ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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結構サックリ試験は終わらせます。原作との違いが無いので。


第3次特別学力試験(と見せかけた別の何か)

朝早くからトリニティを駆ける成人男性がいた。彼は孤独で、目的地に着くまで誰の背中も見えなかったらしい。全身汗だくで息も絶え絶えになりながら目的地の扉を開ければ、彼のことを待っていた四人の生徒は皆何もかも準備を終わらせて席に着いていた。

 

その光景を見た時、彼は"今度から少し運動しようかな……"と割と本気で検討した。

 

そして、何事もなく試験は行われる。三回目となる試験に、最後の試験に、誰もが真剣な表情で取り組んでいた。これまでの努力や経験を糧に、目の前の試験という壁と戦っていたのである。一方で、彼は人知れず睡魔と戦っていた。

 

彼の手元にあるタイマーが鳴る。彼の睡魔は一瞬で吹き飛び、四人も繰り返していた見直しを止めて前を向いた。タイマーを止めて解答用紙を回収し、採点へと移る。あとはもう、祈ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"じゃあ、結果を発表するよ"

 

そうして、先生は淡々と言葉を続けた。ハナコ、アズサ、コハル、そしてヒフミ。4人全員の点数と、合格という結果を告げた先生は優しく微笑んでいた。

 

その結果を聞いた四人も各々が喜びを表現し、お互いを褒め称え、そして笑顔になっていた。ここまで協力してきたみんなで感謝を伝え合い、先生にも感謝を伝え、この場にいない一人にも感謝を伝えようとスマホを開く。すると、ハナコのスマホにはサクラコからのメッセージが届いていた。

 

「……あら、ミツキさんはシスターフッドの方にいるらしいですよ」

 

「本当か?そうだな、今から会いに行こう。感謝を伝えるのは直接の方が良い」

 

「そうですね。ミツキさんに合格の報告に行きましょう!」

 

「ふふん、ミツキびっくりするんじゃない?」

 

上機嫌な補習授業部に先生も嬉しそうにしながらついていく。走りながら一時間近くかかった道のりは、全員で和気あいあいと話しながら歩いているとあっと言う間で、二時間という時間が過ぎても疲労を感じなかった。

 

大聖堂に近付くと、辺りではシスターフッドの面々が崩壊した壁や地面の手入れをしていた。そこにはサクラコの姿もあり、声をかけることにした。

 

「サクラコさん、お疲れ様です」

 

「ハナコさん、それにみなさんも……その表情、そういうことですね?」

 

"ふふ、そういうことだね"

 

「それはよかったです。おめでとうございます。これからミツキさんへ報告ですか?」

 

「ええ、サクラコさんがミツキさんはこちらにいると教えてくださったので、直接報告に行こうかと」

 

「ミツキさんならマリーと一緒に大聖堂にいるはずですよ」

 

"ああ、ありがとう。行ってくるね"

 

お辞儀をするサクラコに見送られながら五人は大聖堂へと向かう。そして扉の前に辿り着き、先生は扉に手をかけてゆっくりと扉を開けた。

 

ゴロゴロゴロゴロ……

 

扉を開けた途端聞こえてきたのはゴロゴロという何かの音。それが何なのかを理解する前に、長椅子に座るミツキの後ろ姿が見えた。だが、ここにいると聞いていたはずのマリーの姿が見えない。謎の音とマリーの不在に首を傾げながらも、五人は今もこちらに気付いていないミツキに気付かれないようそーっと近付いた。

 

ミツキに近付くにつれ、ゴロゴロという音は大きくなっていく。誰もが頭の上に疑問符を浮かべて顔を見つめ合うが、答えは分からなかった。そしてミツキのすぐ近くまで近付いたとき、今まで見えていなかったものが瞳に映った。

 

長椅子の背もたれで見えていなかっただけで、そこにはミツキの膝の上に頭を乗せて顔をミツキのお腹に埋めながら長椅子に横になるマリーの姿があった。ミツキの手はマリーの頭をなでて耳をふにふにと揉みしだき、マリーは靴を脱いだ状態で手足を丸めて小さくなっている。どうやらゴロゴロという音の音源は、このマリーらしい。

 

全てを理解した五人の反応はそれぞれ異なっていた。先生は謎の音が特に問題ではなさそうで安心しながら二人の様子に頬を緩め、アズサはミツキらしいと納得し、ヒフミは変わらぬミツキの様子に苦笑いを浮かべ、コハルは試験をしていた自分たちを置いてゆったりしていることにムスッとしており、ハナコはにっこりと満面の笑みを浮かべていた。

 

そんな五人に一切気付く素振りもなく、ミツキは柔らかく微笑みながら膝の上で穏やかな表情のまま寛ぐマリーを見つめて手を動かしている。誰もがこれからどうしようかと悩んでいる中で、ハナコはゆっくりとミツキに近付いてポンポンと肩を叩いた。

 

「ん……?は、ハナコちゃんっ!?」

 

「……え?」

 

想像もしていなかった人物の登場に驚きの声を上げるミツキだったが、その膝の上ではピクリと耳を動かして聞こえてきた言葉に固まっているマリーがいた。

 

「ずいぶんと幸せそうですね。ミツキさん、マリーちゃん」

 

「あっ、みんな!試験終わったんだね!」

 

「あ……あぅ……」

 

首を後ろに回してみんなの存在を確認したミツキは嬉しそうな声を上げるが、それとは対象的にマリーはより小さくうずくまって両手で顔を覆っている。いつの間にかゴロゴロという音は消えていた。

 

「それで、どうしてミツキさんがマリーちゃんに膝枕をしてるんですか?」

 

「あ、マリーちゃん、みんな来たよ。……マリーちゃん?」

 

「うぅぅ……どうして教えてくれなかったんですかミツキさん……!誰か来たら教えてくれるって……!」

 

顔を覆っていた手でミツキの服を掴み、涙目になりながらもマリーはミツキを問い詰める。ミツキはそんなマリーに謝ることしかできなかった。

 

「ご、ごめんね……私も気付かなくて……」

 

そんな2人を見ていたハナコは少し困ったようにしながらおずおずと口を開いた。

 

「……マリーちゃん、私たちは普通に扉を開けましたし、いくらそーっと歩いていたとはいえ5人もいますから……おそらくですが、ミツキさんはマリーちゃんのゴロゴロという音で何も聞こえなかったのでは……」

 

「あ……」

 

ハナコの指摘にマリーの顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていき、再度顔を両手で覆ってしまった。なんとなく誰も言葉を発することはできず、謎の空気に気まずさすら感じている中で、ミツキは優しくマリーの頭をなでながら話しかける。

 

「マリーちゃんごめんね。わざとじゃなかったの。マリーちゃんばっかり見てて……ごめんね」

 

ゴロゴロゴロゴロ……

 

「「「「"……"」」」」

 

もう一度聞こえ始めたゴロゴロという音に誰もがマリーを見るが、マリーは両手で顔を覆ったままピクリとも動かず、耳はぺたんと倒れている。

 

「……ミツキが頭をなでるとゴロゴロという音が鳴るのか?」

 

「しっ!目の前で言っちゃだめ!」

 

「うぅぅぅぅ……ど、どうしてこんな……うぅぅぅぅ……」

 

今にも泣きそうなくらいに弱々しい声を上げるマリーだが、ゴロゴロという音は止まる気配もなくその存在を主張している。

 

"え、えーっと……この状態で話をしてもいいのかな……?"

 

「何かあったんですか?あ、試験の結果はどうだったんですか!?」

 

マリーを見ながら言い淀む先生だが、ミツキはそこまで気にした様子もなく会話を続ける。いつものミツキなら明らかに普段と様子の異なるマリーのことを気遣うはずなのに、そうではないということに疑問に思ったヒフミが問いかけた。

 

「い、いいんですか?その、マリーさんのことは……」

 

「え?マリーちゃん?マリーちゃんは少し恥ずかしがってるだけだよ」

 

「え……そ、そんなあっさり……?」

 

「?……ゴロゴロ鳴ってるのが気になるの?そんな悪いことじゃないと思うけど……だってずっとゴロゴロ鳴ってるよ?みんなが試験に行った後からだから、多分三、四時間くらいかな?」

 

「う……」

 

「あ……その、それは言わないであげた方が……」

 

「リラックスしてくれてるのかな?えへへ、猫ちゃんみたいでかわいいよね。みんなもそう思わない?」

 

「うぅぅぅぅぅぅぅ……」

 

「あの……その辺りでやめてあげてください……マリーさんが……」

 

「??」

 

膝の上で小さな唸り声を上げるマリーに特に思うところはないらしく、ミツキはこてんと首を傾げながらもマリーの頭をなで続けていた。それに伴ってゴロゴロという音も響き続けている。

 

「うわ……これは流石に……かわいそう……」

 

「……コハル、私もなでにいってもいいだろうか。とてもふわふわしていそうだ」

 

「だ、だめ!トドメを刺しにいってどうするの!絶対だめだからね!」

 

「駄目か……残念だ。また今度頼んでみよう」

 

「いや、多分無理だと思うけど……」

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後、みんなにそれとなくなでるのを止めるよう促されたミツキが手を止めるまでマリーは小さくうずくまりながらゴロゴロと喉を鳴らしていた。ミツキが手を離した後、マリーは体を起こして靴を履き、長椅子に座りながら誰とも顔を合わせずに俯いていた。

 

「それで、試験の結果は……?」

 

"あ、ああ、無事に全員合格したよ"

 

「わあ!みんなおめでとう!いっぱい頑張ったもんね!」

 

「ああ、ミツキのおかげだ。ありがとう」

 

「ミツキさん、長い間協力していただいてありがとうございました」

 

「……ありがとう」

 

「ええ、ありがとうございます。……お祝いの言葉も嬉しいのですが、()()()()()()()()()()、私たちにも何かないのですか?」

 

ハナコがそう言うと、俯いているマリーの耳がピクリと反応する。だが、ハナコを見ているミツキはそれに気付かず、嬉しそうに立ち上がってみんなの所に向かっていった。

 

「みんなおめでとー!」

 

「わっ!?ちょっ、ミツキ!?」

 

「コハルちゃん頑張ったねー!やっぱりエリートだね!」

 

「ま、まあ、これくらい当然でしょ!」

 

ミツキは手始めにコハルに抱きついた。そしてわしゃわしゃと頭をなでて、隣にいるアズサへと移る。

 

「アズサちゃんもおめでとう!」

 

「ふふ、またご褒美を貰ってしまったな」

 

「これくらいならいっぱいあげるよ!」

 

アズサにも同様に抱きついて頭をなでたミツキは隣にいるヒフミに移ると、ヒフミの方からもミツキを抱きしめ返した。

 

「ヒフミちゃんもお疲れ様!」

 

「はい、ありがとうございますミツキさん。ミツキさんのおかげでここまで頑張ってこれました」

 

「そう言ってくれると嬉しいな。でもみんなが頑張ったからこの結果があるんだよ。頑張ったね」

 

「はい!」

 

そして最後にミツキがハナコの方へ向かうと、ハナコは抱きつこうとしたミツキが行動する前に自分から抱きしめた。

 

「わっ!?……えへへ、ハナコちゃんもおめでとう!」

 

「はい、ありがとうございます。補習授業部のみなさんやミツキさんのおかげで楽しかったですよ」

 

「うん、私も楽しかったよ」

 

自身を見上げながら笑顔を向けてくるミツキに頬を緩めているハナコは、視界の端で自分たちの方を見ているマリーの存在に気が付いた。ハナコがマリーに向けてにっこりと笑みを返すと、マリーは目を見開いた後にバッと顔を背けてしまう。

 

「……ふふふ」

 

「どうしたの?」

 

「いえ、なんでもありませんよ」

 

「そう?」

 

「ええ、気にしないでください」

 

ゆっくりとハナコがミツキを解放すると、タイミングを見計らった先生が手をパチンと合わせて声を上げた。

 

"よし、いつまでもここにお邪魔するわけにもいかないし、一旦合宿所に帰ろうか"

 

その声に従って、みんなは入り口の方へと歩いていく。そんな中で、ミツキは未だ座ったままのマリーに近付いた。

 

「マリーちゃん、私たちはもう戻っちゃうけどマリーちゃんはどうする?サクラコちゃんのところにでも行く?」

 

「は、はい……そうします……」

 

「??」

 

頑なに顔を合わせてくれないマリーにミツキは不思議そうにしながらも、マリーと一緒に前を歩くみんなの後ろについていく。

 

「で、では、私は失礼します……」

 

「うん、またねマリーちゃん」

 

"ミツキと一緒に待っててくれてありがとね。お疲れ様"

 

そうして、マリーと別れた補習授業部と先生とミツキはゆっくりと合宿所に向けて歩き出す。その後ろ姿をぼーっと見つめていたマリーは、そっと自身の頭に手を添えてからブンブンと首を横に振り、斜め下を向きながら早歩きでサクラコの所へ向かっていった。

 

そんなマリーの様子を、後ろを振り返ったハナコだけがにんまりとした笑みを浮かべて見つめていた。

 




完全な三人称視点とか久し振りぃ。後半は駆け足になってしまってすまないと思っている。反省はしていない。


ちなみに膝枕の原因はミツキです。当然だよね。

「誰もいないから」とか「誰か来たら教えるから」とか言いくるめられて強引に膝枕されて頭なでまわされて耳も堪能されて、でもその手や話しかけてくれる声は優しいしなでるの上手いしでまんざらでもなくて。そんなこんなでみんな来ちゃって、ミツキを責めようにもゴロゴロうるさかったのは自覚してるし、こんな状況でも喉は勝手に鳴るし、限界を迎えて小さくうずくまることしかできなくなっちゃって。でも数時間甘やかされ続けた感覚が忘れられなくてそっと頭に手を添えるけど、そんな行動をしている自分が恥ずかしくなって足早にその場を去ってしまうマリーからしか摂取できない栄養がある。私はマリーが好きです。
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