ところが、魔理沙に置いてかれてしまい、
途方に暮れていたとき、大図書館にて
パチュリーと出会った。
そんなときに突然ある少女が現れたのだが…。
今日はここから話していくぜ。
「い、いつの間にそこにいたんですか!?」
アイは思わずそう言った。
「たった今ですよ。」
少女はそう言ったが、たった今にしては
すぐすぎる。まるで時間を止めてから
移動してきたかのような感じだった。
するとその人が続けてこう言った。
「ひとまずついてきて。あなたに任せたいことがあるの。」
「な、何の話ですか…?」
アイは困惑しながらも彼女についていった。
…パチュリーも同行する形で。
さて、少女に案内されているとき、
アイは彼女の容姿を見ていた。
銀髪のボブカットに、
もみあげ辺りから三つ編みを結っている髪型で、
その三つ編みには緑色のリボンを付けていた。
青と白を基調としたメイド服を着ていて、
そのメイド服のスカートは膝丈辺りと
ある程度のミニスカとなっていた。
頭にはホワイトブリムと呼ばれるものを装着していて、
身長は海志とほぼ同じと言ったところだろうか。
さて、3人は扉の前についた。
「あ、あの~…。あなたはいったい…?」
アイがそう聞こうとした瞬間、
少女はアイの方に向いてこう言った。
「到着しました。今からあなた様はお嬢様と話をさせていただきます。」
アイは一瞬ビクッとした。
無断でこんなところに入った以上、
それ相応のお叱りを受けるのだろうと感じたからだ。
だが、アイはすぐに平然とした態度を戻し、
その扉につながるであろう部屋に入った。
部屋に入ると、そこには先ほどメイドが述べていた
お嬢様らしき人物がいた。
薄紫色と水色が混じったような青髪に真紅の瞳。
身長は魔理沙よりも低く、10歳くらいの女の子のよう。
だが、背中にコウモリに似た大きな翼を持っていた。
薄いピンクの色をしたナイトキャップを被っていて、
そこに赤いリボンを結んでいる。結び目は右側で、
よく見ると白い線が一本入っている。
衣服もまた、薄いピンク色を基調としていて、
袖や腰、丈が足まであるスカートなどに
赤いリボンを身につけていた。
「お嬢様。侵入者を捕らえました。」
そのメイドは優しくその少女に報告した。
「あら。でもこの侵入者、幻想郷では見ない人ね。」
と、その少女が言った。
アイは困惑していた。なんせこの館の住人らが
これから何をするのか分からなかったからな。
ところが、メイドはしれっとこんなことを言った。
「そうだ。この侵入者を働かせるのはどうでしょうか?」
これにはその場にいた者全員が驚いた。
もっとも、アイは彼女が
予想の斜め上な提案をしたことに対して、
逆に危機感を覚えてしまった。
そりゃ『何か裏があるのでは?』
って勘ぐってしまうのは分からんでもないよな…。
さて、パチュリーがこう言った。
「どうしてそんな提案を?」
「パチュリー様の治療をしていたからですよ。」
メイドは優しく微笑みながらそう言った。
これにはパチュリーも納得したのか、
「なるほど…。」
と、つぶやいた。
だが、お嬢様は思いきり反対した。
「何言ってるのよ!?ここに被害が及んだらどうするつもりよ!」
そのお嬢様は半ば幼稚な口調でこう言う始末。
ところがメイドは
「まずは妹様の面倒を見させます。」
と、きっぱりそう言った。
お嬢様は一瞬絶句したが、
メイドがたった今言ったことに対しては
納得した感じだった。
…まあ、それでもしぶしぶ受け入れた感じだったが。
さて、メイドは先ほど言っていた「妹様」の部屋に
アイを案内させていた。
「あのー…。どうして私なんかを…?」
アイが言った。するとメイドは
「アイ様のその性格はお嬢様たちに
気に入られると感じたからですよ。」
と言った。
「えっ、何で私の名前を!?」
アイは驚いた。そりゃ初対面の人だからな…。
ところがそのメイドは
「ああ、パチュリー様から詳細を聞いていました。」
と、平然とそう言った。
「パ、パチュリーさんから…。」
アイは納得した。だが、このメイドは誰なんだろう。
そう思っていたそのとき。
「そういえば、申し遅れていましたね。」
と、メイドが突然言った。
「私は十六夜咲夜と言います。
ここ紅魔館のメイドを務めています。」
そのメイド…。いや、咲夜は続けてそう言った。
アイはなんとなく状況を把握した。
私は今、紅魔館と呼ばれる洋館に迷いこんだこと。
なんだかんだ咲夜さんが事実上私自身を保護してくれたこと。
そう考えてしまったアイは
少し複雑な思いになってしまった。
なんてことを考えてるうちに
咲夜が突然、
「さて、妹様の部屋につきました。」
と言った。アイは考えるよりも先に
そのドアの先へと入っていった。
次回、館の住人たちの後編。
お楽しみに。