ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
今日は当番じゃないのに先生に呼び出された。なぜだ、なぜなんだ。何もしてないのに……。まあ?どうせ女の子と会えるし?嫌なんて1ミリも思ってないどころかめっちゃラッキーだと思ってるけどね!!
「こんにちは」
"こんにちは、ミツキ"
ところで、女の子はどこですか女の子は。見たところ先生以外いないんですけど。まさか、まさかね?そんなことあるわけがない。生徒とパーフェクトコミュニケーションを取れる先生だよ?私を裏切るはずがないじゃん。*1
「先生、今日の当番の子はいないんですか?」
"あぁ、今はちょっとね"
『ちょっとね』?ちょっとってなに?ねえ、ちょっとってなに?
うおぉい!わざわざ来てやったのになんで誰もいないんだ!おかしい!こんなの詐欺だ!信頼への裏切りだ!訴えてやる!ヴァルキューレに突き出してやる!きっとカンナちゃんなら私の話を聞いてくれるもん!
「当番のお手伝いじゃないんですか?」
"そうだね、今日は違うかな"
じゃあ何のために呼び出したの?ゲヘナからシャーレまでって結構遠いんだよ?分かってる?女の子に会えるっていう素晴らしい点が無かったら普通わざわざ来ないからね?ねぇ、今から帰るよ。*2
"ミツキに会ってほしい人がいてね"
「会ってほしい人ですか?」
"ちょっと待っててね"
そう言って先生は部屋を出て行った。置いてくなし。
会ってほしい人とは?女の子かな?女の子だと嬉しいな。むしろそれ以外が想像できないから女の子だね。やったぜ。でもわざわざ別室で待機してて今から会うってどういうことだろう。普通にここで初顔合わせでもよかったんじゃない?引き延ばす意味を知りたい。
よく分かんないまま大人しく待っていると、先生の出て行った扉の先から軽めの足音が聞こえてくる。そうして見えてきたのは、とある少女の姿。
「あ、こんにちは」
真っ白でサラサラな髪の毛と、黒のかわいらしいカチューシャにおっきいリボン。そしてミレニアムの制服の上に羽織った上着に……に、ニーハイだと!?スカートとニーハイの間の絶対領域がまぶしい!!なんだいこのお人形さんみたいに綺麗な女の子は!?この子が先生の言っていた子かな!?
「……」
なにか喋って?
もしかして、これ挨拶スルーされてる?挨拶って受け取って素通りするものじゃないですよ?ドライブスルー感覚やめてね。アイサツスルーは相手の心を傷つけるんだよ。*3
返事もないしどうしたもんかと思って正面からまじまじ見てると、目の前のクソかわいすぎる罪を犯してしまった犯罪者は視線を斜め下に逸らした。
ハァァァン!?色白の肌と真っ白な髪の毛だから頬にほんのり朱が差してるのが映えますねぇ!!赤っぽい瞳もカンペキだ!!なんだ!!なんだこの美少女!!こんな美少女僕のデータに無いぞ!!*4先生!!どこにこんな美少女を隠してやがったんだ!!ズルいじゃないか!!
「……ん?」
……あれ??なんか、よくよく見たら、この子の特徴的な瞳見たことある気がするぞ???アレ????
ま、まさか、この圧倒的ツンデレ美少女感漂う女の子の正体って……!!
「……ケイちゃん?」
「っ……ど、どうも……ミツキ先輩……」
まさか当てられるとは思っていなかったのか、ケイちゃんは名前を言われた瞬間ピクリと反応し、その後おずおずと会釈した。
な、ナニィッッ!?!?なんで!?どうして!?いつの間にケイちゃんが自らのボディを手に入れていたのだ!!どうして誰も教えてくれなかったんだ!!おかしい!!こんなのおかしい!!
ゲーム開発部は除くにしても、C&Cとか特異現象捜査部とかと同じくらいには仲良くしてきたつもりですけど!?そんな私に報告も何もないなんて!!み、ミレニアムじゃないから!?ミレニアムじゃないからアイツはハブろうぜ、ってこと!?こんなの差別だ!!イジメだ!!
しかもあの先生の口振り、先生も知ってたってことでしょ!?全員で私をハブいてケイちゃん周りのイベントを終わらせてたんだ!!全員で何も知らない私のことを嘲笑ってたんだ!!
ひ、人の心とかないんか……?泣くで?
「……み、ミツキ先輩?」
うっ、ううっ……ケイちゃんの声って素晴らしいですね。ケイちゃんの心配そうな顔ぺろぺろしてもいいですか?*5とりあえず抱きしめるしかないよなァ!!
「ケイちゃーん!」
「ちょっ、ミツキ先輩!?」
あー!ケイちゃんだぁ!この反応はケイちゃんだぁ!
「ケイちゃん!かわいいよケイちゃん!」
いつの間にこーんなかわいいボディ手に入れちゃってぇ!たーくさんなで回してやるもんね!ハッ!?今ならケイちゃんの匂いが堪能できるのでは!?アリスちゃんではなく、ケイちゃん由来のかほりが楽しめてしまうのでは!?
「あーもう!暑苦しいです!」
そう言いつつも心優しいケイちゃんは私を突き放さないのだ!これが優しさ、これがケイちゃんの魅力……くっ、やーらーれーたー!*6
「ケイちゃん、本当にかわいいよぉ」
もう全力でぎゅーっと抱きしめちゃうもんね!頬擦りまでしちゃうもんね!ケイちゃんのすべすべほっぺたの感触を私のほっぺたで堪能しちゃうもんね!
「な、なんなんですかあなたは!いつもそうやって無遠慮にボディタッチを……!」
あぅ、スリスリしてた顔押しのけられちゃった。私のボーナスタイムが……でも抱きしめたままだし!私が満足するくらいケイちゃん成分を摂取するまで離れないからな!*7
「……ミツキ先輩は以前会ったときから何も変わっていないですね」
そんな呆れ顔しなくてもよくない?それに、変化のないつまらない女じゃないぞ!
「私はケイちゃんのこと前よりもーっと好きになったよ?」
「すっ……!?」
あ、ほんのり赤いくらいだったほっぺが真っ赤になっちゃった。とってもKAWAIINE☆
「ば、馬鹿なんじゃないですか!?す、好きとか、そんな簡単に言って……!」
そんな勢いよく抗議しなくてもよくない?こんな近くにいるのに大きい声で馬鹿とか言われるの傷つく。美少女相手だから特に。悲しいね。ケイちゃんはこんなにもかわいいのにね。
いいもん、勝手にケイちゃん愛でるし。その陶器のように透き通ったふつくしい肌にお触りしちゃうもんね。さっき頬擦りしたときもすべすべだったし、もっと楽しんじゃうもん。魅力的すぎるケイちゃんが悪いんだぞ。
ふしゃーって威嚇してる猫ちゃんみたいなケイちゃんの頬へ右手を向かわせる。そして、そっと手のひらを頬に添えた。
「ひゃんっ」
「ひゃん……?」
な、なに?どうしたの?急に甲高いカワイイ悲鳴が聞こえてきた気がするんだけど。え?ケイちゃん耳とか首まで真っ赤なんだけど。ナニコレ、萌えパワーで私を殺そうとしてる?
「べ、別にくすぐったかったとかそういうのではありませんから……少し驚いてしまっただけで……」
そう言いながらケイちゃんは目線を逸らしていく。
くすぐったかったのかぁ……あ、手のひらは頬に添えたけど、小指とかが首に触れてるなぁ……へー……ふーん……おっと小指が滑ったァ!!
スリ……
「ひゃぁっ!?なっ、なにするんですか!」
やべぇっ!!かわいすぎる!!目をまんまるにして体がビクッて跳ねるの超絶かわいい!!新しいかわいさを会得しやがって!!もちろん楽しませていただきたく!!
「なんでもないよ〜?」
スリスリ……
「やんっ……じゃなくて!わざとやってますよね!?そっちがその気なら私もこちょこちょ攻撃しちゃいますからね!」
「こちょこちょ攻撃かー、ふふふ、怖いなー」
かわいすぎんだろ!!あのケイちゃんの口から『こちょこちょ攻撃』ですって!?あざとすぎる!!ただでさえ存在があざといのに!!
「こ、この……!」
ケイちゃんのかわいさに口元が緩み、そりゃあもうニッコニコになっていると、パチリと、ケイちゃんと目が合った。
「っ……」
「ふふ、どうしたの?」
「……いえ」
およ?反撃のこちょこちょ攻撃はしないのかな?ケイちゃんは気分屋さんなのかもしれない。それとも、自分自身の『こちょこちょ攻撃』のかわいさを自覚したのかな?もっとそういうのやっていいよ?
さっきまでの怒りはどこへやら、なぜか大人しくなったケイちゃんにハグを続けていると、ケイちゃんはポスンと私の肩に顔を埋めた。
「け、ケイちゃん?」
「……なんですか?」
「い、いや、なんか珍しいなって……」
ケイちゃんの方からこうやって甘えてきたことあったっけ??いったいどうしたんだ、あのケイちゃんが……。
「……私だって……私だってたまには甘えたっていいじゃないですか」
ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛!!!!!!!キ゛ャ゛ワ゛イ゛イ゛!!!!!!!
「うぅ……!!かわいいよケイちゃん!!いっぱい甘えていいからね!!いっぱいなでなでするからね!!」
うんうん!!誰もいないしケイちゃん独り占めだぁ!!ありがとうケイちゃん!!ありがとう先生!!今日という日に感謝!!誰もいないからこそケイちゃんがこうして甘えてくれ――
「あのケイが甘えてるよ!」
「あんなに幸せそうなケイ初めて見ました!」
「ケイちゃん、良かったね」
「いいなぁ……」
"……ふふ"
――ん?
なんか、ケイちゃんが入ってきた扉の奥に居るなぁ。見覚えのある子達と大の大人が顔を出してる姿が見えるんだけど。
これ、無視していいのかな。ケイちゃんに後から『見られてると気付いていたのなら教えてください!』みたいな感じで怒られない?折角甘えてくれたのに怒られるのやだよ?そ、それとなく伝えた方がいい?
「……ミツキさん?どうかしたんですか?」
「け、ケイちゃん、あの、扉に……」
「……はぁ、結局来たんですか」
わぁ、声がちべたいよぅ。かわいーく甘えてきたときとは大違いだよぅ。みんな、強く生きて。ケイちゃんの怒りからは逃れられないよ。私は祈っているからね。
すると、ケイちゃんは私の肩に顔を埋めたままぎゅっと私を抱きしめた。
「……ばか」
「へ?」
そして、パッと離れて背中を向けたケイちゃんは扉の方へ歩いて行く。
「ちょっとあそこにいる愚か者達に制裁を加えてきますね」
「あ、うん」
……な、なんか今、すっごくかわいいケイちゃんがいた気がする。なんだろう、そういうのやめてもらっていいですか?死にかねない。というかほぼ死んだ。
ユズちゃんを置いて一目散に走って逃げる四人をケイちゃんは追いかけていった。すごく速い。
……ユズちゃんは?ユズちゃん放置?一緒に逃げてあげるとか、逃げる時に声をかけてあげるとかなかったの?ひどくない?かわいそうだよ。ユズちゃんおいで。
ちょいちょいと手招きすると、ユズちゃんはきょろきょろと周りを確認してからトコトコとこちらにやって来る。そこをすかさずゲット!ユズちゃん、ゲットだぜ!頭なでなでしちゃお~!
「ユズちゃん、ここでみんなを待ってよっか」
「は、はい……えへへ……」
あーーー!!ふにゃりとした笑顔は反則です!!ユズちゃんカワイイヤッター!!
おまけ
「ね、やっぱミツキなら今のケイでもケイって分かるじゃん。ケイも変な所で馬鹿だよねー」
「ケイは心配性なんです!いっつもアリスのことを心配してましたし!」
「それとはまた別な気もするけど……」
「ぎゅーってしてもらってる……」
"ケイの心配は杞憂だったね"
「ケイってこちょこちょ弱いんだ!いいこと知った!」
「新しいボディだからこその発見ですね!」
「いや、アリスちゃんの体のときからそういうの弱くなかった?」
「ほっぺすりすり……なでなで……」
"二人とも仲良いねぇ"
「あ、ミツキにバレた」
「ケイと何か話してるみたいです」
「ね、ねえ、これマズくない?見てることがバレたってことは……」
「……ケイちゃんいいなぁ」
"うーん、ケイこっち見てない?"
「「「あ」」」
「……え?あれ?みんな?ケイちゃん?……あれ?」
普段から誰彼構わず愛でまくるクセに、珍しく自分から甘えてる時に限って周囲に意識が向いてしまっているクソボケ。お前そういうとこやぞ。
あまりにもケイ実装が衝撃的すぎたので、つい今回もお絵かきしてしまいました。
【挿絵表示】
キャラのことを考えて下書きしなかったせいで、というかケイを中心に全てを決めてしまったせいでミツキの角も羽根も入らないとかいう特大ガバが発生したけど、まあ大丈夫だよね。