ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
そういえばサクラコちゃんがスマホを見てどうたらってヒナタちゃんが言ってたな。後で聞いてあげるって言っちゃったし聞いてみるか。
……あれ?これどう聞けばいいん?「サクラコちゃんってスマホ見て笑ってるよね」とか「サクラコちゃんってスマホ見て不気味な笑い声を上げてるよね」とか言うの?言葉の攻撃力高すぎじゃない?流石に無理だわ。私が言われたら精神的ダメージで寝込むぞ。しかもそれ何で知ってんねん状態になっちゃうし。
な、なんとか傷付けない表現で、なおかつ誰かから聞いたんですかって言われないくらいの質問……ムズすぎぃ!!
「あのさ、サクラコちゃんは最近スマホで何か見てる?」
「スマホで、ですか?」
「うん、画像とか動画とか何でもいいよ。私は最近……というか前からなんだけど、かわいい動物の動画とかよく見るんだ。見てるだけですっごく癒やされるんだよ」
ふはははは!完璧!これはもうただの日常会話だろ!傷付けることも怪しまれることも一切ないぞ!それとなく探りを入れて、何かキーワードが出たら後はそこを詰めるだけ!勝ったな、風呂入ってくる。
「ふふ、ミツキちゃんらしいですね。……ですが、私はあまりそういったものは見ないのです。そもそもスマホは連絡以外ではそこまで使っていませんし」
アレ……?
「……じゃあ普段は何してるの?」
「普段はシスターフッドとしての活動をしています。清掃やボランティア、お祈りなどですね」
あれれー?おっかしいぞー?私の聞いてた話と違う!ヒナタちゃんの周りの子が話してたってことは、その子たちの目に入るところでスマホ触ってたんでしょうが!ちょっと!どっちか嘘ついてるだろ!こんなのおかしい!
「サクラコちゃんはあんまりスマホ使わないんだね」
「ええ、そうなりますね。最近はほとんどミツキちゃんとモモトークをするためだけに使っているようなものですし」
……ん?
「そ、そうなの?他の人とはしないの?」
「あ、その……」
「??」
なんとはなしに口から出ていた質問にサクラコちゃんは顔をわずかに歪ませ、視線を斜め下にずらした。……なんかすごい嫌な予感がする。
「……言いにくいのですが、ミツキちゃん以外で普段から連絡をする相手はいません。強いて言えばシスターフッドの活動に関する連絡が少し……」
「……」
「恥ずかしながら、私からメッセージを送るのは少々ハードルが高く……それに加えて私はモモトークよりも直接人と話すことの方が多いためあまりモモトークを使わないのです」
「あ、そうなんだ」
よ、良かった……!会話する相手のいない一人ぼっちの悲しい女の子なんていなかったんだね!一瞬サクラコちゃんならありえるかもってガチ目に心配してたよ!*1そんなことになったら私泣いちゃうよ!
「……じゃあ私のモモトークってちょっと迷惑?」
「そんなことはありませんよ。最近はミツキちゃんのおかげで以前より毎日が楽しく感じられるのです」
「そうなの?」
「毎日なんでもない日常をモモトークでお話するというのは、私の想像以上に心弾むものがありました。返信の内容を考え、返信したらミツキちゃんからの返信を待ち、そしてミツキちゃんの返信にまた返信を、という普段の会話とは違うコミュニケーションも楽しいと感じています」
ふふふふ、嬉しいねぇ!サクラコちゃんは私とモモトークするだけで楽しくなっちゃうのかぁ!なんかすっごい嬉しい!これはもうたくさんモモトークしてあげるしかないよね!これから毎日モモトーク送りつけてやるぜぇ!この調子でもっとサクラコちゃんと仲良くならねば!
「この間はミツキちゃんとモモトークをしていたらいつの間にか顔が笑ってしまっていて、外でしたので少し恥ずかしかったですね」
サクラコはそう言いながら少し恥ずかしそうに微笑んでいた。
かわいいぃー!写真撮って超巨大印刷して額縁に入れようね!玄関に飾って毎日いってらっしゃいとおかえりをしてもらうんだ!*2
「えへへ、サクラコちゃんが嬉しそうでよかった」
「はい、いつもありがとうございます」
……あ?……待て、外でモモトークを見て笑っていた、だと?
……。
これ私のせいじゃん!!ヒナタちゃんが言ってたやつ私のせいじゃん!!私のせいでサクラコちゃんがより周りとの距離を置かれてるよ!!ちょっ、こんなはずじゃ!!こんなはずじゃなかった!!私はただサクラコちゃんが好きすぎるあまりダル絡みしてただけで……!!
やっべえ、どうしよ。罪悪感半端ないんですけど。いや、何も知らなかったし私が全部悪いわけじゃないとは思うけどさ、心が痛い。
「……サクラコちゃん、何かしてほしいことある?」
「え?急にどうしたのですか?」
「そ、その、なんとなく……?」
「な、なんとなくですか……?」
ああ、サクラコちゃん困惑しちゃった。ごめんね?つい口走っちゃった。急にこんなこと言われても困るよね。
……?なんか思いついたっぽい?そんなまじまじと顔見てどうしたん?
「……で、では、手を……」
「手?」
「手を、つないでもいいですか?」
ンギャピッ!!*3
なんだよこのかわいすぎる生き物!!顔がほんのり赤いし眉も下がって自信なさげな表情してサァ!!もはや自分がかわいいの分かっててやってるだろ!!いいぞもっとやれ!!やっぱりサクラコちゃんは最高だな!!
「ふふ、いいよ。ほら手を出して?」
「は、はい」
ふふふふふ、ふはははは!!私が普通に手をつなぐとでも!?恋人つなぎしてやるもんね!!ぎゅっと強く握っちゃうもんね!!その差し出されたふつくしい手の指と指の間に私の指入れちゃえ!!いけーー!!!!
サクラコはミツキ側の手を手のひらを上に向けた状態で差し出していた。その手に向けてミツキが手を動かすとサクラコはその手をじっと見つめ、ミツキが上から遠慮なく恋人つなぎをするとサクラコは驚いた顔をしてばっとミツキの顔を見た。
「み、ミツキちゃん……!?」
「えへへ、サクラコちゃんの手おっきいね」
「そ、そうですか……?」
「うん、私よりも大きいもん。ぎゅって握ると安心するの。ほら、ぎゅーってすると……ね?」
はいもうめっちゃ幸せ!!安心感と幸福感でいっぱいです!!サクラコちゃんのさらさらな手袋越しに感じる体温と柔らかな手の感触が素晴らしい!!ぎゅっと握るとそれがより分かるのだ!!おしとやかで礼儀正しくて優しくてかわいいとかサクラコちゃんは清楚系美少女なんだなって!!*4
「み、ミツキちゃんの手も小さくて、柔らかくて、とても……」
そこまで言ってサクラコはミツキと手をつないでいる方と反対の手で口元を覆った。そしてミツキの方に向いていた顔をそらし、正面を向いた。
「いえ、すみません。忘れて下さい……」
「そう?……でもどうしたの?手をつなぎたいなんて」
「……その、ミツキちゃんと友人らしいことをしてみたいと思い、先程ヒナタさんとミツキちゃんが手をつないでいた事を思い出したのです。それで……」
かわいすぎんだろうが!!さっきからなんなんだ!!サクラコちゃん大好き!!もうこれ近付いちゃってもよくね!?折角隣り合って座ってんだし手もつないでんだから近付いたって怒られねえべや!!多分!!
ミツキの口が弧を描き、隣り合って座っているサクラコとの距離を詰めた。二人の腕と足が触れ合うくらいにまで近付いたミツキは嬉しそうだが、サクラコの心拍数は急激に上がっていた。
「ふふ、サクラコちゃんはかわいいね」
「い、いえ、そんなことは……」
サクラコは羞恥心からか正面に向いていた顔を俯かせ、震える声でミツキの言葉を否定する。
「手をつなぐのはどう?何か感想とか、思ったこととかある?」
「よ、よく分かりません……ただ、恥ずかしいという気持ちでいっぱいといいますか……」
「そっか……じゃあしばらくこのままでいよっか。慣れればきっと大丈夫だよ」
「……そ、そんなに気を遣わなくてもいいですよ?」
サクラコはバクバクと鳴り止まない心臓を自覚しながら、ミツキの提案をやんわりと断ろうとした。しかし、ミツキ相手にそんなものは意味をなさないのである。
「気を遣ってるわけじゃないから気にしなくていいよ。私はサクラコちゃんとこうしてるの好きだから。サクラコちゃんは嫌だった?」
「……いえ」
うひょーい!!これはもう何してもいいってことでは!?サクラコちゃんも嫌じゃないんだろ!?ぐへへへへへ!!私の勝ちだぁ!!これより、サクラコちゃんとのいちゃいちゃタイムを始める!!*5
ミツキはにんまりと笑いながらサクラコの肩に頭を預けた。
「!?」
サクラコは目を見開いて反対側へ向けていた顔をミツキの方へ戻し、自身の肩にあるミツキの頭を見た。ここまで人と密着することなど無く、手も腕も足も肩も、ミツキと触れている全ての部分を強く意識してしまう。
しかし、恥ずかしいという感情で頭が埋め尽くされている中で、その触れた部分から伝わる体温や肩への重さがどこか心地よいと感じている自分がいた。
「えへへ、今日はゆったり過ごそっか」
「は……はい……」
サクラコとくっついて幸せそうなミツキとは異なり、サクラコは落ち着かない気分で残りの時間を過ごすことになった。
ワァ……後ろから見ると恋人同士にしか見えないね!
サクラコ様ってあまり人とだらだらモモトークとかしなさそう。話すことが終わったらそこで終わり、みたいな。相手側も引き延ばそうとはしなさそうですし。
モモトークでしょうもない日常会話とかをしてるイメージないです。スマホもあんまり使わなさそう。
そんな中でミツキはダル絡みしてくるから強制的に会話が続くんだよなぁ。それが嬉しい模様。