ゲヘナ最強の双子の姉 作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。
ケイとアリスに石を全て持っていかれたってのにさ、なんでそういうことするのかな。もう、プレナパテス先生のカードを砕くしかなくなっちゃったよ。
課金するには、必要な石が多すぎる……まさか、スルーせざるを得ないのか……?ユズ、めっちゃ欲しい……ユズ……10連で当たらないかな……この小説を見てる人達の運を吸収してでも引き当てたい。
いいよね?喜んで運を献上してくれるよね?
「ねぇ、ユズちゃん」
「ど、どうしたんですか?」
「なんで私ケイちゃんに睨まれてるんだろう。私何かしたかな、ユズちゃんは分かる?」
「え……あ、その……」
「分かるんだ……」
なぜかケイちゃんから親の仇でも見るかのような視線を浴びているんだけど。どうして?私はただユズちゃんを甘やかしてみんなを待ってただけなのに。みんな帰ってくるの遅いからソファでユズちゃんを足の上に乗せて後ろから抱きしめてただけなのに。
ユズちゃんはなんでこうなってるのか分かってそうなんだけどなぁ。教えてくれてもいいのよ?
「ミツキはこれだから駄目なんだよ!こんなの私でも分かるよ!」
「そうなの?」
「こんなの簡単じゃん!ケイはしっt――ハグアァッ!?」
うわぁぁ!?モモイちゃんの脇腹が!!今えげつない速度でケイちゃんの拳がモモイちゃんの脇腹を捉えてた!!女の子が出しちゃいけない声が聞こえてきたんですけど!!
あぁ、モモイちゃんがその場に蹲って……物言わぬ骸に……。*1
「やれやれ、ミツキ先輩は乙女心が分かってないですね!さっきまで自分が甘えていた相手が別の女の子を甘やかしてたらしっt――グエェッ!?」
アリスちゃんんんんん!!こ、今度はアリスちゃんの脇腹が!!アリスちゃんのそんな悲鳴聞きたくなかった!!
あぁ、アリスちゃんまでその場に蹲って……物言わぬ骸に……。*2
「"……"」
あ、ミドリちゃんと先生がケイちゃんから一歩離れた。そんなに脇腹殴られたくないの?お揃いだね、私も嫌だよ。もしかして私もアレやられる?ま、まさか、まさかね……。
「ゆ、ユズちゃん?」
「あ、あ、ゃ、わた、わたし……」
ユズちゃん!?なんかすごい震えてるよ!?大丈夫!?
「はぁ、落ち着いてください。別に変なことさえ言わなければ危害は加えませんから」
「よかったねユズちゃん」
「うぅ……」
「……」
だからケイちゃんはなんでそんなに睨みつけてくるんだ。私のユズちゃんが怯えちゃうからやめてね。
私?私にはユズちゃんのもふもふな髪の毛があるから何も怖くない!ユズちゃんの芳醇なかほり!膝と胴体に触れているぬくもり!安心感と幸福感が私を包み込んでいる!私の腕にユズちゃんのおててが添えられているのもグッドポイント!
ユズちゃんを抱き枕にして一緒にお昼寝したい。ヒナとは違う心地良さがあるよね。というかゲーム開発部のみんなと一緒にお昼寝したい。幸せ空間だ。
"ミツキ、ミツキはどうしてこの子がケイだって気付いたんだい?"
はぁ?そんなん簡単だろうがよ!あんな特徴的な瞳を忘れるやつがあるか!それにこの圧倒的かわいさ、見た瞬間ケイちゃんだって思ったね!先生は分かんないだろうけどな!……いや、先生なら普通に気付きそうだな。キモ。*3
「どうしてって言われても……ケイちゃんと同じ目だなぁって思って」
"目……?ふふ、普段からケイのことをよく見てるんだね"
「もちろんです」
"だって、よかったねケイ"
「ぅ……」
ケイちゃんに話しかけた先生の視線に釣られてケイちゃんの方を見ると、ケイちゃんは視線を逸らして頬を赤く染めながら口をもにょもにょと動かしていた。
な、なんだ……?か、かわいさで人を殺そうってのか……?なでさせろよ!その頭をわしゃわしゃさせろ!私がユズちゃんを膝に乗せてて動けないからって好き放題しやがって!
今私が自由の身だったら思いっきり抱きしめてそのおでことほっぺたに口付けしてやるのに!ちゅっちゅしまくってやるのに!*4
「ミツキ〜……ケイが暴力ケイヒロインになっちゃったぁ〜……」
「別に上手くないよお姉ちゃん」
死の淵から蘇ったモモイちゃんはふらふらとこちらにやってきて、私の隣にポスンと腰掛けた。そして、脱力してこちらの肩に寄りかかってくる。
なんだい?ケイちゃんの代わりにモモイちゃんにちゅっちゅしていいのかな?*5ユズちゃんのおててを振り払うなんてできないから今はなでなでしてあげられないけど、かわいいかわいいモモイちゃんには頭すりすりで愛情表現をしてあげよう。
「むむ、ミツキ先輩!そういうところです!そういうところがケイの心を揺さぶ――危ないっ!?」
「チッ、避けられましたか……」
「ケイ!遠慮が無くなったのは嬉しいですが、すぐ手を出すのは違うと思います!アリスはケイのためを思って!」
「私のためを思うのなら静かにしててください!」
なんだろう、アリスちゃんとケイちゃんがイチャイチャしてる……ファンサかな?こうして二人の絡みが見れて嬉しいよ。ユズちゃんで視界の半分くらい見えてないけど。
「ふふ、なんだかずっと昔からこうだったような気もしちゃいますね」
ん?いつの間にかモモイちゃんの反対側にミドリちゃんが座っておるな。忍者?気配が全然なかったよ?
「二人のこと?」
「はい。なんというか、ケイちゃんはずっとアリスちゃんと一緒に居たのに、二人に分かれても違和感が無いと言いますか……そもそもゲーム開発部は私とお姉ちゃんとユズちゃんだけだったなんて、とてもじゃないですが信じられなくて」
わ……なんか、すっごくいい表情してる。穏やかないい笑顔だね。かわいいね。きれいだね。
「すっかり馴染んでるもんね。みんな仲良さそうで良かったよ」
「ミツキさんも……」
ん?
「ミツキさんも、もっと、私たちと仲良くしてくださいね」
あーもうかわいいなぁ!いい笑顔のまま私の方を見るんじゃない!ドキッとしちゃうやないかい!あーっ!私の腕に抱き着いてくるのはズルいと思います!腕が動かせないのを見越した上でやってるじゃん!よくないよそういうの!なでなでさせろぉ!かわいいを一方的に押し付けてくるなんて卑怯だ!
「もうミツキとは十分仲良いんじゃない?ほぼゲーム開発部の一員みたいなものじゃん。ねー、ユズ」
「で、でも、あんまり頻繁には会えないし……もう少しでも仲良くなれたら、う、嬉しいです……なんて……」
ハァ?そういうこと言っちゃう?私の膝の上で?そんなかわいいこと言っちゃう?これ、もっと甘やかしてもいいって遠回しに言ってるよね?
いいんだよ?今は後ろ向きだけど正面から抱きしめて全身なで回してもいいんだよ?ユズちゃんが「あぅあぅ」してても愛で続けたっていいんだよ?危機感が足りてないよね。自分の魅力を理解しなさい。
ミツキを中心にしてくっついている三人に気付いたアリスは、ケイから意識をそちらへ向ける。すると、ちょうどユズのかわいらしいお願いが耳に入ってきた。
「はっ!ケイ!これはマズいです!」
「アリス……?」
「ユズの戦闘力が高すぎます!それにモモイとミドリにも出し抜かれてますし、このままだとケイは敗北者になってしまいます!」
「アリス、そんなに殴られたいのなら正直にそう言っていいんですよ?」
「そんな敗北者一歩手前のケイに、アリスからいいことを教えてあげます!ほら、アリス達も行きましょう!」
「あ、アリス、何を……?」
ケイの手を引っ張りながら、アリスはソファの後ろに回る。そこからは四人の後ろ姿が見えた。そして、ミツキの真後ろに移動したアリスはミツキを指差した。
「はい!どうぞ!」
「それは、どういう……?『どうぞ』では分かりません。説明が足りていないのでは?」
「じゃあアリスがお手本を見せてあげます」
そう言って、アリスは上体を傾けて後ろからミツキの体の前に手を回して抱きつき、後頭部に顔を埋めた。
「なっ!?アリス!?」
「ふふふ、アリス、ミツキ先輩の髪の毛好きです!もふもふしてていい匂いです!」
すりすりと満足そうに顔を擦り付けるアリスに対し、ケイは驚愕の表情。なんなら一歩後退りしていた。
「ふふ、アリスちゃんに喜んでもらえて嬉しいよ〜」
「ミツキ先輩、ケイもいいですか?」
「もちろんいいよ」
「ほら、ケイもどうぞ!」
「っ……い、いえ、それは流石に……」
「いいんですか?じゃあミツキ先輩は私達で独占しちゃいますね」
「……」
ケイの目の前には、ミツキの膝の上でお腹に手を回してもらっているユズ、ミツキの肩に寄りかかって寛いでいるモモイ、ミツキの腕に抱き着いているミドリ、ミツキの後頭部に顔を埋めるアリスがいる。それを一歩引いた場所で見ていることしかできない。
そんな四人に囲まれている人物は、それはまあ幸せそうな表情をしていた。
「……す」
「ケイ?」
「わ、私も……やり……ます」
「ケイ!もちろんいいですよ!」
アリスはミツキから離れ、急かすようにケイの肩をグイグイと押す。アリスに押されてミツキの後ろに辿り着いたケイはゴクリと生唾を飲み込み、そっとミツキの肩に手を置く。それだけで、たったそれだけで心臓の鼓動はバクバクと激しくなる。
「み、ミツキ先輩、いいんですか……?」
「うん、いいよー」
気の抜けたような返事で許可をもらったケイは、ゆっくりと顔を近付けていく。そして、ついにミツキの後頭部に顔を埋めた。
「ケイ、どうですか?」
「……」
「ケイ?」
「……」
アリスの問いかけにケイは応えない。目を瞑り顔を埋めたまま微動だにしないが、肩に置いた手はその肩をぎゅっと握っている。
そんなケイの姿を、ミツキとユズ以外の全員が見守っていた。
ケイちゃんが動かなくなっちゃった。少しの時間が経った後、みんなは私から離れて楽しそうにケイちゃんを見ている。先生とか満面の笑みなんだけど。ちょっと怖いよ。
「ケイちゃん、そろそろ……」
斜め後ろに手を伸ばしてケイちゃんの頭をポンポンと優しく叩く。すると、ケイちゃんは私の肩に置いていた手を体の前に回して抱き着いてきた。
「ん……」
わーーーーい!?!?!?きゃわいいねぇ!!とっっってもきゃわいいねぇ!!ケイちゃんのデレだと!?甘えるの上手すぎだぞ!!私の胸がきゅんきゅんして心臓発作を起こして死んでしまう!!
とりあえずポンポンした手でそのまま頭をなでてあげよう。
「ケイちゃんかわいいねぇ」
「ん……」
後ろに目が欲しい!!第三の目が欲しい!!どうして人間は前しか見ることができないんだ!!人体の欠陥だろ!!ケイちゃんが見えないよぉ!!私のケイちゃんが見れないなんておかしい!!
「ん……?手……?」
(ミツキさんは身動きが取れなかったはずでは……?なら、この手は……)
ふとした疑問と共にケイは目を開けた。すると、左右に見えていたはずのモモイとミドリが見えない。思わず顔を上げると、自身とミツキの正面にはゲーム開発部のみんなと先生が立っていた。
「っ!?!?!?」
ボッと顔中真っ赤になるケイの姿に、よりいい笑顔になる面々。ミツキはケイが離れたことで、ようやく後ろを振り向くことができた。
ケイちゃんかわいすぎだろ!!照れケイちゃんとか破壊力高すぎ!!こんなの一日に何度も摂取していいものじゃないですよ!!用法用量を守らないと死んじゃうやつでしょこれ!!
「ずいぶん楽しんでたね〜、ケイ?」
「ケイもミツキ先輩の匂いが好きなんですね!アリスとお揃いです!」
"ちゃんと写真も撮っておいたから安心してねケイちゃん!"
「なっ、なっ、なっ……!!」
あ、ケイちゃん暴れだしそう。また鬼ごっこになっちゃうよ。でもなぁ、私はもう少し新しいボディになったケイちゃん甘やかしたいんだよなぁ。行かないでほしいなぁ。
「ケイちゃんケイちゃん」
「っ……な、なんですか!?」
「もう少し一緒にいよ?」
「うっ……!?で、ですが……」
「さっきは中途半端だったし、今もあまり構ってあげられなかったしね」
「……」
チラチラとみんなの方を見てますねぇ。悩んでますねぇ。ふふ、今のケイちゃんが甘えん坊さんなのは把握済みなのだ!ほら、膝枕とかしてあげるから!ね!
ポンポンと太ももを叩くと、ケイちゃんの顔はすんごい歪んだ。なにその表情。膝枕は嫌だった?
"……みんな、私達はそろそろ当番の業務に戻ろうか"
「そうですね」
「は、はい」
「ちぇー、仕方ないなぁ」
「アリス、ケイの分もお仕事頑張ります!」
およ?みんなぞろぞろとお仕事するデスクの方に行っちゃった。気を遣ってくれたのかな。優しいね。
「……今回だけ、見逃してあげます」
ぼそっと何かを呟いたケイちゃんは、ソファの後ろから前に回り込んで来て私の隣に腰を下ろした。その顔は今もほんのり赤い。そして、私の太ももにポスンと頭を乗せて寝転がった。
「……本来なら私も当番があるのですが、ミツキ先輩のわがままに付き合ってあげます」
「ふふ、ありがとねケイちゃん」
結局、みんなの当番の業務が終わるまで私とケイちゃんはゆったりと二人の時間を過ごしていた。
もちろん先生は今回のデレケイちゃんをアロナに動画撮影させています。もちろんね。
私もゲーム開発部に四方を囲まれたい。絶対いい匂いするしあったかそう。
ちなみに、今後のケイは新ボディかアリスの中か、お話によって都度変化します。理由?アリスの中にいるケイもかわいいからだ!異論は認めない!