ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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クソザコはハブられる

私がサクラコちゃんの手をぎゅっと握って体を寄せ合ってから結構時間が経ったけど、その間サクラコちゃんは身じろぎもせずに無言のまま固まってた。この恥ずかしがり屋さんめ!

 

会話も動きも無いから触れてる所に意識がいくんだよね。肩とか腕とか足とか……サクラコちゃんとくっついてるとあったかいしいい匂いもするし安心するしでここは天国なのでは?くっ、流石はシスターフッドの長……私を天国へ導くことくらい造作もないということかッ!

 

「その、ミツキちゃん……」

 

およ?なんかすごい久し振りにサクラコちゃんの声を聞いた気がする。慣れてきたのかな?顔ももう赤くないし。じゃあもっとくっついていい?正面からコアラみたいに抱き着いてもいい?

 

「どうしたの?」

 

「友人とはここまで距離が近いものなのでしょうか……?」

 

「んー、人それぞれなんじゃないかな。私は友達と手をつないだりハグしたりしてるよ?あとは頭をなでたりなでられたりとか、たまに膝枕とかもしてるよ」

 

嘘は言ってないもんね!あくまで私の話をしてるだけだし!サクラコちゃんを騙そうなんて思ってないし!ぐへへへへ!*1

 

「そ、そうなのですね……私には少々ハードルが高いといいますか……」

 

「友達だからってしなくちゃいけないわけじゃないよ?自分がしたいことをすればいいし、してほしいことを言えばいいんだよ。友達なんだからもっと気楽に考えてもいいんじゃない?」

 

「……そう、なのかもしれません」

 

そう言ってサクラコちゃんは私の手を少し強く握った。どうしたのかなぁ、なんて思ってたら私たちの後ろの方からガチャリと扉の開く音が聞こえた。

 

「っ!?」

 

その瞬間サクラコちゃんは握っていた手を離してその場で立ち上がった。そんなサクラコちゃんを呆然と見上げていると、サクラコちゃんの顔は再度赤く染まっているのが見える。

 

流石にさっきまでの状態を誰かに見られるのは恥ずかしかったのかな?恥ずかしくて立ち上がっちゃうサクラコちゃんとかかわいすぎでは?誤魔化し方下手くそなお茶目さんなんだね!

 

「さ、サクラコ様……?ミツキさんがそろそろ帰るお時間ですが……立ち上がってどうしたんですか?」

 

扉を開けて入ってきたのはヒナタちゃんだった。お迎えに来てくれたみたい。

 

「い、いえ、なにも……そろそろヒナタさんが来る頃かと思いまして……」

 

サクラコちゃんはヒナタちゃんの方を見ずに前を向いたままで言葉を続けている。顔が赤いの自覚してるのかな?だからヒナタちゃんの方を見ないのかな?どうしよ、サクラコちゃんがかわいすぎる。今抱き着いたらどんな反応すんのかな。私気になります!

 

「そ、そうなんですか?でしたらこれ以上ないくらいに素晴らしいタイミングですね!」

 

「うっ……そ、そうですね……」

 

純粋にすごいと思ってそうなヒナタちゃんもかわいいな。

 

「ヒナタちゃーん」

 

「あっ……ふふふ」

 

私が椅子に座ったまま振り返ってヒナタちゃんに手を振ると、私に気付いたヒナタちゃんはにっこりと微笑みながら手を振ってくれた。なんだあれ、天使か?もしかしてヒナタちゃん私のこと大好きなのかな?*2これで両想いだね!

 

さて、悲しいですが、非常に悲しいですが、ヒナタちゃんが来たということはそろそろ帰らなきゃいけないということです。ちくしょう!また会おうサクラコちゃん!私はサクラコちゃんのことを想って毎日モモトークするからな!

 

顔の赤みも抜けてきたサクラコちゃんはゆっくりと動いて私をヒナタちゃんの元まで連れて行ってくれた。まあ、すぐそこなんだけどさ。サクラコちゃんがエスコートしてくれたっていう事実が大事なんだ!これはもう恋人といっても過言ではない!*3

 

「サクラコちゃん、またね」

 

「ええ、また会いましょうミツキちゃん」

 

「で、では、行きましょうか……」

 

 

 

聖堂から出て、ヒナタちゃんの隣を歩く。なんとなくさっきまでサクラコちゃんと触れていた腕とか足の感覚が寂しい。温もりがない。ぐおおおおお!サクラコちゃんにもう会いたくなった!Uターンしていいか!?

 

「その……ミツキさんって、サクラコ様と仲が良いんですね」

 

「うん、大切なお友達だよ」

 

「ふふふ、それは良かったです。サクラコ様もきっと喜んでますよ」

 

「えへへ、そうだといいな」

 

ふふ、サクラコちゃんの反応的にそうかなとは思ってたけどヒナタちゃんにも言われちゃったぜ。やったぁ!これで自信を持ってサクラコちゃんに突撃できるね!

 

だが、私はサクラコちゃんだけで満足するような人間じゃあないのだ!マリーちゃんもヒナタちゃんも仲良くなってみせる!シスターフッドコンプリートを目指して……!ということで、キミも私のお友達にならないかい?

 

「あとね、私ヒナタちゃんとも仲良くなりたいんだ」

 

「え?……わ、私でいいんですか……?」

 

「ヒナタちゃんだからだよ。私とお友達になってくれる?」

 

「は、はい!こ、こちらこそ、よろしくお願いします!」

 

いぇーーい!ヒナタちゃんとも友達になれたぞーー!人生って素晴らしい。どうしてかな、涙が出そうだよ。幸せすぎるのも考えものってことかな。私がトリニティ生なら今すぐにでもシスターフッドに入っていたというのに。

 

「ありがとうヒナタちゃん」

 

「いえ、感謝されるようなことでは……私も、その、嬉しいですし」

 

うぐっ……素直ないい子が自信なさげに自分も嬉しいって教えてくれるの最高かよ……。あぁ、ヒナタちゃん癒される。好き。シスターフッドの癒し率100%なのバグってるだろ。*4この組織無敵か?

 

ちょっとサクラコちゃんヒナタちゃんマリーちゃんの三人、私と一緒に暮らさない?いいよね?減るもんじゃないしさ、みんな仲良く暮らせるし絶対楽しいしデメリットなんてないよ?*5

 

その空間めっちゃいい匂いしそう。普段通り過ごしてるだけでも絶対幸福度指数バク上がりするだろ。……よし!私の将来の夢は三人とお泊りすることです!今決めた!絶対に実現してやるからな!覚悟しろよ!私は(欲望)のためなら努力は惜しまない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、ではこの辺りで私は失礼しますね……」

 

「うん、ありがとうヒナタちゃん。またね」

 

「は、はい、お疲れ様でした……」

 

ヒナタちゃん帰っちゃった。あーあ、萎える。私のヒナタちゃん帰っちゃった……。つらい。こんな時は補習授業部のみんなに癒されよう!待っててねみんな!

 

今日は鍵を忘れてないもんね!みんなの所へ直行だ!

 

「ただいまー」

 

"おかえりミツキ"

 

「先生、先に戻ってたんですね」

 

なんで先生のお迎えが一番最初なんですかね。そこは他の子に譲れよ!空気読んで?

 

「あ、ミツキさん!最後の追い込みをやっているので手伝ってもらえませんか?」

 

「もちろん!今行くね!」

 

ヒフミちゃんのお願いならなんでも聞くからね!お手伝いなんていくらでもするよ!お勉強頑張ろうね!*6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして試験勉強は夜まで行われた。

 

「ふぅ……今日はここまでですね」

 

「みんなお疲れ様!頑張ったね!」

 

みんなすごい頑張ってたしたくさんなでなでしてあげたい!というか私がしたい!勉強中は流石にやらなかったし我慢の限界だ!今すぐにでも抱き着きたい!

 

「はい、お疲れ様です」

 

「ついに明日は試験か」

 

「そうね。明日も試験会場は同じところ?」

 

「そういえば明日の告知を見てませんでしたね」

 

コハルちゃんが疑問を口にすると、ヒフミちゃんがスマホでトリニティの掲示板にアクセスし、明日の試験内容を確認しようとした。

 

……あれ?なんかこの流れ知ってるような気がする。たしか……

 

「えっ!?嘘ですよねっ!?」

 

あっ……。*7

 

「ひ、ヒフミ……?どうしたの?」

 

「これを見てください!」

 

ヒフミちゃんは驚愕の声を上げ、スマホを私たちに見えるようにしてくれた。そこには「補習授業部の『第2次特別学力試験』に関する変更事項のお知らせ」とあり、そのお知らせには試験内容がガラリと変わっていることが記載されていた。

 

試験範囲は約3倍に、合格ラインは60点から90点に引き上げられ、試験会場はゲヘナへ、試験時間は深夜3時に変更となっていた。

 

「な、なんですかこれ……!?これはあまりにも……」

 

「こんなのおかしいじゃない!なんでこんな直前に!」

 

「ナギサさんはよっぽど私たちを退学にしたいのですね」

 

「退学……?」

 

「えっ!?た、退学!?ハナコ!!それはどういうこと!?」

 

「……もう隠しておく必要もありませんよね、先生」

 

"そうだね、私から説明するよ。実は――"

 

みんな試験内容の変更に戸惑っている。そんな中でハナコちゃんの口からこぼれた退学という言葉にアズサちゃんとコハルちゃんが反応し、先生は全てを二人に説明した。

 

あぁ……コハルちゃんの顔色がみるみるうちに悪くなっていく……。こんなの見てられないよ!心が痛い!コハルちゃんの曇り顔とか辛い!誰か助けてくれ!

 

「そ、そんな……退学なんて……」

 

「コハル、悲しんでいる暇はない。すぐにでも出発しよう」

 

「えぇっ!?今からですか!?」

 

「ヒフミ、試験時間は深夜3時からになっている。今から出ないと間に合わない」

 

「あ……」

 

「驚くのも怒るのも絶望するのも後でいい。今はまだ諦めるには早い。大切なのは最後まで足掻くことだ」

 

「そうですね、急いで準備して出発しましょう」

 

アズサちゃんの言葉に三人はバタバタと動き回って荷物を纏めており、先生は苦虫を噛みつぶしたような表情で今もそのお知らせを見つめていた。やっぱり先生なりに思うことがあるんかね。さっきまでナギサちゃんとお話してたはずだし。

 

とはいえ先生が固まってるのはよろしくない。さっさと準備して出発するしかないんやぞ。ほれほれ、準備せんかい!

 

「先生、私たちも準備をしないと……」

 

"ミツキ、君は行けない"

 

「……え?」

 

What?

 

先生の言葉にピシリと体の動きが止まった。想定外の言葉にビックリしているのは私だけじゃないらしく、みんなも手と足を止めてこっちを見ていた。

 

「ど、どうしてミツキさんは行けないんですか?」

 

い、行けない?なんで?どうして?この試験は5人用なんだって、コト?ハブ?みんながいるところで堂々とハブってくるのは酷いと思います!それが教職者のやることか!?人の心というのをね……!

 

"『試験当日及び前日はゲヘナ外交官のトリニティ総合学園からの外出を禁ずる』……だってさ。名目はカンニングやそれに準ずるものを防止するため、らしいよ。もちろんここに記載してあるってことは破ったら即全員失格だろうね"

 

ほ、ほげー……マジかよ。ナギサちゃんからのハブでしたか。美少女にハブられるとか余計キツイな。というかわざわざ指名して禁止してくるんけ?私に何ができると思ってんねん!ナギサちゃんは何がしたいんだ!こんなクソザコ気にすんなし!

 

というかナギサちゃんに会ったこともないのにハブられるってなんだよ!私が何をしたっていうんだ!*8ちくしょうめぇ!

 

「ナギサさんからすれば、ミツキさんが何かに巻き込まれては困りますからね。下手に怪我でもされて学園間の問題になるのは避けたいといった所でしょうか」

 

……たしかに。クソザコだから私ハブられたんだね。クソザコに何かあったら責任問われちゃうもんね。マコトちゃんとか絶対それ利用して優位に立とうとするし。簡単に想像できるわ。

 

"それと、多分だけどミツキにゲヘナとの橋渡しをさせないつもりだ"

 

「……なるほど、そこまで徹底的にやりますか」

 

先生とハナコちゃんは私が思いつかないことをポンポン思いつくね。すごいね。何がしたいんだーとかハブられたーとか考えてた私とは大違いだわ。ぐごごごご……圧倒的知能の差!

 

「じゃあ私はお留守番ってことですか?」

 

"あぁ、そうなるね。悪いけどここで待っていてくれるかい?"

 

「……分かりました」

 

"みんなも分かったかい?とにかく今は時間がないんだ。急いで出発しよう"

 

「……はい」

 

あぁ!ヒフミちゃんがしょんぼりしてる!というかみんなの顔が少し暗い!そんな顔しないで!どうせ私は行ったとしても役に立たないんだ!足手まといになるやつのことは気にしないでくれよ!クソザコすぎてハブられたのにみんなに悲しそうな顔までさせるとか情けなさすぎて泣きたくなってくる!

 

「みんなごめんね、一緒に行けなくて。私のことは気にしないで頑張って!みんなならなんとかなるよ!私は信じてるから!」*9

 

「ミツキさん……」

 

「あぁ、ありがとう。行ってくる」

 

「……行ってきます」

 

「……」

 

ヒフミちゃんは今も悲しそうな顔で、アズサちゃんは誰よりも前を向いている。コハルちゃんは不安そうに斜め掛けのカバンの紐をぎゅっと握って、なにも言わないハナコちゃんの感情は分からなかった。

 

"よし、行くよみんな"

 

玄関の方へ向かう先生にみんな着いていく。私もそれに続いて、みんなが外に出たら私は玄関で立ち止まった。私はずんずんと歩みを進めるみんなを後ろから見ていることしかできず、みんなが見えなくなった頃、私は一人部屋に戻った。

 

……ぼっちやんけ。

 

*1
滲み出る心の汚さ

*2
自惚れ

*3
過言

*4
ミツキ目線では

*5
コイツと一緒に暮らすことがデメリット

*6
露骨な対応の差

*7
察し

*8
自身の行いを理解していない模様

*9
やけくそ空元気




会ったこともない相手にハブられるという前代未聞の扱いを受けるミツキ!これが人望(笑)さ。
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