ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
今はアリスちゃんと一緒にミレニアムを探索中である。冒険なんだって。かわいいね。あとは丁度いい長さの棒があれば完璧なんだが……ところでさ、ここどこ?何も考えずについてきたけどマジでどこだよ。ミレニアムのつくりとか知らんからアリスちゃんとはぐれたら詰むやんけ。
ゲヘナもそうだけど自治区が広すぎるんだわ。初心者に優しくない。待ってアリスちゃん!置いてかないで!置いてかれたら私帰れない!迷子センター送りになっちゃう!*1
「アリスちゃん、いろんなところに行ったけどあとはどこに行くの?」
「行く場所は秘密ですが、次の目的地が今日の冒険の終着点です!」
「そうなの?」
「はい!今日はミツキ先輩を連れて行く場所があるのです!」
「連れて行く……?」
「そうです!なんでもミツキ先輩に用事があるとかなんとか……今はミツキ先輩を連れて行くミッション中なのです!」
ドヤッて顔してるアリスちゃんもかわいいね。心なしか顔の周りにキラキラした星が浮かんでるように見える。くぅ、かわいい。こう、わしゃわしゃーってしたい。いっぱいなでなでしたい。
「今までの探索は?」
「それはデイリーミッションです」
「あ、そうなんだ」
デイリーこなしながらメインミッション進めるやつを現実でやるんじゃない。いや、ゲームでならそういうことやるけど。やるけどさあ……。他人がいる時にやるやつじゃないでしょうが。
まあ、散々言ってるけどアリスちゃんと二人っきりでお散歩できたので満足です!むしろありがとう!……ハッ!?これはデートなのでは!?アリスちゃんとのいちゃいちゃ冒険デート!!こんなん新婚旅行と同義だろ!!*2
「どこに行くのかは秘密なのかな?」
「そうです。ヒマリ先輩が秘密にしてと言っていました。サプライズ感がどうって……あっ」
あっ
「「……」」
「い、今のは嘘です。冗談です。私はヒマリ先輩も特異現象捜査部も知りません」
全部言ってるよ。筒抜けだよ。筒抜けすぎてもはやスケルトン仕様だよ。まあ目を逸らして吹けない口笛吹こうとしてるアリスちゃんがかわいいからオーケーです。天才美少女は後で慰めてあげよう。ねっとりとね。
「着きました!特異現象捜査部です!」
ついに隠そうとすらしなくなったアリスちゃんが扉を開くと、中から天才美少女がいつもの自信たっぷりな様子で語りかけてくる……こともなく、なぜかエイミちゃんにグチグチと苦言をこぼしていた。
「私はおばあちゃんではないと何度言えば分かるのですか?エイミ、貴方の目は節穴ですか?この超天才清楚系病弱美少女ハッカーを前によくそんなことを言えましたね」
おばあちゃん?何の話?どこからどう見ても天才美少女だが?美少女だが!?*3あ、エイミちゃんこんにちは。いつ見てもおかしいよねその服装。見てて心配になるよ。お腹壊しちゃいそう。暑がりなんだっけ?せめてお腹だけでも温めてもろて。
「……部長、2人とも来てるよ」
「へ?」
「アリス、ミッション完了です!」
「ヒマリちゃんとエイミちゃん、こんにちは」
私たちが来たことに気付いていなかったらしいヒマリちゃんはとぼけたような声を上げてこっちを見た。その顔はハトが豆鉄砲を食らったような表情で、なんか間抜けな感じ。いつも飄々としてるヒマリちゃんのそんな顔もいいねぇ!
でもすぐに切り替えていつもの余裕のある笑顔に戻った。少し口角がぴくぴくしててぎこちないけど。
「え、ええ、アリス、ミツキさん、ようこそいらっしゃいました」
「こんにちはアリス、ミツキ先輩」
ヒマリちゃんとエイミちゃんからの挨拶が終わり、アリスちゃんはとことこと部屋の中に入っていって適当な椅子に座った。その動き、慣れてるっぽいね。よく来てるのかな?そんなアリスちゃんを見て思い出したかのようにヒマリちゃんが呼びかけた。
「ああ、アリス、この机に置いてあるお菓子は好きに取って食べていいですよ」
「いいんですか!?ありがとうございますヒマリ先輩!」
「ふふ、礼には及びません。ミツキさんもどうぞ」
「ありがとうヒマリちゃん」
ヒマリちゃんの前にある机には様々なお菓子が並べられている。アリスちゃんは座った椅子からぴょんっと飛び降りてからとたとたとこちらにやってきて、私と一緒に机の上のお菓子を見渡している。
とりあえず……飴でいっか。別にお菓子食べに来たわけじゃないし。アリスちゃんは何にするんだろう。全然動いてないけど。
一切動いていないアリスちゃんが気になってふと隣を見れば、アリスちゃんは手をグーの状態から親指と人差し指だけ伸ばして顎に添え、覗き込むように腰から上を前に倒してむむむと真剣に悩んでいた。
かわいすぎない?なんなのこの子。お菓子の前で真剣に悩みまくるとかすごい幼い感じあってかわいすぎる!なで回してあげたい!お菓子いっぱいあげたい!くっ、やはりアリスちゃんは天使だったか……!私の家に来ない?お菓子いっぱい用意するよ?*4
アリスちゃんのかわいさに悶えながら2つくらい適当に飴を手にとると、アリスちゃんはようやく動き出してポテチやらチョコやらいくつかのお菓子を両手で掴み取っていた。満面の笑みで。ホワァーっ!何にするか決めたんだねぇ!すごい嬉しそう!かわいい!
「ミツキ先輩、こっちです!」
アリスちゃんに連れられて適当な椅子に座る。アリスちゃんは早速お菓子を食べるらしく、両手に持っていたお菓子を机に置いて開封し始めた。最初はポテチ食べるみたい。のりしお派なのかな?いいよね、のりしお。コンソメもうすしおも好き。ポテチ全般好き。
じゃあ私も飴舐めるか。袋をあけて口の中に放り込むとチープな甘さが口の中に広がる。飴玉を舌で転がしながら、車椅子(?)で私たちの方に近付いてきたヒマリちゃんに声を掛けた。
「ヒマリちゃん、今日は私に用があるんだよね?」
「あら、知っていましたか。……その情報はアリスからですね?まあいいでしょう。私は寛容な超絶美少女なので何も問題はありません」
「流石ヒマリちゃんだね」
「でしょう?まったく……どこかの誰かは私のことをおばあちゃんなんて言うのですよ?信じられませんよね?」
ぷんすこしてるヒマリちゃんもかわええな。両手を組んで「私不機嫌です」って態度と声色で同意を求めてくるの最高にヒマリちゃんって感じがする。
「そうだね。ヒマリちゃんはこんなに綺麗でかわいいのにね」
「そうでしょうそうでしょう。やはりミツキさんは話が分かりますね。この私の美しさを素直に認められるその姿勢は素晴らしいものですよ」
うーん、不機嫌そうな顔が一瞬でドヤ顔になった……どんどんテンションが上がっていく様子は流石としか言いようがないわ。こういうところがかわいいんだよな。もちろん普段からかわいいけどさ。いっぱい褒めてあげたくなっちゃう。
「私は事実を述べているだけですのに、みなさん何を意固地になっているのか素直に認めようとはしませんからね。私には事実を客観的に認めることができない方たちが理解できません」
「ふふ、ヒマリちゃんがかわいすぎるから仕方ないよ」
頬に手を当ててやれやれと少し大げさなリアクションをとっていたヒマリちゃんにフォローを入れると、ヒマリちゃんは口角を上げてそのままの姿勢で肩を揺らし、ついには口から笑い声が漏れ出した。
「ふふ、ふふふふふ……ええ、そうですね。私の超超超超超絶美少女っぷりに圧倒されてしまうのも仕方のないことなのでしょう。あぁ!美しすぎるのもまた罪なのですね!」
めちゃめちゃ調子乗ってるなぁ。なんか自分の体を抱きしめてるし……すっごい嬉しそうだし楽しそう。このスタンスすげーな。私にゃ無理、てか普通の人には無理だろ。これも才能ってやつか。羨まし……くはないかなぁ。見てるくらいでいいや。目の保養。
「……ミツキ先輩がそうやって持ち上げると帰った後が面倒だからあまりやり過ぎないでほしい」
調子に乗ってるヒマリちゃんの斜め後ろからこちらに近付いてきたエイミちゃんが心底面倒くさそうな態度で苦言を呈している。そんなエイミちゃんの一言が気に食わなかったのか、ヒマリちゃんは首だけを動かしてエイミちゃんの方を見た。
「この私が面倒?それはそれは、とんでもない思い違いではないでしょうか。私がいつエイミに面倒だと思われるようなことをしたのですか?」
「……この前ミツキ先輩が帰った後、急に寂しいですねとか言って遠隔でミツキ先輩のスマホに「えぇ、当然何もなかったですよねエイミ?清楚系美少女の頂点であるこの私がまさかそんなことを言うはずがないではないですか」……そうだね。もうそういうことでいいよ」
え!?実は寂しがってるの!?普段から自信満々なのに!?この子かわいすぎないか!?もっといっぱい構ってあげたくなっちゃうやろがい!!幸せにしてあげたくなる!!ヒマリちゃんかわうぃー!!ちょっと抱きしめていい!?なでなでしてもいい!?
……ん?
待って?これ言った言ってないの話じゃなくない?二人とも?問題点そこじゃなくない?もっとどデカい問題なかった?私に直接被害がありそうなことなかった?
ちょっと!私のスマホに何をしようとしたんだヒマリちゃん!めっちゃ気になる情報なんですけど!教えて!ねえ!変なもの勝手に入れてないよね!?私のスマホが急に怖くなってきた!ヒマリちゃんの科学力はもはや一般ぴーぽーには意味不明なんだからさ!手加減ってもんをさ!
「でもあまり変なことはしないでよ部長。止めるの大変だから」
「……当然分かっておりますとも。私は透き通った空のように美しく気高い心を持っておりますので、心配は無用です」
「……」
ヒマリちゃんの言い分にジトーっとした目で見ているエイミちゃんもかわええな。なんとなく気まずい感じの空気だったところに、さっきから無言でパリパリとポテチを食べていたアリスちゃんが切り込んできた。
「それで、結局ミツキ先輩を連れてきた理由ってなんですか?」
あああああああああ!人差し指と親指チュパチュパしてんのかわいすぎだろうが!なんか赤ちゃんが指咥えてるみたいな愛らしさがある!ポテチの粉付いちゃったんだよね!それ美味しいよね!わかる!私もよくする!*5
あ、ティッシュいる?うん、使っていいよ。アリスちゃんに使ってもらえてティッシュも嬉しそうだからね。……うん、でも一気に何枚も出すのはもったいないからやめようか。
「ふふ、お教えしましょう。と、言いたいところですが、それでは長くなってしまうので今回は置いておきましょうか」
「ただ会いたかっただけですよね」
……おっと?
「エイミが何か適当言っておりますがそんなことはないですよ。これには空より高く海より深い、そんなイチから話すのは大変面倒な理由がありますので」
「へえ、でも説明くらいできるでしょ?天才なんだし、長いんだったら話の要約くらいすればいいじゃん」
なんかエイミちゃんの当たり強くない?ここぞとばかりに攻めてない?あ、ヒマリちゃんの体がぷるぷる震えだした。少し頬も赤いし……。
「……ええそうですよ!悪いですか!?久しぶりに友人と会ってお話がしたいと思うことはいけないことですか!?」
うひょー!ヒマリちゃんから友人認定されてるぅ!やったぁ!幸せ!私もヒマリちゃん大好きだよー!この溢れ出す喜びを表現するには言葉だけじゃ足りない!その美しいお顔を間近で見つめながら抱擁し合うというのはどうだい!?私はいつでもウェルカムさ!
「別に?悪いなんて一言も言ってない。部長が勝手に怒ってるだけ」
「ぐぬぬぬぬ……」
ぐぬぬってちゃんと言う人珍しいね。遠慮なしに言葉をぶつけ合ってる感じ、二人とも仲良しで羨ましい。私も混ぜて!あ、でも二人に淡々と論破されるのは辛いな。口論になったら絶対勝てないし。私は別に口論には混ぜてほしくないや。仲良しになりたい。平和に。
「これはあれですね!喧嘩するほど仲が良いってやつですね!」
なんかキラキラした目で二人を見ているアリスちゃんがおる……そんな目で見るものではないと思うんだけど。仲良しだなぁってほっこりするくらいじゃない?キラキラするのは違くない?
「こ、これは喧嘩なのかな……?でも、仲が良くないとできないかもね」
「アリスたちもやりましょう!」
「え……?」
「アリスたちの仲の良さを二人に見せつけちゃいます!」
さっきアリスちゃん喧嘩って言ってたよね!?ちょっと!?アリスちゃんと喧嘩とか死ぬ!やめて!たとえ口論でも死んじゃう!アリスちゃんにグチグチ言われるの辛い!ぐぬぬ……か、かくなる上は……!
私はキラキラした目をこちらに向けてくるアリスちゃんの方向に体を向けて、椅子から立ち上がって両手を広げた。
「仲良しなのを見せつけるんだったら、そんな遠回りしなくてもいいんじゃない?」
な、なんとかなれーッ!!
仲の良さなら喧嘩とか口論なんていらないだろ!?そうだろ!?ね!?おねがい!平和にいこうよ!ぎゅってするだけでも仲良しアピールはできるでしょ!というかぎゅってしたい!アリスちゃんと抱き合いたい!
「……」
駄目か……?
すると、アリスちゃんは合点がいったようでぱぁっと嬉しそうに顔を綻ばせながら私の腕の中に飛び込んできた。
「たしかにこれが一番早くて効果的です!ミツキ先輩は天才です!」
な、なんとかなったーッ!!
アリスちゃんはぎゅーっと私の体を強く抱きしめている。そのせいで私たちの間の距離がほとんど無くて、ふつくしいご尊顔が目と鼻の先に!満面の笑みのアリスちゃんが視界いっぱいに広がっている!なんだこの幸せな時間は!私は今日死ぬのか!?
「アリス、ミツキ先輩とのハグ好きです!なんだかぽかぽかして自然と笑顔になっちゃいます!ミツキ先輩はどうですか?」
「私も好きだよアリスちゃん!」
うぐぁぁぁぁぁぁ!!かわいすぎるぅぅ!!アリスちゃんんんん!!大好きだぞー!!いっぱいなでなでしてあげるからな!!よーしよしよしよしよしよし!!
「わー!ミツキ先輩のなでなで!アリスのHPとMPが全回復です!」
ぎゃわいい!!
「ふふふふふ」
「……部長、顔が緩みすぎ」
「な、なにを失礼な!?まるで花を愛でるように美しく優しい笑みを浮かべている、の間違いでは!?」
「いや、だらしなかったよ」
「エイミ!」
ミツキは一切の誇張や建前もなく本心からヒマリを褒めてます。それが天才ヒマリには伝わってるのでどんどん調子に乗ります。それでもミツキは本心から好意をぶつけてきます。さらにヒマリは……といった感じなのでミツキといるときは大体機嫌いいですよヒマリ。あとうるさい。でもその反動でミツキと別れた後がすごい静かで寂しく感じるらしいんですよね。かわいいね。
ちなみにケイはアリスの中でミツキとのハグとなでなでを堪能してます。感触はあまり無いはずなんだけどね。アリスを通してじーっとミツキの顔見てます。
おまけ
アリスとミツキがやって来るほんの少し前、ヒマリは鼻歌を歌いながら机の上にお菓子を並べていた。それを見ていたエイミがぽつりと呟く。
「……なんだか部長っておばあちゃんみたい」
「な、なんてことを言うのですかエイミ!この私がおばあちゃんなわけないではないですか!私は超天才清楚系病弱美少女ハッカーなのですよ!?」
「じゃあ言い直したほうがいい?」
「ええ、もちろんそうしてください」
「"姪っ子を物で釣ろうとしているおじさん"で」
「エイミィ!?先ほどよりひどくなっていませんか!?私は美少女なのですよ!?」
「それはおじさんへの差別?」
「違います!差別しているわけではありませんがこの私を表現するにはあまりに……」
「……じゃあこの机に並べられたお菓子はなに?」
「なにとはなんですか!ただ私はミツキさんとアリスがここに来るということで幅広いジャンルのお菓子を準備していただけです!エイミのせいで部屋を暖かくできないので二人分のひざ掛けも用意してありますとも!」
「……おばあちゃんじゃん」
「!?」