Blue Archive vol.AGITΩ 作:mukugawa
補習授業部が真の意味で一つになったおかげなのか、コハルとアズサの成長は大きく加速していた。
二回目の模擬試験では、二人とも合格点には届かずとも、それまでのスコアを大きく更新することに成功。
この調子なら、二次試験を無事に受けることができれば全員合格も夢ではないだろう。
そんなこんなで今日も夜の勉強を終えて眠りについた俺は、再びセイアの開いたお茶会の中にいた。
「時にテツヤ、私は真理に辿り着いた」
──バンッ。
「真理?」
バンッ。
「ああ、これは万物に適応できる真理……即ち、パワーだ」
──バンッ。
奇妙な光景が広がっている。
セイアはいつもの白い服装に身を包んだまま、両手にボクシンググローブを身に着けて、トレーニング中のボクサーのように宙から垂れ下がったサンドバックに向けて何度も拳を放っていた。
なんで?
「その世紀末の蛮族みたいな発想はどこから得たんだ?」
──バンッ!
「無論、君からだ。ハナコも君の力を存分に活かした作戦を考え付いたようだしね」
──バンッ!
「そもそも私が襲撃を回避できる力を持っていれば、こんな事態になってはいないからね。アリウスをこの手でぶちのめす力さえあれば、ややこしい事態にならずとも済んだのだから!」
──バンッ!
いい加減、サンドバックに打ち込む手を止めてほしい。
話したいことは色々あるんだが、
──バンッ!
……気が散る。
「そろそろ休憩にしたらどうだ? というか、夢の中で特訓しても意味ないだろ」
「それがそうとも言えない」
「?」
「私の力は君のアギトの力に触れたことにより変異したようでね。『ドリームラーニング』と呼ぶべき力に目覚めたのさ」
ドリームラーニング……夢学習?
文字通りの意味ならば、夢の中の経験を現実にフィードバックすることができるということか。
「でも、それって現実に疲労も持って帰るってことじゃあ……」
「それがネックでね。まあ、起きたとしてもミネが運動を禁止しているから、私は部屋に閉じ込められたままだ。筋肉痛になったところで問題はないさ」
なんとも悲しい理由である。
表立って姿を見せることができないとはいえ、一つの部屋に押し込められているとは思っていなかった。
ストレスも相当溜まっているだろう。
ならば、夢の中くらいは自由にさせてもいいかもしれない。
「ところで話は戻るんだが、私は君の策に賛同している」
「俺の策?」
「本拠地に乗り込んで敵の首魁を倒すというヤツだよ、忘れたのかい?」
「ああ、そんなこと言ったな……」
冷静に考えてみれば策とも言えない力によるゴリ押しである。
言い出したのが自分だからなお恥ずかしい。
俺もハナコみたいな知力を張り巡らせた策を思いつきたいが、所詮一般育ちの俺には考えるにも限度というものがある。
ハナコにもし、アギトの力があったら今以上にとんでもないことになってそうだが。
天は人に二物を与えずとはよく言ったものである。
「私は君の力に触れ続けてきた唯一の生徒だ。だからこそ、君の秘めているポテンシャルを理解している。この世界で本気になった君に敵う者はいないとね」
喜んでいいのだろうか。
セイアはお世辞を言うタイプではない。
皮肉は言うが、今のは間違いなく本心からの言葉だった。
この争いだらけのキヴォトスでは、確かにアギトの力は重宝する。
というか、アギトの力なしにやっていける自信はない。
そう思えば、俺よりも予知夢によってキヴォトスを見続けてきたセイアの言葉に俺は喜んでもいいのではないか。
俺の力はこのキヴォトスで役立つと太鼓判を押されたのだから。
「まあ、いずれ君の力が必要になるときは来る。ハナコは使える駒は全て使って盤上を制圧するタイプだからね。それまでは英気を養うといい」
セイアはそう言うと手の一振りでサンドバックとボクシンググローブを消す。
そしていつものように椅子へと座り、俺を手招きするのだ。
「さあ、今日も君の話を聞かせてくれ」
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アビドスでの経験をそのまま話しただけなのにセイアは何故か満足そうだった。
その後、軽くセイアのスパーリングに付き合わされたあとに夢の時間は終わったのである。
「なるほど。テツヤ君は夢デートを……」
「デートじゃない。暇つぶしに付き合っているだけだ」
「男女が一緒に仲睦まじくお茶会は間違いなくデートだと思いますよ?」
俺はハナコの発言を聞き流しながら、コハルの面倒を見ている。
「夢の中で二人っきり……エ」
「エッチじゃない。いたって健全な付き合いだ。あと、そこの公式間違えてるぞ。このままやったら答えがとんでもない数値になる」
相変わらず妄想力の高いコハルの戯言を一蹴する。
本当になんでもかんでもエッチに結びつけるのは止めてほしい。
ただでさえ美人が多いから、そういうことを考えないように必死に頑張ってるのだ。
言いがかりも甚だしい。
「エッチじゃないの……?」
「何でガッカリしてんだよ。エッチの方がいいのか?」
「そ、そんなわけ……ないじゃない」
コハルも嘘が下手くそだ。
同年代の男子学生並みにエッチなことに興味があるのを隠しきれていない。
俺は知っているぞ、勉強の合間の休憩中に明らかにアッチの雑誌を読みふけっていたことを。
俺を死刑というならば、真っ先にお前を道ずれにしてやるからな。
「そういえばテツヤさん。合宿所のポストにお手紙が入っていましたよ」
「手紙?」
ヒフミさんから白い便箋を受け取る。
所々に鳥のモチーフが描かれた、ちょっと高級感がある便箋だ。
差出人の名前には、歌住サクラコとある。
聞き覚えのある名前ではない。
「サクラコさんですか……」
「知っているのかハナコ?」
「シスターフッドを率いている人物です。黒い噂が絶えない人ですね、(´∀`*)ウフフ」
え、こわ。
そんな人がいったい俺に何の用があるんだろうか?
ハナコが笑いながら言っている辺り、本当にただの腹黒というわけではなさそうだが。
とりあえず手紙を見て見よう。
便箋の中に入っていた手紙は、非常に綺麗な筆跡だった・
『わっぴ~、新条テツヤ様』
……わっぴ~?
奇怪な始めの言葉に動揺しながら、俺は手紙を読み進める。
『トリニティの生活はいかがでしょうか。アビドスから来たあなたが、快適な環境で過ごせていることを願っています。さて、この手紙を送った目的なのですが、実はあなたに直接会ってお話したいことがあるのです。つきましてはお時間が空き次第、ハナコさんを経由しお互いの日程の調整がしたいのですが、いかがでしょうか……』
「おいハナコ」
「はい?」
「わっぴ~」
「ブフッ」
吹き出しおったなこやつめ。
「ふふふふ……テツヤ君、無表情は反則ですよ……」
「反則もなにもあるかい。歌住さんに手紙出させたのもお前だな?」
「だって、ボーイミーツガールの始まりが手紙のやり取りって面白いでしょう?」
「面白がってる暇が……」
「多分にありますよ? テツヤさんが早めに話してくれたおかげで色々と準備できましたから」
ハナコは変人である。
優秀な頭脳を備えた人間は変人が多いと聞くが、ハナコはその代表例だ。
人をからかって遊ぶ、子供のような癖がある。
歌住さんの冒頭の挨拶も、きっとこいつの入れ知恵だろう。
「アズサちゃんとコハルちゃんの勉強は私とヒフミちゃんが見ますから、行ってきてください」
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シスターフッドの拠点は、トリニティ内の大聖堂にある。
シスターというだけあって、聖堂を行き来する生徒はシスター服に似た制服を着用している。
俺は大聖堂の入り口で待っているという案内役の生徒に出会った。
ヴェールに隠れた猫のような耳が特徴的な生徒は、俺の姿を見ると駆け寄ってくる。
「新条テツヤさんですね?」
「ああ、君は伊落マリーさん?」
「はい。サクラコ様は聖堂の中にいらっしゃいます。こちらへ」
「わかった」
伊落さんの先導で俺は大聖堂へと足を踏みいれる。
中は人払いがされているようで今は誰もいないようだ。
綺麗なステンドグラスから差し込む光が聖堂の内部を照らしている。
その中央に佇む人物が、静かに待っていた。
「ようこそ、新条テツヤさん。あなたの……アギトのキヴォトスへの帰還を心よりお祝い申し上げます」
……どうやら、シスターフッドはアギトについて知っているらしい。
アギトの先輩、あなたいったいどんな扱いを受けているんですか。
俺はちょっと気分が重いです。
こうも畏まった対応をされるのは本当に困る。
だって俺は何もしていないんだから。
この厳かなムードをとにかく終わらせたい……そうだ。
「わっぴ~」
「……! わっぴ~!」
「え? ど、どうされたんですか、お二人とも……?」
「新しい挨拶だよ。ほら伊落さんも。わっぴ~」
「わ、わっぴ~?」
すごい破壊力だ。
完全にさっきの雰囲気が死んだぞ。
わっぴ~……なんて素晴らしい挨拶なんだ。
シロコたちにも今度やってみよう。
「俺に話があるって話でしたけど……」
「はい。近頃トリニティに何やらよからぬ噂が漂っているのです。それもあなたについて」
「俺の?」
「ええ。あなたがゲヘナの送り込んだ尖兵なのではないかと」
なんだそりゃ。
ゲヘナなんて縁があるのは風紀委員くらいのものだ。
それにしたって、精々が賞金首になったゲヘナ生を引き渡す時くらいだし。
「事実無根なうえに笑えもしない噂だな」
「はい。どうやらトリニティ内派閥のパテル派がその噂の発生源のようです」
「パテル派?」
「聖園ミカさんの派閥ですね。トリニティ内ではいわゆる過激派の部類に入る派閥です」
聖園ミカ。
正々堂々とした嫌なヤツ。
あれ以来顔を会わせていないが、よもや過激派の筆頭とは。
「そもそもなんでゲヘナ? エデン条約にあやかってるのか?」
「いえ、違うと思います。ゲヘナ生の特徴は爬虫類の翼と角ですから……」
伊落さんが言いづらそうに小さい声で呟いた。
え、なに?
変身したアギトの姿がゲヘナっぽいってこと?
ゲヘナどころか人にも似つかないと思うんだが……いや、そういえば剣先さんとの戦いの時にギャラリーが大勢いたな。
単純に怖がられた可能性はあるか。
聖園何某もゲヘナよりゲヘナらしいとほざきやがったし。
ゲヘナ嫌いの気があるトリニティの過激集団ならそんなこともするのか。
「あなたを力づくでトリニティから追い出そうとする輩も現れるかもしれません。外出の際はご注意を。ティーパーティーの一人が絡んでいるのならば、正義実現委員会も味方とは言い切れませんから。もし何かあるようでしたら、この聖堂に逃げ込んでいただいても構いません」
「それはありがとう。今日はその忠告のために呼んでくれたのか?」
「それもありますが、もう一つ。あなたに見せたいものがあるのです。地下へ行きましょうか」
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聖堂の一角に地下への入り口があった件について。
RPGものの定番みたいだな。
地下には電気が通っているようで、至る所に電灯が配置されていて思った以上に明るかった。
壁もコンクリート製。
サクラコさんの話によれば、元々あった古い地下室を改築したらしい。
至る所に胸像や書物が置かれている。
美術館の裏側ってこんな感じなんだろうか。
「見せたいものはこれです」
サクラコさんが指差したのはカバーがかけられたケースだった。
カバーがかけられているので中身は見えない。
サクラコさんがカバーに手をかける。
気持ち悪い。
……なんで俺は今、気持ち悪いって考えたんだ?
カバーが完全に外されると透明なケースに入った物体が明らかになる。
「これは───」
───それは生き物の頭部だった。
鷲と人間の顔が混ぜ合わさったような、奇怪な生き物のミイラであった。
「なんなんだ、これは……」
「天の厄災、その頭部として伝わっているものです」
朽ち果てている。
それは見てわかるのに寒気が止まらない。
首だけの状態でこれなら、全身が集まっていたら思わず変身していたかもしれない。
「それは昔のキヴォトスでアギトに倒されたって話の……」
「はい。シスターフッドが前身のユスティナ聖徒会……それ以前の組織から代々受け継いできた遺物です。私たちは天の厄災の復活を阻止することを命題として掲げ、トリニティ内でも独立した派閥として活動を続けてきました」
「待ってくれ、復活? この状態から生き返ると?」
「いいえ。確かに天の厄災はアギトの手によって倒されたと伝わっています……しかし、その遺骸は残りました。幾度も処分を試みたそうですが、その遺骸は決して滅することができなかったそうです。かつてのトリニティは万が一の事態を考えて、その遺骸を守り、見張ることにしたのです」
「じゃあ、首から下は?」
「……それが、ここにお呼びした最大の理由です」
サクラコさんは不安げな表情を隠しきれていない。
マリーさんも同じだ。
いったい首の下になにがあったのか……
「私たちは首から下は長い歴史の中で自然と姿を消したのだと考えていました。しかし、セイアさんやハナコさんの話を伺い、シスターフッドが持つアリウスについての資料を確認する中で……私たちは首の下がどこにあるのかを突きとめました」
「まさか……」
「首の下は、アリウスにあります。そしておそらく───アリウスは、天の厄災をトリニティの復讐に利用しようとしている」
「なんで、そう考えたんだ?」
「マリーが見たのです……このミイラが動くところを」
何だと?
俺は驚いてマリーさんの顔を見る。
先ほどまで不安げだった彼女の顔は蒼白で、ひどく怯えているようだった。
「最初は見間違いだと思ったんです。ミイラが瞬きを……ましてや身じろぎなんてするはずがありませんから。でも、私の目の前で……はっきりと、この頭部は動きました」
今も視界の中にあるミイラは動く気配など微塵もない。
この頭だけのミイラが動いたというのか……?
「アリウスは得体の知れない大人によって支配されていると聞きました……もしかしたら、その大人が天の厄災に目を付けたのかもしれません」
「マジかよ……」
大人に支配された学校に天の災厄。
首の下がどんな形で利用されたかわからないが、胴体から離れた頭が動くなんてただ事ではない。
最悪、首と胴がくっついて……いや、考えたくもないな。
「これ、俺が壊してもいいか?」
トリニティが処分できなかった物をどうにかできるかはわからないが、何もせずに待つのも得策とは思えない。
ならば即刻この頭だけでも破壊するべきだ。
「……できるのならば」
「わかった……変身」
肉体が戦士へと変わる。
俺はガラスケースの蓋を外すとミイラを持ち、地面へとゆっくり下した。
「───!」
体に駆け巡る力を右の拳へ。
強い輝きを放った拳をゆっくりと掲げ、
「ハアッ!!」
その拳をミイラ目掛けて叩きつけた。
ミイラは木っ端微塵になった。
……?
木っ端微塵になった……え、あっさりと破壊できたんだけど。
「「…………」」
「こ、壊せたんだけど……」
「……壊せなかったはず、なんですけど」
サクラコさんは苦笑いを浮かべている。
「で、でもこれで厄災が復活することはないってことじゃないですか。やりましたね、テツヤさん!」
マリーさんは引きつった笑みを浮かべながらも、俺の行動を称賛してくれた。
そうだ、これでいい。
これでキヴォトスの厄災が復活する目は摘んだ。
あとは胴体を俺が同じように始末をつければいい。
「どうしよう、理由が増えちまったな……」
天の厄災の遺骸。
セイアが支持する殴り込みをしないと、キヴォトスの危機かもしれない。
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「今日はありがとう。時間が空いている間に知れてよかった」
「いえ、こちらこそ。シスターフッドの命題、その解決の目途が立ったのですから。むしろこちらから礼を言わなければなりません」
サクラコさんとマリーさんと別れた俺は、合宿所へと戻った。
……いや、戻ろうとした。
「いたぞ! ゲヘナだ!」
「トリニティから出ていけ! このバケモノがぁ!」
サクラコさんの忠告は正しかった。
まさかこんな堂々戦いを挑まれるとは思わなかったが。
過激派っていうか、アビドスの不良と変わらないじゃねえか。
『大丈夫ですかテツヤ君?』
「ああ、大丈夫。問題ない」
敵の射線を掻い潜り、その腹に拳を叩き込む。
「ぐはッ!」
「お前!」
照準を定めるのが遅すぎる。
撃ってきた敵の背後に飛んで回り、その頭を掴んで地面に叩きつける。
「ぶえッ!」
「終わった。今戻る」
嫌がらせにしてはレベルが低い。
道中で寄ったケーキ屋の袋を持って、俺は合宿所への道を急いだ。
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三回目の模擬試験が始まる。
先生監修の普通のテストよりもちょっとレベルの高いテストだ。
これを乗り越えられたら60点なんて簡単に取れる。
「……よし」
「これは……確かこうで……」
アズサとコハルの様子が違う。
一、二回目の模試は一つ一つの問題で手が止まっていたが、今は中々のスピードで問題を解いている。
見守る先生と俺も、これにはニッコリだ。
確実にレベルは上がっている。
贔屓目抜きにして、今のみんなには試験を合格できるポテンシャルはあるだろう。
問題は、桐藤さんの妨害がどの程度なのかである。
『ナギサさんは用意周到です。確実に不合格にさせるためにそもそもテストを受けさせないようにするはず……』
『そこまでやるのか?』
『はい、ナギサさんですから。テスト会場や日時……動かせるものは全て動かして、私たちを邪魔するでしょう、しかし、私たちにはテツヤ君と先生がついています。どんな策だろうと乗り越えて、ナギサさんに『全員合格』の文字を叩きつけてやりましょう』
ハナコは既にテスト会場の変更予定地にいくつか目星をつけていると言っていた。
俺たちも急な日時の変更に調子を崩されないようにいつでも動ける準備はしている。
みんなはどんな妨害が待っていようが、必ず試験は受けてやるとやる気だ。
「はい、そこまで。テストの回収を始めるよ」
先生が手早く採点を進めていく。
この短期間で採点のスピードが上がったのだ。
今では4人の採点に5分もかからない。
それでいて精度は確かなのだから、流石は先生だ。
「じゃあ、三回目の模試の結果発表だ。まずはアズサ。おめでとう、64点だ」
「やった……!」
「コハルも60点。合格だ」
「ぎ、ぎりぎりだったわ……」
「ハナコは100点、よく頑張ったね」
「うふふ、勉強は得意ですから」
「ヒフミは75点だ」
「……やった、やりました! ついにみんなで合格点を取りました!!」
達成感が場を包む。
補習授業部メンバー全員が合格点をとった。
しかもちょっと難易度が上がったテストでだ。
「みなさんいい成績だったので、約束通りモモフレンズのグッズを贈呈します」
「ほ、本当にもらっていいのか……?」
「はい。もちろんですアズサちゃん!」
さらにモモフレンズグッズでやる気をブースト。
これでテストは問題ない。
「……あとは、二次試験だな」
桐藤さんの策を俺たちは打ち崩すことができるだろうか。