ゲヘナ最強の双子の姉   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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ここ二週間、リアルが忙しすぎて全然執筆できませんでした。許して。これからは前と同様のペースに戻ると思います。多分。まだ失踪するつもりはないのであしからず。

ゲーム開発部4話目です。


奇跡か、それともバタフライエフェクトか、そんなの分からなくても構わない

「……すぅ……すぅ……」

 

……アリスちゃんは速攻で寝た。*1私の膝を枕にぐっすりである。かわいいね。散々私の心を抉った罰だ。好きなだけ頭を撫でておこう。よーしよしよしよしよし。さらっさらな髪の毛やんねー。

 

「……」

 

「あれ……?」

 

「……何をしているんですか、ミツキ先輩」

 

寝たはずなのにいつの間にか開かれていたアリスちゃんの瞳はいつもの青色から紫色になっており、声色も落ち着いたものになっている。突然のことに多少の驚きはあったが、それよりも今は嬉しさが勝つ。ケイちゃんだ!!ケイちゃんと久しぶりに話せる!!

 

「あ、ケイちゃん久し振りだね」

 

「……そうですね」

 

「それにしても、どうして急に?」

 

「アリスの意識が途切れたので私が代わりに出てきたに過ぎません。あのまま無防備にアリスを寝させていればミツキ先輩に何をされるのか分かったものではありませんから」

 

「……アリスちゃんとケイちゃんの中で私の評価がどうなってるのかすごく気になるよ」

 

もしかして嫌われてんのかな。前は私のことさん付けで呼んでたのに先輩呼びになっちゃったし。距離を置かれてるとか?もし、もしも本当に嫌われているのだとしたら、ほんのちょびっとだけ、いや少しばかり……

 

……。

 

……わりい、やっぱつれえわ。*2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空崎ミツキ、度を超えたお人好しで誰とでも仲良くなれる人格者。……それはたとえ私のような存在だとしても変わらない。

 

ミツキ先輩はアリスも私も変わらずに接してくれた。いや、むしろ表に出る機会の少ない私の方をより構っていたような気もする。そのたびにアリスから「ずるい」と抗議があったのを覚えている。

 

ミツキ先輩が私のことをどれだけ知っているかは分からない。あの先生やゲーム開発部、またはC&Cの誰か……私のことを知る機会も方法もいくらでもあるはずだ。それでも一切話題に出さないのは今でもただ知らないだけなのか、それともミツキ先輩なりの優しさなのか。

 

……真相がどうであれ、ミツキ先輩の存在は私にとってかなり特殊な立ち位置にあると言う他ない。不思議な人。それが私からのミツキ先輩の印象であるし、それは今も出会った当初も変わらない。

 

別け隔てなく振りまく愛情やその無邪気さは、あまりにこの世界とは不釣り合いに映る。……その振りまいた愛情がどのような形で返ってくるのか本人が何も考えていないことはかなり大きな問題だが。

 

私にとって無償の愛というものは身に覚えのないものだった。私という存在はそんなものを与えられる立場ではなかったし、知る機会もなければ権利もなかった。私はそう作られていなかったのだから当然だ。

 

だから、最初は戸惑った。実際に私と対峙し、戦闘と対話の果てに私という存在を受け入れ共に過ごしたゲーム開発部や先生たちとは違う。ミツキ先輩にとって全くの他人だった筈だ。むしろアリスの中に存在する異物。それをどうして簡単に受け入れることができる。

 

なぜ私に構うのか、なぜ何も聞かないのか、なぜそこまで優しくしてくれるのか、湧き上がるように生まれる「なぜ」が尽きることはない。ただ、私がどんな「なぜ」を問いかけたとしても、「私がそうしたいから」「私はケイちゃんと仲良くしたいから」と返ってくることを既に経験で知っている。知っているから、いつしか私は「なぜ」を言わなくなった。

 

そしてついにはそれに対して「なぜ」とすら思わなくなった。まるでそれが最初から当たり前であったかのような……ふと、私がそうなっていたことに気付いたのはいつだったか。

 

きっと、それが空崎ミツキという人物なんだろう。ここまで様々な人からミツキ先輩が好かれる理由は、裏なんて一切ない心からの優しさがあるからではないか。ただそこにいるだけでいい、共にいることが当然だと思わせる何かがあるのではないか。

 

それは私にとっても同じだ。私をみんなと同様に扱い、優しく接してくれるミツキ先輩に感謝しているし、好ましい人物であると理解している。

 

「うりうりうり、ケイちゃんはかわいいねー」

 

……こういう部分を除けば。

 

「やめてください。これはそもそもアリスの肉体ですから私がかわいいわけではありません」

 

「ふふ、そうだねー」

 

「……そうだと言うのなら手を止めてください」

 

「えー?私はアリスちゃんをなでてるだけだし、そこに問題はないでしょ?ケイちゃんをなでてるわけじゃないしさ」

 

ああ言えばこう言う……。

 

「モモイにいかがわしいマッサージをし、ユズやミドリにも手を出しているミツキ先輩に問題がないわけがありません。近付きすぎてアリスに悪影響が出たらどうするのですか」

 

「悪影響って……ケイちゃんが私をどう思ってるのか本当に気になってきたんだけど……」

 

少しばかり言い過ぎたような気もしなくもないが、妥当な意見では?あれやこれやと節操なしに人に手を出すのだからそういう評価にもなる。どうせゲーム開発部以外でも似たような事をしていそうだし、少しは認識を改めて……

 

「そんなこと言う口はこれかー!」

 

「みゅっ」

 

……は?

 

「わー!すごいぷにぷに!」

 

「……」

 

……人の顔で何してるんだコイツは。普段はまともなくせにこういう時は知能指数が著しく低下する。常識というものを一瞬にして投げ捨てるボタンでもあるのか?

 

「かわいいー!」

 

あいふのひふはいほはひえわはひ(アリスのにくたいとはいえわたし)もはんはふはあうのへやへへふらはい(もかんかくはあるのでやめてください)

 

「えー?何言ってるのか分かんなーい」

 

チッ、無駄にいい笑顔をしやがって。どうしてこう人をイラつかせる才能があるのか。……こっちは抑えるのも大変だというのに。

 

「……やめてくださいと言ってるんです」

 

私の頬をずっと触っている腕を掴んで遠ざける。その腕に力は込められておらず、簡単に引き剥がせた。ソファに寝転んでいた姿勢から起き上がりそのままソファに座る。正面ではゲーム開発部のみんなと空崎ヒナがゲームをしているようで、珍しくモモイが優位に立っているらしい。……あんなことがあった後では当然か。

 

ふと隣に座るミツキ先輩を見ると、ミツキ先輩はゲームなんてそっちのけでただ私を見つめていた。

 

「なんですか」

 

「なんか前よりもケイちゃんと距離を感じるなーって思って」

 

「……気のせいでは?私は変わっていません。むしろミツキ先輩が他の人と距離が近すぎるんです。ミツキ先輩こそ以前より人との距離が無くなりましたね」

 

ミドリとユズは特にそれが顕著に現れている。あそこまで自分から接触しに行くようなことは無かったはずだ。もし、これと似たような現象が各地で起こっているとしたらかなりマズいのでは。

 

「そうかな……そうかも。私自身はあまり変わってない気がするし、みんなと前よりも仲良くなれてるってことかな」

 

仲良く、で済まないことになりかけてるということにどうして気付けないんだ。その無頓着さが自らの首を絞めているというのに。

 

「……いつか襲われても知りませんよ」

 

「最近は絡まれるのも減ったよ?みんなもいるし、気にしすぎじゃない?」

 

「そういうことでは……少なくとも軽率な言動は控えるべきです」

 

危機管理能力というのが備わっていないのだろうか。これはあまりにも……

 

「でも、何かあったらケイちゃんが助けてくれるでしょ?」

 

……どうして。どうして簡単にそういうことを口にできるんですか。一切こちらを疑っていない、信用しきったその顔で。

 

「……そういう事を控えろと言っているんです。ついに言葉も分からなくなりましたか?」

 

「え、えぇ……流石に辛辣すぎない?」

 

私の手で歪めてしまいたいと、その顔を見る度に膨らみ続ける、どうしようもないくらいに身勝手で汚らわしい感情を抑えるのも大変なんですよ?……ねえ、ミツキさん。

 

「私ケイちゃんに何かしたかな?その、怒らせちゃったりとか……」

 

眉をひそめおずおずと遠慮がちに聞いてくるその姿はまるで怒られる寸前の子供や、ペットのような小動物感がある。失言しないように視線をそらし無視を決め込んでいると、ミツキさんは私に近づき、腕にちょんと触った。思わず視線をそちらに戻すと、ミツキさんは顔色を窺うように上目遣いで私を見ている。

 

「その、なにか嫌なことしちゃったなら謝るし……してほしいことがあったらなんでもするから……」

 

……。

 

……あぁ、やっぱりこの人は何も分かっていない。私の警告も、その意図も、何もかも。……何も分かっていないから、「なんでもする」なんて簡単に言えるんでしょう?

 

ソファから立ち上がり、ミツキさんの前へ移動する。私の行動の意図が読めないのかミツキさんはただ私を目で追うだけで、特に行動を起こすことはない。

 

「ケイちゃん……?」

 

「……言いましたよね。軽率な言動は控えろと」

 

「う、うん。言ってたけど……」

 

トンっとミツキさんの肩を押せば、簡単に後ろのソファの背もたれに寄りかからせることができた。

 

「……どうしたの?」

 

状況が分かっていないのか動くこともせず目をパチパチとさせているミツキさんの足の上に跨り、顔の横に腕を伸ばして後ろのソファの背もたれに手をつく。ミツキさんの力じゃここから抜け出す方法なんてないのに、未だにその表情は大きく変わらない。あるのは少しばかりの困惑だけ。

 

……やっぱり、駄目だ。ここまでしても何も変わらない。変えられない。なら……もう……私が()()()()()()()……軽率な言動が何を引き起こすのか、自分がどれほど想われているのか、その身を持って理解させなければ……今から、このヒトを……

 

「いえーい!私の勝ちー!」

 

突然の大声にびくりと肩が震える。背後から聞こえてきた大きな声の正体はモモイだろう。なんて間の悪い……。

 

「……はぁ、今日はコレで許してあげます」

 

もう何かする気も起きなくなった私はさっきまでの思考もなにもかもを投げ捨ててそのまま目の前の人に抱き着く。

 

「??」

 

自分が何をされそうだったのかも理解しないまま、ミツキさんは私の背に手を回し頭をなでている。心地よいその温もりを感じながら、ミツキさんがこの手から離れないようにぎゅっと回した腕に力を入れた。叶うことなら、どうかずっとこのままで……。

*1
即落ち2コマ

*2
そりゃつれぇでしょ









ケイ、好きだよケイ。やっぱり私はアリスとケイが一緒にいてほしい。あのシーンも好きだけどやっぱり二人一緒にいてほしいんだ。この世界線ではケイがアリスの中で生存してます。だって私が好きだから。原作崩壊?うるせー!こんな変態がいる時点で原作もなにもないでしょうが!

ミツキはきっと嬉しかったと思うんです。「あまねく」が終わってもケイが今まで通りにアリスと共にいたのですから。あのシーンを知っているだけに、ケイにめちゃめちゃ構ったと思うんですよね。誰だってそーする。おれもそーする。

ちなみにケイが先輩呼びになったのは、自分の感情に気付いた後ミツキを傷つけないように距離を置くためです。まあその置いた距離どころか以前より近くなるくらいミツキが詰めてくるんですけどね。感情が高ぶるとさん付けに戻る模様。
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