ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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およそ一か月放置してたってマ?


檻では止めるに至らない

今日はエデン条約締結の日。牢屋の中にしては快適な環境であるために、置いてあるテレビを点ければここからでも外の様子は分かる。テレビにはクロノス報道部が古聖堂を背景にペラペラと喋り続けている様子が映っていた。

 

ギィ……

 

(扉が開いた?誰か来たの?こんなときに一体誰が……?)

 

依然としてテレビからは賑やかな音声が流れているが、そんなものはミカにとってただのBGMに成り下がる。カツーンカツーンと反響響く足音に意識を向けても、二人分の足音であるということしか分からなかった。

 

「ミカさん」

 

だが、昨日聞いたばかりの聞き慣れた声が聞こえ、ミカの警戒は解けていく。姿を現したのはこれまた昨日と同じ、ナギサとミツキの二人であった。

 

「ナギちゃんとミツキちゃん……?どうしたの?」

 

昨日と異なるのは二人の表情だろう。

 

「ミカさん、ミツキさんと一緒にいていただけませんか?」

 

「……」

 

毅然とした態度で真っ直ぐにミカを見つめるナギサと俯いたままのミツキ。昨日見たものとはまるきり異なる二人の姿にミカは困惑したままだった。

 

「い、いいけど、どうして?」

 

「何やらミツキさんはエデン条約に対し何かしらの不安を抱えているようなのです。外交官とはいえ表立って何かをする予定もないため、無理に連れて行く必要はありません。ですので、ミカさんと一緒に離れていてもらうことにしました」

 

「い、いいの?ここ牢獄だけど……正義実現委員会の許可は……」

 

「これは私の独断です。もし何か問われれば私が責任を取ります」

 

「ええ!?そんな無茶な……」

 

「無茶を通す必要があるのです。何事も無ければそれでいいですが、もし何かあれば大きな問題に繋がります。ゲヘナとトリニティの主要人物が集うこの場では何がきっかけで争いへ繋がるかも分かりません。そのテレビで見たでしょう?あの一触即発の雰囲気ではミツキさんの身が安全とも言いにくい……今の興奮している皆さんから一番意識が離れる箇所はここです。それに、ミカさんもいますから」

 

「……」

 

もうこれはナギサにとって決定事項なのだろう。真剣な表情のまま口答えも許さない勢いで矢継ぎ早に言葉を続け、ミカが頷くのを待っている。そんなナギサの姿を見てミカはそう結論付けた。

 

「……うん、いいよ。私も折角のお祭り騒ぎなのに一人じゃつまんないなって思ってたからさ」

 

「そう言っていただけると助かります。では、私はこれから調印式へ向かいますので失礼します」

 

「ぁ……」

 

ミカに向けて一礼したナギサが足早に去っていく。ミツキは小さく声を漏らすことしかできず、わずかに伸ばした腕は力なく下ろされた。

 

「ねぇ、ミツキちゃん。何があったの?不安ってなんなの?」

 

「嫌な予感がするの。何か良くないことが起こりそうな、私じゃどうしようもないことが起こりそうで。できることなら、この調印式を中止にして欲しいくらい……」

 

「……あの様子じゃダメだったんでしょ?」

 

「……うん」

 

(ミツキちゃんかここまで沈んだ表情をするなんてよっぽどなんだろうけど、ナギちゃんは今日のエデン条約のために頑張ってきたんだから多分何を言っても止まってくれないだろうな)

 

ナギサの苦悩を知っている。その苦悩の原因になったミカには、ナギサがどんな気持ちで今日という日を迎えているのかを知っている。

 

「きっと大丈夫だよ。先生もいるし、今のナギちゃんは一人じゃないからね」

 

ミツキの不安を取り除いてあげたい、でもナギサの邪魔はできない。そんな板挟みの中でミカはミツキを励ます方向へシフトしていた。ミツキの心配が杞憂であることを願って。

 

だが、現実はそう甘くはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃあっ!?」

 

テレビどころか外から直接聞こえてくる爆発音と激しい揺れ。立っていられなくなったミツキが床に倒れ、テレビには何も映らなくなった。何が起こったのかを理解できていないミツキに対し、ミカはジッと真っ暗になった液晶を見つめていた。

 

「あ……え……?」

 

「……」

 

(ナギちゃん……)

 

「あ、こ、これ、まさか……み、ミカちゃん……」

 

「……うん」

 

縋るようなミツキの声にミカは短く応え、動かずに固まっている。

 

「みんな……ヒナ……」

 

「ミツキちゃん、妹ちゃんは大事?あそこにいるみんなも」

 

「う、うん。ヒナは大事な家族だし、みんなも大切なお友達だけど……」

 

「そっか……うん、決めた!」

 

何かを噛み締めるようにそう返事をしたミカは、クルッとミツキの方へ体を向けた。その顔はどこかスッキリとしたような一切の陰りもない晴れやかな表情だった。

 

「ミカちゃん?」

 

ドゴォンッ!!

 

「……え?」

 

「行こっか、あの場所に」

 

「え?……えっ!?」

 

ミツキの目の前にある鉄格子の少し横には人一人分が通れるだけの穴が空き、何事もなかったかのようにミカが穴を通ってやってくる。そうして、戸惑いを隠せないミツキの腕をつかんで走り出した。

 

「多分だけど私の銃は……うん、あそこかな。それじゃあしゅっぱーつ!!」

 

「わーっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保管されていた銃を確保したミカはミツキを引き連れて混乱の中を走る。ミツキの速度に合わせながらも周囲の観察に努めていた。

 

(銃の保管場所に誰もいなかったけどどうしたんだろう。この騒ぎでそれどころじゃなくなったのかな?……うーん、でもなんだろ、あのガスマスク着けた人みたいなやつ。浮いてるし……ロクなものじゃないんだろうけどさ)

 

銃を手に持ちながら辺りをしきりに見回し、まるでパトロールでもしているような素振りを見せる聖徒会に警戒度を高めていく。そんな中で古聖堂の方から銃声が聞こえてきた。

 

(誰か戦ってるみたい。あそこなら多分ツルギちゃんとかミツキちゃんの妹ちゃんとかかな?倒れてるとは思えないし)

 

冷静に状況を把握しようとするミカとは異なり、ミツキは周囲にまで気を遣う余裕など無かった。いくらミツキに合わせてくれているといえど、足も遅く体力もないミツキにとってはミカについていくので精一杯であった。

 

「ハァ……み、みんなあそこに……いるのかな?……ハァ……」

 

「ミツキちゃん大丈夫?」

 

「う、うん、まだ大丈夫」

 

(あのよく分かんないのも結構いるみたいだしこんなところさっさと走り抜けるのがいいんだろうけど……私が運んだほうが早いかな?)

 

「ねえ、ミツキちゃ――」

 

私が担ごうか、そう言葉を続けるよりも先、二人のすぐ後方から銃声が聞こえてきた。

 

ダァンッ!ダァンッ!ダァンッ!

 

「きゃっ!?」

 

(近い!バレた!?……いや、いない?)

 

「ミツキちゃん、私から離れたら駄目だよ」

 

「う、うん」

 

ミツキを庇うように音源の方向へ体を向けたミカは音の出処を探ろうとゆっくりと歩みを進め、離れないよう言われたミツキもその後ろから続く。警戒を緩めず目だけで辺りを見回すミカは、自分達のすぐ隣にある校舎の中に一体の聖徒会の姿を見つけた。

 

(アレはどこに……、……あーあ)

 

見えた。聖徒会の銃を構える先を。今も引き金を引こうとしている手を。その視線の先はとある教室の中、床にへたり込んだまま震えた腕で銃を構えている一人の――

 

いつの間にか隣にいたミツキの顔を伺えば、ミツキは今にも泣き出しそうな弱々しい表情でミカのことを見つめていた。

 

(……分かってる。分かってるよ。ミツキちゃんがそういう子なんだってことはさ)

 

「み、ミカちゃん……」

 

(だから、そんな顔しないで)

 

「いいよ、大丈夫」

 

先程の爆発の影響か、窓ガラスは既に割れて空いている。相手はこちらに気付いていない。窓枠に足をかけたミカはそのまま校舎の中へ飛び込んだ。軽快な身のこなしと音すらない完璧な着地。そのまま足音もなく目の前の存在と距離を詰めていく。

 

「ちょーっと背後の警戒が足りてないんじゃない?」

 

「!!!」

 

ドパァンッ!!

 

聖徒会が振り向いて声の主を把握するより早く、聖徒会は煙となって消えていった。

 

(倒したら消える?実体が無い?でも弾は当たるし……仕組みは分かんないけど何体も何体もいるから結構面倒かも)

 

「あ、ありがとうございま……み、ミカ様!?ど、どうしてここに!?」

 

聖徒会について考え込むミカの姿にへたり込んでいた生徒は素っ頓狂な声を上げる。それでようやく意識が戻ってきたミカは時間を取られたくないために適当にあしらうことにした。

 

「あー、そういうのいいから早く逃げなって。アイツら沢山いるしまたいつ襲ってくるか分かんないからさ」

 

「あっ、あっ、ありがとうございました!!」

 

「分かったから、早く逃げて。私まだやらないといけないことがあるから」

 

「は、はい!本当にありがとうございました!!」

 

ぺこぺこと頭を下げながらも銃を構えて走り去る姿を確認したミカは入ってきた窓から外へ出る。そこでは心底安心したようなミツキがミカを待っていた。

 

「ありがとうミカちゃん」

 

「んーん、気にしないでいいよ。見捨てるのも後味悪いもんね。ほら、私たちも早く行こっか」

 

「うん!」

 

 

 

 

そうして先を急ぐ二人の視界の中、突如として()()()()()()()()()()()

 

「え……?」

 

「ミツキちゃんこっち!」

 

ミツキの腕を掴んですぐ近くの茂みへと隠れた。屈んで身を隠しながらゆっくりと周りの様子を伺えば、先程までとは比べ物にならない量の聖徒会が辺りを闊歩していた。

 

「な、なんで急にあんな……」

 

「何か探してる……?」

 

聖徒会は周囲を警戒するように首を左右に振りながら歩みを止めない。その姿に違和感を覚えると同時に、ある聖徒会が視線を一点に向けながらその方向に向かって移動を始めた。

 

「あ、あれって、まさか……」

 

「急ぐよミツキちゃん!」

 

先程の襲われていた生徒の姿が頭によぎったミツキの顔はサァっと青褪めていく。そんなミツキの腕を再度掴み、ミカは急いで聖徒会の向かう先へ向かう。

 

案の定というべきか、そこでは怯え体を震わせる数人の生徒と、その生徒に銃口を向ける聖徒会の姿があった。

 

「揃いも揃っておかしな服着てさ……ちょっと大人しくしててくれない?」

 

ドパァンッ!!

 

圧倒的だった。直撃すれば一撃で消し飛ばせる程の攻撃力、そして増えた聖徒会が音に釣られてやって来ようと関係なく相対できる胆力。そして実力に裏打ちされた自信。

 

その強さを持って聖徒会を蹴散らすミカと、襲われていた生徒達に寄り添うミツキ。そんな二人が動いている間もどこか別の場所では絶えず銃声が鳴り響いていた。聖徒会が周囲の生徒を襲うときとは違う、音の密度は高く種類も様々だ。

 

二人はその音の鳴る方向が目的地であると理解し、手が届く範囲の生徒を助けながら驀進していく。一人か二人か……いや、それどころではない。あの爆発から逃れた者を殲滅するかのように放たれた聖徒会はその全てを潰しにかかり、ミカによって蹴散らされていく。

 

そうして聞こえる銃声は大きくなり、戦場へ近付きつつある状況でふとミツキが口を開いた。

 

「……ナギサちゃんはいいの?きっとどこかに……」

 

「ナギちゃんならきっと大丈夫だよ。ミツキちゃんに忠告もされてたし心構えはあったはず。それにこんな爆発で死んじゃうようなヤワな子じゃないからね。もしかしたら向こうでみんなと一緒に戦ってるかもよ?」

 

「でも……」

 

(このまま何も言わなければ妹ちゃん達のいる所に行けるのに……やっぱり、優しすぎるよ。ミツキちゃん)

 

襲われている生徒を救っていても、その中にナギサの姿は無かった。ミカもナギサを探したいはずだ。それでもヒナ達がいるであろう方向へ向かうミカの姿に、ミツキは負い目のようなものを感じていた。

 

「もー、私が大丈夫って言ってるんだから大丈夫!何年幼馴染やってると思ってるの?大丈夫、私はナギちゃんを信じてる」

 

「……!!」

 

「ね、だからこのまま行くよ」

 

「……うん!」

 

(……無事に事が終わったらきっとナギちゃんに怒られるんだろうなぁ。脱獄したなんてどう言い訳しよっかな)

 

そんな会話を挟みながらも校舎を挟んで向かい側から銃声が聞こえるまで近付いた二人のもとに、正義実現委員会の制服に身を包んだ三人の生徒が向かってきた。一人は怪我をしているのかもう一人に肩を貸してもらっており、一人はその二人の前で銃を構えている。

 

すると、一番前にいた生徒がミカの存在に気付き、声を上げた。

 

「み、ミカ様!?」

 

「あー、ごめんね、今はそれどころじゃないから行くね」

 

「っ!……あ、あのっ!こ、この先で、私たちが通ってきた先で先輩達が戦っているんです!お願いします!どうか先輩達を……!」

 

「うん、分かってる。私達はそのつもりで来たんだよ。ね、ミツキちゃん」

 

え?……そうだよ、だから安心してね。きっと大丈夫だから」

 

「うぅ……あ、ありがとうございます……どうか、ご無事で」

 

大きくお辞儀したその生徒の横を走り抜け、その生徒達が出てきた校舎内へ入っていく。その窓の向こうには大量の聖徒会と先生達、そしてアリウススクワッドの姿があった。

 

だが、それに喜ぶ暇も無くヒナタが倒れた。

 

「あっ、ひ、ヒナタちゃん……!」

 

咄嗟に腕を伸ばしたミツキだが、銃弾飛び交う戦場を前に尻込みしているのか伸ばした腕を弱々しく胸元に持ってきて手を握りしめている。不安と心配と恐怖に揺れる瞳を横で見ていたミカは、そっとミツキの肩を抱き寄せた。

 

「……ねぇ、ミツキちゃん」

 

「ど、どうしたの?」

 

「ここはドーンと登場した方がカッコよくない?」

 

「え?」

 

「折角ここまで来たんだし、インパクトって大事だと思うんだよね」

 

そして流れるようにミツキの体を抱きかかえ、所謂お姫様抱っこの状態で窓の外を見つめている。

 

「え?え?え?」

 

「よーし!じゃあしっかり捕まっててね!」

 

「ひっ!?」

 

ミツキは壁に向かって勢い良く駆け出したミカに恐怖を覚え、自身の胸の前に両腕を持ってきて縮こまり、ミカの体に顔を埋めてぎゅっと目を瞑った。

 

ドゴォォォンッッ!!!!

 

壁を突き破った衝撃と爆音にミツキの体はビクッと反応し、ミカの腕の中で今も小さくなっている。その手はいつの間にかミカの服を掴んでいた。

 

ミカの大胆な登場に辺りはシンと静まり返り、ミカの足音だけが響く。土煙によって周囲は見えないが注目されていることを実感しているミカは、それでもずっと手元のミツキを見つめていた。

 

土煙が晴れていく。

 

先生達の驚きの表情が見えてくる。

 

ミカは敢えて普段通りに、少しの茶目っ気を混ぜながら堂々と言葉を紡ぐのであった。

 

「ふふ、私登場☆……なんてね」

 

それどころではないミツキはあまりの恐怖に泣きそうだった。

 




ミツキ完全なお荷物で草





そんなお荷物さんを描いてみました。板タブというものを買ってみたのでね。私の初デジタルお絵かきはミツキでしたということです。ミツキが私の初めてを奪った……?
ちなみに下書き状態です。ヘタクソな上に下書き状態とかいう役満お絵かきですまない。
ゲヘナの制服って誰を参考にすればええの?よく分かんなくて一番それっぽいエリカの服装を参考にしました。違ったら教えて。あと髪の毛が適当なのも許して。
というか誰か描いて♡

ミツキのイメージ図
【挿絵表示】


ヘイロー君はお出かけ中です。
あと私の中でコロコロとミツキへのイメージが変わるので私の中ですらこれが正解ではないです。ミツキは千差万別、みなさんの想像しているミツキがみなさんのミツキです。……それ描いて見せてくれないかい?
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