ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
今日は気分が良かった。欲しかったCDを買えたし、路地ではこの間撫でようとしたら逃げてしまった猫ちゃんが撫でさせてくれた。だからだろうか、視界に映った不良達から追われている子を助けてあげようなんて私らしくないことを思ったのは。
「ありがとうございます!」
「いいよ、別に。私の気まぐれだし……」
目の前で頭を下げている彼女は多分一年生。優しげな雰囲気と危なっかしい行動は、まあはっきり言えば弱そうだ。不良達に狙われるのも無理はない。というか普通にカモだ。
ゲヘナで生きていれば少しはこの環境に適応しているはず。なのにどうやって今まで生きてきたのか疑問に思うくらいには彼女から荒事の気配がしなかった。
「たぶん先輩、ですよね?……その、一つお願いがありまして……」
「……お願い?」
助けてもらった相手にするお願い……まだ助けてほしい事柄でもあるのだろうか。誰かから狙われているとか、いじめられているなんて状況に陥っていて助けを求めている?
……かわいそうだけど、パス。私は正義の味方でも何でも屋でもない。人助けなんて率先してやりたいとも思わないし、変な事に巻き込まれても面倒だ。
「……悪いけど」
「あの!私と友達になってください!」
「……は?」
……聞き間違いだろうか。そう思って目の前の彼女の顔を見れば、目線を逸らすことなく真っ直ぐ見つめ返されてしまった。
私が混乱しているのを見て何を言うこともなく、彼女は私の目をじっと見つめている。数秒間見つめ合った後、なんとか言葉を絞り出し、
「かなり急なお誘いだね」
遠回しに相手の目的を探ろうとした。……驚かされたことに対する少しの嫌味も込めて。
このゲヘナで純粋な心を持ってここまで生きてきた人なんて見たことがない。まともそうなヤツでも、優しそうなヤツでも、誰だってゲヘナで生きているというだけで印象が違う。普通以上に他人に近付こうとするヤツは特にそうだ。
だから彼女も何か企んでいるのかと思った。
「仲良くなりたいと思ったので!」
私が警戒しているのを知ってか知らずか……いや、知らないだろうけど……彼女は自分の意思を真正面からぶつけてきた。
「……そう」
分からなかった。彼女に悪意があるのかどうか、その裏で何を考えているのか、別の目的でもあるのか、友達になることで何かメリットが生じるのか。
考えても考えても、何も分からなかった。だから、
「いいよ」
そのお願いを承諾することにした。ここまで警戒して、その上で彼女から悪意は感じ取れなかったから。彼女の目と、言葉に、疑うのもバカらしくなってしまったから。
もし騙されていたとしたらそれはもう大したものだ。感心さえしてしまうだろう。……まあ不良達から逃げ惑う姿を思い返せば、私が何かされても反撃すればいいし。そもそもそんなことができそうな人にも見えないけど。
「やった!」
「ふふ、友達になったくらいでそこまで喜ぶなんてね」
目の前で無邪気に喜ぶ彼女を見て、これも別に悪くないな、なんて思ったのは秘密だ。
「私友達少ないんです。学校では話す人も多いんですけど……」
彼女はここまで話していて不快感を感じることは無いし恐らく相手を気遣うなんてゲヘナでは珍しいこともできる人だ。不良達に狙われることも多々あるとはいえ友人くらいできそうなものだけど。まさか……
「……周りについていけない?」
「……はい」
なるほど。周りにいる人達が荒事に首を突っ込んでいるような人達だったら彼女は性格的にその人達には溶け込めないだろう。……つまり、まあ、運がなかったらしい。
いくらゲヘナとはいえ常に暴れ散らかすような人ばかりという訳では無い。ある程度常識がある人もいるし、暴れるのが好きな人でも話が通じることだってある。
そんな人達が周りにいなかったようだ。見ず知らずの先輩に友達になってほしいと頼むくらいに。……流石に少し同情する。
「そう。それなら……そうだね、話し相手くらいにはなってあげる。ほらスマホ貸して」
おずおずとスマホを取り出した彼女のモモトークを開き、連絡先を交換する。その時チラッと見えた彼女のモモトークに登録されている連絡先、一つしかなかった。……嘘でしょ。
私が余りの衝撃に言葉を失っている間に、目の前の彼女は連絡先が増えて喜んでいるようだった。そんな姿を見るだけでなぜか悲しくなる。やめて。
……まあいい。これで話も終わっただろうし帰ろう。さっき買ったCDも早く聴きたいし。
「じゃあ今日はこれくらいで、私は帰るよ」
「あっ……いえ、ありがとうございました」
別れを告げたときの彼女の寂しげな表情と声を、私は都合よく見逃すことも聞き逃すこともできなかった。……どうやらまだ帰れないらしい。いや、帰ることはできるけどこの状況で置いていくという選択ができるほど私は冷めた人間ではなかったようだ。
「…………はぁ……ほら、アンタ家どっち?送るよ」
「えっ……いいんですか?」
「そんな悲しそうな顔されたら帰りにくいでしょ。それにまた不良たちに絡まれるかもしれないし」
「あ、ありがとうございます!」
パァっと笑顔になった彼女を見て、再度悪くないなと思ってしまうあたり、私は既に毒されているのかもしれない。
帰り道では彼女について色々と教えてもらった。
双子の妹がいて随分と溺愛しているんだとか。
人に銃を向けるのも苦手で争い事は避けたいのだとか。
学校である程度話せるようになってきた人は放課後になると銃を抱えて走り去っていくのだとか。
大人しめの子達にはどこか遠巻きに見られることも多いんだとか。
それらのせいで友人と言えるくらい親しくなれる相手が見つからないのだとか。
聞けば聞くほど彼女の現状は悲惨だ。唯一まともで仲の良い妹がいるだけマシ……いやそれでもひどい。なぜそこまで……?ゲヘナでは似た者同士でつるむ事が多い。気性が荒い人同士、常識人同士で固まる。それは行動範囲が同じことや一緒にいて過ごしやすいなどの理由からだ。なら彼女の周りには比較的まともな人間が集まるはず……。
なぜ似たような大人しい子達から遠巻きに見られているのだろうか。彼女に問題がある……?いや、話している限りではそうでもないはずだ。むしろゲヘナの中でもトップクラスで話しやすいと思う。ならばなぜ……?
「送っていただいてありがとうございます!」
彼女の現状に疑問を抱いている間にどうやら家の前まで着いてしまったようだ。
「別にいいよ。そういえばアンタ、名前は?」
「あ、そういえば自己紹介をしていませんでした……私は空崎ミツキです。空崎だと妹もいてややこしいので下の名前で呼んでください」
「ミツキね。私は鬼方カヨコ。好きに呼んでいいよ」
「分かりましたカヨコちゃん!」
……好きに呼んでいいとは言ったけどさ。無駄にいい笑顔だし。
「ちゃんって……私はそんなキャラじゃないでしょ」
「あ、その、すみません……」
私の一言でミツキはシュンとして謝りだしてしまった。笑顔で私の名前を呼んだ時との落差がすごい。なぜだろう、謎の罪悪感がある。
「いや別に謝らなくても……ああもう、いいから、好きに呼んでいいから」
「ありがとうございますカヨコちゃん!」
急に元気になるミツキ。その態度の変化に思わず面食らってしまった。
「……まさかわざと?」
「えへへ」
「呆れた……全く」
そう言った私の顔は言葉に反して多分少しだけ緩んでいたような気がする。
「……ふふ」
「どうしたのカヨコちゃん」
「いや、私達が初めて出会った時のことを思い出してただけ」
「懐かしいね〜」
「もうあれから二年だし……友達のいなかったミツキが今じゃ色んな人と繋がりができてるなんてね」
「むぅ……でも私はカヨコちゃんが初めての友達になってくれて嬉しかったよ!」
「私はミツキのせいで面倒なことに巻き込まれたけどね」
「うっ……ごめんね……」
「ふふ、私もミツキと友達になれて良かったよ」
「カヨコちゃんがデレた!!」
「……しばくよ?」
ちなみにミツキに友達がいないのは幼少期から初等部までずっとヒナちゃにべったりでヒナちゃのことしか考えてなかったからだよ!
中等部以降のミツキに友達ができないのにはヒナちゃの影響が大きいぞ!
質問なんですけど、原作っていります?アビドス編とパヴァーヌ編は参加する理由も必要もないのでできませんが、エデン条約編なら無理やりねじ込めなくもない?今はなんのネタも構想も無いので書くとなってもかなりゆっくりなペースになりそうですケド……。 ということでアンケート置いておきます。自由に投票してね。投票結果が絶対ではなく、それを参考にして最終的には私が決めますので、それを念頭に置いておいてください。
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欲しい!(ほのぼの希望)
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欲しい!(少しシリアス希望)
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欲しい!(がっつりシリアス希望)
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そんなんいらんわ
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筆者の好きにして
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そんなことよりおうどんたべたい