ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
ゲーム開発部って……いいよね。(しみじみ)
私とヒナは今ミレニアムに来ている。風紀委員としての仕事とかじゃなく、普通にプライベートで。
「姉さん、あの子達に会うのは久しぶりね」
「そうだね。最後に会ったのは2週間前とかかな?きっと変わらずに元気なんだろうね」
「そうね。簡単に想像できるわ」
そう言いながらあの子達の様子が頭に浮かんだのか優しく微笑んでいる。天使か?隣をスタスタと歩くヒナは非常に穏やかでリラックスしているように思える。やっぱりこうして休める日を作るのは大事だよね。……どうしてワーカーホリックになってしまったんですか?私が誘わないと休もうとしないんだよ。もっと自分を大切にして?私が泣くよ?
目的地に着いて、ドアをノックする。するとドアの向こうからドタバタとした足音が聞こえ、勢いよくドアが開いた。いの一番に見えたのは明るい笑顔でこちらを見ているアリスちゃん。
「こんにちは!ヒナ先輩!ミツキ先輩!」
ぎゃわいい!!満面の笑みじゃん!!その笑顔百点満点!!私も満面の笑みだぞ!!*1
「こんにちはアリス」
「こんにちはアリスちゃん」
元気いっぱいなアリスちゃんにヒナちゃんも微笑んでおられる……!!ヒナの休暇にこの場所はぴったり。私にもぴったり。ここをリゾート地にしよう!ユウカちゃんなら賛同してくれるはず!
「中でみんな待っています!早く行きましょう!」
グイグイと両腕で私とヒナの腕を引っ張るアリスちゃんに私もヒナもされるがままである。この手を振りほどくなんてもったいない。そんなことするやつは人間じゃねえ。
「お、二人共来たね!」
「こんにちはミツキさん、ヒナさん」
部屋の中ではテレビの前でコントローラーを握ったモモイちゃんとミドリちゃんが仲良くゲームをしていた。それを一時中断してこちらにやってくる。別にゲームしてていいのに。
「よーし!二人も来たしみんなでゲームやろー!」
「ですがモモイ、ユズがリスポーン地点から離れません」
「ロッカーね、じゃあミツキ!ユズをちゃちゃっと連れ出してよ!」
「いつもそうだけど無理に連れ出さなくてもいいんじゃない?」
「分かってないなあミツキは……そんなこと言ってたらユズがいじけちゃうよ!」
そうなんか?無理矢理連れ出す方が嫌じゃない?多分私達が遊んでたらそのうち出てくると思うけど……まあいいか。おいで〜ユズちゃん。私達と遊ぼうよ〜。楽しいよ〜。(ねっとりボイス)*2
ロッカーの扉なんて簡単に開けられるんだよォ!(豹変)
「ユズちゃんこんにちは」
「ひぇっ、あ、こ、こんにちはミツキさん」
「みんなユズちゃんを待ってるよ。一緒に遊ぼう?」
「は、はい」
うひょひょひょひょ。手を差し出せばその手を握ってくれるユズちゃんは素直でいい子だねぇ。おや?今さっきまでゲームをしてたのかな?少ししっとりしてるね……ご褒美かな?
ユズちゃんもそれに気付いたらしく顔を赤らめながら手をバッと引っ込めた。
「あ、す、すみません!私、汗かいてて、それで……」
「私は気にしないよ?ほら、いこ?」
逃がすわけないやん。もう一度手を握ってみんなの所へ連行じゃ!美少女の赤面ありがとうございますッ!ごちそうさまですッ!
「何するの?6人だし、交代交代でやることになるけど……」
「うーん、対戦ゲームで負けたら交代とか?」
「最初は全員で遊べるやつをやったほうがいいんじゃないかしら?」
「たしかに最初から待ち時間があるのは嫌だよね。ヒナ!それ採用!」
ミドリちゃんとモモイちゃんがこれから何をするのか相談している横でヒナが相槌を打ったり適度に案を出している。私はゲームに詳しくないしユズちゃんの手を堪能して待つのだ。
おててやあらかいですねぇ。きもちいいですねえ。ぎゅっぎゅって握ってるとユズちゃんが上着で口元を隠しながら上目遣いでこっちを見るんです。かわいいね。やめてって言わないとやめないぞ?でもユズちゃんの性格上拒絶はできない!つまりコロンビア!*3
……おや、アリスちゃんどうしたんだい?
「どうしてユズはヒナ先輩とミツキ先輩が来る時はロッカーにこもったままなんですか?いつもなら呼べば「アリスちゃん!!」むぐっ」
突然ユズちゃんが私と繋いでいた手を離してアリスちゃんの口を物理的に塞ぎに行ったんですけど。普段聞かないような大声まで出して……そんなにゲーム楽しみだったんか?モモイちゃんとかビックリしてるけど。
「……あ、その、すみません」
顔を赤くしてしなしなと縮こまっちゃった。何があったんだユズちゃん!なんかミドリちゃんがジト目でこっちを見てるんだが。私じゃないよ?ユズちゃんが大声出したの私のせいじゃないよ?
「よし、最初はパーティーゲームやろう!最大8人でできるやつだから全員で遊べるよ!ほらほら、全員コントローラー持って!」
謎の空気感を吹き飛ばしてくれるモモイちゃんは光属性。流石や。お姉ちゃん力が私といい勝負してる。まあ私のほうが一歩先を行ってるけどね。なでるの上手いし。*4
やるゲームはよくあるすごろくゲーム。金を稼いで総資産を競うんだがキヴォトスらしく戦闘があったり最終的に持っていた武器も資産扱いされたりとなかなか面白い。
私がやることは5人の観察だ!毎ターン一喜一憂するみんなを脳内フォルダに保存するんだよ!あぁ、幸せだ。ここがエデンだったか……。
「あー!それ私の狙ってたグレネード!ヒナはもういっぱい武装してるじゃん!」
「ふふ、戦力増強は早いうちにしておくのよ。それは現実でもゲームでも同じ」
「アリス武器がありません!お金しか手に入りません!」
「まだ序盤ですしバランスよく進めるのが大事ですよ」
「本当?ミドリちゃんの言う通りにしておこうかな」
「……あぅ」
うん、なんかミドリちゃんが専属アドバイザーみたいになってる。初心者の私に優しいね。でも私と腕がピッタリくっつくくらい隣に来なくてもいいんだよ?ヒナも楽しそうにしてるわ。よかったよかった。こうして遊べる相手ゲヘナにいないんだよね。みんな血の気が多いからリアルファイトになる。
あと私の膝の上に座っているユズちゃんが喋らないのはどうすればいい?正座した私の膝にユズちゃんを座らせてお腹の前に腕を回してるだけなんだけどね。ユズちゃんの体越しにコントローラー握ってるからちゃんと操作はできるし。いい匂いだし。
……さっきからなんだいミドリちゃん。今私はユズちゃんを堪能してるんだが。勘違いしちゃうから
「にゃー!ヒナが強すぎてバトルマスが地雷になってるよ!」
「ほら、敗者は勝者にお金を払うんでしょう?」
「ヒナ先輩はゲームでも最強です!バトルマスだけでお金稼ぎしてます!」
「なんというか、ヒナさんが無双してるせいで安定択では勝ちきれないような……かといって今から舵を切っても間に合わないか」
「うーん、流石ヒナだね」
ヒナ無双が始まっておる。ヤバいね!モモイちゃんがビックリするほどバトルマス踏んで更に対戦相手にヒナと当たりまくるせいでめっちゃ搾り取られてるわ。運が無さすぎやしないか?
アリスちゃんは相変わらずお金稼ぎまくってるしユズちゃんは静かに打倒ヒナを目指して武器集めしてるしミドリちゃんと私は安定択で。性格が出るよねこういうゲーム。ちなみにある程度遊んでいればこの状況にも慣れてきたのかユズちゃんも普通にゲームをプレイするようになった。
「えっと、ここでこのアイテムを使えば……いや、まだ温存したほうが……うーん……」
自分のターンになったユズちゃんが私の膝の上で唸っておる。……いたずらしちゃお。まずは抱きしめてみよう。
「あのマスにいければ運だけど武器を奪えるかも……でも……っ!?」
「ふふふ、やってていいよ?」
「う、うぅ……」
ユズちゃん縮こまっちゃったけどそれ抱きしめやすくしてるだけだからね?逃げれてないからね?
うーむ、手持ち無沙汰だ。抱きしめたとはいえあまり体勢も変わってないし……お、目の前にいいもんあるじゃん。片手を使って少し髪をずらせば、うなじが眩しいね。……ね。
「ひゃわっ!?」
「どうしたのユズ?」
「なにかありましたか?」
「だ、大丈夫……気にしないで……」
息を吹きかけるのはマズかったか。欲望に忠実すぎたかもしれない。……いや、舐めたり甘噛みしたりしなかっただけ褒めてほしいね。
モモイちゃんとアリスちゃんは頭に疑問符が浮かんでるみたいだけどヒナとミドリちゃんがジト目で見てる。なんならずっと隣でミドリちゃんがガン見してくる。これはいたずらしてるのバレてるね。流石に大人しくしておこう。変態として突き出されても困る。
……ユズちゃん?早くして?ユズちゃんがゲームを進めてくれないと二人からずっと見られることになるんだけど。*6
「ユズちゃん、早くしないとみんな待ってるよ?」
「ひっ……は、はい……!」
あ、結局なにもせずに普通に進んじゃった。アイテム使おうか悩んでたのに……。なんかごめんね?
「ぬあーん!ひどいよ!どうなってるのこのゲーム!」
結局勝ったのはヒナで、次にアリスちゃん、ミドリちゃん、私、ユズちゃん、モモイちゃんの順である。
戦闘に特化して周囲から金を毟り取るヒナが強すぎた。アリスちゃんは普通に持ち金だけで2位である。すごいな。安定択を取っていたミドリちゃんと私はそこそこ、ユズちゃんは多分、というか普通に私のせいで上手くいかず、モモイちゃんはヒナのカモになっていた。私の妨害があったユズちゃんより悪いって相当だよ?お労しや……。
「もー!やめやめ!別のゲームやろー!」
「じゃあ次は――」
コントローラーを投げ出したモモイちゃんの提案に、ミドリちゃんとアリスちゃんが反応して次に遊ぶゲームを考えている。モモイちゃんに呼ばれてヒナも一緒に考えているみたい。うむ、一緒にいて違和感がないな!絶景である。ゲームは終わったしユズちゃんを解放してあげよう。
「……ユズちゃん?」
お腹の前に回していた腕を解いても離れないんだが。
「その……今なら……今だけ、もう少しだけぎゅってしてもらっても、いいですか?」
うぎゃぴ!?ほわ!?わわわわわっぴー!?*7なんだその期待するような顔は!!かわいいの右ストレートがモロに直撃した!!不意打ちはダメだよ!!完全にノーガードだったって!!
「……ぁ……その……や、やっぱりだいじょうぶです」
いそいそと立ち上がって去ろうとしているユズちゃんの服の裾を掴む。行かせないよ?なに殴るだけ殴って帰ろうとしてんの?逃がすわけないじゃん。
「ほら」
服を掴んでない方の手でポンポンと膝を叩く。ほれほれ、もう一度座りたまえ。この私が抱き締めてあげよう。もちろん遠慮なんて要らないとも。ええ。ただし私に何されても訴えないでね?
ユズちゃんは少しだけたじろいだ後、顔を赤くさせながらもう一度ゆっくりと近付いて……
え?あ……え……?
!?!?!?!?!?!?!?
なになになになに!?ぎゅってしてほしいんじゃなかったの!?自分からぎゅってしてくるの!?ユズちゃんが!?向かい合った状態で!?そんなことってありをりはべりいまそかり!?*8
私の顔の横、つまり肩の上に顔があるから表情は見えないがユズちゃんにしては珍しく積極的で、背中に回された腕はそれこそぎゅぅって音がするんじゃないかってくらいに私とユズちゃんの間にある隙間を無くそうとしている。
大丈夫かな。私今日死ぬんとちゃいますか?もう割と本気で死んでもいいよ。こんなユズちゃん初めてだよ。エデンってこれのことかあ。
「……」
「……ユズちゃん?」
「……ご」
「ご?」
「ごめんなさいぃ!!」
「ちょっ、ユズちゃん!?」
どこ行くんだっ!?
ユズちゃんがすごい勢いで飛び退いたかと思えば顔を両手で覆いながら猛ダッシュでロッカーに飛び込んで行った。バタンッ!と大きな音を立ててロッカーを閉めるものだからみんなビクッとしてロッカーを見た。……そんでみんな私を見た。
……いや、違うって。今回は割とマジで私じゃないって。
ゲーム開発部と言っておきながらほとんどユズなんだが。どういうことだい?
ちなみにヒナは適度に休みに誘ってくれるミツキがいるから別にずっと仕事しててもいいやと思ってるよ。ずっと仕事してればミツキが心配して一緒にいてくれたりお出かけしたりしてくれるからね。休みについて考えなくていいから全力で仕事に取り組めるし勝手にミツキと一緒にいる時間も確保できる。かんぺきー。