ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
前回の万魔殿の続きです。正直続くとは思っていませんでした。万魔殿を書こうとすればすべてイロハちゃんに収束するのはどうしてなんでしょう。だれか助けてくれ。
プリンも食べ終わり、今はイブキちゃんのお絵かきをロリコンと共に見守っている。挟み撃ちの形になるな。これがオセロならイブキちゃんもロリコンになるのにね。……嫌な想像はやめよう。そんなイブキちゃん見たくない。
「〜〜♪」
う~ん!イブキちゃんの鼻歌だぞぉ!かわいいねぇ!録音しないと!……なにィ!?既にマコトちゃんがガチガチの録音機材を構えているだと!?クッ!!負けた!!……なんだそのドヤ顔は!!私の方がイブキを分かっているのさみたいな顔しやがって!!
「キキキッ、どうだミツキ!私の方が用意周到だろう!これはもう私の方がイブキを理解しているといっても過言ではないなぁ!」
ちくしょう!!本当に似たようなこと言いやがって!!
「いや、過言でしょう……」
負けてられない!!私の方がイブキちゃんを理解してるんだ!!
「イブキちゃん、イブキちゃんに質問してもいーい?」
「〜〜♪……んぇ?質問?イブキに聞きたいことがあるの?いいよ!」
フッ、そんな怪訝そうな顔をするなよマコトちゃん。見てな。
「イブキちゃんの好きなスイーツってなに?プリン?」
「!!……いや、イブキならパンケーキだろう!」
気付いたようだなマコトちゃん!!そうだ!!これはイブキちゃん本人の回答による公平かつ残酷な理解度チェック!!言い訳など一切できない、イブキちゃんへの本当の理解度が試される!!これが、これこそが、まさにデスゲーム!!*1
「……変なのが始まった」
「えっとね、イブキが好きなスイーツはね……」
クックック!悪いなマコトちゃん!イブキちゃんは今さっき美味しいプリンを頂いたばかり!つまり今のイブキちゃんの舌はプリン一色のはず!この勝負私の勝ちだッ!
「ミツキ先輩の持ってきてくれるスイーツ全部!一番は決められないよ!」
「イブキちゃん!」
「わっ」
そんなこと言われて大人しくしてられるわけないだろ!全力のハグだ!頬擦りまでしちゃうもんね!イブキちゃんのほっぺぷにぷに!もちもち!ふみゅうって声が漏れてるのも最高にかわいい!
「そう言ってくれると嬉しいよぉ!」
「えへへ、ミツキ先輩いつもありがとう」
大天使イブキエル様!これからも貢がせていただきます!なんでも!何度でも!
「クッ、こんなもの両方不正解だ!さっさとイブキから離れろミツキ!」
あぁ!引き剥がさなくてもいいだろ!今私とイブキちゃんは一つになってたんだぞ!*2
「次は私の番だ!イブキ!このゲヘナで一番尊敬しているのは誰だ!」
な、なにぃ!?尊敬だと!?そんなの……そんなの……ヒナしかありえないだろ!!
「もちろん私だよな!?」
「ヒナだよ!」
「なんだと!?イブキが私を差し置いてヒナを選ぶわけがないだろう!」
「うーん……じゃあマコト先輩!」
「ッシャァ!!そうだろうそうだろう!!やはり私の偉大さはイブキにも理解されているんだな!!よーしよしよし!!」
「……じゃあ?」
……そこはヒナやろ。ヒナやろっ!!ちくしょう!!普通尊敬されるべきはヒナでしょうが!!あんなに毎日頑張ってるのに!!そう思うだろイロハちゃん!!
「あの、なんで私の方を見るんですか?」
「いいもん!私にはイロハちゃんがいるもん!」
「ミツキさん?」
ふん!イロハちゃんのこのもふもふがあれば私に怖いものなどない!このイロハちゃんのかわいさで私は生きていけるんだ!
「え?」
ソファに座っているイロハちゃんをお姫様抱っこの要領で持ち上げてイロハちゃんが座っていたところに私が座る。そして私の膝の上にイロハちゃんが横向きに座るようセット!正面から抱き着いてやろうかと思ったけど本持ってたし横向きにしてあげました。そういう配慮もできるなんて私は優しいね。
イロハちゃんは本で口元を隠しているが怒ってこないということはセーフということだろう?*3
「フッ、勝負は私の勝ちのようだな!」
「ぐぬぬぬ……!」
いつの間にかイブキちゃんを肩車しているマコトちゃんがドヤ顔で勝利宣言してきやがる。……人の心とか無いんか?ありえないだろそんなの!死体撃ちなんて最低やんけ!イロハちゃんがいなければ数日は寝込んでたぞ!くそっ!楽しそうなイブキちゃんがかわいいですね!
イロハちゃんのお陰でダメージはマシとは言え無事でもない。精神を安定させなければ……今は膝の上にイロハちゃんが乗っていることで普段の身長差を無視できる!つまり私が簡単に甘えることができるのだ!
ハッハッハッ!!ママァ!!
「イロハちゃーん!マコトちゃんがひどいんだよー!」
「ちょ、ミツキさん!?」
頭をイロハちゃんの肩にぐりぐりと押し付ければ戸惑ったような声を上げて少しだけ硬直した。その後手に持っていた本を近くの机に置き、ぐりぐりされていない方の手でそっと私の頭をなで始めた。
「……まったく、しょうがないですね」
あぁ〜、バブみを感じる〜。イロハちゃんの手つきと声が優しい。イロハちゃんは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ。ちょっと今日はこのままでもいいか?いいよね?いいって!?やったぁ!!*4
少しだけ顔を上げてイロハちゃんを見ると、その顔はとても穏やかで優しく微笑んでいた。やっぱり時代はイロハちゃんなんですよ。見てよこの顔!こっちも思わずにやけちゃうね!
「……そうやって甘やかすからミツキが調子に乗るんだろうが」
「でもミツキ先輩もイロハ先輩も幸せそうだよ?」
「はぁ……まあいいか。イブキ、お絵描きの続きでもどうだ!」
「うん!お絵描きするー!」
いつの間にかマコト先輩とイブキがソファで一緒になって眠っている。イブキが先に寝てしまったのを眺めていたらマコト先輩も寝てしまったとかそんな感じだろう。
「眠いんですか?」
「んー……」
さらには自身を抱きしめているミツキさんもうとうとし始めた。目はとろんとしていて返事も曖昧なものになっている。ずっと膝の上に横向きで座っているのは少し不安定なこともあって流石に辛い。だから向きを変えてしまおう。まだ起きている今のうちに。
「ミツキさん、少し姿勢を変えても?」
「いいよぉ」
ふわふわとした返事をしながらも少し腕を緩めてくれた。その間に、膝の上に跨がるようにして座り直す。
「はい、もう大丈夫ですよ」
「……んんぅ」
姿勢を変えたことを伝えると、さっきまでの感覚のままなのかそのまま再度抱き締めてくる。今度も肩に頭を押し付けるような形だが、正面からというのもあってさっきよりもずっと密着感がある。それに疑問を抱ける程に脳が覚醒していないミツキさんは、そのまますりすりと頭を擦り付けている。
「ふふふ、このまま寝ちゃってもいいんですよ」
今度は片手で頭を撫でながらもう片方の手で頬をなでる。いろんな人から好かれているこの人を私が独り占めしているという優越感と、ここまで気を許してくれているという事実に思わず頬が緩む。普段明るく人の手を引っ張る側にいるこの人が、大人しく私にすり寄っているこのギャップがまたかわいらしい。
「えへへ……いろはちゃん……すき……」
その言葉を最後にミツキさんからは静かな寝息だけが聞こえるようになった。そして静まり返った部屋の中で、どこからかバクバクという音だけがいやに鳴り響いているような気がした。
「ミツキさん……」
すやすやと眠りにつく無防備なこの人の顔を眺めて、時には触れて、ただただ時間は過ぎていくばかりだった。
おまけ
「なにを……なにをしているの?」
「見ての通りですよ。まさかミツキさんが寝ているのに無理やり動かそうなんてしませんよね?」
「……ええ、でもこの状況は何?」
「あぁ……そこで寝てるマコト先輩とイブキはお絵描きをした後に疲れたのかそのまま寝てしまいました」
「……姉さんは?」
「……とてもかわいらしかったですよ?ぎゅって私に抱き着きながら頭をぐりぐりと肩に押し付けて甘えてくるんです。なでてあげれば嬉しそうにはにかんで……ふふ」
「……」
「……寝顔、撮って行きますか?」
「!……いいの?」
「残念ながら私のスマホは机に置きっぱなしで取りに行けないので……後でその写真を送ってくれるのならいいですよ」
「分かった。約束する」
そうして二人はミツキが起きるまで写真を撮ったり頬をつついたり頭をなでたりと好きにしていた。ミツキが起きた時、二人の顔が近いのに驚いて情けない声を上げたのは別にどうでもいい話。