ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
お、カヨコちゃんだ。何か手にビニール袋を持ってるみたい。こんなの声をかけるしかないなあ!ごきげんよう、今日も美しいご尊顔ですね。頬ずり、してもいいですか?*1
「カヨコちゃんこんにちは。どうしたの?その袋」
「……」
いやそんな「げ……」みたいな顔しないで?私と会いたくなかったとでもいうのか!そんな反応傷つくだろ!慰謝料を請求する!カヨコちゃんの羽をハムハムする権利をよこせ!時間は無制限だ!*2
「……カヨコちゃん?」
「はあ、猫のご飯だよ」
「猫ちゃん?」
「そう、少し離れた路地だけど、数日に1回は行くようにしてるの」
「ねえねえ、私も行っていい?私猫ちゃん好きなんだ」
「……まあいいけど、あんまり騒がないでよ?あの子達ビックリしちゃうから」
「うん!」
やったぜ!カヨコちゃんに着いていく許可を貰ったぞ!私は犬と猫だったら猫派なんだ。だってかわいいだるぉん?犬もかわいいよね。結局どっちも好き。というか動物全般好き。ただし虫を除く。特にG。G駆除専門家のヒナがいないと私生きていけない。Gが出るたびにヒナに泣きついてるんです。あればっかりは姉だからって意地も張れないっす。完全敗北っす。
「じゃあ行こうか」
普段は一人で行く路地だけど、今日はミツキと偶然鉢合わせてしまったから連れてきた。知らない人が来てあの子達が隠れちゃわないといいけど。
そう危惧しながらいつもの場所へ行けば、二匹の猫が隣り合って丸まっていた。かわいい。
「か、かわいい……!」
隣でミツキは大きな声を出さないようにしながら胸の前で両手を合わせて猫を見つめている。その目はキラキラしているように見えた。
「ねえカヨコちゃん、写真って撮ってもいいかな」
「好きにしたら?フラッシュとかシャッター音さえ気をつけてくれれば……」
「分かった!」
ミツキはポケットからスマホを取り出してあの子達から一定の距離を保って様々な角度から写真を撮っていた。少し緩んだ頬を見るによっぽど猫が好きらしい。……私も猫が好きだから、少し嬉しい。
「あ、猫ちゃん起きたよ」
「本当?……ふふ、また来たよ」
にゃーにゃー
目を覚ました二匹の猫は私の足元までやってきてこちらを見上げて鳴いている。……これ?そんなに袋が気になる?ご飯を持ってきたことに気付いてるみたい。
「少し待ってて。今ご飯の準備するからね」
すり寄ってくる二匹の体をなで、これからご飯の準備をしようと思ったその時、隣から小さな声が聞こえてきた。
「かわいい」
声が聞こえた方に顔を向けるとスマホを猫ではなく私に構えているミツキがいた。……油断した。隣にミツキがいるのを忘れてた。
「……ミツキ、それ後で消して」
「え!?や、やだよ……折角かわいいのに」
「はあ……連れてこなければよかったかも」
「後で送るね」
「いらない」
「えー……かわいいのに」
ぶつぶつ文句を言いながら猫にスマホを構えるミツキに警戒しながらご飯の準備をする。正直撮られるのは嫌だしミツキの意識を別のことに移してやろう。
「ミツキ、触ってみない?」
「!?」
猫の写真を撮ることに集中していたからか突然の私の言葉にビックリしたミツキが驚いた顔でこちらを見た。
「猫、好きなんでしょ?挑戦してみたら?」
「あ、え?……いいの?」
「そうだね、今ならご飯に集中してるしあんまりがっつかなければ大丈夫だと思う。ミツキにそこまで警戒してたら起きてすぐどこかに行っちゃってただろうし」
「じゃ、じゃあ失礼して……」
そうしてミツキは私が用意したご飯を食べている猫達にジリジリと近付いている。腕を伸ばせば手が届くかといったところで、一匹の猫が顔を上げた。
「あ……こ、こわくないよー?だいじょうぶだよ?ね?」
逃げられると思ったのか両手をわたわたと動かしながら猫相手に必死に弁明しているミツキ。なんだかそれがおかしく見えて、口角が上がってしまう。ミツキが猫の方を見ててよかった。
すると隣でご飯を食べていたもう一匹の猫が、一匹の猫とお見合い状態のミツキのもとへ近付いていった。
にゃー
「へ?猫ちゃん……ご飯終わったの?」
にゃー
「ど、どうしたの?何を伝えたいの?か、カヨコちゃん……」
こちらに振り返って困った顔で助けを呼んでいる。だが私はそれに応じずにただスマホを構えていた。
「あー!撮ってないで助けてよー!もう!」
「ふふ、ご飯は食べたし逃げそうな様子もないし、甘えたいんじゃない?」
「そうなのかな?……猫ちゃん、触ってもいーい?」
にゃー
ミツキの問いかけに分かっているのか分かっていないのか、鳴き声をあげている。ミツキはどうするべきか少し迷ったそぶりを見せた後そっと手を伸ばし、猫の目の前に差し出した。すると猫は差し出された手を数度嗅いだ後、ペロペロと舐め始めた。
「ふふ、くすぐったいよ?」
猫の方から接触してきてくれたことで緊張も解けたのか、もう片方の手で手を舐めている猫の顎をなでている。猫はなでられて嬉しいらしく舐めるのをやめ、目を細めてされるがままだ。舐められていた手が空いたミツキはその手を使って背や頭もなでていく。
「ふわふわで柔らかくてかわいい……!」
えへへと嬉しそうに微笑みながらなでる手は止まらないミツキに、さっきまでお見合い状態で置いてけぼりをくらっていた猫が近付き自分も自分もとすり寄っていた。
にゃー
「君もなでなでしてほしいの?ほら、なでなでー」
両手で二匹の猫をなでているミツキは幸せそうだ。
「ふふ」
猫とじゃれあって嬉しそうにはにかむミツキを見てると、ついこちらまで笑顔になる。微笑ましいものを見ているような、そんな感覚だ。
「カヨコちゃん、猫ちゃんってやっぱりかわいいね!……カヨコちゃん?あ、また撮ってる!」
「ミツキ、これ動画だよ」
「え!?も、もしかしてさっきからずっと?」
「ふふ、あたふたしてたところからずっとね」
「は、恥ずかしいよ……け、消して?ね?」
猫の魅力に取り憑かれたミツキは両手で猫をなでているためその場を動けない。その場で顔を赤くして消すようにお願いしている。それも撮ってるけど。
「さっきのおかえし」
「うー、ひどいよー……ね?猫ちゃん」
ごろごろごろ
撮られてることはもういいのか、猫の方に向いてなでることを楽しむことにしたらしい。流石に私もずっと撮ってるのは止め、スマホをしまってからミツキの隣まで歩いていった。
「その子達ミツキに懐いたみたいだね。もう喉を鳴らしてるし、猫とかのペットを飼ってたことがあるの?」
「ないよ?」
「そう?それにしてはなでるのが上手いというか……」
「なでなではよくやってるからね」
「誰に?」
「ヒナ!」
「……そ、そう」
聞かないほうがよかったかもしれない。私の中で出会ってもいないヒナのイメージが偏っていく。
「……カヨコちゃんもなでなでする?」
「!?わ、私はいい……」
なっ!?急に何を言ってるの!?
ミツキの方を見れば今もいい笑顔で猫をなで続けている。ついその手に目線が引き寄せられれば、なでられている猫がとろんとした目で寝そべりおなかを見せていた。
ごろごろごろ
「でもすごい気持ちいいよ?」
「……」
撫でられてる子達は気持ちよさそうだけど、出会ったばかりなのにおなかを見せて喉を鳴らすくらい気持ちいいんだろうけど……それでも年下に撫でられるとか羞恥心で終わる。現に少しだけ顔が熱いような気がする。ミツキの猫をなでる手から目が離せない。
「……私はいい」
「そう?猫ちゃんふわふわだよ?」
……。
予想外の言葉に少し固まった後、思わずミツキの顔を見たがさっきから変わらず穏やかな笑顔で猫を見つめていた。
……まさか、私の勘違い?
ごろごろごろ
「……カヨコちゃん?」
「……やっぱりなでる」
首を傾げるミツキを見ていると、なぜか急に恥ずかしくなってその後ミツキの顔をしばらく見れなかった。なでた猫はかわいくてふわふわで気持ちよかった。
「ミツキ、(猫を)触ってみない?」
!?なに!?なんなの!?カヨコちゃんお触りオッケーな感じなんですか!?どういうこと!?ついにカヨコちゃん側からウェルカムな感じなんですか!?
「猫、好きなんでしょ?」
……………………そっすね。好きっすよ。猫。うん。
ちなみにミツキはカヨコが優しい顔して猫をなでている写真をたまに眺めてにやけている。実はカヨコも今回撮った動画をたまに見返して癒されている。猫を見ているのか、それとも……?