ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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二転三転

突如として現れたミカはミツキを抱えたまま先生の元へ歩みを進めていく。誰もがミカの一挙手一投足から目が離せず、戦闘が中断されていることを利用してツルギは一気に後退を始めた。倒れたヒナタを回収しながら。

 

そしてミカに抱えられていたミツキは先生の横に降ろされた。

 

"二人とも無事だったんだね!"

 

「うん、色々話したいこととか聞きたいこととかあるけど、今はアリウスをなんとかしないとね。ミツキちゃんのことお願い」

 

"ああ、任せて"

 

先生との会話も短く終わらせ、ミカはこちらの様子を伺っているアリウススクワッドを見据える。リーダーと呼ばれていた彼女はミカから視線を外すことはない。

 

「聖園ミカ……なぜ奴がここに……!」

 

ミカの隣にはいつの間にかヒナタを抱えたツルギが立っていた。

 

「ミツキ、頼む」

 

「うん、分かった」

 

ミツキにヒナタを預け、並び立つ。ミカが横目で見れば服は所々が裂け、煤け、血が滲み、露出している肌には傷が見える。それでも特徴的な猫背のまま二本の足でしっかりと立ち、両手にショットガンを握りしめながらアリウスを睨みつけていた。

 

「ミカ、いけるか?」

 

「もちろん。ツルギちゃんの方こそそんな傷だらけでついてこれる?休んでた方が良いんじゃない?」

 

「ギヒッ、それだけ言えれば十分だ」

 

そうしてツルギはアリウスに向けて駆け出した。

 

「ちょっ、少しくらい合わせようって気はないの!?もー!」

 

「チッ、聖徒会!」

 

それを見たミカも慌てて追従する。対して一直線に向かってくる二人の脅威に向けて差し向けるは無限の兵力。二人の正面に複数体顕現させ、既に顕現していた者たちを向かわせる……が。

 

ダダダダダダダダッ!!!!

 

紫の閃光が周囲の聖徒会を掻き消した。

 

「邪魔はさせないわ」

 

ミカとツルギの直線上に居ない者は悉くヒナの標的となり、煙となって消えていく。右だろうが左だろうが関係なく、二人に到達する前にその役目を終える。

 

「お〜、話には聞いてたけどミツキちゃんの妹ちゃんすごい強いね」

 

「ミカ!集中しろ!」

 

「してるって!」

 

残された聖徒会は二人の正面のみ。それも二人の前ではただの雑兵にしかならず、進行を止めるに至らない。

 

ダァンッダァンッダァンッ!

 

「ギヒヒヒヒィッ!!邪魔だァッ!!」

 

「ちょっと!隣に私がいるんだけど!?……うわっ!?今掠ったって!!」

 

撃つ、撃つ、撃つ。

 

鬼か悪魔か、凶悪な笑みを浮かべたツルギが腕を伸ばせば正面にいた聖徒会は銃声と共に掻き消え、反動で腕がブレるのもそのままにもう片方の腕を次のターゲットへと伸ばす。次から次へと滅殺の散弾を放つツルギだが、それはあくまで一発ずつ。しかし、その間に生まれる隙も並走するミカの存在によって隙とも呼べなくなっていた。

 

「倒しても倒しても出てくるって本当めんどくさい!」

 

「ギヒャヒャヒャヒャッ!!」

 

ミカが継続火力を、ツルギが瞬間火力を。キヴォトスで最高水準の、一人だけでも厄介なそれが()()()()()()に同時に襲いかかる。

 

「り、リーダー、このまま近付かれたら本格的に……あ、危ないんじゃ……」

 

現在、アリウススクワッドは離れた位置からちょっかいを出す程度しかできなかった。それも聖徒会の後ろ側から。

 

「リーダー、聖徒会のせいでロケットランチャーが通らない。スナイパーライフルもそう。ここからどうするの?流石に向こうも数が多いし一旦引く?」

 

左右に展開した聖徒会がヒナによって蹴散らされる現状、アリウススクワッドも迂闊に左右には出れず聖徒会の後ろにいるしかない。しかし、それでは満足に攻撃を行えず、その聖徒会はミカとツルギの両名によって煙に還る。肉薄されるのも時間の問題だった。

 

「……顕現せよ!」

 

そうして現れるは消えたばかりの数多の信徒。二人の快進撃を止めるべく縦に並んだ彼女らは手前の者を肉壁としながらも発砲を行う。二人の足を僅かにでも止めるための、それだけの策。左右に出れず脅威が正面から来るため正面から対抗するしかない。相手に余裕はなく、このままいけば勝てる。そう思わせるために。

 

――カモフラージュと小型化がされたとある爆弾へ手を伸ばしながら。

 

「すぐにでも撤退できる準備をしておけ。だが、もう少し待て。トリニティとゲヘナの最高戦力が揃っているんだ。確実に一人は持って行く。もう少し近付けば……」

 

だが、受けを選択した時点でアリウススクワッドは()()()()()()()のであった。

 

"今だ!!"

 

「は……?」

 

銃弾飛び交う戦場に嫌に響いた大人の声。弾かれたように左右へ散る脅威。そして見えるは……

 

 

信徒達の隙間から射し込む紫の光だった。

 

 

「姫ッ!!」

 

「サッちゃん……?」

 

咄嗟の行動だった。ただ体が動いていた。顔全体を覆うようなマスクを身に着けた彼女は自身に覆い被さるようなリーダーの姿に目を丸くさせ、思わず呟く。

 

その瞬間、全てを消し去るような光線が降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煙がモクモクと立ち込める。何かの爆発物も同時に爆発したのか土煙のみならず黒煙も上がっており、既に聖徒会は一人たりとも存在していなかった。

 

「……終わったの?」

 

"警戒を緩めたら駄目だよ。私より後ろにいてね"

 

「う、うん」

 

意識を失ったヒナタを寝かせて膝枕をしているミツキの前に立つ。その目には煙から距離を取るように後退しながらも先生達の壁となるよう煙と先生達との間に位置しているミカとツルギの姿が映っている。二人は今も引き金から指を離さず煙の中へと意識を向けていた。

 

風が吹く。ビュウッと勢いのある風が。煙は横に流れ、中の様子が顕になっていく。そして徐々に薄くなる煙の中にゆらりと、風とは異なる揺らぎが生じた。

 

ダァンッ!!

 

「っ……!!」

 

撃ち抜いたのはハスミだった。ミカ、ツルギ、ヒナ、殲滅戦として過剰とも言える彼女らに戦闘は任せ、一人静かにスナイパーライフルを構え続けていたハスミは迷いなくその引き金を引く。

 

その銃弾は命中したらしく、微かなうめき声と共に一歩後ろへ足を引いた音が聞こえる。『敵はまだ意識を保っている』。ミカとツルギがそれぞれの銃を構えながら一歩前へ足を踏み出し、未だ煙が残っているそこに突撃しようとしたその時、煙の中から一つの手榴弾が姿を現した。

 

思わず視線が奪われる。わずかに黒煙を纏い回転しながら二人の間に向かって飛来するそれは栓が抜かれ、もう間もなく爆発するだろう。分かっている。たかが手榴弾、二人に大きな傷を付けることは叶わない。そう頭で理解しているはずなのに、何故か視線が外せない。

 

そうこうしている間に手榴弾は二人のすぐ目の前まで近付き、二人は爆発に備えて腕で顔を覆う。たった数瞬のこの時間がやけにスローモーションに思えて、言いようのない違和感がぐるぐると駆け巡る。だが、もう間に合わない。駆け出し始めたばかりの体は衝撃に備えている。次の行動には移せない。

 

ゾワリと、嫌な予感がした。

 

 

ダンッ!!

 

 

だが、突然どこかから銃声が聞こえてきたと同時に手榴弾があらぬ方向へと吹き飛んだ。

 

「え……?」

 

ドオォォォンッ!!

 

「わっ!?」

 

「クッ……」

 

離れた位置で爆発した手榴弾からは煙と爆風が放たれ、二人は顔を覆ったままその場に立ち止まる。

 

"だ、誰が……"

 

手榴弾が吹き飛んだ方向とは反対、銃声が聞こえた方向へ視線を向けるとそこには……

 

「はぁ……はぁ……間に合ってよかった……」

 

余程急いで来たのであろう。少し離れた位置で頬に汗を垂らし肩で息をしながら胸をなでおろしているアズサがいた。

 

「アズサちゃん!」

 

"アズサ!"

 

「アズサァァァァッ!!!!」

 

「サオリ……」

 

煙が晴れて出てきたのは体中に傷を負ったアリウススクワッドの面々だった。リーダーと呼ばれていた彼女はアズサを憎々しげな瞳で射殺さんとばかりに睨み付け、今にも襲い掛かりそうなほどの激情をぶつけている。

 

「お前さえッ!!お前さえ邪魔しなければ今頃ッ!!」

 

「やっぱり……尚更、よかった」

 

「クソッ!!聖徒会ッ!!」

 

そうして現れるのは先程と何も変わらない様子の聖徒会。その数はどんどんと増えていくがミカ達に特別焦った様子は見られない。

 

「またそれ?よく分かんないけど奥の手っぽいのはアズサちゃんに台無しにされちゃったんでしょ?いい加減諦めなよ」

 

「黙れッ!!この憎しみは必ず清算してやるッ!!必ずだッ!!」

 

そう叫んだ瞬間、まるで彼女の激情に応えるかのように信徒達が爆発的に増加していく。

 

"なっ、なんて数……"

 

それはみるみるうちにアリウススクワッドの周囲を埋め尽くし……

 

「スクワッドが逃げた!!」

 

「「ッ!!」」

 

"駄目だ!"

 

横から見ていたアズサが声を上げた。咄嗟に追いかけようと聖徒会の海へ飛び込もうとするミカとツルギだったが、先生の静止によってその場に留まる。

 

"追いかけたい気持ちも分かるけど、コレを放置しては行けない"

 

辺りを見れば聖徒会はアリウススクワッドの居た位置以外にも現れ始めており、ヒナとハスミは左右や後方に現れた聖徒会の対処を行っていた。

 

「チッ……ギヒッ、ギヒャヒャヒャヒャッ!!」

 

「……」

 

周囲の状況を理解したツルギは苛立ちを隠すことなく近くの聖徒会へ飛び掛かる。その様子を見ていたミカは後方にいるヒナとハスミのことも考え一人、アリウススクワッドの引いていったと思われる方向へ体を向けた。

 

"ミカ"

 

「多分三人いればなんとかなるんじゃない?私が一番ピンピンしてるし、消耗してるアリウスを追いかけるくらい――

 

"下手に追いかけるのは危ないよ。それに一人では出来ることに限りがある。それは、嫌と言うほど分かっているんじゃないのかい"

 

「……」

 

"アズサもだよ"

 

「……ッ」

 

既に遠くで背を向けていたアズサはビクッと肩が跳ね、思わずその場に立ち止まる。それを横目で見ていたミカは一度大きく息を吸い、ゆっくりと吐いた。

 

「……分かった、先生の言う通りアリウスは一旦諦めてあげる。……で、この私が諦めるんだから抜け駆けしちゃ駄目だよアズサちゃん。私が先に一発ブン殴るんだからさ☆」

 

「ミカ……」

 

そうして、数多の聖徒会相手に殲滅戦が始まった。




手榴弾タイプのヘイローを破壊する爆弾とかありそう。無いのかな?技術的に厳しいのかな?本編で出てきたやつはデカくて使いにくそうだし、範囲が狭い代わりに小型化されたやつとかあってもいいよね。というかこれぐらいないとアリウス側に対抗手段ない。フルボッコはかわいそう。いや、それがあっても怪しいけど。頑張ってアリウスに技術提供してねカオナシ。アリウスが負け戦すぎて悲しいよ。



主人公が空気すぎて「や、やったか……?」要員へ。モブかな?
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