ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
ヤバい。ナギサちゃんがヤバい。放っておいたら何するか分からんってくらいヤバい。悲しみとかそういう次元を通り越してるんですけど。普通叩いてくださいとか言う?どれだけ追い詰められてるんですか?どれだけ自分を責めてるんですか?見てるだけで胸が痛い。
くそっ、どうしてこんなことに……!いったい誰のせいで……!ミカちゃんもナギサちゃんもみんなが傷ついたのは全部、あの、アイツが悪いんだ!汚い大人!あの赤いヤツ!許さないぞベア、ベア……ベア……ベルトコンベア!!*1
取り敢えず全力慰め&全力励まししてるけど大丈夫?これで正解?間違い?ナギサちゃんが泣いてるってことしか分かんない。辛いよぉ、抱きしめて頭ポンポンしたりなでたりすることしかできないなんて……少し頭に顔を埋めてもいいかな?いい匂いがしそう。
だーッ!違う!今はそういうこと言ってる場合じゃねーの!ナギサちゃんのメンタルヤバいの!下手なことはしたらアカンわボケ!
「……ぅ……ぅぅ……」
……。
……どうしよ、ナギサちゃんがかわいいんだが。私の服をぎゅっと掴みながら抱きついて弱々しい声を上げてるナギサちゃん……うん、犯罪的だ。なんか甘えられてるみたいでさ……いや!今はそんな煩悩は断ち切らなくては!ナギサちゃんが悲しんでるんだぞ!
無心になれ無心になれ無心になれ無心になれ無心になれ……
「……ミツキさん」
無心に……ん?
「なあに?」
「ミツキさん……」
ほぐあぁっ!?!?小さく名前を呼びながら顔をぐりぐりするんじゃない!かわいすぎる!駄目だ!落ち着け!何も考えるな!私はナギサちゃんを慰めるbot!私はナギサちゃんを慰めるbot!私はナギサちゃんを慰めるbot!私はナギサちゃんを――
「……ふふ」
「な、ナギサちゃん?どうしたの?」
「いえ、先程よりも鼓動が早くなりましたので」
ナギサちゃんのせいだが!?何仕方ないなぁみたいな雰囲気醸し出してんの!?かわいく甘えてくるもんだからなんとか発狂しないよう抑えてんだぞちくしょう!むしろよく頑張ってる方だろ!
「う、うるさかった?ごめんね、その……」
「いえ、いえ、ミツキさんがここにいるのだと、ミツキさんの感情が揺れ動いているのだと実感できて、私は好きですよ」*2
もーーーーーーっ!!もーーーーーーっ!!*3そういうとこやぞ!!
「あら、さらに……どうしたのですか?」
あらじゃない!さっきよりも心臓バクバクしてて悪かったな!頑張って無心になってたってのによォ!私の頑張りを返せ!急に供給量増やすのは駄目だろ!不意打ちなんてズルだ!一発レッドカードだ!
「その、この体勢で急にそういうこと言われると、ちょっと恥ずかしいかなって……」
だから手加減っていうものをね!?ほんとに死ぬぞ!ナギサちゃんの行動によって人が一人死ぬんだからな!責任取ってくれんのかよ!いや、責任取ってナギサちゃんが看取ってくれるのならこのまま死ぬのも本望!
「ふふ、ふふふふ」
「こ、今度はどうしたの……?」
うぉい!何ワロてんねん!その綺麗に整った髪の毛ぐちゃぐちゃにしてやろうか!?……いや、それはかわいそうか。髪は女の命だもんね。ナギサちゃんの髪の毛とか価値すごいありそう。はっ!?つまり私は今ものすごい価値のあるハグをしている……!?*4
「……ありがとうございました、もう大丈夫ですよ」
そうして、ナギサちゃんは私の背中に回していた腕を引っ込めて、ゆっくりと体を引いていく。
あ……ナギサちゃん離れちゃった……少し涙の跡があるけどいい笑顔になってるぅ!やったぁ!かわいい!やっぱり美人さんの笑顔って何かヤバいもん放ってるって!輝いてるぅ!元気になるぅ!
「さっきよりいい表情になったね。よかった」
「あ……その、ミツキさん……」
ふんわりとした美しい笑顔だったナギサちゃんの表情がなぜか申し訳無さそうになり、視線が合わなくなった。ナギサちゃんは私の顔じゃなく、更にその下を見ているらしい。よく分からずにその視線の先を見ると、私の制服の胸元が涙でぐっちょりと濡れていた。
あ〜、うん、濡れとるね。結構しっかり濡れとるね。
「す、すみません、ミツキさんの制服を汚してしまって……」
「ううん、気にしないで」
……これはむしろプレミア付くのでは?一部のファンは泣いて喜びそう。というか舐め始めそう。先生とか。*5私はちょっとその域まで達せてないわ。まあ別に気にするってわけでもないけどね。これはナギサちゃんに抱きつかれていたという証拠だぞ!もはや勲章だろ!
「気休め程度にしかならないとは想いますが、こちらをお使いください」
そう言ってナギサちゃんはポケットから何かの布を取り出し、私に差し出した。
あっ、あれはっ!?は、ハンカチ!?ナギサちゃんのハンカチ!?しかも純白だと!?解釈一致ですありがとうございます!
「い、いいの?」
「私が汚してしまったのですから当然です。とはいえ、染み付いてしまっては本当に気休めにしかなりませんが……」
「ううん、ありがとう。使わせてもらうね」
ナギサちゃんの差し出しているハンカチを手に取ると、なんかすっごい生地が良いのかふわふわサラサラしてた。几帳面というか丁寧というか、シワも一切のズレもなく綺麗に四つ折りになっている。
うひょー!なにこの手触り!これがナギサちゃんのハンカチ!ナギサちゃんの所持品!つまりナギサちゃんの一部!ぐへへへへへ!私の手の中にナギサちゃんがいます!*6
おや?よく見たらこれ縁に金糸で刺繍とかしてあるぞ!なんだこれ!?豪華すぎんだろ!ハンカチにそんなのいらな……てか、よく考えたらこれめっちゃ高いやつじゃね?このハンカチいくらすんの?一般人が気安くぐしぐし使っていいやつなの?
私の1枚200円くらいのハンカチと同じ使い方は絶対駄目だよね。汚すどころかシワを付けるのすら躊躇うんだが。なんかこうして持ってるのも恐ろしくなってきたぞ。折角気遣ってくれたナギサちゃんには悪いけど、返却しようかな……。
「そんなにハンカチを見つめてどうしたのですか?何か汚れでも付いていましたか?」
「いや、その……これ、高そうだなって……」
「……あぁ、なるほど。特にお気になさらずとも大丈夫ですよ。ハンカチくらいなら家に何枚もありますし、それはたしか一万数千円程でしたから」
「一万数千円!?ハンカチが!?」
ちょちょちょちょちょっ!?ちょ、待てよ!こんな布切れ……じゃなくて手拭い様が一万円以上するんですね!?それで適当に拭くだと!?むりむりむりむり!このハンカチを50等分しても私のハンカチより価値があるんだぞ!どういうこと!?
「……返すね?」
私が触ったことで既に価値が下がってそうなんですけど。土下座した方がいい?ナギサちゃんは気にしないで使っていいよって伝えたかったんだろうけど、その追加情報で持ってることすら恐ろしくなったよ。ハンカチが一万円超えるってなんすか?これ手とか拭いたりする布だぞ?
「あ、あら……?」
多分金銭感覚が違うんだろうなって。こんなんちょっと丈夫なだけのお札だろ。ごめんだけど、私は一万円札で拭くのは無理です。
ナギサちゃんは手元に戻されたハンカチを見つめながらポカンと戸惑ったような表情を浮かべていたが、突然椅子から立ち上がって一歩前へ踏み出し、私のすぐ目の前にずいっと近付いてきた。
「な、ナギサちゃん?」
ウワーーーッ!美人さんすぎる!顔面偏差値が高すぎる顔がすぐ目の前に!この至近距離で見つめ合う時間は何!?サービスタイム!?ファンサ!?それとももしかしてメンチ切られてる!?ハンカチ突き返しやがってってこと!?もしかしてものすごい失礼な対応しちゃった!?
よく分からずに頭の中でパニックになりながらナギサちゃんの顔をじっと見つめていると、ナギサちゃんはハンカチを持った手を私の胸元に近付け、そのままハンカチをそっと濡れている箇所に押し当てた。
「じっとしててくださいね」
????????????????????????*7
ぐりぐりしたりせずに優しく優しくハンカチを押し当てているナギサちゃんは柔らかく微笑んでおり、涙で濡れている場所を見つめているのか下を向いている。
わぁ、まつ毛長い…………はっ!?なにこれ!?なんでナギサちゃんが拭いてるの!?おかしいじゃん!!こんなのおかしいじゃん!!顔が優しすぎるんだが!?なんでそんな穏やかな表情してるんだよぉ!!慈愛の女神か!?
ナギサちゃんがお嫁さんになったらこうやってネクタイ結んでくれるのかな!?かな!?毎日優しくネクタイ結んで欲しい!!毎日身だしなみ整えてほしい!!「今日もですか?ほら、こちらに来てください」なんて言いながら、それでも満更でもなくて嬉しそうな声色で甲斐甲斐しくお世話してくれるんだ!!私知ってる!!見たことある!!*8
「……すみません、結局あまり拭き取れませんでした」
「え?……あっ、全然大丈夫だよ!気にしなくて大丈夫!」
「ですが……」
「本当に大丈夫だよ!きっとすぐ乾くし!」
「……そうですか、ありがとうございます」
感謝したいのはこちらでございます!ありがとうございます!このお礼はいったいどのように行なえば……くっ!お嬢様には金銭の献上があまり意味無さそうだ!どうすればいいんだ!私は何を送ればいい!?何をすればいい!?くそっ!何を貢ぐべきなんだ!誰か教えて!
「では、少しの間お茶でもいかがですか?」
「お茶?」
「ええ、長々とこの場に縛り付けるようで悪いのですが、せめてその跡が乾くまではこちらでゆっくりしていってください」
ふぐぅっ!?ティータイムのお誘いだとぉ!?ナギサちゃんの優雅なティータイムを間近で見られるということですかぁ!?絶対に絵になるじゃんか!!そんなの脳内に焼き付けるしかないだろ!!断る奴は人間じゃねえ!!
「いいの?ありがとう、少しお邪魔させてもらうね。あ、カップって3つある?」
「はい、3つと言わずいくつかありますが……」
「多分サクラコちゃんが外で待っててくれてるからさ、サクラコちゃんも誘って一緒にお茶してもいいかな?」
「もちろん構いませんよ。サクラコさんのおかげで現状があるのですから、改めて感謝を伝えないといけませんね。ミツキさん、準備をしておきますのでサクラコさんを呼んできてくださいますか?」
「うん!」
うへへへへへ!!計画通り!!さりげなくサクラコちゃんも参加させることに成功したぜぇ!!ナギサちゃんだけでなくサクラコちゃんの優雅な姿も一緒に楽しむことができるこの作戦を思いついちまう自分の頭脳が恐ろしい!!天才すぎて困っちゃうなぁ!!はははは~ん!!私の未来は明るい!!
ナギサは今も部屋の外で待っているであろうサクラコを呼びに行ったミツキの背を穏やかな表情で見つめていた。そして、部屋に入ってきたサクラコはナギサの様子に一安心したかのように頬を緩め、3人でのお茶会が始まるのであった。
この後は3人仲良く紅茶を飲みながら雑談してたとか。平和平和。よかったねナギサ様。
ベ(ルトコンベ)ア・ト=リーチェってなに?