ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
緊急車両の運転席にセナちゃんが座ってる。結構いかつい車なんだけどセナちゃんにしっくりくるんだよね。美少女がいかつめの道具とか乗り物を使うのってなんでこんなハマるんだろう。だれか研究して学会で発表して。お願い。スタンディングオベーションの準備ならいつでもできてる。*1
近付いてくる私に気付いたセナちゃんはドアの窓を開けて車内から話しかけてくれた。
「ミツキさんはあのお二人と一緒にいなくていいのですか?」
「うん、私は政治とかよく分かんないし邪魔になっちゃうから」
あっち行けって言われたんだけどね!!!!*2
「そうですか」
クールだなぁ。端的っていうか、少し事務的っていうか、それもまたいいよね!今度一緒にお茶しない?対面に座ってさ、そしたらその素晴らしいお顔をずっと眺められるんだけど。めっちゃかんぺきーな提案では!?奢るからさ!お願い!
「ミツキー!」
あ!運転席の後ろの方からイズミちゃんが手を振ってる!はいかわいい!なんだこの子まじで!かわいすぎんだろ!あぁ!隣でジュンコちゃんも手を振ってる!ぎゃわいい!!私も手を振り返しちゃうもんね!!
「……」
すると突然セナちゃんが窓を完全に閉めて緊急車両から出てきた。当然中にいるみんなの声は聞こえない。一応手を振ってるのは窓越しに見えるけど。
「セナちゃん?どうしたの?」
「いえ……少しばかりミツキさんとの時間を、と」
んぎゃぁっ!!そんな嬉しいことを淡々と言ってくるこのセナちゃんの良さ!!めっっっっちゃいい!!しかもかわいい!!なにそれ!!クールな顔してかわいいこと言いやがって!!会心の一撃だよ!!私を殺す気か!?
「こうして二人で話すのは久し振りだね」
「そうですね、ミツキさんは以前よりも怪我をしなくなりました。救急医学部の世話になることは少ない方がいいですし良いことでしょう」
「うん。でもセナちゃんとはお話したいし、今度救急医学部としてじゃなくて友達として連絡してもいい?」
「……もちろんです。いつでも好きな時に連絡してください。待っていますから」
うぇーい!セナちゃんに承認もらったぞ!これで今忙しいかなとか考えなくても、いや考えはするけど、心置きなく連絡できる!やったー!嬉しいぞぉ!嬉しさのあまり抱きついたって問題ないよなぁ!多分セナちゃんなら許してくれる!*3
「セナちゃんありがとー!」
「……」
うへへへへ!セナちゃんだいすきー!ぎゅーっと抱き締めてもセナちゃんは真顔のままで私のことを見つめてる。……あの、少し恥ずかしいんだけど。キレイなお顔だけど流石にね?ジッと見つめられるとね?
「……ええ、こちらこそありがとうございますミツキさん」
ほわっ!?セナちゃんが抱きしめ返してくれたぞ!?私に回してる腕がすごく優しい!!幸せすぎるんですけど!!セナちゃんが最高すぎるんですけど!!あっ!!少しだけ微笑んでない!?気のせいか!?分かんないけどかわいい!!天使!!愛してる!!
「そろそろあちらも話し合いが終わりそうですよ」
「ほんと?」
「はい、風紀委員長の所へ行ってあげてはどうですか」
「うん分かった。またね、セナちゃん」
「ええ、また」
セナちゃんは私から離れて緊急車両に乗り込んだ。欲を言えばもっとハグしていたかったけど……それでも十分すぎる!あのセナちゃんとのハグだぞ!この幸せ気分のままヒナともハグしちゃお!待っててねかわいいかわいい私のヒナ!
先生とヒナの方に足を進めると、セナちゃんの言ってたように二人とも会話が終わったようでヒナがこちらに振り向いた。
「ヒナー!」
「姉さん!」
私が呼ぶとヒナは足早に駆けてきてそのまま正面から抱きついてきた。もうかわいい!羽根がパタパタしてるし笑顔だしすごい嬉しそう!片腕を背中に回してもう片方の腕でヒナの頭を優しくなでる!ハグもなでなでも楽しめる最高の体勢!幸せの具現化!
「こうするのも久し振りだね。会いたかったよヒナ」
「うん、うん!私も会いたかった!」
やっぱりヒナなんだよね!このふわふわ!この匂い!このフィット感!この安心感!最強じゃん!私の胸に顔ぐりぐりしてるよぉ!かわいいよぉ!私の妹がかわいすぎる件について。こんなの訴訟モンだろうが!どうしよう!ヒナがかわいすぎて世界が滅びそう!
「……えへへへ」
うがあああああああ!!!!!ヒナがかわいいいいいい!!!!!まいすうぃーとえんじぇる!!!!!
その後かなりの時間言葉もなく抱き合っていた二人だが、ミツキが最後にヒナをぎゅっと強く抱き締めてから腕を離した。
「またしばらく会えないと思うけど、元気にしててね」
「……ええ、姉さんも元気で」
ヒナも名残惜しそうにしながらゆっくりと離れ、そのまま緊急車両へ向かっていった。背を向けて歩くヒナを見届けたミツキは先生の方を向いて歩き出す。
"さあ、帰ろうか"
「はい!」
先生!絶対離れないでよ!みんないなくなっちゃったし何かあったら全部先生になんとかしてもらうからな!分かったな!……あ、歩幅合わせてくれてる。普通に優しい。ご褒美に今度ヒナのかわいい写真あげるね!*4
ミツキと先生の向かう先とは反対方向へ向かう緊急車両は既にトリニティを抜けゲヘナの自治区を駆けていた。緊急車両という名前とは裏腹にその中はずいぶんと騒がしい。
「ふふ、ずいぶんと長い間ミツキさんと抱擁を交わしていましたね」
「ずるーい!私ももっと正面からぎゅってすればよかった!次会えるのっていつ!?」
助手席に座るヒナに後ろから野次が飛ぶ。美食研究会のどこか楽しそうな雰囲気とは異なり、ヒナは冷静に後ろに座る美食研究会の面々について考えていた。
「……貴方達がその程度の怪我で大人しく捕まるとは思えない。トリニティでいったい何があったの?」
「あら、何があったんでしょうかね〜」
「別に何も無かったわよ!ミツキと約束なんてしてないし!」
「……約束?」
「あっ」
ジュンコの失言にヒナはその言葉を反芻して考える。しまったといった表情をしていたジュンコだが、ハルナは余裕たっぷりにミツキと交わした約束を明かした。
「何もありませんよ?ただミツキさんと美食巡りの約束をしただけです。もちろん私たちだけで」
「わーい!楽しみだね!どこ行くどこ行く!?」
「特別にフウカさんも行きますか?」
「えっ!?私も!?」
イズミがウキウキとしながらあっちがいい、こっちがいいと店の名前を挙げていく。それが伝播して美食研究会の4人はワイワイと美食巡りの候補を話し合っていた。
「はぁ、姉さんはまた……いや、今回ばかりはこれ以上トリニティで騒ぎになる前に事態を収められたと前向きに考えるべきかしら」
片手で頭を押さえ呆れたように言葉を漏らすヒナ。そんなヒナの言葉と後ろから聞こえてくる賑やかな声を聞いていたセナがハンドルを握り直し前方を見据えながらポツリと呟いた。
「……あの人は変わりませんね」
その呟きが耳に入ったヒナがチラリとセナの方を向くと、ヒナは何やら驚いたように目を少し見開いて固まった。そしてそのまま穏やかな表情になり口を緩めて正面に向き直った。
「ふふ」
「……風紀委員長?どうかしましたか?」
ヒナの謎の反応を疑問に思ったセナはヒナに問いかける。ヒナはそれに対して明確な答えを出すこともなくただ笑みを浮かべて前だけを見ていた。
「なんでもないわ」
ミツキは何回もセナにお世話になっています。まあその弱さを考えれば当然ですね。そこまでの怪我じゃなくてもヒナがセナを呼び出しますし。
過去に戦闘に巻き込まれたミツキが奇跡的に怪我がなかったというのにヒナがセナを呼び出し、ミツキとセナがお互い困惑するという謎の時間があったとかなかったとか。