな顔もできたのか。じゃあ、隣のミツキさんのコレは、本心からの笑みなのか……?
分からない。
一見するとただの笑みだというのに、どうしてここまで恐ろしいと感じるのか。
分からない。
その顔の裏で何を考えている?彼女の目的は?彼女をこのまま放置していてもいいのか?
分からない。
――――私には彼女が分からない。
サクラコ様はただミツキとのツーショットを誰かに自慢したかっただけです。丁度いいタイミングだったので報告書と一緒に送りました。送った後に「少し浮かれすぎてましたか……?」と反省しました。ちなみに頭を擦り合わせてたほうではなく普通に二人で撮ったほうですね。頭を擦り合わせてたほうは恥ずかしくて誰にも見せてません。一人のときにいつもの笑顔で眺めてます。いつもの笑顔で。
途中の先生とナギサ様のやりとりは原作を見てね!これからも原作と大して変わらん内容の部分はカットしていきますのでご了承ください。
完全な裏話ですけど実は
『このときハナコとコハルは仲良く帰り道を歩いてますね。ハナコが変態発言をしてコハルに止められて、そうしてわちゃわちゃやってる間にコハルの沈んだ気分はいつも通りに戻っていきます。平和だね。尊いね。……それを書けって?それはそう。』
って書くだけでそのままハナコとコハルの二人のお話を書かずに進もうとしてました。話を考えるとか書き足すとかするより先に言い訳作ってたんです。これはそのコピペです。ギルティだね。石を投げていいよ。全部避けるけど。
現状原作においてほのぼのとシリアスのどちらもある程度構想ができており、どちらも書いてしまおうかと考えているのですがどちらが先がいいですか?後から書く方は先に書いた方と同じシーンはカットしつつ変化する部分を書ければなと考えています。私の構想上でほのぼのとシリアスの分岐点が近いのでこのタイミングでアンケートをさせていただきます。あくまで目安ですので私の気分で変わるかもしれません。ご了承ください。
-
ほのぼのが先
-
シリアスが先
-
そんなことよりおうどん食べたい(閲覧用)